カレールーは、多くのブランドがそれぞれの趣向を凝らして販売しており、いろいろな味わいを楽しめることができるようになりました。そこで、より美味しく食べるためにも知っておきたい知識や作り方、本格レシピを紹介するので参考にしてみてください。
家庭料理の味方 カレールー
家庭料理の味方とも言える便利なカレールーを使ったカレーは、美味しさと手軽さから多くの人に愛されているメニューです。まずは、カレールーの基礎知識から紹介します。
そもそもルーの意味とは?
カレーのルーとは『固形や粉末のカレーのもと』を指す言葉です。
料理としてできあがっているカレーの汁の部分を『ルー』と呼ぶことがありますが、本来であれば『固形や粉末のカレーのもとの総称がルー』なので間違いと言えます。ですが、若い年齢層を中心にこの使い方が広まり、社会的にも認められつつあるのです。
ご飯にかかっているカレーを、ソースや汁と言った呼び方をすることがありますが『ルー』という呼び方が一般化してきているというのも覚えておきましょう。
1945年発売 オリエンタルの粉末状即席カレー
今のカレーは、とても手軽に作れるので、仕事で忙しい男性・女性の味方とも言えるメニューです。しかし、『以前まではとても手間がかかる』料理でした。カレー粉はあったものの、小麦粉を炒めてルーを作る所から調理しなければいけなかったのです。
そこで、『オリエンタル』が手間を省くために1945年に考案したのが『粉末状即席カレー』です。カレー粉に牛脂やバターで炒めた小麦粉を入れ、調味料も入れたカレールーは、家庭で手軽にカレーが作れると話題になりました。
日本ではじめて販売されたオリエンタルの粉末状即席カレーは、カレー普及の第1歩となり、ここから急速に普及していったのです。
1950年 固形カレールーが誕生
1950年には、多くのカレーメーカーの製品が出揃うほど『カレーは国民食』として浸透していました。そんな中、画期的なカレールーとして『ハウス食品』が販売を開始したのが『日本初の固形カレールー』です。
主流となっていた粉末のカレールーの常識をくつがえし、鍋の中に固形カレールーを入れるだけで簡単にカレーが作れるようになったのです。このことで、カレーはより広まり『家庭の味の定番』とも呼ばれ、今でも多くの人に愛されています。
ハウス食品のカレールーをランキング
今では手軽にカレーライスが楽しめるようになり、多くのメーカーがそれぞれ趣向を凝らした製品を作り上げてきました。中でも人気のハウス食品から販売されているカレールーを3つチェックしていきましょう。
1位 りんごとはちみつ入り バーモントカレー
圧倒的人気を誇り、多くの人が愛用してその美味しさを楽しんでいるのが、『りんごとはちみつ入り バーモントカレー』です。
100%国産りんごペーストと、深い香りと風味豊かな味わいを感じられるはちみつを入れることで『大人から子どもまで楽しめる』カレーとして愛されています。今では、カロリーオフや塩分オフ、乳酸菌入りなどのバリエーションも豊かです。
辛い大人の食べ物として広まっていたカレーを、子どもでも美味しく食べられるようにという思いから生まれた『バーモントカレー』は今でも根強い人気を誇っています。
2位 ガーリックがアクセント ジャワカレー
第2位に選ばれたのが、ガーリックとローストオニオンを入れることで深いコクのある味わいが特徴の『ジャワカレー』です。高温で焙煎したカレーパウダーの豊かな香りと味わい深いコクで大人の男性から人気を集めています。
シリーズの中で、辛味をしっかりと効かせたスパイシーブレンドは『ハウスカレーの中で最高の辛さ』で、より本格的なカレーが味わえます。
3位 贅沢ブレンド こくまろカレー
美味しいカレーを作るためにルーを数種類混ぜ合わせるという工夫・知恵から生まれたのが『こくまろカレー』です。2種類のルーをブレンドして作り上げたこくまろカレーは、まろやかさとコクが際立つ飽きのこないカレーが味わえます。
あめ色まで炒めた玉ねぎの深いコクと味わいのあるルーと、生クリームを入れることでまろやかさが際立つルーを混ぜることで生まれた『口いっぱいに広がる風味』を楽しんでみましょう。
グリコのおすすめカレールー
ハウス食品に負けず劣らず人気のカレールーもたくさんあります。次は、グリコから販売されているおすすめのカレールーを2つ紹介するので参考にしてみてください。
本格志向の大人向け ZEPPIN
濃厚な大人の味わいを感じられるとして人気なのが『ZEPPIN』です。デュクセルソース(マッシュルームと香味野菜を炒めた風味とコク付けのソース)と40種類のスパイスで仕上げ、作り上げられたカレールーは本格志向の人におすすめできる味わいでまとまっています。
