釣りウェアは何を選べばいい?季節別の着こなし術を紹介

2019.01.31

釣りウェアを選ぶときは、動きやすさや快適さ、機能性の高さなどが重要です。季節の変わり目は寒さにも暑さにも対応できる柔軟性が必要でしょう。季節別の着こなし術と、あると便利なおすすめアイテムを紹介します。

釣りウェア選びのチェックポイント

登山やトレッキングと違い、釣りは『待つ』ことが多いアウトドアです。強風が吹きつける堤防や日光が照りつける岩場など、過酷な自然状況での釣りは、ウェア選びが非常に重要になるでしょう。ウェア選びのポイントは以下の3つです。

どこで釣りをするか

どこで釣りをするかによって、快適なウェアは異なります。

それは、自宅からほど近い釣り場と、渓流のある山奥、または強風が吹きつける防波堤では、温度・湿度・紫外線量などが違うためです。足場が整った場所と、そうでない場所でもウェアに求められる条件は変わってくるでしょう。

急激な気温による体調不良や怪我など、リスクが伴うことを考慮して『場所に合ったウェア選び』をしなければなりません。

サイズや動きやすさ

冬場は防寒具などで身が重くなりがちですが、釣りのパフォーマンスを上げるには『動きやすさ』と『快適さ』を第1に考えるべきでしょう。

装備はできるだけ軽量にまとめ、腕まわりを動かしやすくするのがおすすめです。特に、魚のいる場所を求めて動く『ランガンスタイル』の釣りにおいては、装備の重さや動きにくさがネックになります。

サイズはジャストフィットで、かつ気温や天候に応じて調節できるものを選びましょう。

予算と性能のバランス

釣りのウェアを選ぶときは、価格と性能のバランスがとれているかをチェックします。

特に冬場は、防寒具やインナー、レインウェアなど、よりたくさんの装備が必要になり、コストがかさみがちです。デザイン性やブランドにとらわれず、必要な機能が備わっているものを選びましょう。

たとえばレインウェアを選ぶとき、防水機能に加え、防風や防寒、透湿性に優れているものを選べば、色々なシチュエーションやシーズンで着まわせます。少し値段が張っても、多機能で質のよいものであれば、結果的に出費は抑えられるでしょう。

釣りの要、レインウェアの選び方

レインウェアは、1年を通しての必需品です。雨を防ぐだけでなく、寒さや風からも身を守る役割を担ってくれます。レインウェアを選ぶときは『耐水性』と『透湿性』を数値で確認するのがポイントです。

基本となる耐水性能

『耐水性』とは生地が染み込もうとする水に対してどのくらい耐えられるかのことで、レインウェア選びの最も大事なポイントです。

耐水性は『mm』で表します。生地の上に1cm四方の柱を立て、そこに水を注いだ場合、10000mmのレインウェアは、10000mmの高さまでの水圧に耐えられるという意味です。

傘の耐水性はおよそ250mmといわれており、小雨は少なくとも300mm、中雨は2000mmの耐水性が必要です。釣りを含むアウトドアの場合、大雨や嵐にも耐えられる10000~20000mmの耐水圧が必要でしょう。

レインウェアを選ぶときは、ファスナー部分から水が浸入しない工夫があるか、防水または撥水加工がほどこされているかも確認します。

釣りの快適さに影響、透湿性

釣りはじっと待つ時間が長いといっても、春から秋にかけては、少し動いただけでじんわりと汗ばんでくる日もあります。通気性のよくないレインウェアは、体温や汗で内側が蒸れやすく、快適なアクティビティができません。

そこで重要になるのが『透湿性』です。『透湿度』とは生地が24時間でどのくらいの蒸気(汗)を外に出すかを数値化したもので、数値が高いほど、蒸れが少なくなります。

ランニングでは1時間に約1000gの汗をかくといわれているので、5000~8000g程度の透湿度があれば問題はないでしょう。コンビニや100均などで見かける安価なレインウェアは、防水性はありますが、透湿性はほぼ皆無に等しく、夏場は蒸し風呂状態になります。

