包丁の種類は多種多様。包丁選びに迷わないための包丁ガイド

2019.02.07

家庭で使われている包丁はどれも同じようなものだと思っている方も多いかもしれません。しかし、包丁によって得意な材料も大きく違い、お手入れの方法なども変わってきます。これから料理を始めようと思っている方には、この記事が参考になるはずです。

大きく分けると2種類

包丁は、料理や材料によって変えることがあります。プロの和食の職人は何十本も包丁を所持しているほどです。

そのためさまざまな形や材質のものがあり、牛肉を解体するための包丁や野菜が切りやすい包丁など、用途もいろいろあります。

専門の包丁などを含めると無数に種類があるのですが、大きく分けると『和包丁』と『洋包丁』の2種類です。

和包丁

『和包丁』というのは日本刀が起源だと言われています。そのため、一番初めに作成された包丁は日本刀を短くしたような形だったようです。

日本刀がルーツにあるため刃は『片刃』になっています。片刃であるため食材の組織を破壊せずに、お刺身などを美しくキレイに切ることができます。

また、和包丁は野菜の飾り切りなども簡単にできるため、和食のプロのほとんどが使用しているほどです。

アジなどの小ぶりの魚や、身が薄い魚をおろすのに使用される『あじ切包丁』や、三枚おろしや背開き、頭を骨ごと切断できる『出刃包丁』は一般家庭でも使用されることがあります。

洋包丁

アメリカなどで肉を切るために使用され始めたのが『洋包丁』です。あまり馴染みはないかもしれませんが、一般家庭でも使用されています。

洋包丁は明治時代より前には日本にありませんでしたが、洋食ブームが起きたとき肉を切り分けるために一緒に輸入されたと言われています。

洋包丁には肉を切るのに適している『牛刀』や、緻密な作業に向いている『ペティナイフ』などがあります。

三徳包丁は和洋いいとこどり

料理をこれから始めようと思っている方がいたら、『三徳包丁』がいいでしょう。『三徳』とは、肉や野菜、魚といった色々な食材や材料が切れるという意味があります。まさに和包丁と洋包丁の『いいとこどり』をしたような包丁です。

三徳包丁がどんな食材でも切りやすいのには、理由があります。まず、野菜が切りやすいように刃の根本は直線になっています。そして、刃先は肉を軽い力で切れるようにカーブを描いているのです。

そして刃の先端が尖っているため魚がさばきやすいのです。これらの工夫があるため三徳包丁が一本あれば何でも対応できると言われています。

海外で大人気の和包丁

昔から海外では寿司や天ぷらなど和食の人気がありましたが、近年さらに注目が集まっています。それにともなって和包丁を欲しがる人も増加しているそうです。

例えば貝印株式会社の包丁である『旬』シリーズは、アメリカで開かれる刃物の展示会で何度も受賞をしています。

なぜ人気なのか?

海外で和包丁が人気なのは理由があります。それは『切れ味の鋭さ』と『種類の豊富さ』です。

切れ味の良さというのは、一見すると洋包丁も負けていないと思うかもしれません。しかし、そもそも根本的な部分が違います。

洋包丁は硬い肉を切ったり、肉を解体したりするために作られているため、力を入れて『押して切る』という使い方をします。

しかし、和包丁はそれとは反対に力を入れずに『引いて切る』ことが基本になっています。力を使わないため、食材の切り口が美しく鮮やかです。

これらの切れ味は、和包丁が『打ち刃物』を基盤としていることによります。日本刀の技術を昇華させ、革新を進めているからこそ、安定した切れ味が実現できているのです。

海外で和包丁が人気の理由は切れ味だけではありません。種類の豊富さも海外で評価されています。

餅を切るための『餅切り包丁』や、うどんやそばを切るための『麺切り包丁』など、特定の食材を切ることに特化した包丁も多くあります。

こういった種類の豊富さに、海外の料理人は非常に感動するそうです。料理にあったものを選ぶことができるので、料理人からみて魅力的なのでしょう。

海外有名シェフが愛用する和包丁

和包丁は海外で人気があると説明しましたが、実際に多くの有名シェフが利用しています。例えば1960年代からすでにパリのレストランで和包丁が使われていたそうです。

他にもフランスの三ツ星シェフであるミシェル・ブラスさんは、和包丁を日本の企業と共同開発を行っているほどです。

一般的に家庭で使用される包丁の種類

包丁は用途によって使い方を変えるといいでしょう。和食の料理人などは10本以上の包丁を使いわけているそうです。ここでは、一般家庭で使用される包丁の種類をいくつか紹介します。

三徳包丁

ホームセンターやスーパーなどで一般的に多く売っているのは『三徳包丁』です。便利で使い勝手が良いため、これから料理を始めようと思っている方も安心して扱うことができます。

