写真の構図の基本。写真が上手くなる構図のパターンとポイント

2019.02.19

写真を撮影した後に色調や明暗などを調整することはできますが、変えることができないのが『構図』です。構図次第で写真の印象は大きく変化します。ここではそんな構図について、いくつかの種類と特徴、撮影時のポイントを紹介していきます。

まずは知っておきたい構図の基本

写真の構図は、初心者からステップアップを図りたい人に重要なポイントです。そんな構図ですが、具体的になんのことを指しているのでしょうか? まずは、構図の基本的な知識について紹介していきます。

構図とは?

一見、何のことを言っているのか判断しにくい『構図』という言葉ですが、構図とは『写真の枠内における被写体の位置関係』のことを言います。もっと簡単に言うと、写したいものを、どの位置に配置するかということになります。

メインの被写体をどこに配置するか、背景をどうするか、全体的なバランスなど、一枚の写真の中にもいろいろな要素が詰まっていて、それらすべてで写真の構図が決定されています。

写真の印象を変える構図の力

写真は、構図次第でさまざまな表情を見せます。被写体の位置だけでもメッセージ性が変わってきますし、写真全体の明るさ次第で全体的な印象もガラッと変わります。こだわってくると、1cm・1mm単位の差で全体の印象に微妙な変化が表現されるため、知れば知るほど興味深く、自分のイメージを明確に映し出すために必要な要素と言えます。

構図に著作権はあるの?

写真の印象を決定づける構図ですが、そんな構図には、著作権があるのでしょうか? 実は、写真の構図には、著作権がある場合とない場合があります。

まず、監視カメラや記録用の映像など、撮影者に創作意図がない写真の構図には著作権が発生しません。逆に、撮影者が表現物として創作した写真自体には著作権が発生します。

以上のような事例以外で、例えば風景を撮影した写真の構図に関する問題があります。風景の写真(自然の写真)では、被写体を動かすことができません。自然は誰のものでもないため、風景を撮影した写真に関して、著作権は発生しないものとされています。

魔法の構図、三分割法

ここまで、構図に関する基本的な知識を紹介してきましたが、ここからは、いくつも存在する構図について、その特徴と作品例を紹介していきます。まずは『三分割法』について紹介します。それぞれの構図ごとに特徴が異なり、表現できるイメージも変わってくるため、基本的な構図は覚えておくといいでしょう。

三分割法の特徴

構図を覚える際、初心者もまず覚えておきたいのが『三分割法』です。三分割法ではまず、写真を縦・横にそれぞれ三等分します。それぞれ三等分した線の交差する点に写したい被写体を配置するだけで、全体としたまとまった印象の写真に仕上がるという構図です。

三分割法で注意しなければいけないのが、三等分している線と写している景色との角度です。例えば、海や山など、線になるものを撮影するときは、きちんと水平と垂直を意識して撮影しないとバランスがおかしい写真ができ上がってしまいます。

それを意識して撮影すれば、簡単にまとまりのある写真を撮影することができるため、初心者にもおすすめの構図です。

三分割法は黄金比が元

写真の構図には、最も美しく見える比率として『黄金比』と呼ばれるものがあります。この黄金比のことを『ファイ』と呼び、黄金比をベースに写真を分割する線をグリッドと呼ぶのですが、実は、三分割法は、このファイとグリットを分かりやすく簡略化したものだとされています。

ファイ・グリッドで写真を分割する際は『1 : 1.618 : 1』に分割するのに対し、三分割法は『1 : 1 : 1』で写真を分割します。三分割法は黄金比が元になった構図でもあるため、しっかりマスターするとそれだけで美しく見える写真を撮影する手助けをしてくれます。

三分割法の作品例

三分割法を使った作品について考えていきましょう。

例えば、一輪の花を被写体に撮影するとき、縦横三本の線で画面を分割した交点に花の中心(茎ではなく花芯)を持ってくるとします。

写真枠内の下の方に中心を持ってきてしまうと、上の部分の背景が大きくなり、どちらかというと背景メインの写真に仕上がってしまいます。

このような場合、花の中心を上の交点(左右どちらでも)にもってくると、茎の部分も写真の枠内に入れることができて、背景よりも花を目立たせることができます。

背景に特別魅力的な要素がない場合、できるだけメインにしたい被写体の写真を占める割合が多い方が安定感が生まれます。

三分割法を採用する時は、被写体の中心を上下左右の交点に合わせるだけでなく、背景との割合も考えるとうまくメインを引き立てることができます。

ど真ん中構図、日の丸構図

主役にしたい被写体を写真のど真ん中に配置する構図が『日の丸』構図です。日の丸構図は、何も考えずに写真を撮影したときに自然となりがちな構図だとされています。

そのため「日の丸構図は避けた方がいい」と言われることもありますが、しっかりと撮影すればそんなことはありません。むしろ、被写体への思い入れを一番伝えやすい構図なので、しっかりと特徴を理解して意図的に使いこなせるようにしましょう。

