多肉植物は葉挿しで増やすことが可能。方法や注意点を解説

2019.02.19

肉厚でぷにぷにの葉が愛らしく人気がある多肉植物は、いろいろな育て方ができます。ユニークな葉挿しという方法で、簡単に増やすことができます。誰でもチャレンジできる葉挿しの方法や、注意点などを解説してみましょう。

多肉植物を増やすのに適した時期とは

『多肉植物』を育てて増やそうとするとき、適した季節はいつなのでしょうか。日本の場合、地域によって適期の違いがあります。本州の比較的温暖な地域であれば9月中旬~10月上旬ぐらいです。

寒冷地なら8月。北海道なら秋口よりも春先が向いています。4月頃が適期と言えるでしょう。後述する『葉挿し』が容易な品種に関しては、真夏以外のあらゆるシーズンで栽培ができます。

春秋型の多肉植物

多肉植物には生育期という観点からは、大きく3つのタイプに分かれます。夏に育ちやすい『夏型』、冬に育ちやすい『冬型』、春と秋に育ちやすい『春秋型』です。

ある一定の季節に育ちやすいということは、言い換えればその季節以外は休眠するということです。休眠期に落葉するものも多く、肥大した茎・根だけになって生育期を待ちます。

春秋型の多肉植物がもっとも種類が多く『パキフィツム』『エケベリア』『アロエ』『ガステリア』『グラプトペタルム』『コチドレン』『スタペリア』『セダム』『セデベリア』『セネシオ』『センペルビブム』『ハオルチア・ビラディア』などです。

夏型の多肉植物

夏型の多肉植物は、春~秋頃にかけて生長します。冬期になると休眠状態に入ってしまいます。高温と通気性、日当たりの良さを好む性質を持っています。

ただし、真夏の直射日光には決して強くありません。ともあれ全体的に言えば夏型は乾燥に強い品種が多いのは間違いありません。品種としては『アガベ』や『カランコエ』『コチレドン』などが代表的です。

冬型の多肉植物

冬型の代表選手は『メセン』の仲間たちです。石ころに擬態したような変わった姿で、葉がぷっくり膨らんで対になっています。成長すると脱皮し、葉の数が2倍になります。

植物が脱皮するとは不思議です。脱皮という、虫類などの一部の動物にしかない行為を、多肉植物はやってのけるのです。花も咲くので、そういった点でも楽しめます。

具体的に品種名を挙げると『アボニア・アルストニー』『オトンナ・ユーフォルビオイデス』『クラッスラ sp.トランスバール』『リトープス』などがあります。

多肉植物の増やし方

多肉植物を増やす方法には、どのようなものがあるのでしょうか。代表的なものをいくつか紹介しておきましょう。

伸びた茎から増やす挿し木

『挿し木(さしき)』という方法を紹介します。『挿し芽』ともいいます。徒長してしまった苗についても、同じやり方で整えることができます。

伸びた茎をカットして、発根させて一から育てるのです。なお元の親株からも子株が出てきます。大きく育ってしまった多肉植物を、大きく育つ前のサイズで栽培したいのであれば、この方法が最適です。

準備しておくものは、多肉植物と乾いた土です。手順は以下の通りになります。

  • カットする
  • 苗を整える
  • 乾燥させて発根を待つ

苗の頭を持ち、株元のちょっと下からカットします。下の葉を3枚程度残して、上の部分をカットします。カットしたてで植えると腐るので注意しましょう。数日経てば親株から子株が出てきます。

カットした子株の下の方の葉は2〜3枚取り除きましょう。そうしておかないと、土に埋もれて葉が腐ってしまい、そこから茎に腐敗が連鎖することがあります。

カットした切り口を乾かしますが、水は一切あげません。また、寝かせておくと体が歪んで植えづらくなるので、小さい容器に立てて置いておきましょう。数日すると発根するので、鉢に植えて完了。親株から出た子株とで2つの鉢植えを楽しめます。

株をカットして増やす株分け

株分けをするときは、土が乾燥していなければいけません。実行する1〜2週間前から水やりは控えておきましょう。雑菌が入らないよう、前もってハサミを消毒する必要もあります。バーナーなどであぶって消毒用アルコールで拭いて使用しましょう。

苗を鉢から抜き、土を取り払って茎をカットします。根が株についているように分けます。切り口を充分に乾かし終えたら、新しい土に植えましょう。水はすぐには与えません。7〜10日後にたっぷりと与えるのです。

株分けした後の元の株は、風通しがよい日陰におきましょう。直射日光は株を傷めます。また、水をすぐにやると切断面から雑菌が入って腐りかねません。数日置いてから水やりをしましょう。

