お好み焼きはなんと”戦国時代”からあった!?お好み焼きの今昔を探る

2019.02.06

お好み焼きはカレーと並んで、子どもから大人まで人気のある国民食ともいえるメニューです。お好み焼きは一体いつから始まり、どのように変化して現在に至ったのでしょうか?お好み焼きの種類やおすすめ具材、東京での人気店などを紹介します。

お好み焼きの始まりは戦国時代から

『お好み焼き』の始まりをさかのぼると、いつからになるのでしょうか?

実は、戦国時代に千利休が作らせていた、小麦粉を使ったお茶菓子である『ふのやき』がお好み焼きのプロトタイプではないかと考えられています。

小麦粉を、水で洗いながらこねるとグルテンが出てきます。ふのやきとは、それを焼いて、味噌などを包んだお茶菓子です。

江戸時代の終わりごろから明治にかけて、ふのやきの味噌の代わりに、餡を巻く菓子が屋台などで売られていました。その延長線上にお好み焼きと、『どら焼き』も生まれたと考えられています。

現在のお好み焼きに進化したのは戦後

明治時代に入ると、東京では『もんじゃ焼き』や『どんどん焼き』など、今のお好み焼きに近いものが登場してきます。材料も野菜が多く使われるようになりました。

お茶菓子の一種から始まりましたが、関東大震災の折りには当時手に入るいろいろな野菜を入れて、『焼いてすぐ食べられる簡単で手軽な食べ物』として、主食の役ら割を果たすようになっていきます。

その後、終戦後の日本では、駄菓子屋の『一銭洋食』が脚光を浴びました。小麦粉を水で溶いて焼き、ネギなどをのせて食べる形から、空腹を満足すために小麦粉にキャベツを混ぜて焼く方法に変わり、現在のお好み焼きへとつながっていきます。

種類は大きく分けて関西風と広島風の2つ

お好み焼きは、作られる地域によっていろいろなタイプのものがあります。大きく分けると『関西風』と『広島風』の2つに分けられます。

これらは、見た目や具材が異なるだけでなく、当然味わいが違います。一般的には関西風のものがお好み焼きのイメージです。

広島で広まったのは終戦後に、米軍から支給される小麦粉(メリケン粉)を水で溶き、薄くのばして観音ネギをまぶして焼いたものでした。

その後に、観音ネギの代わりに、安くて美味しく、量感もあるキャベツが使われたのが、広島風のお好み焼きの原型といわれています。また、お好み焼の名前通り『好きなものを入れ』る中で、食べ応えがある中華麺も加えられるようになりました。

このような食糧難の時代に、少ない量でも満腹感が得られるようにと、薄い生地の中にしっかりした麺類を入れたことで広島風のお好み焼きが生まれたのです。

関西風と広島風、作り方に違いはある?

お好み焼きの有名な2つの系統は関西風と広島風です。中には両方ともに好きな人もいるようですが、それぞれのファンは譲れない味わいを感じているようです。

では、その味を決定する作り方には、どのような違いがあるのでしょうか。

一番の違いは焼き方

お好み焼きの『関西風』と『広島風』の違いの中で、その最たるものは『焼き方』と言ってよいでしょう。

関西風お好み焼きは、具材をすべて小麦粉に混ぜ込んでから焼きあげます。生地の中にキャベツも天かすも何もかもすべてを混ぜ込んで鉄板の上に敷き、その上に肉を置いて、ある程度火が通ったらひっくり返す焼き方です。

広島風お好み焼きの場合は、まず小麦粉だけを使って生地の部分をクレープ状に焼いてしまいます。その上にキャベツ・もやし・肉などの具材をまるでミルフィーユのように、重ねて焼いていきます。

生地の違いはゆるめと硬め

お好み焼きの関西風と広島風の作り方の違いがわかったところで、次にその『生地』にフォーカスして違いを見てみましょう。

関西風は、具材と生地が混ざったふっくらとした焼き上がりが特徴です。そのふっくら感を補強するために、生地に山芋を擦って練り込んだりしますが、ベースになる生地は硬めです。そのため、具材をすべて包み込んでも崩れずに仕上がります。

