法事の種類や意味を知ってる?準備やマナーなどの基礎知識

2019.02.15

法事には四十九日や一周忌など、様々な種類があります。日数によって意味合いや内容が異なるため、正しい知識が必要です。法事に参加する場合だけでなく自分が施主となって執り行う場合に備え、法事の種類やマナーについて学びましょう。

法事や法要の種類

法事は故人の命日を起点として、何回も執り行われます。残された人々の負担を考え、とくに重要なものだけを行うことも珍しくありません。法事や法要の種類や、日数を計算する方法をご紹介します。

一般的には追善法要を指す

『追善法要』は生きている人が善行を積むことで、亡くなった人の冥福を祈る行為のことです。一般的に『法事』と言えば、この『追善法要』のことを意味します。

仏教には『六道輪廻』という考え方があります。人間は生きている時に積んだ善行の度合によって、死後6つの世界のいずれかに生まれ変わるという考え方です。

死後の世界にいる閻魔大王様が裁きを下し、どの世界に生まれ変わるのか決まります。仏教の世界では、誰もが必ず人間に生まれ変わることができるとは限りません。

生きている人は、亡くなった人が少しでも良い世界に生まれ変わることを願って供養をするのです。

法要の種類

法事や法要の種類はたくさんありますが、忌日法要と年忌法要に大きく分けることができます。忌日法要は、命日を起点として7日ごとに行う法要のことです。

代表的な忌日法要が初七日や四十九日になります。初七日は亡くなってから7日目に行われるため、葬儀から時間がなく準備が大変です。遺族の負担を減らすために、葬儀の日に初七日の法要をまとめて執り行うケースが増えています。

本来は初七日と四十九日の間に、二七日・三七日・四七日・五七日・六七日があります。しかし、現在では法事としては行われず省略されるのが一般的です。

年忌法要は年ごとに行われるため、年回法要と呼ばれることもあります。亡くなった年の翌年が一周忌です。2019年に亡くなった場合、2020年に一周忌が行われます。

法要を行う日数の計算

法事を行う日数は、亡くなった日を含めて数えましょう。例えば、2月1日に亡くなった場合の初七日は2月7日になります。

日数を勘違いしがちな法事が三回忌です。3年後に行われると勘違いしがちですが、亡くなった年を含めた2年後に三回忌が行われます。亡くなった年を入れて数える点を覚えておきましょう。

一周忌や三回忌は法事の中でも重要度が高く、親族だけでなく故人の親しい友人を招くことも多いため、準備に時間をかけることが一般的です。日数を数え間違えないように注意しましょう。

忌日法要や年忌法要の意味

法事は亡くなってから7日ごと、あるいは年ごとに執り行われます。命日からどれくらいの期間が経過しているかで、法事の意味合いが異なることが特徴です。代表的な忌日法要や年忌法要の意味をチェックしましょう。

四十九日

四十九日は、忌日法要の中でもとくに重要な意味を持つ法事です。故人の命日を含めて数え、没後49日までに行います。

亡くなってから49日目は、生まれ変わる世界が決まる重要な日です。仏教では死後の世界で閻魔大王様が、死者に対して裁定を下す日が49日目とされています。

都合がつけられない場合は前倒しで行っても構いません。審判の日がすでに終わってしまっている49日以後に行っても意味がないため、必ず49日までに行いましょう。

三十三回忌

三十三回忌は故人が亡くなった日から32年目に行われます。32年をひとつの区切りとして、年忌法要を終えることが多いです。

仏教の宗派によって微妙な違いはあるものの、三十三回忌を終える頃には誰もが極楽浄土へ行くことができると考えられています。ひとつの節目として覚えておきましょう。

また、日本古来の宗教である神道では、三十三回忌を過ぎると故人の魂がご先祖様の霊になると考えられています。

五十回忌

三十三回忌を最後の年忌法要としなかった場合、五十回忌を最後の法事とするケースがほとんどです。

五十回忌は故人が亡くなった日から49年目に行われます。年忌法要を終えることを『弔い上げ』といい、最後の法要として盛大に行うことが特徴です。

没後49年経っていると、故人が生前親交を持っていた人がほとんどこの世に残されていないという場合もあるでしょう。

五十回忌を待たず、故人を知っている人々が亡くなった頃合いを一区切りとして、弔い上げとするケースも増えています。

主催者としての準備

法事を執り行う人のことを施主といいます。施主を誰にするか決めることが、法事を始める第一歩です。一般的には、故人の身内が施主となって法事を執り行います。施主となった場合、何を準備すればいいのでしょうか。

僧侶や場所の手配

まずは、法事でお経をあげてくれる僧侶の手配を行いましょう。先祖代々の供養をお願いしているお寺との付き合いがない場合でも、僧侶に来てもらうことは可能です。

近くのお寺に依頼する他、インターネットの僧侶手配サービス等を利用する方法があります。

核家族化が進むとともに、先祖代々の供養をお願いする菩提寺を持たない家庭が増えてきました。特定のお寺の檀家になりたくない場合、インターネットの僧侶手配サービスを利用するといいでしょう。