まずは葉挿しをマスターしよう

多肉植物には取れてしまった葉や摘み取った葉の接続部から、芽や根が出てきて新しい個体に育つ品種があります。

その栽培方法は『葉挿し』(はざし)と呼ばれます。強い生命力の源は、葉に貯蔵されている養分です。育てていて、彼らの生命力の強さに感銘を受ける人も多いようです。

葉挿し前は水を与えすぎない

葉挿し前の水やりは要注意です。 水を少なめに栽培した方が成功率は上がります。少し乾きすぎだろうかと心配するくらいで大丈夫です。

故郷はメキシコのような乾燥地なので、もともと乾燥に慣れた植物です。乾燥に耐えられるよう、体内に多くの水分を貯蔵できる機能を持っています。だから葉も肉厚なのです。

多肉植物が本来自生していた環境に応じて、日常的に水をそれほどあげないスタンスを貫くほうが、根腐れせずに元気で育つのです。

葉は優しく外す

つけ根の生長点を葉につけたままの状態で、葉を親株から外します。切れた葉の途中からでも発根する多肉植物もあります。しかし生長点を親株の側に残したり、途中で切れたりでは発根できないものが多いので、優しく慎重に外さなければなりません。

次に、切り口を数日間陰干しして乾燥させた葉を土の上に重なりを避けて、平たく並べましょう。

置き場所は屋外の、明るくて雨がかからない日陰を選びましょう。水は発根するまでは与えません。ここは水をあげたくなる誘惑を断ち切って、放置しておくのです。

取れてしまった葉でもOK

取れてしまった葉でも、捨てずに葉挿しをすれば再生することが可能です。風通しのよい、明るい日陰ないし半日陰で土に横たえておくと、数日後には葉から根が出てくるのです。

その時点から水をあげましょう。また、顔を出している根には、土を軽くかぶせて根付くのを助けましょう。

土の準備と水やり

多肉植物を葉挿しで育てる場合は通常の育て方と違う部分もあります。葉挿しに必要な土の準備や、水やりの方法に関しての基本情報を紹介しておきます。

小粒の土を使用

用土は大粒ではなくて小粒のほうが向いています。おすすめの土の1つに、ホームセンターなどで購入できる『花ごころのさぼてん・多肉植物の土(細粒)』などがあります。それをさらに振るいにかけて、粗粒と細粒に分けます。ひと手間かかりますが、根の張り具合には雲泥の差が出るのでやっておくといいでしょう。

容器に入れ、上に置く

平らな容器に乾いた土を広げて、葉を1枚ずつ丁寧に仰向けにして並べます。葉挿しという呼び方ではありますが、葉を挿すのではなく、上に置くだけなのです。乾燥した土の上に置いて、発根を待ちます。

切り口から根が出るまで水やりは控える

発根を待つ期間は水はあげないでおきましょう。直射日光も避けなければなりません。数日で根が出てくるので、そうなったら土に小さいくぼみを作って、根を軽く差込んで優しく土をかぶせておきましょう。

そして風通しがよくて日当たりもよい場所に移動させます。3日に1回程度の水やりで大丈夫です。新しい個体に栄養を補給する役目を果たすので、元の葉はだんだん枯れてゆきます。完全にしぼんでしまったら、取り除いてあげましょう。

成長速度の例をこちらのブログでチェック

多肉植物やサボテンを取り扱っているショップのブログが、成長過程を知る上で参考になります。下記のブログの『6.その後どうなるの?』で多肉植物の育成の記録が読めます。

5ステップでできる多肉植物の増やし方。葉挿し編 | 多肉植物・サボテンの専門通販 solxsol

葉挿しのポイント

実際に葉挿しをおこなうにあたって失敗しないために、いくつかの重要なポイントを押さえておきましょう。

葉挿しに向いている多肉植物を知る

葉挿しに向いている多肉植物の品種の見分け方はあるのでしょうか?答えは『ある』です。特徴は葉が明らかに肉厚で、ぷにっとした状態であることです。このポイントは、なぜ多肉植物の葉が発根するかという理由に関係しています。

多肉植物はメキシコや砂漠の乾燥地域に自生するので、体内に水分及び養分をストックできます。だからこそ、あまり水やりをしなくても元気なのです。 このストックが、発根を後押しするので、 できるだけぽてっとした葉の多肉植物で試しましょう。

具体的には、カランコエ属 ・パキフィツム属 ・グラプトペタルム属 ・セダム属 ・エケベリア属 ・ガステリア属 ・クラッスラ属などが葉挿しに向いています。

葉挿しで根が成長した後は鉢に植え替える

葉挿しによって発根させて、根が伸びてきたら鉢に植え替えます。それをもって新たな植物の個体として増えたことになります。その後はそれぞれの品種に相応しい育て方で、育てていきましょう。

切り分けられた元の植物を『親株』といいますが、親株は生長がゆったりモードに入ります。決して元気がなくなったわけでも、枯れるわけでもありません。従来通り、育ててあげましょう。

根が出るまでは気長に待つこと

多肉植物の葉挿しに関する基本情報をお届けしましたが、いかがだったでしょうか。一風変わった育て方の葉挿しは、発根まで気長に待ったり水をあげすぎないようにしなければならなかったりと、色々注意点がありますが、成功したときは喜びが待っています。

慣れてくれば自分で工夫してチャレンジすると、多肉植物の生命力に驚かされ、また励まされ、栽培がよりいっそう楽しくなることでしょう。

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