広島風は、生地の上に具材を1種類また1種類と、延々と重ねていくので途中は厚みがありますが、徐々に火が通り、食べやすい薄さになっていっていきます。生地はゆるめに作って寝かせてから使うので、硬くならずに最後までしっとり感があります。

キャベツの長さにも違いあり

関西風と広島風のほかの違いはどういう点でしょう。実はキャベツの長さにも、大きい差があります。関西風のお好み焼きではキャベツをだいたい4cm程度に短く切り分けます。広島風に関しては、ほぼ10cmという割と長めの千切りにするのです。

関西はメリケン粉やほかの具材と、切ったキャベツをカップで一緒に混ぜるので、 長すぎては混ぜにくくなります。ほどよく短いのが向いています。広島は先に述べたように、生地の上に具材をのせるので、キャベツも長めの千切りが向いています。

関西風は辛口、広島風は甘口のソース

お好み焼きに使うソースさえも、関西と広島では全然別のものを使います。具合的には『辛口』と『甘口』の違いがあります。

関西では、お好み焼きソースといえば辛口です。店によっては辛口と甘口の両方を置いていて、食べる人の好みで使い分けができるところもありますが、基本的には辛口です。

そして、広島風のお好み焼きに使うソースは甘口が基本です。ソースの辛口・甘口に関しては、なにもお好み焼きだけに限らず、食の志向・傾向の地域性の違いとも考えられます。

ほかにまだあるお好み焼きの種類

関西風と広島風だけが、お好み焼きのすべてではありません。ほかにも種類はまだまだあります。その中でもポピュラーなものを、ここで紹介しておきましょう。

モダン焼き

関西では、そばをのせるお好み焼きを『モダン焼き』と呼びます。「広島と同じじゃないのか?」と思う人もいるようです。しかし、そもそもの生地自体の作り方が、重ねるのと最初から混ぜるのとで大きい違いがあるので、別物と考えましょう。

モダン焼きの作り方も何種類かあり、これが決定版というのはありません。麺の上に生地をのせて、さらにそれを焼き拡げた卵の上にのせて、最後にひっくり返すタイプもあれば、生地と生地でそばを挟んでしまうタイプのほか、いろいろとあります。

家庭によって、あるいはお店によっても作り方が違うところも、お好み焼きならではの自由さです。

ネギ焼き

『ネギ焼き』は厳密にはお好み焼きと少し異なる、キャベツの代わりに細かく刻んだ大量の青ネギを混ぜて焼き上げる料理です。

『すじこん』と呼ばれる、牛すじとこんにゃくの煮込みと合わせ食べるのが一般的な食べ方です。

ネギ焼きの作り方は、関西のお好み焼きと同様にすべての具材を最初に混ぜ合わせてから焼きます。また、お好み焼き同様にソースによく合いますが、実は醤油との相性もかなりよいので、食べる人のお好みに合わせて食べられています。

お好み焼きに何を入れる?おすすめ人気具材

さて、お好み焼きにはいつも何を入れますか?さまざまなバリエーションがトッピングできるのもお好み焼きの魅力です。ここではおすすめの食材を紹介します。

定番の具材

まずは、基本的なお好み焼きの『定番』具材を紹介します。一般的に下記のようなものがあり、迷ったときはこのあたりを用意しておけば、失敗せずにおいしいお好み焼きを作ることができます。

  • 小麦粉(薄力粉)
  • キャベツ
  • 豚バラ肉
  • イカ
  • 天かす
  • 山芋
  • ソース・マヨネーズ
  • 削り節

これもおすすめ、変り種具材

つぎに、少し個性的なお好み焼きを作りたいときのために、お好み焼きに使える変わり種の具材を紹介します。

トマト

『トマト』を使うと、洋風のお好み焼きが作れます。普通のトマトでもミニトマトでもトマトの缶詰でも大丈夫です。ケチャップをお好み焼きに塗るのと通じる味わいです。ベーコンやホウレン草などをトッピングするとピザ風の美味しさも出ます。

もやし

『もやし』は調理しやすくて値段も安く、栄養も多く含む上に美味しいので、おすすめできます。ただし、生でそのまま使うと切り分けがしにくいので、手でぽきっと折ってレンジ加熱をしてから加えるのがコツです。

たくあん

静岡県浜松市界隈では、『遠州焼き』といってお好み焼きに『たくあん』が入っています。その場合は、ソースよりも醤油が合うようです。紅ショウガやネギと一緒に肉や魚などの具材と組み合わせても美味しいです。

ちくわ

肉の代わりに『ちくわ』を使うのもおすすめです。食感がしっかりしているので肉がなくても食べ応えがあり、ダイエットにもよいでしょう。切り方および焼き加減で味の印象も変わります。輪切り・細切りなどいろいろと試すのも一興です。

お好み焼きにマヨネーズはかける?かけない?

