音楽編集のできる高機能なフリーソフトがたくさんあります。有料ソフトと比べて、フリーソフトの機能はどの程度なのでしょうか。無料でも十分満足のいく音楽編集は可能なのでしょうか。無料でどこまでできるのかを紹介します。
音楽編集フリーソフトを選ぶ時のポイント
音楽編集用のフリーソフトは本当にたくさん存在します。どうしても選ぶのに迷いがちですが、検討する項目を決めておくと選びやすいので、フリーソフトを選ぶ時のポイントを紹介します。
自分がどんな編集をしたいかで選ぶ
各種音声ファイルや音楽ファイル を、さまざまな状態に編集することができるフリーソフトがたくさんあります。自分がしたい編集のイメージをはっきり持てば選びやすいといえるでしょう。
音声にエフェクトをかけて、音源そのものの質を変えたいのか、あるいは音源の一部分をカットしたり、いくつかのファイルを連結したりなどの編集をしたいのかなど、自分の欲しい機能を明確にしましょう。
無音区間でファイルを自動分割できるソフトや録音機能も付いた音声編集ソフトや、音声ファイルからボーカルだけをカットできるソフトもあります。
対応しているフォーマットは要確認
音楽ファイルにはいくつかの種類が異なるフォーマットがあります。ソフトによって、対応しているフォーマットが異なりますから、選ぶ際にチェックしましょう。
主な音楽ファイル形式にはMP3・AAC・WAVなどがあり、それぞれの特徴は下表のとおりです。
ファイル形式名 | 特長 |
MP3 | データサイズ:原音の約10分の1
音質:CDとほぼ同じ ジャケット写真・歌詞を付けられる |
AAC | データサイズ:原音の約10分の1
音質:MP3より少し良好 圧縮すると戻せない非可逆圧縮形式 |
WAV | データサイズ:CDとほぼ同じで重い
音質:CDとほぼ同じ音質 ジャケット写真・歌詞などは付けられない |
音源のファイル形式の変換は簡単で、『ファイル形式変換用ソフト』を使えばすぐにできます。『音質』『データ容量』のどっちを重視・優先したいのかによって、どのフォーマットの音楽ファイルを使うかを決めるのが基本です。
また、音質そのものに興味がある場合、音源のダウンロード時に『ビットレート』を変えることも可能です。高いビットレートを設定すると情報量が増えて音質がよくなりますが、データが重くなります。
初心者にも扱いやすいおすすめソフト
ベテランにとって簡単なことでも、初心者にとっては非常に難しく感じることがあります。しかしこれから紹介するソフトは、文句なしに初心屋にも扱いやすいソフトです。
切り貼り編集が簡単 mp3DirectCut
『mp3DirectCut』はmp3を劣化させずに、いろいろな編集ができるフリーソフトです。海外製ですが『設定画面』から日本語化できます。
最大の特徴は、音声を無劣化編集できることであり、デコードや再エンコードなしで分割・結合ができるのです。そもそも音声はエンコードされるたびに音全体が劣化していくものです。それを避けたい人に、特におすすめのフリーソフトと言えます。
難点としてはイコライザー・エコー・ノイズ除去などの機能は備わっていません。分割・結合などの切り取りに特化したソフトと認識しましょう。
- ソフト名:mp3DirectCut
- 価格:無料
- フリーソフト100:ダウンロードページ
分かりやすい画面 ocenaudio
『ocenaudio』はMac・Windows・Linuxの3つのOSに対応していて、シンプルかつ高機能な音楽編集用フリーソフトです。
対象ファイル・URLリンク・ディレクトリなどをインターフェースの左側にドラッグ&ドロップするだけで音源を読み込めるので、操作が簡単です。
動作が軽いのに多彩な機能を搭載し、なおかつ使いやすいというスグレモノです。音声編集のビギナーが使えて、ベテランにも満足度が高いと言われています。また、インターフェースは簡潔で、初めて使う場合もストレスなく快適に使えそうです。
- ソフト名:ocenaudio
- 価格:無料
- 公式サイト:ダウンロードページ
本格的に楽しみたい人にはこれがおすすめ
音楽編集の作業になれてくると、一層本格的にやりたくなるかもしれません。そんなときにおすすめのソフトを紹介します。
定番ソフト Sound Engine Free
『Sound Engine Free』はWAVEファイルへのエフェクト付加や、切り抜き等が簡単にできる音声波形編集ソフトです。ステレオあるいはモノラルのWAVEファイルを読み込み、フィルター効果を付加できます。
フィルターの強弱がつけられるつまみがあり、音源を再生しつつ波形を調整可能です。音源の一部分を選択して加工したり、一部分を削除して前後の音をつないだりなども楽々できます。
曲全体の平均ボリュームを検出して、自動的にボリューム調整をすることもできます。加工した後の波形はWAVEファイルで保存可能です。
インターネット検索のためのソフト『JWordプラグイン』がセットになっていますが、要らない場合は『JWordプラグインをインストールする』のチェックボックスをOFFにしておけばインストールされませんので大丈夫です。
- ソフト名:Sound Engine Free
- 価格:無料
- 窓の杜:ダウンロードページ
本格的な音声編集も DarkAudacity
オープンソースの有名なフリーソフト『Audacity』を元にして、ビジュアルをダーク&モダンに統一し、さらにメニューを使いやすく再構成してパワーアップしたフリーソフトです。
一時停止中でも編集作業ができるなど、細かな部分で機能改善がなされ、使いやすくなっています。また再生しながらの録音をする際に、波形の位置をリアルタイムに更新することも可能です。
『Audacity』から余計な情報が削除されて、各メニューが使いやすくシンプルにブラッシュアップされています。『Audacity』よりストレスなく作業できるようになっているソフトと言えるでしょう。
- ソフト名:DarkAudacity
- 価格:無料
- gigafree.net:ダウンロードページ
プラグイン追加でm4aも対応
DarkAudacityもAudacityと同様に、プラグインを追加すればm4aにも対応できるので、可能性が一層広がります。一度試してみる価値があるでしょう。『LAME』プラグインをダウンロードすれば、音声データをMP3で書き出すことができます。
『FFmpeg』プラグインをダウンロードすれば、M4A(AAC)・AC3・WMAなどのファイルの取り込みと書き出しに対応可能です。動画から音源を取り込めるようにもなります。
Macに標準装備 GarageBand
『GarageBand』はMacのパソコンに標準装備されている、音楽制作無料ソフトです。楽器の有無に関わらずに楽曲が作れて編集もでき、共有も簡単にできます。
『GarageBand』を使えば、簡単に音楽を演奏・録音できるうえに、多種多様な音源を編集して、新しい音楽データを作れます。サウンドライブラリも活用できるので、多くの無料音源やループパックを利用して楽曲制作ができるのです。
- ソフト名:GarageBand
- 価格:無料
- Mac App Store:ダウンロードページ
賢く選んで楽しい音楽編集ライフを
音楽編集のフリーソフトがたくさんあり、まさに選び放題です。高性能のソフトがたくさんあるので、自分のやりたい方向性を考えて、それにふさわしいソフトを見つけ、楽しい音楽編集ライフを過ごしましょう。