中国で生まれた囲碁は、今やインターネットによるオンライン対戦などによって、国境を超えて多くの人々が楽しむ人気のゲームとなっています。ルールをまだ知らない初心者でも使いやすいアプリと、対局を楽しむポイントを解説していきます。
囲碁の基本を知る
今から約4000年前に中国で生まれたとされる『囲碁』は、人類史上もっとも古いゲームといわれています。まずは、長い歴史がある囲碁を楽しむための基本を知りましょう。
囲碁の成り立ちと基本
囲碁が中国で生まれた当初は、木の駒で陣地を取り合うゲームでした。囲う意味を持つ囲(い)と、駒と駒がぶつかり合って鳴る音を意味する棊(き)から囲棊(いき)と呼ばれました。
その後、時代の流れとともに木の駒に代わって石を使うようになり、日本に伝わるころには『囲棊』から『囲碁』へと変わっていたようです。
囲碁は2人でおこない、白石と黒石を持って対戦します。陣地を広げあった果てに自分の持ち石で囲った広さによって、勝ち負けが決まるシンプルなゲームです。そして、相手の石を囲って取るルールが囲碁を複雑で面白いゲームにしています。
囲碁の打ち方を知る
囲碁を始めるには、まず基本のルールや打ち方を知る必要があります。初心者が知っておきたいことをまとめました。
囲碁のルールはシンプルで簡単
囲碁のルールはいたってシンプルです。ただし、ルールが分かったからといってすぐに碁が打てるわけではなく、囲碁は実戦の中で覚える方が分かりやすいといわれます。
最低限の基本ルールを紹介しますので、こちらを覚えるところからがスタートです。
- 碁盤は19路盤を用いて、石は碁盤の線が交差したところに打つ
- 打ち手は一手ずつ交互に打つ
- 地を多く囲った方が勝者になる
- 囲んだ石は取れる
- 囲まれる場所には打てない(そこに打って相手の石が取れるときを除く)
- コウ※はすぐに取り返すことができず、一旦別の場所に打たなければならない
※コウは未来永劫の『劫』であり、同形反復の状態を指します。取っては取られ、また取っては取られるようなパターンのことで、これを許可するとゲームが終わらないので、禁止項目とされます。
対局のやり方
碁盤に向き合ったときにまず一礼して、ハンディキャップがない場合は、黒から打ちます。隅を打つ場合、特に決まりはありませんが、右上から打ち始めるのが礼儀とされています。
碁盤に引かれた線が交差する点にさえ打てば、どこに打とうが基本的には自由です。しかし、初心者は右上の隅から打つ場合にしても、『星』と呼ばれる黒点のところや、『小目』と呼ばれる黒点よりも1つ右横に打つとよいでしょう。
中央は四方を囲う必要があり、辺は3方向を囲う必要があります。2方向を碁盤の端で守られている隅から打つのが効率的です。
初心者は9路盤からのスタートがおすすめ
入門したての初心者の間は『9路盤』、すなわち9×9の碁盤が分かりやすく、練習には最適です。9路盤でも基本的な打ち方に違いはありません。
囲碁の初心者にとって、最初はどこから打てばいいのか?という素朴な疑問を持ってスタートするのがよいでしょう。また、相手の石を囲って取ることは囲碁の醍醐味といえます。初心者のうちは、どんどん積極的に相手の石を取りにいきましょう。
囲碁で相手に石を取られない状態を『生き』、逆に相手に石を取られてしまう状態は『死に』と言います。そして、相手の石を『生き』ないようにして、『死に』の状態にすることを『殺す』という言葉で表現します。
ゲームアプリで対局の練習をしよう
初心者がいきなり碁会所に行くのは抵抗があるでしょうが、ゲームアプリを使うと対局の練習が気軽にできるのでおすすめです。また、オンライン対戦アプリだと、まさに実戦しながらの練習になります。
対人型と対コンピュータ型の違いと特徴
最近では、無料で遊べる囲碁の対戦ゲームが多く公開されています。大別すると『対人型』と『対コンピュータ型』の2種類に分けられます。
対人型はインターネットを介して人と対戦ができるアプリで、オンライン上で相手を見つけて対戦できるので、碁会所に行かなくても実戦ができます。
一方の対コンピュータ型は、コンピュータを相手に対戦できるアプリです。機械学習の目覚ましい技術革新によって、コンピュータも非常に強くなりました。レベルを数段階の中から選んで対戦できるので、身の丈に合ったゲームも可能です。
対コンピュータ型無料おすすめアプリ
『みんなの囲碁 DeepLearning』は無料で遊べる囲碁対局アプリです。
最新技術のディープラーニングで学習した思考エンジンを対戦相手として、囲碁のゲームを楽しめます。盤面は9路盤・13路盤・19路盤の3種類から選べます。14級〜3段の17段階のレベル設定が可能で、棋譜の保存、盤面編集機能も搭載した優れものです。
オンライン対戦ができる無料アプリ
『囲碁クエスト』は囲碁ファンの間では有名なアプリで、略して『囲碁クエ』と呼ばれます。完全無料のオンライン対戦アプリで、持ち時間も少なく、手軽に短時間で遊べるのがメリットです。
9路盤・13路盤・19路盤のどれで対局するかを選べますが、19路盤はオンラインの人数が1000人以上のときのみ、利用できます。
初心者が知っておきたい囲碁のマナー
囲碁は礼儀を重んじるゲームです。初心者とはいえ、最低限のマナーは知っておく必要があります。初歩的なものを以下に挙げていますので、始めるにあたって覚えておきましょう。
- 黒番の第一着手が隅に打つ場合は右上隅から
- 必要以上に相手を待たせない
- 大差で負けているなら、必要以上に粘らない
- 一度打った石は動かさない
囲碁はルールがシンプルで誰もが楽しめる
囲碁はシンプルなルールなので、誰もが楽しめるゲームともいえます。優れたアプリがいろいろあるので、積極的に使ってみましょう。
礼儀も大切なので、実際の対戦はもちろんのこと、オンライン対戦であってもマナーを守り、清々しく囲碁を楽しみたいものです。