『肉』『魚』『野菜』などを切ることができて、様々な料理に使えるということから『万能包丁』とも呼ばれます。

牛刀

肉を切るために作られている『牛刀』は、世界中に多くの愛用者がいます。刃渡りが長く、肉を解体するのに便利な形状です。

ただし、刃渡りが長いため三徳包丁よりも少し扱いが難しい部分があります。もし購入するのであれば、まずは18~22cmほどのものを購入するといいでしょう。

もう1本足すなら

包丁を選ぶときには『どのように調理したいのか』『どのくらいその包丁を使う回数があるのか』ということを念頭に入れるようにしましょう。

三徳包丁だけでも、料理を始めたばかりの頃はいいかもしれませんが、次第に物足りなさや使い勝手の悪い部分を感じるときがくるはずです。そういったときには『ペティナイフ』を購入するのがいいでしょう。

三徳包丁よりも小さいので、細かい作業に向いています。小魚をさばいたり、肉の筋切りをしたりと三徳包丁では難しいような作業がしやすくなるでしょう。

素材別の包丁の種類

包丁はステンレスや鋼など色々な素材で作られており、それぞれの素材によって硬度や特性が違います。硬さが変わってくるため切れ味や研ぎやすさ、錆びにくさなどが変わってきます。

自分が料理するときのことを考えて素材を選ぶようにしましょう。ここでは『ステンレス』『鋼』『セラミック』について紹介していきます。

丈夫で長持ちステンレス

一般的に家庭で多く使われているのは『ステンレス』でしょう。研ぎやすさと錆びにくさを兼ね備えているのが特徴です。

頑丈な素材なので、頻繁に研がなくてもよく、手入れが簡単というメリットがあります。ただし、鋼の素材でできた包丁よりは切れ味が劣るという面もあります。

切れ味鋭い鋼

鋭い切れ味が特徴なのが『鋼』の包丁です。和食の職人たちは鋼の包丁を使用していることが多いでしょう。

日本の鋼の加工技術は特に進んでおり、クオリティの高さは海外から評価されています。それゆえプロにも愛されているのでしょう。

ただし、錆ができやすいというマイナス点もあります。安価な鋼の包丁は切れ味が持続しにくく摩耗しやすいものが多いのです。高価で品質の良いものを選べば、不純物が少なく切れ味も長続きしやすくなります。

軽くて手入れが簡単なセラミック

もっとも手入れが簡単なのが『セラミック』です。陶器のため錆びることはありません。また非常に軽いため、使い勝手の良い包丁でもあります。

また、食材を切ったときに金属アレルギーを心配される方にもセラミックはおすすめです。セラミックは金属ではないため、ご家庭にアレルギー体質の方がいるときには安心して調理ができるでしょう。

切れ味も長持ちして良いのですが、銅やステンレスと比べると衝撃に弱く、折れたり欠けたりすることもあります。また、セラミックは硬いので家で研ぐのに苦労するという難点もあります。

用途別の包丁の種類

包丁には三徳包丁や牛刀などの家庭で使用しやすいものがあることを説明してきましたが、世界には他にも様々な種類の包丁があります。

ここでは『野菜用』『肉用』『魚用』と料理の種類にわけて包丁を紹介していきます。

野菜用包丁

『菜切包丁』や『薄刃包丁』は野菜を切るのに向いている包丁です。ブツ切り、刻み物、千切りなどをするときにその力を発揮するでしょう。

菜切包丁の刃は水平で幅が広いため、白菜など大きい野菜を切ったり皮を向いたりするのに適しています。また、和包丁の中では珍しい両刃であるという点も特徴です。

薄刃包丁は刃が薄く、菜切包丁よりも切れ味が良くて切り口がきれいになります。ただし刃欠けしやすいため、硬い野菜は切らない方がいいでしょう。

肉用包丁

牛刀だけでなく肉を切るための包丁には『骨スキ包丁』や『筋引き包丁』といったものもあります。

骨スキ包丁は骨付きの肉から肉だけをとるための包丁です。骨にそって刃を動かして使用するため、刃こぼれしにくいように刃先が厚くなっています。

筋引き包丁は大きな肉の塊を筋にそって切り分けるのに適しています。筋はまっすぐではないため他の包丁では切るのが難しいのですが、筋引き包丁は幅が狭く自在に動かせるようになっています。

魚用包丁

魚をさばくときにおすすめなのが、『出刃包丁』です。刃が分厚く硬いものを切ることができるため、魚のあらおろしやブツ切り、三枚おろしが簡単に行えるでしょう。

切れ味と切り口をよくするために片刃になっているのが特徴です。ただし乱暴に扱うと刃こぼれを起こすので注意しましょう。

他に魚をさばくための包丁として、『蛸引包丁』や『ふぐ引包丁』『寿司切包丁』などがあります。

魚を家庭で捌くなら最低2種類用意

家庭で魚をさばくなら包丁は2種類用意した方がいいでしょう。魚を刺し身にするときには、おろす作業と刺し身や皮引きをする作業があります。それぞれに適した包丁を使いましょう。

魚をおろすには『出刃包丁』がいいでしょう。切り身にしたり頭や骨を割ったりする際にも使用します。皮引きなどは『刺身包丁』で行うといいでしょう。

家庭用の包丁でも魚を三枚おろしなどは行うことはできますが、労力がかなりかかるので、専用の包丁を購入することをおすすめします。

自分に合う包丁選びのコツ

ここまでで食材や料理によって包丁を選ぶことがわかったかと思いますが、他にも選ぶポイントがいくつかあります。ここでは3つのポイントに絞って、包丁を選ぶコツを紹介していきましょう。

