剣道の構えをマスターしよう。構え方の種類と手順を紹介

2019.02.11

剣道の構えは5種類あり、基本の構え方を覚えてから『自分にぴったりの構え』を見つけていくのがおすすめです。そこで、覚えておきたい剣道の構えの基礎知識と種類、それぞれが有効的な場面を紹介するので参考にしてみてください。

剣道の構えについて

最初に、剣道の構えについて基礎知識をチェックしていきましょう。

身構え、心構えのこと

剣道の構えとは、『身構え(姿勢・形)』のことです。身構えを基本から覚えることで、正しい姿勢を身に付けて『肩を動かしやすく・足腰の動きを活かして打ち込み』ができます。

また、剣道の構えには相手に挑むときの『心構え』も含まれています。自分は人より弱いから稽古をたくさんしなければ強くなれないという強い気持ちを持って取り組む気持ちが欠かせません。

積み重ねた稽古を自信に変えて、相手には絶対負けないという気持ちを持つのも剣道の構えの1つと考えられているのです。

5種類の構え方一覧

次に知っておきたいのが5種類ある剣道の構えです。

  • 中段の構え
  • 上段の構え
  • 下段の構え
  • 八相(はっそう)の構え
  • 脇構え

上記の5種類が剣道で用いられている構えです。これらの構え方は、剣術や薙刀で用いる5つの構え方で、総称して『5行の構え』と呼ばれています。

これらは、武士が実際に真剣を用いて戦闘を行っていた時代の名残が5つの構えとして残っていると言われ、今でも大切にされているのです。

正しくできているか鏡でチェックを

剣道の構えを覚えたら『正しくできているのか鏡でチェック』をしていくのがおすすめです。1人でもできるメニューで、反復練習にもぴったりと言われているので覚えておきましょう。

方法は、鏡を見ながら体の曲がり方や竹刀の曲がり方をチェックして、すきのない構え(いつ相手打ってきても対応できる心の準備と、自分からいつでも打ちにいける構えのこと)になっているのかを確認します。

  • 竹刀を握った左手が体の中心を通る線上にくるのか
  • 振りかぶったときに左こぶしの高さよりも剣先が下がっていないか
  • 振り下ろしたときに左手はみぞおちの高さ、右手はやや下あたりで止まっているか

上記の3点に注意しながら行うとスムーズです。

基本の構え方

では、さっそく5行の構えと呼ばれる剣道の構えを覚えていきます。最初に、全ての構えの基本からチェックしてみましょう。基本は『足の構え・手の構え』の2つです。

足は右足を前に、手は左手から

まず、足の構えは『人が自然に歩く形が基本』に考えられているので『右足が前・左足が後』の状態にします。そこから、右足のかかとのラインに、左足のつま先を持っていくことで足の構えを整えていくのです。

このとき、左右の足の幅は『拳1個程度の間隔を空ける』のが基本です。

次に、手の構えは左手の握りから行っていきます。左の手は、小指・薬指・中指の3本で握るようにし、人差し指と親指はその上に軽く添えるように握るのが基本です。このとき、小指は竹刀の端の部分にくるようにしましょう。

左手の握りが完成したら、右手も左手と同じように持ちます。右手は、人差し指が鍔(ツバ。刀剣の柄と刀身との間に挟んで、柄を握る手を防護する部分)につくように、親指は鍔から少し離して握るようにするのがベターです。

実際に握ってみると、左右の手の親指と人差し指がV字形をしています。そのVの部分に竹刀の上が来るように整え、左手の親指の付け根(関節部分)をへその前に持ってくれば手の構えの完成です。

中段の構え

基本の足の構え、手の構えができたら次は、それぞれの剣道の構えに合わせて体勢を変えていきます。『中段の構え』は、右足を一歩前に出し、左足を左の方へ足1つ分開け、右足のかかとより前へでないように立ちましょう。

このとき、へその下辺りに体の重心を保っている感じを心がけるのがポイントです。

次に、竹刀・木刀を握る両手は、真上から握るようにし、左手はつか(端の方)を、右手はツバに近い位置を握ります。左手に7割、右手に3割の力加減で握り、握った左手の位置をへそから握りこぶし1つ分下、身体と左手の間に握りこぶし1つ分空いた状態が基本です。

剣先を相手の喉元に向けるように構えるのがより自然に構えるコツです。

相手の動きに応えやすい構え方

中段の構えは、基本的な構えとも言われ『正眼の構え』と呼ばれることもあります。一般的な構えは、この中段の構えのことを意味し、相手の動きにも応えやすく柔軟に対応できる型なのです。

そして、中段にも厳密には5つの種類があります。

  • 正眼の構え・・・剣先を相手の喉元に定める最も一般的な中段
  • 青眼の構え・・・剣先を相手の左目に定める
  • 晴眼の構え・・・剣先を相手の眉間の中心に定める
  • 星眼の構え・・・剣先を相手の顔面中心に定める
  • 臍眼の構え・・・剣先を相手のへそ当たりに定める

どれも『せいがん』の構えと読みます。最もポピュラーな正眼の構えが基本で、攻防に優れた型で『上段の構え』を覚えるためにも大切な構えとして知られています。

上段の構え

中段の構えの次に紹介するのが、上段の構えです。上段の構えでは、個性が強調されることが多く『構えの癖からどの選手かがわかる』とも言われています。中段の構えの姿勢から上段の構えに変えていくので、しっかりと中段の構えを覚えてから挑戦してみましょう。

