剣道の面について解説。面の装着方法や位置の確認ポイント

2019.02.14

剣道の面についての基礎知識、装着方法や位置の確認ポイントなどを解説します。正しいつけ方をすれば、グラグラしないで違和感なく剣道に集中できます。面打ちの練習方法も紹介するので参考にしてみてください。

剣道で使用する面の基礎知識

最初に、剣道で使用する面の基礎知識からチェックしてみましょう。どのような素材が使われているか、面のそれぞれの部分が持つ役割などにも注目です。

面金の素材と役割

面金(めんがね)とは、顔面の部分に付けられている格子状の金属部分のことです。鉄やステンレス製が主流で使われていましたが、現在では重量によって首に負担がかからないように『ジェラルミン・チタン』という軽量金属で作られています。

面金には頭部や顔面部を守る役割のほかにも、打ち込みのときにとても大きな役割を持っています。その役割とは、面金から相手を見るときの可視性(対象物の存在の認めやすさ)の向上です。

面金の内側の縁の牛革を丁寧に赤く染めることで光を取りこめるようにし、視野を広くしています。また、赤は目に残像が残りにくい色なので剣道の邪魔にならないのもメリットです。

面布団、突き垂とは

次に、面に付いている面布団(めんぶとん)と呼ばれる部分は、面の肩・頭頂部を『1枚の板状の生地』で構成して作られています。衝撃を吸収する役割を持ち、この面布団によって肩や面全体の衝撃を和らげて安全に剣道が楽しむことができるのです。

突き垂(つきだれ)とは突きを受ける部分で、面のあごの部分に付けられている布状のもののことです。左右に垂れ下がっている面布団の間に位置しており、喉元を守る重要な役割を持っています。

理想の面型

理想の面型は、面布団の長さは肩より少し外に出るぐらいで『富士山の裾野のような形』です。面布団と突き垂れの間に隙間ができないようにし、面布団には面型を綺麗に付けて、肩の動きを邪魔しない形を作るのが理想的と言われています。

面型は、慣れてくると上手くつけられますが『最初は誰でも苦戦する』ので徐々に慣れていくようにしましょう。

面の選び方

面の基礎知識を覚えたら、次は面の選び方をチェックしてみましょう。自分に合ったサイズの面を選ぶのが安全に剣道を行うためにも大切なポイントです。予算も参考にしてみてください。

合ったサイズの面を選ぶ

面は自分の顔の形や大きさに合ったサイズのものを選ぶようにします。これは、面金には『物見(相手をみるために少し幅が広くなっている面金の部分)』が用意されており、この位置がズレてしまうと、目線に金具がきてしまい視野が狭くなるため危険だからです。

ぴったりのサイズを選ぶということは、相手を見るためにも自身を守るためにも重要なポイントなので忘れないようにしておきましょう。

頭の大きさを測る方法

頭の大きさを測るのは、面を購入するためにも必要な工程です。頭の大きさを測るときには『A・B・C』の3つに分けて測っていきます。

Aは、あごの先端からつむじを通過して、あごの先端まで戻る大きさのことです。メジャーを隙間なく顔・頭にぴったりとくっついている状態で測った数値を出すようにしましょう。

Bは、はちまきをする位置で額から後頭部を通過して額まで戻る大きさのことです。こちらも隙間なくぴったりとくっついている状態で測ります。Aは縦、Bは横の大きさを測ることができるので、測ったサイズから面の大きさを調べるのです。

最後に、Cはあごの先から目線までの長さで『物見』の位置がどのくらいにあるのが適切かを調べるものです。これには個人差が多いため、面の購入時には特に物見の位置までの長さを参考に慎重に選ぶようにしましょう。

面の価格相場は?

面にも種類が豊富に用意されており、比較的安く購入できるものから高価なものまであります。

また、その面の作り方から『刺し方(手かミシンか)・刺し幅(どの程度の間隔で刺しが入っているか)・革(どのような素材か)』という点が値段に大きく影響してきます。

安いものであれば1式セットで面も含めて3万円前後から、高いものは面だけでも100万円に近くなるものまであります。自分に合った素材や刺し方を探して選びましょう。

面の装着に必要なもの

面を購入してもそのまま着けるのではなく、面の装着に必要なものを揃えていきます。必要なものが揃っているのかチェックする参考にしてみてください。

面タオルは剣道用の手ぬぐいを

頭に巻くために用意したいのが、剣道用の面タオル(手ぬぐい)です。面をつける前に頭に巻くことで『汗が顔に落ちてこない』ようにする目的と『頭部への衝撃を抑える』というメリットがあります。

もう1つ忘れてはいけないのが『面の劣化を防ぐ』ことに繋がる点です。汗や皮脂などによって、面の素材の革の劣化が早まってしまいます。面タオルを使用することで、大切な防具を守ることにも繋がるので必ず用意しておきましょう。

家にあるものでも良いですが、短いと頭に巻くことができません。剣道用のものであれば、長めに作られているので安心です。

面紐、面乳革

次に確認したいのが面紐(めんひも)と呼ばれる『面を固定するための紐』と、面と面紐を繋ぐ『面乳革(めんちかわ)』です。

面紐を面金に直接取り付けて、そのまま面をつけることもできますが『劣化が早まる・外れやすい』ことがあります。そこで、面乳革を面金に取り付け、そこに面紐を付けることで長持ちさせることができるのです。