スポーツ用のウェアであれば、防水性と透湿性の両方を叶えられるものも少なくありません。事前に調べ、自分に合ったものを検討しましょう。

釣り人を助けるアシストデザイン

耐水性や透湿性のほかに、釣りに適したデザインや機能が付帯しているかも確認しましょう。

たとえば、魚をとったり、餌を付け替えたりする際に袖口から水が入ってしまうことがあります。雨が強い日は、竿を振るたびに、袖口から雨が侵入してしまうでしょう。このような場面を想定すると、袖口は二重構造で、かつ紐やマジックテープでギュッと絞れるものが理想です。

同じように、フードの深さや形状、首元の開き具合、ポケットの数や位置も自分のニーズに合っているのかチェックするとよいでしょう。

レインウェアの種類は、ジャケット・スーツ(上下)・コート・ポンチョなどがありますが、傘が使えないことを想定すると、上下がセットになった『レインスーツ』が濡れにくいです。

逆にポンチョや薄めのコートは、強風や下からの波しぶきに弱く、荒れた日の海釣りには適していません。

春夏の釣りウェアの着こなし方

春から夏にかけての釣りで気を付けたいのが、気温の上昇や紫外線、急な雨などです。場所によっては気温の変化が激しいので、調節できる衣類が好ましいでしょう。春夏の釣りに適した上着・アウター・インナーを紹介します。

上着

春先は、まだ風が冷たく、雨が降ると気温がグッと下がるので、防寒できるアウターは必須です。「体温を保持しながら釣りが快適にできるか」や「突然の雨に対する耐水性があるか」をチェックしましょう。

さらに、季節ごとに何枚も購入せず、1枚で着まわしすれば、なおコストおパフォーマンス面においてよいです。上着の役割を兼ねた、防寒・防風・防水のできる丈夫なレインジャケットを選べばOKです。

たとえば、ゴア社が開発した『ゴアテックス』という素材は防水と透湿性に優れており、風もあまり通しません。軽量で持ち運びやすいので、アウトドアの素材としては最適でしょう。

夏はコンパクトに折りたたんで携帯し、雨が降ってきたときのレインウェア代わりとして使えます。

長袖もしくはアンダーと半袖

春の釣りでは、気候に合わせた厚さ・素材の長袖を着用しましょう。

3~4月上旬までの春先は少し厚手のものを、4月下旬から初夏までは通気性のあるものを着用します。紫外線量が増えはじめる初夏からは、UVカット効果のある薄手の長袖が重宝するでしょう。

6~8月までは、薄手で通気性のよい長袖や半袖がベストです。通気性のよいメッシュ生地や肌触りがよく吸水性に長けた綿、速乾性のあるポリエステルなどの素材がよいでしょう。

岩場や川辺は、足を露出していると虫にさされやすく、岩やしかけ針などで足を傷つける可能性があります。そのため、アンダーは、長ズボンや半ズボンの下にレギンスを着用するのが好ましいです。

レギンスはランニングで着用するような通気性・速乾性のあるものを選びましょう。

春夏はアウターで温度調整

暖かい日と寒い日が交互に訪れる春先は、温度調節できるアウターが必需品です。

汗だくになる真夏にアウターは必要ないという人もいますが、薄手のアウターは、寒さや風だけでなく、紫外線からも肌を守ってくれます。Tシャツの上に羽織るパーカーやウィンドブレーカーがあれば便利でしょう。

最近は、袖口付近に親指を通すサムホール付きのアウターが多く出回っており、日焼けをしたくないという人や女性に人気があります。

春夏の釣りにおすすめのアイテム

ウェア以外にも春夏の釣りに欠かせないいくつかのアイテムがあります。あるとないのとでは、快適さや体に与える影響が大きく違ってくるので、常にカバンに入れておきましょう。

日除けは必須

春夏の釣りに欠かせないのが日除けのためのアイテムです。特に、気温が上昇する日中や炎天下の釣りでは、つばの付いた帽子や釣りキャップがないと、熱中症や日射病になってしまう恐れがあります。

帽子があると、まぶしさが軽減されて視界がよくなるだけでなく、ちょっとした雨でも雨具を使わずに済みます。紫外線が強い日はサンシェードが付いたものが理想ですが、ない場合はフェイスカバーやサングラスを併用すると快適に過ごせます。

