お茶の上手な入れ方と出し方マナー。美味しさは水と温度がポイント

2019.02.02

ペットボトルや紙パック入りのお茶が手軽に買える時代とはいえ、丁寧に入れたお茶の味はやはり格別です。社会人として、お茶の入れ方やお客様への出し方は、ぜひマスターしておきたいですね。お茶を美味しく入れるコツと、おもてなしのマナーを紹介します。

お茶の基本の入れ方

せっかく美味しい茶葉を買ってきても、保存方法が悪ければ味が落ちてしまいます。また、茶葉の量やお湯の温度が正しくなければ、お茶本来の美味しさを引き出すことができません。

まずはお茶を美味しく入れるための道具や手順などの基本知識を確認していきましょう。

茶器とは

茶器は茶葉を保管したり、お茶を入れたりするのに使う道具です。茶葉は日光や湿度に弱く、空気に触れると酸化しやすいため、茶筒か、遮光できる密閉容器に入れて保管しましょう。

茶葉の量を正しく量るため、専用の茶さじも用意しておきたいですね。また、お茶を入れるには急須と茶碗が必要です。急須にはいろいろなタイプがありますが、お茶を入れる人数に合った大きさのものであれば大丈夫です。

茶碗には普段使いのものと来客用のものがあり、価格やデザインはさまざまです。自宅でお茶を楽しむなら、お気に入りの茶碗を選んで気分をあげるのもおすすめです。

また、お客様にお茶を出す場合、茶碗の下に茶托を置くのがマナーです。来客用の茶碗とセットで揃えておくとよいでしょう。

一人分のお湯と茶葉の量

お茶一人分のお湯の量は、60ccほどです。その場合、茶葉の適量は煎茶で約2g、玉露は約3gとなっています。

種類によって多少変わりますので、それぞれの茶葉についているラベルの説明などを確認してください。この分量をもとに茶碗の大きさやお茶を入れる人数に合わせて量ります。

入れ方の手順

やかんやポットでお湯を沸かしたら、1度全員の茶碗に入れてお湯を冷まします。急須に人数分の茶葉を入れ、先ほど茶碗に入れて少し冷ましたお湯をすべて注いで蓋をして、茶葉が開くまで30秒~1分ほど待ちます。

茶葉が開いたら、好みの濃さになるよう急須を数回水平に振り、茶碗に注ぎます。最初に出てくるお茶は薄いのですが、だんだん濃くなっていくため、茶碗には少しずつ順番に、濃さが均等になるように注いでください。

最後の1滴まで残さず注いでおくと、2回目に入れるときも美味しく飲むことができます。

水からこだわる

お茶の味は、使う水にも影響されます。家庭の水道水を使っているなら、今からご紹介するように少し工夫するだけでも味に大きな差を感じられます。

また、ミネラルウォーターを使う場合も選び方にコツがあります。お茶を入れる水について、こだわるべきポイントを紹介します。

水道水を使う場合はひと工夫を

水道水は消毒のためにカルキ(次亜塩素酸カルシウム)を使っているので、そのまま飲むとカルキ特有の臭いがします。

このカルキ臭はお茶の味も損ないますので、1度沸騰させて、できるだけ取り除くようにしましょう。水に木炭を入れて一晩置いておくと、より効果的です。

また、水は分子が細かいほどまろやかで美味しくなります。朝起きてすぐの水道水は、水道管内に溜まっている時間が長く、分子が大きくなっているため、できるだけ分子が細かくなっている夜に汲み置きしておくのがおすすめです。

沸かす直前にミキサーでまぜると、より分子が細かくなりますよ。

やかんやポットで沸かすときのコツ

お湯を沸騰させてもすぐにカルキが抜けるわけではありません。完全に抜くためには、お湯を数分間沸騰させ続ける必要があります。

やかんの場合は沸騰したら蓋を開けて、弱火で3分以上沸かし続けましょう。ポットの場合は1度沸騰した後に、再沸騰させます。

ミネラルウォーターを使う場合は軟水で

水は何も入っていない純水よりも、ある程度ミネラル分が含まれているほうが、美味しく感じます。水道水にもミネラル分は含まれていますが、長時間沸騰させることで減ってしまうため、市販のミネラルウォーターを使うのもおすすめです。

ミネラルウォーターにも種類があり、硬度(カルシウムやマグネシウムの含有量)によって『軟水』と『硬水』に分けられます。硬水はミネラルの補給には向いていますが、苦みや渋みが強く、お茶を入れるのには適していません。

お茶を入れるときは、クセがなくまろやかな軟水を使いましょう。ちなみに日本のミネラルウォーターはほとんどが軟水ですが、外国産は硬水が多くなっています。購入時によく確認してくださいね。

お湯の温度による味の違い

同じお茶でも、お湯の温度によって味が変わります。熱いほうが美味しく飲めるお茶もあれば、苦くなってしまうお茶もあるのです。

お茶の美味しさを引き出すためには、お湯の温度管理も重要なポイントとなります。

それぞれのお茶に適した温度がある

熱湯で煎茶を入れると、とても苦くて渋いお茶になります。これは旨味成分よりも、渋み成分のほうが多く出てしまうことが原因です。

お茶の旨味成分であるアミノ酸は50度以上で溶け出しますが、80度以上になると、渋み成分のカテキンが多く溶け出してきます。

このため煎茶の場合、渋みを抑えて旨味を引き出すには、70~80度くらいのお湯を使うのが最適なのです。ただし煎茶の苦みが好きな方や、カテキンを多く摂取したい方は、熱いお湯を使うほうがよいでしょう。

また、玉露ともなると、50~60度くらいのお湯でじっくり旨味を引き出します。飲むころにはぬるいと感じるような温度ですが、コクのある味わいと香りを楽しむことができます。

逆にほうじ茶や紅茶などは、できるだけ熱いお湯で入れるほうが香ばしく、美味しくなります。

温度計なしで温度を見極める方法

お茶によって適温が違うと言われても、家や会社に温度計があるとは限りませんし、毎回測るのも面倒ですね。

実は温度計を使わなくても、湯気を見ればだいたいの温度はわかります。湯気が上に向かって勢いよく上がっていれば90度以上、横に揺れながら高く上がっているときは70度くらいです。50度では、湯気はかすかに上がる程度となります。

煎茶を入れるときは、熱湯を茶碗に注いだあと湯気が横に揺れるまで待ってから、急須に入れると良いでしょう。

ティーバッグのお茶の入れ方

手軽さが売りのティーバッグのお茶には、味が劣るイメージもありますが、入れ方次第では茶葉から普通に入れたお茶と同じように美味しくなります。茶葉を計量したり、急須を洗ったりする手間が省けるなどメリットも多く、一定の人気があります。

いろいろな味を揃えておけば、日替わりで楽しんだり、来客時にはお客様に好きなものを選んでもらったりすることもできますよ。

ティーバッグのお茶を美味しく入れるコツを、種類別に紹介します。

日本茶はしっかり蒸す

日本茶の場合は、ティーバッグにお湯が直接かからないよう、茶碗の端から静かに注ぎます。注いだら、ティーバッグの紐を持って静かに数回揺らしましょう。

急須で入れるときと同じように、小皿などで茶碗に蓋をして20秒ほど蒸らします。お茶の旨味成分がきちんと抽出され、美味しくなりますよ。

紅茶はお湯から入れる

紅茶の場合はあらかじめカップを温めておき、沸かしたての熱湯を注いでからティーバッグをそっと入れます。ティーバッグをカップのふちから滑らせるようすると、浮かせずに上手く入れることができます。

蓋をして蒸らしたあと、軽く数回振って取り出します。濃くしようとして強く振ったり、スプーンなどで押したりしても、ただ渋くなってしまうだけなので注意しましょう。

蒸らす時間は1分ほどが目安ですが、茶葉の種類によって多少違うのでパッケージを確認してください。

アイスティーの透明度を上げる方法

紅茶は冷やして飲んでも美味しいですが、熱い紅茶を冷やすと濁ってしまうことがあります。こうなると、せっかく美味い紅茶を入れても美味しそうに見えませんね。

これは、温度が下がるときに、紅茶に含まれるタンニンとカフェインなどの成分が結合し結晶化することで起こる現象です。温度を下げるのに時間がかかるほど、結晶化が進みます。

濁らせないためには、濃いめに入れた熱い紅茶をたくさんの氷で一気に冷やすことがポイントです。また、氷は1度水に通してからグラスに入れておくと、より透明度が上がります。

今さら聞けないお茶の出し方マナー

会社員であれば、受付や事務員でなくてもお客様へのお茶出しを頼まれることがあります。急な依頼にも慌てずに対応できるよう、お茶の出し方くらいは身につけておきたいものですね。

上司や取引先からの印象が良くなるだけでなく、後輩に指導するときにも役立ちますよ。

お盆で持って行く

お茶は給湯室などで茶碗に入れてから、お盆に乗せて会議室や応接室に運びます。このとき、茶碗を茶托にセットしてしまうと移動中にこぼれたときに、茶碗と茶托がくっついてしまいます。

茶托は重ねて茶碗の横に置いておき、お出しする直前に乗せるようにしましょう。また、こぼしてしまったときのために、清潔な布巾も一緒に乗せておきます。

入室したらテーブルの端などにお盆を置いて、茶托に茶碗を乗せてから両手で持ち、お客様の右後ろからお出しします。狭いなどの理由で片手で出すときは、『片手で失礼します』と声をかけます。

お出しするときは茶碗の絵柄がお客様の正面になるように、また木製の茶托の場合は木目が横になるように置きましょう。

大人数の場合は誰から?

お茶はお客様から先に出しますが、お客様が大勢いる場合は、上座に座っている方(役職の高い方)から先に出します。上座は基本的には部屋の一番奥、入り口からもっとも遠い席です。

ただし部屋によってはモニターや外の景観が見えやすい席が上座になっていたり、応接室のソファの配置で上座が決まったりすることもあります。日頃から、自社の会議室や応接室ではどこが上座になるのかを頭に入れておきましょう。

入れ方ともてなし方で決まるお茶の味

同じ茶葉でも、使う水やお湯の温度で味は大きく変わります。美味しいお茶を入れるには、茶葉の良し悪しはもちろんですが、入れ方もとても大切なのです。

またどんなに美味しくお茶を入れても、きちんとしたマナーでお出しできなければ意味がありません。お茶の正しい入れ方、もてなし方を覚えて、いつでも美味しいお茶を楽しんでくださいね。

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