メーカー、ブランドから選ぶ

包丁はメーカーやブランドによっても違いがあるので、そこから探してみるのもいいかもしれません。

例えば『吉田金属』(YOSHIKIN)がだしている『GLOBAL』という日本を代表する包丁ブランドがあります。この包丁は割引は一切しないという方針をとっており、少し高価なのですが、その切れ味は抜群です。

ドイツのメーカーである『ヘルケンス』の包丁は値段も手頃なものも多く、デザインに凝っているものが多くあります。

包丁の街である岐阜県の関市にある『貝印』という企業の『関孫六』(せきのまごろく)は一般からプロ向けまで豊富にあります。とにかく種類が多いため、自分に合ったものが見つけられるでしょう。

切れ味の良いものを選ぶ

包丁の扱いに慣れていない人からすると、切れ味が鋭い方が怪我をする恐れがあると勘違いしている方も多いかもしれません。

実はまったくの逆で、切れ味がない包丁の方が指を切ったり、怪我をしやすかったりするのです。理由は切れ味が鈍い包丁の方がどうしても余計な力が入ってしまうからです。

切れ味の鋭い包丁はほとんど力を入れずに食材を切ることができます。簡単に切れるので作業がスムーズに進み、怪我をしにくいのです。

手入れが楽なものを選ぶ

包丁は使っているとどんどんと切れ味が落ちてしまうため、砥石などで研ぐ必要があります。自分でメンテナンスするのは大変なので、始めのうちは手入れが楽なものを選ぶといいでしょう。

例えばセラミックにしておけば研ぐ必要はほとんどありません。しかし、研ぐ必要があるときには、素材が硬いためメンテナンスしにくい包丁です。道具も普通の砥石ではなくダイヤモンド砥石などを使用する必要があります。

刃と柄がすべて金属で一体型となっているものの方が、洗い物も簡単で衛生的に使用できるでしょう。

刃渡りはまな板のサイズに合わせて

包丁のサイズも選ぶ際の重要なポイントです。基本的には家庭にあるまな板のサイズに合わせて包丁を選ぶといいでしょう。

一般的には刃渡りが15~18cmほどが平均的な長さになります。自宅に大きいまな板がある場合には19~21cmくらいのサイズでもいいでしょう。

おすすめの包丁3選

包丁は長く使うものなので、せっかくなら良いものを1本持っておくことをおすすめします。一押しの包丁を3つ紹介します。

柳 宗理 キッチンナイフ 18cm 日本製

日本インダストリアル・デザイナーの巨匠である柳宗理さんが手がけているのが『柳 宗理 キッチンナイフ』です。

柳宗理さんは食器や家具だけにとどまらずオリンピックの聖火のデザインまで手がけている方です。デザインだけでなく使いやすさも追求しています。

職人が一本ずつ刃付けをしているため、鋭い切れ味を持ちながら折れにくく、錆びにくい性質を持っています。自宅でも研ぎ直しが可能でメンテナンスしやすい包丁です。

  • 商品名:柳 宗理 キッチンナイフ 18cm
  • 価格:6,000円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ビクトリノックス 三徳包丁 FIBROX

スイスを代表する総合ナイフメーカーであるビクトリノックスが販売している『三徳包丁 FIBROX』は初心者から上級者まで満足のいく一本です。

ビクトリノックスは家庭用のキッチンナイフから、一流レストランのシェフにも愛されている包丁まで製作しています。

包丁の持ち手から工夫がされており、人間工学に基づいた使いやすいデザインです。結合部分から雑菌などが入りにくくなっているため、衛生面でも安心でしょう。刃には精密研磨加工を施しており、スムーズな切れ味を保つことができます。

  • 商品名:ビクトリノックス 三徳包丁 FIBROX
  • 価格:4,000円(税込)
  • Amazon:商品ページ

貝印 KAI 関孫六 ダマスカス 三徳包丁 AE5200

貝印が販売している『関孫六』シリーズの中でも、『ダマスカス』は上位モデルに位置づけられる包丁です。

日本刀を思わせる美しいダマスカス模様が特徴的で、見ると思わずうっとりしてしまうでしょう。

独自の刃付けで鋭利に仕上げてあるため切れ味は抜群で、食材の味を壊さずに切ることが可能です。

  • 商品名:貝印 KAI 関孫六 ダマスカス 三徳包丁 AE5200
  • 価格:8,520円(税込)
  • Amazon:商品ページ

お気に入りの一本を見つけよう

包丁は様々な種類や材質があり、それぞれの料理や材料に合ったものを選ぶことが大切です。

長く使うものなので、一度選ぶとそうそう買い換えることはないでしょう。使いづらいと料理が楽しくなくなってしまいます。

100円ショップでも包丁は買える時代ですが、良い包丁に替えてみると、料理を今よりもっと楽しめるようになるかもしれません。

包丁は奥が深く、料理にかかせない存在なので、少し高くても良いものを1本持っておくことをおすすめします。

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