ただ、辛さを調節するだけではなく『辛さに合わせてスパイスや材料の味わいが違う』ので、自分に合った上質なカレーの味わいを見つけることができるのもポイントです。
長時間熟成の旨味が引き立つ プレミアム熟カレー
20種類の食材と500時間熟成したスパイスによって作り上げられたのが『プレミアム熟カレー』です。家庭でも熟成したスパイスの深みのある香りと味わいが楽しめるように考えられたカレーは、一味違った風味を楽しむことができます。
カレールー、肉、野菜、果物などと一緒に食材の旨さを惹き立てる組み合わせは、スパイスによって、より芳醇な香りに引き立てられています。辛さによって変わるスパイスの違いを楽しむのもおすすめのカレールーです。
S&Bのおすすめカレールー
S&Bから販売されているカレールーは、王道の味と呼ばれるものから最高級に仕上げた至極の味わいが楽しめるものまであるのがポイントです。中でも人気の3つを紹介するので参考にしてみてください。
王道の味 ゴールデンカレー
35種類のスパイス&ハーブと、選ばれた食材が際立つリッチな味わいが人気なのが『ゴールデンカレー』です。ジャパンカレーの王道とも呼べる安定した香りと、コクの深さは多くの家庭に愛されています。
クローブやシナモンなどの風味を甘口専用に使っているので、大人から子どもまで食べることができます。辛口では、唐辛子だけではなく、ブラックペッパーの爽やかな辛味で重厚な辛さが、カレーの美味しさを引き立てているのも見逃せません。
味に厚みのある とろけるカレー
旨味溢れるビーフブイヨンを加えることで、味に厚みとコクを感じることができるのが『とろけるカレー』です。旨味を凝縮する水分量の調節で、家庭でもじっくりと煮込んだ味わい深いカレーを楽しむことができます。
20種類の野菜を圧力鍋で煮込むことで、野菜の旨味をカレールーに馴染ませているので中辛でも家族みんなで美味しく食べられるマイルドさもポイントです。
最高のベースを使用 ディナーカレー
フランスで最高の味のベースと言われている『フォン・ド・ボー(仔牛と野菜の煮汁)』を使うことで、同社のカレーよりも深いコクと味わいが楽しめます。S&Bが誇る最高級欧風カレーは、バター本来の豊かな風味をプラスして重厚な香りが人気のカレールーです。
配合されているスパイスをブレンドし、長時間煮込むことで『欧風カレー特有の深み』を引き出していることでカレー好きな人でも唸る美味しさが注目を集めています。
ルーを使ったカレーの基本の作り方
ここまで、カレールーを紹介してきました。次は、選んだカレールーを使って美味しいカレーを作るためにも基本の作り方をチェックしていきましょう。
野菜を煮込んだ後、火を止めてルーを溶かす
カレーに必要な材料を準備したら、まずは厚手の鍋に油を熱して『野菜をよく炒めて』いきます。野菜を炒めたら、必要な分量の水を加えて1度そのまま中火で沸騰するまで煮込みましょう。
沸騰するまで煮込んだら、アクをしっかりと取り『材料が柔らかくなるまで』弱火・中火で煮込んでいきます。煮込み終わったら、1度火を止めてからカレールーを溶かし、約10分弱火で煮込めば完成です。
カレールーを溶かすときに、しっかりとルーを煮込んであげることで『ルーに含まれたでんぷん』が溶け出してとろみがつきます。煮込みが少ないととろみのないカレーになってしまうので注意しておきましょう。
ルーが足りない時の対処法
カレールーが足りないときの対処法を覚えておくと、ルーが足りなくても美味しいカレーを楽しむことができます。カレーを作っていて、水を多く入れ過ぎたり、具材が足りないときにも覚えておくと便利な方法です。
とろろを入れる
いつもの作り方でカレーを作っていき、ルーを割り入れていきます。この時点でルーが足りないので『とろろ』を入れてみましょう。長芋をすりおろしたものをお好みの量加えていくだけで問題ありません。
足りないとろみをとろろで補うだけで、ヘルシーにとろみを増やすことができます。また、カレールーの量を減らせることで『脂質カットや減塩』にもなることから『健康面』でもとろろは役立つのでおすすめです。
たっぷり野菜でかさ増し
カレーのカロリーをオフしながら、コクを出してかさ増しできるのが『たっぷり野菜のカレー』です。
カレーが高カロリーになってしまうのは、油分が多く含まれているカレールーを多く入れることも原因の1つと言われています。たっぷり野菜のカレーなら、カレールーを減らすことができるのでヘルシーなほか、ルーが足りないときにも役立ちます。
また野菜を根菜類にして、大きめに切ることで咀嚼回数もを増やし満腹感につなげることもできます。カレーのかさ増しにもなるので、ボリュームを維持しながらカレールーが足りないときにもカレーを楽しめるので覚えておきましょう。
おすすめの隠し味は?