僧侶の手配が済んだら、次は法事をする場所の確保です。自宅・葬儀会館・お寺等で行うといいでしょう。

お世話になった葬儀社に、僧侶の手配から会場の準備といった法事のサポートを依頼する方法もあります。

案内

僧侶と場所の手配が済んだら、次は法事に参加して欲しい人に案内状を出します。案内状には日時と場所を記載しましょう。

法事に参加する人の多くは親戚や親しい友人だと考えられます。改まった案内状を出さず、メールやLINE等を利用して日時のお知らせをすることも、現在では多いケースです。

案内を出し終えたら出席の有無を聞き取り、参加人数を決定しましょう。

法事の締めくくりとして食事を振る舞う場合は、仕出し屋や料理屋を押さえておくことが必要です。人数分の食事を準備しましょう。

お布施

日頃お付き合いがないお寺の僧侶に来てもらう場合、お布施をいくら包めばいいのか迷う場合が多いでしょう。

お布施にはいくら包まなければならないという明確な決まりはないものの、ある程度の相場は存在します。

  • 四十九日:3~5万円程度
  • 一周忌:3~5万円程度
  • 三回忌以降:1~5万円程度

自宅まで僧侶に来てもらいお経をあげてもらう場合は、お車代として5千円~1万円程度、御膳料として5千円~1万円程度を余分に包むことが一般的です。

ただし、葬儀社に僧侶を手配してもらう場合は、前もってお布施の額が決まっていることもあります。

お布施を剥きだしの状態や、封筒に入れた状態で手渡すことはマナー違反です。袱紗に包むか、小さなお盆に乗せて渡しましょう。

当日の流れ

法事は故人と縁の深い人々が集まって、冥福を祈ることを目的としています。手順に明確な決まりがあるわけではありませんが、一般的な例を押さえておくと当日の流れをイメージしやすいです。

施主として法事を行う場合の、法事当日の流れをチェックしましょう。

僧侶の入場と施主の挨拶

自宅で法事を行う場合は、お仏壇の前に僧侶が座るための座布団を用意しておきます。

僧侶がやって来たら『お忙しい中、ご足労いただきましてありがとうございます。本日はよろしくお願いいたします』というように、簡潔に挨拶しましょう。

法事を始める前に施主から参列してくれた人々に対し、挨拶をします。『本日はご列席いただき、ありがとうございます。それでは、今から○○(故人の戒名)の○日(○回忌)の法要を執り行います』というように挨拶しましょう。

挨拶が済んだら僧侶に向かい『それではよろしくお願いします』と言って頭を下げます。

読経や法話

挨拶が済んだら僧侶がお経を読み始めます。お経を読んでいる間にお焼香を行いましょう。施主が初めにお焼香を行い、前列から順番に行っていきます。

僧侶の役目はお経をあげるだけではありません。お経が終わると、僧侶が参列者に向けて仏教の教えを説きます。

僧侶自身の経験談や世の中の出来事等を交えつつ、参列者が興味を抱きやすい話をしてくれることが特徴です。

この僧侶の話を法話といいます。堅苦しい話や難しい話は少なく、参列者との雑談のような形式で行われることも多いです。法話は大体5分前後で終わります。

お墓参りと終了挨拶

お墓が近所にある場合は、お経と法話の後にお墓参りを行う場合もあります。お墓が遠くにある場合は行いません。法事のタイミングでお墓参りができなかった場合、お彼岸や命日にお墓参りをしましょう。

法話が終われば、法事はいったん終了です。参列者に、法事に参加してもらったことへのお礼の言葉を述べ、締めくくりの挨拶をします。以下が終了挨拶の例文です。

『本日は参列していただき、ありがとうございました。故人も喜んでいることと思います。今後も変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。ささやかですがお食事を用意しましたので、どうぞゆっくりおくつろぎください』

僧侶が退場する場合は、このタイミングでお布施を渡しましょう。

お斎について

お斎は『おとき』と読み、法事や法要の列席者に感謝の気持ちを伝えるために振る舞う食事のことを指します。初七日・一周忌・三回忌等の法事で振る舞われることが一般的です。

お斎にまつわる様々な知識を高めて、間違いがないようにしましょう。

由来や料理内容

お斎の由来は仏教用語の斎食です。斎食は僧侶が午前中にする食事という意味を持っています。

僧侶は午後に食事をしてはならないという仏教の戒律をもとに、法事や法要で出される行事としての食事に発展しました。

お斎は参列者に感謝の気持ちを伝えるだけでなく、故人を供養するために行われます。本来は仏教の戒律に従って作られた精進料理をいただきますが、現代では料理屋での会食や仕出し弁当を利用することも多いです。

お祝いを連想させる、鯛や伊勢海老等の食材を使わない、お弁当や食事を用意しましょう。

席次やマナー

僧侶がお斎に参加する場合は、上座に座ってもらいます。施主は故人の話ができるように、僧侶の隣に座りましょう。親族以外の参列者から順番に座っていき、末席に親族が座ります。