お好み焼きにソースは欠かせませんが、マヨネーズは人によってかけるかかけないかはさまざまです。関西風と広島風ではどうでしょうか?また、世間ではお好み焼きのマヨネーズに対してどういう風に考えられているのでしょう。

半数以上の人がかける派

『マヨネーズ』をかけて食べる人は結構たくさんいて、民間の調査によれば60代以上で約50%で、若くなるほど割合が増えて30代以下では約70%ということです。年配でも半数、若い世代は7割もマヨネーズをかけて食べる傾向があるのです。

マヨネーズの人気があるのは、独特の酸味がお好み焼きの油っぽさを抑えて、美味しさを増すからと考えられます。さらにマヨネーズはソースにもなじみやすいので、よけい美味しく感じるのです。

ソースやマヨネーズをきれいに塗るには、中心から外に向かって刷毛で渦巻きを描きながら広げると上手にできます。

広島風お好み焼きにはかけないのが常識?

一説によると、お好み焼きにマヨネーズをかけるのは関西風だけで、広島風ではしないようです。お店にもよりけりですが、広島風お好み焼きは出てきた段階ではマヨネーズはかけられていません。

そういう意味ではお好み焼きにマヨネーズをかけるかけないも、関西風と広島風の違いの一つと言えます。

しかし、お好み焼きにマヨネーズをかけることは全国区になってきているので、広島風のお店でも卓上にマヨネーズが置いてあるか、お店のスタッフいえば出してくれるなどは当然あります。

東京で人気のお好み焼き店3選

東京にも人気のお好み焼き店が、たくさんあって、個性的な店も盛りだくさんです。気軽に足を運べる人気のお好み焼き店を、ピックアップしてみましょう。

きじ 丸の内

JR東京駅の丸の内南口から歩いて3分の『きじ』はお好み焼きの本場、大阪は梅田の本格派の味を東京で味わうことができるお店です。おすすめはやはりオーソドックスな『豚玉』です。お好み焼きの王道を味わいましょう。

表面はカリっと、中はふわっとして柔らかく、具材の豚肉も丁寧に焼き上げられている豚玉の模範解答的な逸品です。大葉が隠し味としてアクセントになっています。

店内の調度は木目調で統一されていて、落ち着いた照明も相まって、都会の喧騒から離れてゆったりした時間が過ごせます。老若男女の幅広い顧客層が集うお店です。

  • 店舗名:きじ 丸の内
  • 住所:東京都千代田区丸の内2-7-3 東京ビルTOKIA B1F
  • 電話番号:03-3216-3123
  • 営業時間:月~金11:00~15:30/17:00~23:00、土日祝11:00~23:00
  • 定休日:不定休
  • 公式HP

風流お好み焼き 染太郎

東京メトロ銀座線の田原町駅から歩くこと5分、浅草駅から10分弱の『風流お好み焼き 染太郎』は1937年に創業された、日本国内に現存するお好み焼き店の中で最も古い店のひとつです。

江戸川乱歩や渥美清、勝新太郎など昭和の文士や芸人たちが集った店であり、昔ながらの木造建築の雰囲気を味わうために外国からの観光客もたくさん訪れる、浅草になくてはならないお店です。

創業当時の素朴な味を守りながらも、現代のお客さんたちにも愛される味を提供しています。お好み焼き以外にも、焼きそばとしゅうまい天や、平日昼間限定の染太郎もんじゃなどがおすすめです。

  • 店舗名:風流お好み焼き 染太郎
  • 住所:東京都台東区西浅草2-2-2
  • 電話番号:03-3844-9502
  • 営業時間:12:00~22:30
  • 定休日:無休