家庭でカレーを作るときには、それぞれの家庭の味があるものです。これは、カレーを作る人が隠し味として入れているものや具材選びによって、できあがるカレーが違うからです。
隠し味を選ぶときには、足りない味覚を補うように選ぶのがおすすめです。食べ物は、どれだけ複雑な味わいのものでも『5つの味覚』から成り立っています。多くのカレーは、旨味・塩味・酸味で作り上げられているため、甘みと苦味を隠し味に使うと効果的です。
中でもおすすめの隠し味を紹介するので、さっそく自分だけのカレーを作ってみましょう。
メープルシロップでバランスをとる
メープルシロップは、甘みを補うことで旨味を引き立て『甘みと酸味で辛さを抑える』ことができます。辛さを抑えるてバランスをとることで、全体的にコクのあるまろやかな味わいにまとまるのです。
はちみつよりもメープルシロップはカロリーが低く、抗酸化作用を持っている成分も多いので健康維持にも役立つと言われています。入れる量は、作ったカレーの量や好みで調節してみてください。
インスタントコーヒーでコクをプラス
自宅にインスタントコーヒーがあれば、インスタントコーヒーをカレーの隠し味に使ってみましょう。インスタントコーヒーを入れることで、1日寝かせたカレーと同じようなコクを出すことができます。
カレーがしっかりと溶けた後に、コーヒースプーン半分から1杯程度入れます。好みで量を調節していき、コクのある深い味わいに仕上げていきましょう。
オイスターソースで旨味アップ
メジャーなハチミツやコーヒーとはまた違った味わいのあるカレーを楽しめるのが『オイスターソース』が隠し味のカレーです。オイスターソースは旨味と甘みが特徴的な調味料なので、カレーの旨味を足し、甘みを出すことで味にまとまりがでます。
オイスターソースを入れたカレーを1晩寝かせることで、より甘みやコクが増えるので『仕上げの段階で小さじ1〜2杯程度』入れてみましょう。
カレーは、市販のルーなしでも作れる
カレールーが家にないときでも、スパイスがあればルーなしでも作ることができます。本格カレーをスパイスの組み合わせで作れば、油分を抑えられてより健康的で自分好みのカレーが作れるので参考にしてみてください。
スパイスを揃えて本格カレーに
カレーは、数種類のスパイスをベースに作られているものなので『スパイス』を揃えることで本格カレーを作り上げることができます。好きな香りを引き立てながら作りあげたカレーは、より自分好みのカレーに仕上がるのもおすすめのポイントです。
スパイス専門店にわざわざ足を運ばなくても、100均やスーパー、KALDIなどで購入できるターメリックやクミンのパウダーでも十分に作ることができます。
おすすめのスパイス5種類
スパイスを揃えて作るときにおすすめのスパイスが『クミン・レッドペパー・ターメリック・コリアンダー・カルダモン』の5種類です。玉ねぎやヨーグルトなどの他の材料以外に必要なスパイスはこの5種類だけでも問題ありません。
辛味をより惹き立てたいときには、ミックススパイスのガラムマサラをお好みで用意しておくと便利です。すでにいくつかのスパイスがミックスされているので、よりコクや旨味を広げるのにも便利なので覚えておきましょう。
用意したスパイスをカレールーの変わりに入れて、味を整えていけば手作りカレーを楽しめます。紹介した5種類のスパイスを使ったレシピがハウス食品の公式サイトに掲載されているので参考にしてみてください。
5種類のスパイスで作るチキンカレー | レシピ | ハウス食品
手に入りやすい食材でルーを簡単手作り
スパイスを用意して、そのまま使ってカレーを作るのも良いですが『自作のカレールー』を簡単に手作りしておくと便利です。できあがったルーはラップで密閉して保存しておけば、2〜3週間程度の保存ができます。
必要な材料は『玉ねぎ、にんにく、しょうが、サラダ油、バター、薄力粉、スパイス、塩』です。今回のレシピで使うスパイスは、クミン・コリアンダー・チリ・ターメリック・ココアの5種類のパウダーとなっています。
カレールーのレシピは以下の通りです。
- フライパンにサラダ油(少し多め)を熱して、玉ねぎを30分程度炒める
- あめ色になるまで炒めたら、別のフライパンにバターを入れて弱火で加熱する
- バターが半分程度溶けたら薄力粉を入れて炒めていく
- やや茶色に色づいてきたら、塩とスパイスを入れて均一に混ぜ合わせる
- 混ぜ合わせたものに、最初に炒めた玉ねぎを入れて混ぜる
- 冷蔵庫で1晩寝かせて完成
1晩寝かせることで味が馴染むのでより味わい深いカレールーに仕上げることができますが、急いでいるときは寝かせなくても問題ありません。必要な分だけ使えば、冷蔵保存して、またカレーを作るときに使えるのでおすすめです。
スパイスから作るチキンカレーレシピ
スパイスを使って南インド風スパイスチキンカレーを作るレシピもハウス食品の公式ホームページで公開されています。ヨーグルトとホールトマトを使うことで、本格的なチキンカレーを楽しめるので試してみましょう。
使うスパイスは全てスーパーなどで揃う点もポイントです。
自分好みのカレーを作ろう
カレールーを使い具材にこだわって自分好みのカレーを作る楽しみは、『美味しさ』もあって多くの家庭が隠し味を入れるなどの工夫と一緒に広まっています。スパイスを揃えて、もっと自分好みで健康を考えたカレーを楽しんでいる人が多くいるのも事実です。
紹介したカレールーやスパイス、材料などで色々な味を生み出してその奥深さを楽しめるカレー作りの参考にしてみてください。