日の丸構図の特徴

前述したように、日の丸構図は、主役をど真ん中に配置する構図です。そんな日の丸構図を意図的に使いこなすにはいくつかのポイントがあります。

1つ目は、被写体と背景との差をはっきりさせるという方法です。被写体と背景が同化してしまうと、せっかく真ん中に持ってきた主役が目立ちません。被写体を無駄なく際立たせるために、背景との差をしっかりつけると効果的です。

2つ目が、被写体の持っている存在感を利用するという方法です。そもそもの存在にインパクトがある被写体を撮影するときは、変に配置を気にして撮影するよりも、ど真ん中に持ってきてしっかりとその存在感を発揮させた方が効果的です。

日の丸構図の作品例

自分が写真を撮影した意図を伝えやすい、メッセージ性が分かりやすい写真を撮りたいときに使えるのが日の丸構図です。

例えば、指に止まっているトンボの写真を撮影するとき、背景は特に何もない場所だったとします。このような場合、撮影者の意図としては『指に止まっているトンボ』を前面に押し出して伝えたいところです。

その場合は、思い切って被写体をど真ん中に配置した方が、背景のシンプルさと相まって被写体の魅力が引き立ちます。

先ほど説明した三分割法などを使うと、せっかく指に止まっているトンボが枠内の左右どちらかに寄った構図になってしまい、シーンのインパクトが薄くなってしまいます。

安定した絵作りに、二分割法

被写体を絞るというよりも、全体的な絵として美しい写真に仕上げたいときに便利なのが『二分割法』です。二分割法を用いると、全体的にまとまりと開放感のある写真を仕上げやすくなります。ここからは、そんな二分割法の特徴について紹介していきます。

二分割法の特徴

二分割法は三分割法と少し似ていて、写真を2つに分割した構図です。二分割法は三分割法と異なり、メインを絞りづらいときに活用すると便利な構図だと言えます。

美しい景色など、広がりのある被写体を撮影する際は、この二分割法を駆使すると安定感のある写真に仕上げることができます。撮りたい被写体やテーマがはっきり分かれているときは、二分割法を試してみるといいでしょう。

対象のものを配置すればシンメトリー構図に

二分割法は、写真全体を2つに分割して撮影する構図なので、シンメトリー構造を簡単に演出できるという特徴があります。

明るい空と美しい山など、2つとも主役にしたいときに二分割法で撮影すると、両方の良さがうまく対比され、メインが2つあるシンメトリーの写真を演出することができます。写真全体でシンメトリーを表現したいときは、二分割法を活用してみるといいでしょう。

二分割法の作品例

二分割法を使うと効果的な被写体は、前述したような風景や景色です。

この場合の作品例を紹介します。海の写真を撮るとしましょう。広がる地平線とその開放感を表現するときに二分割法はぴったりです。

構図を上下で二つに分けて、上側に空、下側に海と海岸を配置するようにします。それだけで、晴れた日であれば空と海とのグラーデーションも演出することができ、奥行きと広がりのある立体的な写真を撮ることができます。

その他覚えておきたい構図

ここまで、三分割法・日の丸構図・二分割法の基本的な3つの構図について紹介してきましたが、ここからはその他にも知っておくと便利な構図について紹介していきます。

それぞれの構図ごとに特徴があり、いくつかの構図を組み合わせて撮影するという手法もあるので、使えそうな構図がないか早速チェックしてみましょう。

臨場感を演出、放射構図

写真全体に奥行きと臨場感を出したいときに使える構図が『放射構図』です。放射構図では、1つの点を定め、そこから放射状に広がるようなイメージで写真を撮影します。

遠近感を出すことができるため、写真の奥行きを演出できたり、奥行きに向かって視線誘導できるという効果を発揮します。広角レンズを持っていると遠近感が出しやすいため、持っていたら、放射構図を意識してみましょう。

安定感が出る構図、三角構図

写真全体に安定感をもたらすことができる構図が『三角構図』です。三角構図では、写真の中に三角形を入れるイメージで被写体を配置します。

例えば、一見三角形に見えない工場を被写体にするときなどは、カメラを少し煽って撮影することで三角構図を成立させ、安定感を演出します。

この三角構図ですが『逆三角形』をイメージして撮影すると、三角構図とは反対に、写真全体に不安定さをもたらすことができます。2パターンの効果を出すことができるため、使いこなせると便利な構図です。

動きがある写真に、アルファベット構図

全体的に動きがある写真を演出できるのが『アルファベット構図』といい、特に、枠の中にS字を探して撮影した構図を『S字構図』と言います。S字構図を活用すると、写真で遠近感を出すことができるだけでなく、全体的に柔らかい印象を出すことができます。

風景写真の構図ポイント

旅先での絶景や日常風景など、風景写真を美しく捉えられると素敵ですよね? ここまで、さまざまな構図について紹介してきましたが、ここからは、風景写真を撮影するときの構図ポイントを紹介していきます。

簡単な意識だけで写真がぐっと良くなるので、実践してみましょう。

水平で撮影

風景写真を撮影するときの1つ目のポイントが『水平で撮影する』ということです。風景写真だけでなく、基本的にどのような被写体を撮影するときにも共通で、安定感のある写真を撮影するときには水平をとる必要があります。

特に風景写真は、全体的なまとまりと安定感が必要なため、しっかりと水平で撮影するということが1つ目のポイントです。

アングルを変えてみる

水平をとる以外にも、風景写真を撮る際のポイントがあります。それがカメラの『アングル』です。

アングルには、水平アングル・ハイアングル・ローアングルの3つのアングルがあり、前述した水平をとる方法は水平アングルに分類されます。ハイアングルは、高めの位置から撮影するアングルで、ローアングルは低めの位置から撮影するアングルを言います。

このアングルの使い方は、自分が撮影を行うロケーションによって変わるため、撮影場所に合わせてアングルを使い分けるといいでしょう。

人物写真の基本構図

ここまで、風景を撮影する際の構図ポイントについて紹介してきましたが、ここからは人物を撮影するときの基本構図について紹介していきます。

ポートレートを撮影する際に使える、基本的な構図ばかりなのでチェックしてみましょう。

引いて撮るワイドショット

被写体である人物から少し距離を置いて(引いて)撮影する構図が『ワイドショット』です。

ワイドショットでは、人物だけでなく周りも要素の1つとなるので、被写体の個性を引き出せるロケーションを選ぶことで、より人物を引き立たせることができます。

その反面、周囲も考慮して撮影を行う必要があるため、撮影自体の難易度は少し高めの構図です。

上半身とバストショット

人物の腰、もしくは、胸より上を撮影するのが『上半身』と『バストショット』です。人物を被写体にした写真で重要な部位は、目と手だと言われており、この2つの構図では、この重要な部位をより強調して撮影することが可能です。

上半身とバストアップで撮影を行う際は、基本的にシンプルな背景を選ぶことで、より被写体を際立たせることができます。

背景と人物が写真を占める割合がちょうど半分になると、まとまりのある写真を撮ることができます。

顔に焦点を当てたクローズアップ

被写体の顔に焦点を当てた構図を『クローズアップ』と言います。クローズアップでは、基本的に背景がほとんど映らないため、繊細に被写体の表情を写し出すことができます。

クローズアップの写真では、被写体の顔が写真の全体を占めるため、目や表情が非常に重要な要素となります。そのため、カメラのフォーカスは目に合わせておくのが一般的だとされています。

構図の勉強になるおすすめ本

ここまでさまざまな構図の特徴や作品例などについて触れてきましたが、ここからは、より構図についての知識を深めたいときにおすすめの本を紹介します。

さまざまな本の中でも特に勉強になりそうなものをピックアップしたので、参考にしてみましょう。

写真がうまくなるデジタル一眼レフ 構図 プロの見本帳

プロカメラマンが紹介するさまざまな構図を作品例と共に勉強することができるのが『写真がうまくなる デジタル一眼レフ 構図 プロの見本帳』です。

この本では、カメラマンが実際に使う89種類もの構図を紹介されています。画面構成のコツから、露出やぼかしの使い方、色の組み合わせなど、一眼レフを愛用する人に必見の情報が盛りだくさんです。

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写真構図のルールブック

『写真構図のルールブック』では、ここでも紹介してきた基本構図の説明や簡単なテクニックを学ぶことができます。

カメラのアングルや縦位置・横位置、遠近法や視線誘導など、構図法を学ぶこともできるため、初心者におすすめの一冊です。

  • 商品名:写真構図のルールブック
  • 価格:1,706円(税込)
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ナショナルジオグラフィック プロの撮り方シリーズ

シンプルな解説で写真と構図の関係を解き明かしてくれる『ナショナルジオグラフィック プロの撮り方 構図を極める』は、構図に悩む多くの人たちから支持されています。

この本では、プロカメラマンの実体験に基づいたシチュエーションごとの構図の使い方を学べるため、実践的なテクニックを学ぶことができます。

構図の違いでどれだけ作品の印象が変わるのかを300点を越える作品例と一緒に見ることができるのも魅力の1つです。

  • 商品名:ナショナルジオグラフィック プロの撮り方 構図を極める
  • 価格:3,132円(税込)
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構図で写真の幅を広げよう

写真は、構図次第でガラッと印象が変わります。毎回同じ様な写真になってしまったり、被写体の良さをより伝えたいときは、構図を使い分けることで作品の幅を広げていきましょう。

 

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