OSAKA きっちん 本店

東京メトロ日比谷線『東銀座駅』から歩いて1分の『OSAKA きっちん銀座本店』は東京都内を中心に店舗展開をしている鉄板焼き専門店です。ミシュランのビブグルマンのカテゴリーにおいて4年続けて紹介されています。

お店の雰囲気もよく、コストパフォーマンスも良好なので、いろいろな知り合いを連れて来たくなるお店です。

おすすめメニューはお店の名前を冠した『OSAKAきっちんSPECIAL』です。粉の量は少ないですが、具材と生地の美味しさが抜群で、しかもボリューム満点の一品です。

  • 店舗名:OSAKA きっちん 本店
  • 住所:東京都中央区銀座4-14-19 グレート2F
  • 電話番号:03-6228-4951
  • 営業時間:17:00~23:00
  • 公式HP

広島風お好み焼きならココがおすすめ

関西風に負けず劣らず人気が高い広島風お好み焼きですが、東京で本場の味が食べられる、おすすめの広島風お好み焼き店を紹介します。

八昌

『お好み焼き八昌』は、広島風お好み焼店の中の有名店、八昌本店のお好み焼きが東京は世田谷区経堂で味わえるお店です。まるで釜焼きのピザのような香ばしい焼き具合が楽しめます。

そばはもちろん生麺で、適度にソースを絡めて香ばしくなった食感も、本店と変わらないレベルを味わえます。オーソドックスだからこそ求められる、素材の品質と手際のよさによって、職人技と呼べる逸品に仕上がります。

  • 店舗名:お好み焼き八昌
  • 住所:世田谷区経堂1-21-18 原田ビル2F
  • 電話番号:03-3428-8437
  • 営業時間:火~土17:00~25:00、日祝17:00~23:00
  • 定休日:月曜日
  • 公式HP

ソニア

都営浅草線・JR山手線の新橋駅から歩いてそれぞれ5分ほど、都営大江戸線汐留駅からも6分というアクセスのよい場所にある『ソニア』は広島風お好み焼きの本場の味が楽しめるお店です。

2005年に東京に進出してきた同店は、新橋のサラリーマンたちから本格的な広島風お好み焼きが堪能できると高い支持を集めました。極力油を使わないで、具材を幾重にも重ねて蒸し焼きしたお好み焼きは、カリッとした食感とヘルシーさがウリです。

お酒を楽しみたい人に向け、鉄板焼きやおつまみメニューも用意されています。店主の気さくな接客も相まって、ランチタイムもディナーも盛況の人気店ですが、こだわりがあり、お好み焼きを半分まで食べないとマヨネーズを提供してくれません。

  • 店舗名:ソニア
  • 住所:東都港区新橋5-15-1 ル・グラシエルビル B1F
  • 電話番号:03-3433-5084
  • 営業時間:月~金11:30~14:30/17:30~23:00、土11:30~14:00/ 17:00~22:00
  • 定休日:日曜・祝日
  • 公式HP

カープ 東京支店

JR山手線の神田駅から歩いて4分の『カープ 東京支店』は東京中の広島風お好み焼きでトップを争うほど美味しいとの評判です。店先の赤いのれんに広島風、そしてカープといえば、思い浮かぶのは広島のプロ野球チーム『広島東洋カープ』でしょう。

カウンター席だけのお店で、目の前に鉄板があって、そこでお好み焼きが焼かれます。できたてアツアツのまま、一番美味しいタイミングで食べられるように皿に移してくれます。とろろ昆布の味が非常に印象的です。

店内で飛び交う広島弁、広島カープのカレンダー、ソースはおたふくソースと、店の中は広島テイストが充満しています。大人数には不向きですが、本当に美味しいお好み焼きを食べてみたい人にはおすすめです。

  • 店舗名:カープ 東京支店
  • 住所:東京都千代田区神田鍛冶町3-5
  • 電話番号:03-5296-0080
  • 営業時間:火~金 11:00~22:00、土11:00~21:00
  • 定休日:月・日・祝日

美味しいお好み焼きを食べつくそう

関西風や広島風、モダン焼きなどいろいろな楽しみ方ができて、しかも庶民的な値段の食べ物がお好み焼きです。評判のお好み焼きを求めて、気軽にあちこちのお店を訪ね、美味しいお好み焼きを食べつくしましょう。

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