虫除けスプレーを持参しよう

温度が上昇するにつれて、釣り場にはさまざまな虫が出はじめます。夏でも極力肌を露出せず、虫除けスプレーを常に持参しましょう。春から夏の釣り場でよく見かけるのが、蚊・磯ブヨ(ヌヌカ)・アブなどです。

『磯ブヨ』は漁港や磯釣り場に多く、血を吸われると患部が赤く腫れ、かゆみを伴います。吸血後のかゆみは蚊をはるかに上回るほどなので、とにかく刺されないようにするのが賢明です。

刺されても釣りを続けたい人は、かゆみを抑えるステロイド系の軟膏も持っていくようにしましょう。

また、『アブ』は鋭利な顎を持っており、吸血の際に激しい痛みを伴います。市販の虫除けスプレーのほか、エタノールにハッカ油を混ぜたものも虫を遠ざける効果があります。

その他

その他、春夏の釣りにあると便利なアイテムは以下です。

  • 日焼け止め
  • グローブ
  • サングラス
  • 水筒
  • 汗ふきタオル

紫外線量が増えはじめる5月、ピークに達する7~8月は、サングラス、日焼け止め、グローブで、肌や目を守りましょう。長時間の釣りでなくても、汗ふきタオルや、水分補給のための水は必要です。

秋冬の釣りウェアの着こなし方

真夏の暑さが緩和される秋は釣りに絶好の季節です。一方、秋と冬の境目や真冬は、長丁場になると体にこたえます。体温の低下に伴う体調不良など、リスクと隣り合わせであることを忘れずに、最適なウェアを選びましょう。

レインウェア、防寒スーツ

1番外側に羽織るアウターは、風を通さず、温かさを逃しにくいものを選びます。防寒・防風・透湿を備えたレインウェアを既に持っているのであれば、冬も夏も1年中着用することが可能でしょう。

その下に着用する『ミドラー』や『インナー』で温度調節はいくらでもできるので、まずは風を通さないことを最優先に考えましょう。ジャケットだけでなく、パンツとセットになったスーツタイプがおすすめです。

厳冬期の釣りには、冷たい外気をシャットアウトする『防寒スーツ』も便利です。ワークショップなどで比較的リーズナブルに売られており、釣りやアウトドア、冬場の作業などさまざまなシチュエーションで役立ちます。

ダウン、フリースなどのミドラー

アウターの次に着用する『ミドラー』は、温かさを保持できる少し厚手の生地を選びましょう。

たとえば、起毛仕上げの柔らかい『フリース』は、ポリエステル繊維が使われているため、温かくて軽量です。体温で温まった空気の層が強力な断熱材代わりになる『ダウン』も極寒の釣りには欠かせません。

暖かい空気を溜め込めるフリースやダウンを着用した上に、目の詰まったフリースやレインウェアなどを重ねるのが基本です。

インナー

インナーは肌に直接触れるものなので、肌触りのよさを重視しましょう。人は冬でもコップ1杯(300ml)程度の汗をかきますが、どうしても重装備になりがちで、こまめな着替えができません。

汗が冷えると風邪をひいてしまうので、吸水性・通気性があり、ドライな状態が保てるインナーを着用しましょう。

秋冬はインナーで温度調整

秋冬はインナーを変えることで、微妙な温度調節が可能です。

まだ暖かい日が多い秋は、ドライで薄手のインナーを、氷点下になる真冬は保温性の高いウールのインナーを重ねて着用するのがいいでしょう。

ただし、インナーの枚数が多くなると、機敏性に支障が出ます。着こみ過ぎずに、体を保温できるものを選びましょう。

秋冬の釣りにおすすめの防寒アイテム

いくら厚手の上着を着用していても、寒さを感じるのはなぜでしょうか?顔や首、頭、足元など無防備になっているところからも冷たい空気は入り込みます。秋冬の釣りに忘れずに持っていきたいおすすめの防寒アイテムを紹介します。

手足をしっかり温める

手やつま先の末端は、体の中でも温まりにくく冷えやすい部位です。手がかじかむと釣りのパフォーマンスが下がり、足が冷えるとしもやけになり傷みやかゆみが襲います。

手を寒さから防ぐには『手袋』や『グローブ』が必要ですが、釣りでは指先を使うことが多いので、指部分をかぶせたり脱いだりできるものがおすすめです。靴下やインナーを重ね着するのと同様に、寒い日は手袋を重ねて装着するとよいでしょう。

足の冷えを防ぐには、防寒性に優れたウィンターブーツをはき、化繊やウール製の保温性の高い『中敷き』を使います。

温かさを重視するなら靴下は厚手のウールや、空気を抱えこむパイル地がよいでしょう。指の可動範囲が広く、血流が停滞しにくい5本指ソックスも快適です。

防寒用の帽子

頭の冷えは頭痛の原因になります。釣りには耳まですっぽりと覆える『ニット帽』や、つばの付いた毛糸の『ニットキャスケット』、頭・首・耳もとが全てカバーできる『バラクラバ(目出し帽)』などがよいでしょう。

つばが付いているものであれば、吹雪や強風でもうつむかずに釣りができます。

その他

秋冬の釣りにあれば便利な防寒グッズには『ネックウォーマー』や『イヤーウォーマー』です。ネックウォーマーは首まわりを温めるアイテムで、襟元から冷たい風が入り込むのを防ぎます。

首や肩の付近は、リンパ管の合流地点なので、この部分をしっかり温めることで全身の血流が改善されるでしょう。

また、寒い日に耳がこごえると、体は耳の血管を広げて、血液量を増やそうとします。そのとき、ピリピリとした痛みを伴うので、耳は極力冷やさないように心がけましょう。

釣りウェアのメーカー

老舗の釣り具メーカーやアウトドアブランドは、厳しい自然環境でのニーズを満たしたウェアを多く取り扱っています。

釣り具メーカーのシマノ、ダイワ

『シマノ』は、大正10年に創業した老舗メーカーで、釣り用具のほかに、ウェアやアクセサリーなどの多種多様なグッズを取り扱っています。

インナーはどれも機能性が高く、季節ごとに使い分けられるのが特徴です。ベリーウォーマーやフェイスマスクなど、かゆいところに手が届く優秀なアイテムも揃っています。

シマノに並ぶ老舗釣り具のメーカーの『ダイワ』も、釣りウェアのラインナップは豊富です。ウィンタースーツやレインウェアは機能性とデザイン性を両立しており、釣り初心者からベテランまで、幅広い釣り人に支持されているといえるでしょう。

アウトドア系ブランドも多数

アウトドア系ブランドは、さまざまな自然環境を想定しているので、釣りに必要な機能性や快適さもしっかり備わっていることが多いです。タウンでも着こなせるデザイン性の高さも魅力でしょう。

アウトドア系ブランドの代表格といえば、『モンベル』や『ザ・ノースフェイス』『コロンビア』などです。

『モンベル』では世界最高レベルの防水透湿性と軽量性を誇る釣り用のウェイディングシェルジャケットやレインジャケットを扱っています。

『コロンビア』にもフィッシングラインがあり、豊富なカラーバリエーションと個性的なデザインが特徴です。ワンランク上のおしゃれを楽しみたい人におすすめです。

クライマーに愛用者が多い『ザ・ノースフェイス』では、ゴアテックス素材を採用したジャケットや防寒用のキャップを扱っています。秋冬の釣りには最適でしょう。

コスパが高いワークマン

『ワークマン』は、現場作業や工場作業向けの作業服を扱うメーカーで、コストパフォーマンスの高さに定評があります。

ブランドやデザインよりも、使いやすさや快適さ、価格面を重視したい人におすすめです。特に、機能性の高いレインウェアやグリップのきいた防寒ブーツは秋冬の釣り場で大活躍するでしょう。

上手に着こなし、快適な釣りを

春秋と秋冬では釣りに適したウェアの基準が異なります。一方で、季節の変わり目は、寒さにも暑さにも対応できるものが好ましく、初めての釣りをする人は、何を着れば迷うかもしれません。

まずは、機能性の高いアウターやレインウェアを用意するところからはじめましょう。透湿性や防風性のあるものであれば、年間を通して使えます。

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