腰を落として構える

上段に構えるときには、中段の状態から左足を前に出し、竹刀を上に振り上げて自分から見て少し右に傾けていきます。傾ける角度は45度くらいが理想で、左拳が左眉から拳半分ほど上あたりにくるのが基本です。

ここで覚えておきたいのが『しっかりと腰を落とす』という点です。上段の構えのときには、上半身に意識が向いてしまい腰が浮いてしまうので、足が上手く動かないことがあります。見栄えも良くないので、腰を落としてどっしりと構える意識をしてみましょう。

足を開きすぎず、重心は両足の中心に

次に覚えておきたいポイントが『足を開きすぎない・重心は両足の中心にする』という点です。左半身を前にする形で足を開くので、ついバランスが乱れがちですが『極度に開くと足の動きが悪くなる』ので、後ろ足には特に気を配って足を開きましょう。

上段で用いられる片手打ち(片手で竹刀を持ち打つ技)の打突力は、重心を両足の中心から竹刀に体重を移行していくことで生み出されます。常に重心がどこにあるか意識をして真ん中に置くようにするのがコツです。

下段の構え

間合いの遠近に関係なく、竹刀の延長線を相手のへそ下から足先までの間につける構えが下段の構えです。構えた剣先の位置によって『へそ下段・すね下段・足先下段』などがあります。

下段からの打ち込みは原則として突きが主体で、へそ下段では胸を、すね下段では腹を、足先下段では腿を狙って『突き』を行います。

試合で下段の構えをすることは、無い?

下段の構えも、剣道の構えの中では基本と言われていますが『試合で見かけることがあまりない』構えでもあります。これは、剣道で下段にあまり利点がないことが原因と言われているのです。

現代の剣道では、有効打突になりにくく、その構えの特徴から面が『がら空き』です。面などで竹刀を振り上げる動作にも時間がかかることから見かけることがほとんどないと言われています。

下段の構えが活用できる場面とは

では、下段の構えが活用できる場面はあるのでしょうか。

下段の構えから面・籠手(こて)・胴などを打つためには竹刀を大きく動かす必要があり、あまり使われません。しかし、心理的な面から相手の出を一瞬だけでも止めるのにはぴったりな構えです。

あまり使われていないからこそ、その構えを少しでも見せるタイミングがあれば『相手の隙』を作り出すことに繋がるので覚えておきましょう。

八相の構え

八相の構えは、全方位をカバーすることができるため複数人相手で有効な構えと言われています。刀や竹刀を力を入れずに立てておく構えなので、腕が疲れにくいのもメリットです。

さっそく詳しくチェックしていきましょう。

野球のバッターに似た構え方

八相の構えは、中段の構えから左足を約半歩踏み出しながら、左上段に振りかぶる気持ちで竹刀を頭上に持っていきます。そこから、静かに右肩に下ろした『野球のバッターに似た』構え方です。

流派によって構えの位置が微妙に異なることがありますが、日本剣道形での基本的な八相の構えは『右拳を右肩の高さに、鍔(ツバ)は口の高さ』で構えます。相手を堂々と威嚇できる構えとしても知られた構え方です。

八相の構えは間合いが相手にわかりやすい

八相の構えは全方位をカバーできる便利な構えですが『1対1』では、間合い(相手と自分の距離、空間のこと)を探られやすく『攻め手に欠ける』構えです。特に相手の間合いを探りやすい中段の構えの場合は、この傾向が強く出ると言われています。

このことから、あまり現代剣道では見かけることがあまりありません。

間合いが分かりやすい反面、多人数を相手にするにはぴったりな構え方だったことから、基本として残っているのです。

脇構え

脇構えは、相手をよく見て相手の変化に応じる構えができます。脇構えからの太刀筋は、右下から左上へ向かう切り上げが主体ですが、現代剣道ではこの主体となっている太刀筋がないため、あまり用いられない構え方と言われているものです。

元々は竹刀の長さを見せないための構え方

脇構えは、元々は竹刀の長さを見せないための構え方です。右足を約半歩退きつつ、竹刀の弦(竹を組み合わせている竹刀をがっちりと固定する紐)を上に向けます。剣先で後方に半円を描くように回して右脇に構えるのです。

右脇に構えることで、竹刀の長さを隠すことができるので『間合い』を読ませにくい特徴があります。ただし、現代剣道では竹刀の長さは規定で決まっているので『構えの最大の利点である長さを隠せる』という点が活きないため、あまり使われません。

脇構えは心理的な長所がある?

では、脇構えにはメリットがあるのでしょうか。現代剣道で活かせる心理的な長所と言えば『狙いが読みづらい』という点です。竹刀が隠れているほか、普段は使われない構えだからこそ、中には読みづらさから使う人もいます。

それぞれの構えのメリットとデメリットから、中段の構えと上段の構えが主流となっているということも覚えておきましょう。

剣道の構えはそれぞれ意味と有効な場面がある

剣道の構えはそれぞれ意味と有効な場面があります。使われない構えでも、覚えていることで役立つときが意外とあるものです。より強くなるためにも、構えを覚えて戦術を増やしていきましょう。

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