僧侶は複数の檀家を抱えているため忙しく、繁忙期はお斎に参加できないことも多いです。僧侶がお斎に参加できない場合、お布施に御膳料を加えて渡しましょう。

お斎の席ではお酒が振る舞われますが、悪酔いする程の深酒は厳禁です。個人を偲ぶ気持ちを忘れずに節度を持って飲みましょう。

挨拶例

お斎を開始する時と終える時に、それぞれ施主が挨拶をします。開始時は献杯の音頭をとる形で挨拶をしましょう。

『本日はお集まりいただきましてありがとうございます。皆様のおかげ様で法事を無事に終えることができました。故人との思い出を語り合いながら、お食事を楽しんでいただければ幸いです。それでは、献杯の御唱和をお願いいたします。献杯』

献杯を終えたら、食事を始めてもらうように促しましょう。

そろそろお開きという場面になったら、締めくくりの挨拶をします。

『この度はお忙しい中、最後までお付き合いいただきありがとうございました。以上でお開きとさせていただきます。名残はつきませんが、今後ともご指導賜りますようよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました』

参列者に対し法事が滞りなく終了したことを伝え、お礼を述べましょう。

参列者としての準備

法事に参列する側になった時、どんなものを準備しておけばいいのでしょうか。法事に招かれた時に慌てないように、お供えや服装のマナーについてご紹介します。

お供え

お供えは故人の供養のために持参します。乾物・日持ちのするお菓子といった食べ物の他、祭壇の脇に飾ることができるフラワーアレンジメント等が一般的です。

また、食べ物やお花以外にも、蝋燭やお線香といった品々をお供えしてもいいでしょう。品物に代えて、御供物料としてお金を包んでも構いません。お供えの費用は3~5千円程度が一般的です。

法事の服装

法事の案内状に『平服で来てください』という一文が添えられていることがあります。これは普段着で良いという意味に受け取ってしまいがちですが、略喪服という意味です。略喪服は、黒のスーツやワンピース等を指します。

男性は黒のスーツ、女性は黒のワンピースやアンサンブル等を着用しましょう。靴下・ベルト・バッグといった小物も黒で統一します。

男性も女性も基本的にアクセサリー等の光物は身につけませんが、結婚指輪や真珠の一連ネックレスは例外です。

子供が法事に参加する場合、学校の制服か黒や紺といった地味な色で華美ではないデザインの服装を身につけます。

また、御数珠を持って行くことを忘れないようにしましょう。

香典について

香典は御仏前や御霊前に供える金銭のことです。香典の香には線香という意味があります。もともとは、線香の代わりに供えるという意味合いがありました。

法事に参列する場合、香典にはいくら包めばいいのでしょうか。香典の金額例やマナーをご紹介します。

お金はいくら包む?

香典は故人との血縁関係のあるなしによって、大体の金額の目安があります。血縁関係がある場合は1~3万円、知人・友人関係の場合は5千~1万円くらいが目安です。

法事に食事がついている場合は上乗せして払いますが、香典の額に明確な決まりはなく気持ちの問題になります。

四十九日や一周忌等、故人にとって大きな節目になる法事では5千~1万円程度相場が高くなりますが、地域差もあるため一概にいくら高くなるとは言い切れません。

たくさんの金額を包めば良いというわけではなく、あまりに高額を包むと遺族側がお返しに困ってしまうこともあり、負担となる場合もあります。

香典を渡すタイミングは、法事が始まる前から施主が開始の挨拶を行うまでです。法事の開始時間よりも15~30分早く到着し、余裕を持って施主に渡すことができるように気を配りましょう。

水引やのし

香典を入れた袋にのしは付けません。のしはおめでたい出来事の時に使用します。

水引は、藍銀 ・双銀・双白・白黄のものを使用します。水引は、結び切りや、結び切りのバリエーションのひとつであるあわじ結びを選びましょう。

結び入りは一度結ぶと解けないことから、二度と繰り返して欲しくない出来事の時に使用します。弔事全般に使われることが特徴です。

表書き

不祝儀袋を用意し、表書きにはご仏前・御香典・御香料等と書いて渡しましょう。薄墨を使って書くと、涙で墨が薄れる程に悲しいという気持ちを表すことができます。

表書きは宗派によって微妙に異なるため、できれば法事を行う家の宗派に合わせて書くことがおすすめです。

中包みの表側中央に金額を漢数字で書き、裏側には住所と氏名を記入しましょう。

意味やマナーを知識として知っておこう

法事は故人が亡くなった月日に合わせて執り行われる特徴があります。法事に参加することは、故人に代わって善行を積む意味合いがあるという点を覚えておくといいでしょう。

自分が法事を執り行う側になると、準備に忙殺されがちです。開始や終わりの挨拶等、慣れないことをしなければならないため、一度おおまかな流れを把握しておきましょう。

挨拶や手順を覚えられなければ、メモしておいても構いません。負担が少ないように、余裕を持って準備することが大事です。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME