小説の名作といえばコレ。日本が誇る一度は読むべき厳選10冊

2019.02.14

世界も日本も21世紀に入ってから、新しい時代に突入しようとしています。このような時代の中で、自分はどのような人生を送るのだろうかと悩む方も多いのではないでしょうか。そのような時に、目を覚ましてくれるのが小説です。名作と言われる小説は、私たちの進むべき道を指し示してくれます。日本にも私たちが誇れる名作と言える小説があります。その中の10冊をご紹介しましょう。

時代を動かした人間の生き様。歴史小説の名作

歴史の中で、その各時代を駆け抜けた人間の生きざまを描いて、私たちがこれから進むべき道を指し示してくれるのが歴史小説と言われる名作です。歴史小説にもたくさん作品はありますが、特に私たちが後世に残しておきたい歴史小説として、司馬遼太郎の「坂の上の雲」と冲方丁の「天地明察」をご紹介します。

歴史小説は、歴史に基づきますが、歴史そのものではなく、人物に光を当てて、そこに小説家の感性に基づく物語を織り込んで描かれます。登場人物の生きざまを通じて私たちに時代の中での生き方をいうものを教えてくれるのです。

司馬遼太郎『坂の上の雲』

司馬遼太郎の『坂の上の雲』は、数多くある彼の小説の中でも本当の名作と言えるものです。

幕末に生まれ、明治という激動の時代を駆け抜けて、日露戦争でそれぞれ、海軍の参謀として、或いは陸軍の指揮官として活躍した秋山兄弟を描いています。明治という時代の特徴をよく捉え、さまざまな人物との関わりの中で成長していく兄弟を克明に描いているのです。

弟には、正岡子規、夏目漱石、高橋是清などの明治から大正時代を代表する文人、政治家などが関わります。また、兄は、陸軍の中で「荒城の月」の作曲で有名な滝廉太郎などや同じ軍人仲間との関わりの中でそれぞれに成長していくのです。

日露戦争においては連合艦隊司令長官の東郷元帥、旅順要塞を攻めた乃木希典将軍、大山巌、小島源太郎などのエピソードをちりばめ、私たち日本人の生きざまを指し示してくれる名作と言えるでしょう。

今の日本人というものを今一度見直すためにも、是非一度は読んでほしい一冊です。

冲方丁『天地明察』

冲方丁の『天地明察』は、21世紀に入ってから書かれた歴史小説で、漫画化、映画化も行われています。江戸時代前期に活躍した囲碁の棋士であり、そこから天文暦学者でもあったことから、数奇な運命をたどる渋川春海の生涯を描いた小説です。

渋川春海は、もともと囲碁の棋士でしたが、独自に算術や天文学に興味を持っていたため、幕府から全国各地での北極星の位置の確認を行うことを命じられます。やがて天文・歴学を天職として感じるようになり、実際の暦がずれていることに気がついたことから、暦の改正を考えるようになった人物です。

実在の北極星の観測を通じて、自分の人生観というものを見い出していく春海の様子を描いているのです。日々の忙しい毎日の中で、自分というものを見失いがちな私たち現代人に警告を発している歴史小説と言えるでしょう。

是非、一度は読んで自信の人生というものを見つめ直してはいかがでしょうか。

人生は旅である。旅をテーマにした小説の名作

現代では、旅を題材にした小説も多く書かれています。名作と言われる旅をテーマにした小説は、私たちに人生そのものの生きざまを見せてくれるものです。

旅をテーマにした小説もたくさんありますが、その中でも人生というものを考えさせてくれる名作をご紹介します。

沢木耕太郎『深夜特急』

『深夜特急』は、沢木耕太郎の紀行小説で、日本を旅立ち、インドのデリーから英国のロンドンまでバスを乗り継いで旅をする主人公の「私」を描いた名作です。自身の旅行体験が色濃く描かれた作品で、いろいろな人々と触れ合いながら、事件にも出くわすという物語になっています。

沢木の人生経験に基づいて、主人公「私」を描き出し、私たちにも自分の人生というものを見つめ直す機会を与えてくれる名作です。

  • 作品名:深夜特急(1)-香港・マカオー
  • 価格:529円
  • 商品ページ

筒井康隆『旅のラゴス』

筒井康隆は、SF作家として有名ですが、その彼が1984年以降に描いた長編SF小説が『旅のラゴス』です。

高度な文明を持った1,000人の人々が星を脱出して新しい星に至ったものの、技術を維持できず、原始状態に逆戻りしますが、その代わり超自然的能力を獲得していきます。それから2200年ほど経った時代に、ラゴスという人物がこの星を生涯をかけて旅するという小説です。

時代も世界もわからない中での旅物語であり、紀行物語というよりはやはりSF小説と言えなくもありません。

しかし、現代社会の行方の見えない世界の中で、どう生きていくのかわからなくなっている私たちに、そのような中でも、目標を見失わず、生きていくことの大切さを教えてくれる名作と言えるでしょう。

壮大な世界観。ファンタジー・SF小説の名作

ファンタジー・SF小説は、私たちの社会、歴史と直接の関わりは少ないものの、壮大な世界観を持ち、大局的に私たちの世界を見ることを教えてくれる名作が多いと言えます。

「風の谷のナウシカ」などのジブリ作品が高い人気を誇っているのも、そのような壮大な世界観の中で、私たちの社会の在り方を見直す機会を与えてくれるためと言えるでしょう。そのようなファンタジー・SF小説の中でも、私たちに自然の大切さや、何気ない世界の大切さを教えてくれる名作をご紹介します。

上橋菜穂子『精霊の守り人』

NHKで綾瀬はるかさん主演の大河ファンタジードラマとして放送された上橋菜穂子の小説が、『精霊の守り人』です。文明が、超自然の力を持つ自然を壊していく中で、それを守ろうとする人々の生きざまを描いている名作です。

自然の大切さ、私たちの世界の成り立ちなどを感覚的に感じさせ、考えさせてくれる作品と言えます。物質文明優先で、人間としての幸せが何なのかよくわからなくなっている現代人にとっては、是非読んでいただきたい名作です。

貴志祐介『新世界より』

21世紀に入ってから、貴志祐介によって書かれたサイエンスファンタジー小説の名作が『新世界より』です。人間が念動力というサイコ能力を獲得した1000年後を描いた小説で、漫画化もされています。

題名は、ドヴォルザークの交響楽から名付けられています。1000年後の世界の中で、ある少女が、先史文明とも言える現在の私たちの社会が滅びた理由と、その時代から処女の時代までの歴史を知るという物語です。禁断の知識を得ることで平和そのものが歪んでいく様を描いています。

私たちの時代が崩壊の一歩手前にあることを感じさせてくれる作品で、考えさせられる名作と言えるでしょう。

星新一『ボッコちゃん』

星新一は、日本のSF小説家であり、特に短編SF小説の先駆者と言われています。この『ボッコちゃん』も、彼のショートショートと言われる短編SF小説の1つで、近未来の酒場で働く女性型アンドロイドであるボッコちゃんを描いた名作です。

先駆的な感性で、人間の未来を滑稽に描く星新一の真骨頂とも言える名作で、現代でも私たちの文明というものが本当に人類にとって幸せなものかを考えさせてくれます。

謎解きと、人間の業。ミステリー小説の名作

ミステリー小説は、謎解きが面白く、それを目的に読まれる方も多い小説です。しかし、事件そのものに人間の業や社会の暗部といったメッセージを伝えてくれる名作もたくさんあります。そんなミステリー小説の名作をご紹介します。

綾辻行人『十角館の殺人』

ミステリー小説の『十角館の殺人』は、1987年に発行された推理作家綾辻行人のデビュー小説です。本格的な推理小説の名作で、多くの作品に影響を与えたと言われています。

複雑ないくつもの事件が絡み合った展開になっており、さまざまな人生の縮図が織り込まれて、読む人の想像力を掻き立ててくれる名作です。

殊能将之『ハサミ男』

『ハサミ男』は、推理作家・殊能将之のデビュー小説ですが、1999年に発表された名作です。豊川悦司と麻生久美子という豪華キャストで映画化もされています。

女子高生がハサミによって殺されるという事件を描いたミステリー小説です。犯人のハサミ男が、なぜそのような猟奇的な連続殺人を犯したのかを調べることで物語は進んでいきます。

バブルが崩壊して、古い日本社会が崩壊していく様が描かれており、現代社会というものを考えさせてくれるミステリー小説の名作です。

松本清張『砂の器』

昭和30年代の高度経済成長が始まった日本社会を背景として、ミステリー小説を描いたら右に出る人はいないと言われた有名な松本清張の代表的な名作が、『砂の器』です。

松本清張は、高度経済成長時代には社会のあり方が大きく変わっていき、変化する社会の暗部というものを描き出すことで、多くのミステリー小説を描いています。その中でも『砂の器』は、映画化やテレビドラマ化も行われており、彼の一番の名作と言えるでしょう。

彼が描いた変化の時代は現代にも通じるものがあり、現在でも多くの方がこの小説を読まれる理由になっています。

名作小説には時代を超えた普遍性がある

名作といわれる小説にはいずれも、読み進めるおもしろさだけでなく、読後に何か残るものがあります。世界の見方がすこし変わったり、これからの人生のヒントになったり…。まだ読んでいない作品があれば、気になる一冊からどうぞお手にとってみてください。

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