お茶にはいろいろな種類があり、味わいも香りもそれぞれ特徴が異なります。お茶に興味を持ち始めた大人の男性は、お茶の種類やそれぞれの違いをまず知ることから始めましょう。今すぐ飲みたくなるお茶の魅力とお茶の基礎知識を紹介します。
お茶の葉は多くの楽しみ方がある
お茶には緑茶や中国茶、また紅茶など多くの茶葉の種類があります。それぞれ味わいや香りが異なり、多くの楽しみ方があります。
ここでは、お茶について解説します。
体にうれしい栄養が含まれるお茶
日本でよく飲まれている緑茶には、カテキン・カフェイン・アミノ酸のほか、ビタミンやサポニンなどの栄養素が含まれています。
カテキンは、ポリフェノールの一種で、昔からタンニンと呼ばれてきた緑茶の渋みの主成分です。虫歯予防や抗菌作用、血中コレステロールの低下などの効果が期待できます。
カフェインは、お茶の苦みに寄与する成分で、脳の中枢神経に興奮させる作用をする覚醒作用や利尿作用があると言われています。
アミノ酸は、お茶の旨味に寄与する成分です。お茶に含まれるアミノ酸の半分以上がテアニンで、興奮抑制作用があります。そのため、お茶に含まれているカフェインの覚醒作用を緩やかにとどめる働きをしています。
また、抗菌・抗ウイルスに有効なサポニンや、さまざまな種類のビタミンも含まれています。特に煎茶は生活習慣病の予防に重要なビタミンCが豊富です。
緑茶と紅茶の大きな違いは、発酵
お茶にはいろいろな種類がありますが、発酵しているかどうか、また発酵の進み具合などによって下記の4種類に分類されます。
- 不発酵茶(煎茶・番茶・玉露・釜炒り茶など)
- 半発酵茶(ウーロン茶など)
- 発酵茶(紅茶など)
- 後発酵茶(プーアル茶・碁石茶など)
茶葉には酵素が含まれており、その酵素を発酵させずに蒸す・釜で炒るなど熱を加えて酵素を不活性化させて作ったものが『不発酵茶』です。日本で昔から飲まれている緑茶は発酵させずに作られています。
『半発酵茶』とは、酵素による発酵を途中で止めて作ったお茶です。さらに、発酵具合によって白茶・黄茶・青茶に分けられます。
酵素による発酵が完全に進んだ後に作られるお茶が『発酵茶』です。紅茶は、この発酵茶です。
『後発酵茶』とは、茶葉の酵素ではなく乳酸菌などの微生物によって発酵させて作られるお茶のことです。よく知られているお茶のなかでは、中国のプーアル茶があります。また、国内での高知県の『碁石茶』や徳島県の『阿波茶』などもこの後発酵茶の分類です。
日本でお茶と言えば緑茶、海外は紅茶
日本でお茶と言えば『緑茶』を意味します。しかし、お茶は英語に訳すと『tea』で、海外では紅茶のことを意味します。紅茶は、世界で最もよく飲まれているお茶で、世界のお茶の生産量の約8割が紅茶です。
また、紅茶は世界各国で飲み方にも違いが見られます。砂糖・ミルクなどを加える飲み方が一般的です。また、ハーブやスパイスを加える地域もあります。
中国茶や緑茶などは、一般的に何も加えずにストレートで飲みます。
このように飲む地域によって、お茶の楽しみ方はさまざまです。
ほっと落ち着く日本茶
疲れた時に、ほっと一息つきたい!そんなときに『日本茶』を飲むと落ち着く人も多いのではないでしょうか?