面乳革にはオシャレなものもあるので、柄や色を好みで選んでお気に入りを見つけるのもおすすめです。

面の着け方

面・面紐・面乳革・面タオル(手ぬぐい)が用意できたら面をつける準備ができあがります。ここからは、面紐の結び方から装着の確認方法を解説します。眼鏡をかける場合にも触れていくので参考にしてみてください。

面紐の結び方

面に面乳革と面紐を取り付けて、着ける状態を準備してから始めましょう。もっともポピュラーな面の付け方・面の結び方と言われている『下付け』は以下の通りです。

  1. 面紐が絡まないようにしながら、面布団の両端を広げる
  2. 面タオル(手ぬぐい)が落ちないように『あごから額』の順で顔を入れる
  3. 顔を入れたら、両手で面紐を持ち後ろに回す
  4. 後ろで面紐をクロスさせて前へ引っ張る(ねじれに注意)
  5. 前へ引っ張った面紐を面金の1番上に片方ずつ通してクロスさせる
  6. また後ろにもっていきしっかりとしめる
  7. 後ろで蝶々結びをする(輪と残りの面紐の長さが揃うように結ぶ)

着脱がしやすいメリットがありますが『結び目や引っ張り』が甘いと固定が緩くなるので注意しておきましょう。

正しく装着できているか確認

面をつけたら、正しく装着できているか確認していきます。

  • 物見が目線と合っているか
  • 面布団が方から出るか出ないかの長さか
  • 面紐は結び目から40cm以内におさまっているか
  • 天におでこ、地にあごがついているか
  • 物見の真後ろで面紐が結ばれているか

上記の点をしっかりとチェックしていきましょう。面の付け方によってはグラグラとしてしまうほか、サイズが合わないときにもグラつきや物見がずれることもあるので注意してみてください。

眼鏡をかける場合

では、眼鏡をかけるときにはどうしたら良いのでしょうか。これは、使っている眼鏡の形や材質に左右されてきます。レンズが薄く、フレームが平たい形状であればそのままかぶることができますが、できれば『剣道用・スポーツ用』の眼鏡を用意するのがおすすめです。

面を購入するときに調節してくれるお店もあるので、『自分だけの面』を作るときには眼鏡について必ず忘れないように伝えましょう。

面打ちの練習方法

面や防具をつけたら、面打ちの練習をすることができます。一本打ちの流れや切り返し、中段の構えからの動き方を紹介するのでさっそくチェックしてみましょう。

一本打ちの流れ

一本打ちの流れは、相手の剣先や手元の動きに注意しながら攻めていきます。稽古では打つ人と打たせる人の2人組で行い、しっかりと礼をしてから始めるのが一般的です。

打たせる人は、剣先を『さげる・あげる』、手元をあげるなど『スキ』を作ります。打つ人は、そのスキを見つけたら『正しい動作で大きく・正確』にすばやく面打ちしましょう。

お互いに繰り返す、または稽古をしてもらうときにはスキをしっかりと見て一本打ちを続けるというように練習をしていきます。

切り返しとは?

切り返しは、相手の面の左右を手首を返しながら打つ稽古のことです。切り返しでは、面を打たせる切り返しと竹刀で受ける切り返しなど種類があります。

面を打たせる切り返しでは、手首を返して相手の面の左右を打てているかを確認して稽古をしていきましょう。竹刀で受ける切り返しは、リズムよく相手の竹刀を手首で返しながら打ち込んでいく稽古です。

切り返しでもっとも重要なのが『強・大・速』と呼ばれる、強く大きく早く打つことです。繰り返し練習していると、つい忘れがちになってしまうのでしっかりと意識をして、正しい動きで続けてみましょう。

中段の構えからの動き方

剣道の構えの基本とも言える中段の構えは攻防一体のバランスの良い構えです。自然体の姿勢から右足を半歩前に出し、左足のかかとを少し上げるように構えます。このとき、両脚の間に握りこぶしが1つ入る程度の間隔を開け『左右の足にバランス良く体重』をかけるのがポイントです。

中段の構えができれば、構えから切り返しを練習していきます。中段の構えから『面打ち→左面打ち→右面打ち→左面打ち→右面打ち』の順で大きく踏み込みながら打ち込みましょう。

最後の右面打ちが終われば、左足を退いて一足一刀の間合い(1歩踏み込めば相手を打突できる・1歩下がれば相手の打突をはずせる間合いのこと)をとり、中段の構えから同じように打ち込みます。

最後に、振り返って中段に構えるまでが一般的な稽古の動き方です。それぞれ稽古を受けている場所や人によって内容が違うこともあるのでしっかりと事前に確認して行うようにしてみてください。

正しく面を装着して練習に臨もう

剣道の面は自身を守るためにも、安全に剣道を続けるためにも必要不可欠です。最初のうちは、1人で着けることが難しいこともあります。何度も繰り返すことで徐々に慣れていくものなので、正しく面を装着ができるように練習しながら『剣道』に臨んでみてはいかがでしょうか。

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