料理をする際に欠かせない包丁ですが、長く使っているとどうしても切れ味が悪くなってしまいます。だからといってすぐに捨てるのはもったいないですね。ここでは包丁を長く使うための上手な研ぎ方と、適切な頻度について解説します。
包丁を自分で研ぐメリットは?
まずは包丁を買い替えず、研いで使うことのメリットを解説します。
費用が安くすむ
最大のメリットは、何といってもコストパフォーマンスが良い、ということでしょう。包丁の価格はピンからキリまでありますが、高価なものですと数万円はかかってしまいます。それを買い替えるとなるとコストがかかることはいうまでもありません。
包丁研ぎは100円ショップでも販売されているので、包丁を買い替えるよりも、包丁研ぎを購入して今あるものを手入れしながら使う方が、ずっと安上がりなのです。
包丁はきちんと手入れしながら使えば30年以上使えるものなので、ちょっと切れ味が悪くなったぐらいで買い替えるのは、かなりもったいないといえるでしょう。
いつでも好きなときに手入れができる
毎日のように包丁を使っていると、かなりの頻度で包丁を研がないと、すぐに切れ味が悪くなってしまいます。
プロに包丁研ぎを依頼してメンテナンスをするのも良いのですが、依頼する回数が増えるとその分コストもかかりますし、使いたい時に包丁がない、という状況も出てきます。
自分で包丁を研げば、すぐに使えるので、いつも優れた切れ味の包丁を使えるというメリットがあります。
自分の包丁への愛着がわく
自分で包丁を手入れしていると、その包丁にどんどん愛着がわいてきます。料理するたびにいつもそばにある包丁が、まるで自分の一部のような感覚になり、その包丁を使って料理をすることが楽しくなってくるのです。
言ってみれば包丁は料理をするうえで大切なパートナーです。自分で包丁を研いで手をかければ、おのずと親しみがわくでしょう。
研ぐ頻度は包丁の使用頻度に比例
包丁を良い状態に保つためには、どの程度の頻度で研げば良いのでしょうか。包丁を研ぐ頻度について考えます。
プロは毎日
プロのように、毎日たくさんの食材をさばく人達の場合は、毎日研ぐことが大切です。包丁の切れ味は食材の味を左右する重要なポイントでもあるので、お客様に最高の料理を提供するためには、包丁が最高の状態であることが必須なのです。
切れ味が良いことで食材が素早く切れ、時間短縮にもなります。
切れ味の良い包丁は危ないのではないか?と考える人もいるようですが、むしろ切れ味が悪い方が危険なのです。なぜなら切れ味の悪い包丁で指を切った場合、傷口が荒くなってしまうので、傷の治りが遅くなってしまうからです。
一般家庭の場合
一般家庭の場合は、使用頻度に差があるため一概にはいえませんが、だいたい1カ月に1度は研ぐのが良いとされています。
一般家庭の場合ですと、研ぎ石ではなくシャープナーを使っている場合もあるかもしれません。この場合もやはり月1回ぐらいのペースが良いですが、シャープナーで研ぐと刃先が荒れるので、定期的に研ぎ石も使うようにしましょう。
包丁の研ぎ方を紹介
ここからは、包丁の研ぎ方を詳しく解説します。包丁を研ぐには研ぎ石が必要です。研ぎ石には荒砥・中砥・仕上砥の3種類があり、目の粗さが違います。
大きく刃が欠けている、錆があるなどの理由で大きく研ぎたい場合は荒砥を使い、定期的な包丁研ぎならば中砥を使いましょう。仕上砥は研いだ後に使います。
片刃包丁の研ぎ方
片刃包丁とは、片面だけが削られて刃になっていて、裏と表がある包丁です。刺身包丁や出刃包丁などが片刃包丁にあたります。
まず研ぎ石を水に浸け、十分水を含ませます。30分ほど浸けたら、研ぎ石台やタオルを使ってしっかりと固定し、包丁を研ぎます。
まずは刃の付いている表面からです。包丁を研ぎ石に対して約45度にして、角度を保ちながら前後に動かします。根本から先端へと順番に研いでいきましょう。
適切な刃の角度は、包丁によって異なりますが、刺身包丁なら約15度、出刃包丁なら約30度が目安です。
このように研ぐと「カエリ」と呼ばれるギザギザの部分ができますので、ここを取るために裏と表を交互に研ぎます。
裏面を研ぐ場合は、研ぎ石に対してぴったりと包丁を置き、平らな状態で研いでください。
両刃包丁の研ぎ方
両刃包丁とは、裏面がなく、どちらも表面になっているものです。三徳包丁や菜切包丁などはこれにあたります。特に三徳包丁は一般家庭によく見られる包丁で、左右同じように切れるようになっています。
片刃の時と違い、表と裏で研ぎ方が変わることはなく、両面とも同じ研ぎ方をします。片刃包丁の表面の研ぎ方と同じ方法で包丁を研ぎ、カエリを取るために最後に軽く研いで終了です。
良い包丁は手入れにきちんと応えてくれる
包丁を長く使うために必要な、包丁研ぎの方法を解説しました。包丁はきちんと研げば長く使えるので、この機会にぜひ、自宅の包丁を研いでみてはいかがでしょうか?