日本茶にも煎茶・玉露・抹茶などたくさんの種類があります。ここでは、日本茶の種類と味の違いについて解説します。
日本茶の種類はこんなに
日本茶は、栽培方法によっても、それぞれ種類が分かれます。日本茶の主な種類は下記のとおりです。
栽培方法 | 露天園で太陽の光をいっぱい浴びて育つ | 茶摘み前約20日間光を遮断する覆下園にて育つ | ||||
種類 | 番茶類(玄米茶・ほうじ茶・柳)・煎茶 | 玉露・抹茶 |
味の違いが現れるポイント
味の違いは、露天園・覆下園によっても異なります。露天園で育った茶葉は、渋みと甘みがバランスよくさっぱりとした味わいです。また、覆下園で育った茶葉は、まろやかな旨みが味わえます。
手摘みと機械摘み
茶摘みには、『手摘み』と『機械摘み』の2つの方法があります。手摘みは、茶の最上部の芽と2枚の葉である『一心二葉』の方法で摘むことが多く、硬い下の茎や葉はあまり含まれません。
また、機械摘みに比べて葉切れが起こりにくいため、高品質で味わいがよいのが特徴です。
新茶と熟成茶
春の『新茶』と、秋に売り出される『熟成茶』の味わいの違いについて説明しましょう。
昔は、新茶と言えば壺を使い、茶蔵や氷室などに保存していましたが、近年は味や品質も低温倉庫で1年中美味しくキープできるようになっています。
壺の中で味をまろやかに熟成させた熟成茶は、新茶ならではの『香り』はありません。しかし、お茶の味のカドがなくなり『まろやかな旨み』がより感じられるのが特徴です。
日本茶の品種3選と特徴
日本茶にはたくさんの種類があり、それぞれ特徴が異なります。ここでは、日本茶の品種3選とそれぞれの特徴を紹介します。
日本で最も飲まれる緑茶 やぶきた
日本で最も飲まれている品種は『やぶきた』です。やぶきたは、日本でよく飲まれている煎茶の約8割を占めており、栽培のしやすさ、製茶での茶葉の形のよさ、色沢や香味のよさなどで総合的に優れているのが特徴です。栽培面積は約75%を占めています。
さわやかで香りが深く、旨味と渋みのバランスがよいです。
ほんのりとした甘さが特徴 ゆたかみどり
やぶきたに次いで栽培面積が多いのが『ゆたかみどり』です。濃い緑色とほろ苦さの中にほんのりとした甘さが味わえます。
上品でリッチな飲みごたえ さえみどり
鹿児島を中心とした九州各地で栽培されている『さえみどり』は、『やぶきた』と『あさつゆ』を交配させて生まれた品種です。
明るい緑色と旨味が特徴で、渋みがあまりありません。上品でリッチな飲みごたえが楽しめます。
お茶大国の中国茶
お茶の消費が世界で最も多い国である中国には、『中国茶』と呼ばれるお茶があります。半発酵させたウーロン茶などは、日本でもよく飲まれているので知らない人はいないのではないでしょうか?
ここでは、中国茶について解説します。
大きく6種類に分類される
中国茶は、大きく分けると6種類に分類されます。これらの分類は、発酵の進み具合によって分けられています。6種類は下記のとおりです。
- 緑茶(リョクチャ)・不発酵茶
- 白茶(パイチャ)・弱発酵茶
- 黄茶(ファンチャ)・弱後発酵茶
- 青茶(チンチャ)・半発酵茶
- 紅茶(ホンチャ)・発酵茶
- 黒茶(ヘイチャ)・後発酵茶
中国の緑茶と烏龍茶は日本と違う?
中国でも緑茶が生産されています。その量は総生産量の約7割にもなり、烏龍茶よりもはるかに多いです。
中国の緑茶は、基本的な製造工程は日本と同じです。しかし、最初の工程である加熱方法が異なります。日本の緑茶の大多数が『蒸す』方法で加熱するのに対し、中国緑茶のほとんどは『釜で炒って』加熱しています。この加熱方法の違いこそが、日本と中国の緑茶の茶水の色・味・香りに大きく影響しているのです。
また、日本でよく飲まれる烏龍茶は、ペットボトルに入ったお茶に代表される味が主ですが、実際に中国で飲まれている烏龍茶は、緑茶に近いものやまるで紅茶のようなものまで、幅広くあります。
茶葉にお花の香りが付いたジャスミン茶
中国茶のなかには『花茶』と呼ばれる緑茶や白茶、青茶などに花や果実を混ぜ、香りを付けたお茶があります。『ジャスミン茶』がその代表格です。
ジャスミンの花をお茶に用いる取り組みは、南宋(1240年)の頃、広東省で始まりました。明の時代になり、ジャスミンの花の香りを茶葉に吸着させる技術が劇的に革新され、香り豊かなジャスミン茶が飲まれるようになります。
最近の日本では、中国茶のなかでは烏龍茶が最も多く飲まれていますが、以前はこのジャスミン茶の輸入量が最も多く、たくさんの日本人が愛飲していました。
世界中で愛される紅茶
お茶の中でも、世界で最も飲まれている『紅茶』は、世界各地で生産されています。そのなかでも、インドの『ダージリン』、スリランカの『ウバ』、中国の『祁門(キーモン)』は世界三大紅茶といわれる銘茶です。
紅茶の銘柄と種類
紅茶には品種で大きく分けると、熱帯性の喬木(キョウボク)大葉種である『アッサム種』と、温帯性の潅木(カンボク)小中葉種である『中国種』の2種類です。
主な銘柄は、世界3大紅茶を含めた下記の5種類です。
- ダージリン
- アッサム
- ウバ
- ヌワラエリア
- キーモン
日本では、紅茶と言えば『ダージリン』と『アールグレイ』がよく知られています。しかし、ダージリンは銘柄ですが、アールグレイはベルガモット(柑橘系)の香りをつけたフレーバーティーの1種であり、茶葉の銘柄ではありません。アールグレイと言っても、使う茶葉によっても味わいが異なります。
洋菓子にぴったり。組み合わせを楽しもう
紅茶はイギリスのアフタヌーンティーなどでもよく飲まれる、洋菓子にぴったりのお茶です。
クッキーやパウンドケーキなどのバター系の焼き菓子には、ドライフルーツや花びらなどを茶葉に加えたアールグレイ・アップルティー・ピーチティーなどのフレーバーティーがよく合います。
また、マカロンのような甘味が強い焼き菓子には、濃厚な味わいのミルクティーやロイヤルミルクティーを合わせるとよいでしょう。
洋菓子との組み合わせを楽しめるのも紅茶の魅力の1つです。
ハーブティーとの違いとは
紅茶売り場などでよく見かける『ハーブティー』と紅茶の違いはいったい何なのでしょうか?
大きな違いは、お茶の木の茶葉を使っているかどうかという点です。紅茶は茶葉を発酵させて作られていますが、ハーブティーは茶葉を使用せずに植物の葉や茎などを使って作られています。そのため、茶葉を使用していないお茶であるハーブティーは紅茶ではありません。
しかし、最近ではハーブと茶葉を組み合わせて作ったフレーバーティーも販売されています。このようなタイプは、茶葉を使っているため紅茶と分類されます。
その他海外のお茶の種類
今まで紹介したお茶以外にも、世界各国で親しまれているお茶がたくさんあります。日本ではあまり見かける機会の少ない海外のお茶のなかにも、古くから健康によいとされ飲まれているものも多いです。
ここでは、その他の海外のお茶の種類を3つ紹介します。
韓国の健康茶 コーン茶
韓国では健康茶として飲まれている『コーン茶』は、女性に不足しがちな鉄分を豊富に含んだお茶です。トウモロコシの種で作られているため、香ばしい風味が特徴です。
コーン茶には、水溶性食物繊維が含まれているため便秘解消にも効果があると言われています。また、むくみ解消・美肌・糖尿病予防にも役立ちます。
東南アジアでは親しみ深い グァバ茶
グァバの木は、古代インカでは『聖なる木』として珍重されており、グァバの葉を使った『グァバ茶』は、沖縄をはじめ中国や台湾などでは昔から親しまれてきました。
グァバの葉には『グァバ葉ポリフェノール』と呼ばれるグァバの葉特有のポリフェノールが含まれています。このポリフェノールは、腸内での糖の吸収を緩やかにする効果があると言われています。
日本ではあまり見かけることがありませんが、東南アジアでは街中でよく販売されているので簡単に購入可能です。
フィリピンが誇る バナバ茶
フィリピンが誇る『バナバ茶』は、熱帯地方に生息するバナバのなかでも、フィリピン産のバナバの葉は肉厚で質も風味も最高レベルです。
バナバ茶の主成分であるグリコース・グリコキニン配糖体が血糖値を下げる働きがあることから、ダイエットティーとしても人気があります。また、ミネラルを豊富に含んでいるので、神経痛改善・胃腸病予防・便秘解消などの目的で飲む人も多くいます。
美味しいお茶が買えるお店をご紹介
美味しいお茶が飲みたい!そんな人は、専門店で美味しいお茶を買って自宅でのんびりと味わってみましょう。
ここでは、インターネットでも美味しいお茶が購入できるお店3選を紹介します。
緑茶からハーブティーまで ルピシア
『ルピシア』は、年間400種類以上もの茶葉を取り扱うお茶の専門店です。緑茶から紅茶、フレーバーティーまで世界中の幅広い種類のお茶を販売しています。
また、お茶の木以外の植物の葉や茎、根などで作られた健康的なお茶を『ウェルネス』と分類し、国産野菜や植物で作った珍しいお茶『健康野菜茶』や、南アフリカの『ルイボスティー』なども取り扱っています。
かわいらしいデザインの缶入り紅茶は、ギフトにも最適です。
国内外に約140店舗を構えているだけでなく、オンラインストアのサービスもあるので、近くに店舗が無い場合にはインターネット通販を利用すればいつでも好きなお茶を購入できます。
- 店舗名:LUPICIA 自由が丘本店(ルピシアジユウガオカホンテン)
- 住所:東京都目黒区自由が丘1-25-17
- 電話番号:03-5731-7370
- 営業時間:9:00~20:30
- 定休日:不定休
- 公式HP
表参道のお洒落な中国茶の店 遊茶
表参道に店を構える『遊茶』は、外観・内観ともにお洒落な中国茶のお店です。遊茶で取り扱っているお茶はすべて、中国・台湾・日本各地の特定した産地で育てられた茶葉のみを使って作られています。
茶類の種類に合わせて、それぞれ1年で最も高い品質のお茶ができる時期を逃さずに製茶されているため、香り・味わい・色などすべてにおいて最高レベルの中国茶を購入できます。
茶葉のほかにも、品質にこだわった茶器の販売もしており、店舗では中国茶の入れ方講座などのレッスンも開催しています。
- 店舗名:遊茶(ユウチャ)
- 住所:東京都渋谷区神宮前5-8-5
- 電話番号:03-5464-8088
- 営業時間:11:00~19:30
- 定休日:年中無休(年末年始を除く)
- 公式HP
最高級の逸品、山下玉露を扱う 舞妓の茶本舗
『舞妓の茶本舗』は、お茶の仕入れ・製造から販売まで、味や品質にこだわった美味しいお茶が購入できる京都のお店です。玉露をはじめとする香り高い緑茶・抹茶・煎茶のほか、ほうじ茶・玄米茶など京都の最高級のお茶が種類豊富に揃います。
玉露のなかでも最高級の逸品『山下玉露』を取り扱っていることでも有名です。山下玉露は、玉露本来の甘味・旨味が強く、渋味・苦味を全く感じさせません。
本当に美味しい日本茶を探し求めている人は、ぜひ1度購入してみてください。店舗には、お茶に詳しいスタッフが常勤しているため、初心者の人は気軽に相談してみましょう。日本茶本来のおいしさを存分に味わえるはずです。
- 店舗名:舞妓の茶本舗(マイコノチャホンポ)
- 住所:京都府京田辺市普賢寺上大門2-1
- 電話番号:0120-71-0077
- 公式HP
お茶を知れば、もっと食生活を満喫できる
いろいろな種類のお茶を知ることで、料理に合ったお茶が選べ、食事と一緒にお茶を楽しめます。
また、お茶には健康をサポートする栄養素も多く含まれているので、普段からお茶を取り入れて食生活を満喫させましょう。