カレールーは他の食品と同じく、賞味期限が過ぎてしまうと美味しさが損なわれてしまいます。適切な保存方法や『賞味期限と消費期限』の違いなど知っておきたいことを集めました。スパイスの風味と味わいを損なわないように参考にしてみてください。
カレールーの適切な保管場所
カレールーの適切な保管場所はどこなのでしょうか。保存に適した場所を紹介するので、保管場所選びの参考にしてみてください。
高温・多湿、直射日光は避ける
カレールーは、作るときに食用油脂が使われています。高温・多湿、直射日光のある場所で保管してしまうと溶けて柔らかくなってしまうのです。これは、食用油脂が同様に使われているチョコレートも同じことが言えます。
溶けてしまうと、容器にくっつくことで取り出しにくくなるほか『油脂が溶けてから固まると白く見え』ます。再度固まってしまった油脂が白く見えるだけなので、そのまま使用できますが、風味や香りを損なうことがあるので注意しましょう。
長時間車の中に置かない
高温・多湿、直射日光が当たるところだと『車内』などがあります。いくつかの店舗で買い物をしていると、つい長時間カレールーの入った袋を放置してしまうものです。そうすると、カレールーの変形などが起きてしまうので『長時間の放置』をしないようにしましょう。
溶けてしまっても、再度冷蔵庫などに入れて固めることでそのまま使うことができますが、万が一のことがあるので避けておくのが懸命です。
カレールーの賞味期限は?
では、カレールーの賞味期限はどの程度あるのでしょうか。多くのカレールーで設定されている賞味期限についてチェックしてみましょう。
常温で1年以上持つ
基本的に、カレールーは常温で約1年以上保存することができます。これは、製造の過程で十分に殺菌ができており、水分がとても少ない状態で密封されているからです。開封さえしなければ、細菌やカビの繁殖が起きにくいので常温保存で問題ありません。
配合されているカレーパウダーが細菌やカビの繁殖を防ぐほか、油脂の劣化を防ぐ効果をもっていることから考えても賞味期限が長いのです。
開封したカレールーは冷蔵庫で保管
では、開封したカレールーの場合はどうでしょうか。1度開封しているので、保存する場所の湿度や状態に影響を受けてしまうので1年以上も保存はできません。
密封できるプラスチック製密封容器や、ゴムパッキン付きのガラス容器、チャック付きジッパーバックなどに入れておきます。密封できる容器に入れたカレールーは、冷蔵庫で保管し『約3ヶ月』を目安に使うようにしましょう。
香りや、湿度による品質の低下、害虫の食害などの防止のために推奨されている温度は『約5℃』です。冷蔵庫で保管した場合は、ルー表面が白くなりますが品質には問題ありません。
密封した容器に入ったカレールーは5℃付近で、高温・多湿、直射日光の当たらない場所であれば『冷蔵庫』でなくても問題ないというのも覚えておくと便利です。
賞味期限を半年過ぎていても食べられる?
どうしても食べる機会がなく、賞味期限が過ぎてしまったということもあります。半年程度過ぎているカレールーでも、調理することで食べられるか紹介するので参考にしてみてください。
まずは消費期限との違いから
『消費期限』と『賞味期限』の違いを確認してみましょう。
消費期限は、袋や容器を開けないままで『保存方法』を守っていたときに『安全に食べられる期限』のことです。お弁当やケーキなどに表示され、期限を過ぎたら食べない方がよいでしょう。
賞味期限は、袋や容器を開けないままで『保存方法』を守っていたときに『品質が変わらないで美味しく食べられる期限』のことです。飲料やカップ麺などに表示され、期限が過ぎても食べられないというものではありません。
賞味期限を過ぎると美味しさが減少
賞味期限を過ぎてしまうと、美味しく食べられる期限を過ぎたことにより『美味しさが減少』していきます。販売しているメーカーが、美味しさを保証している期間を過ぎてしまっているので『風味や香りが劣化』してしまうのです。
カレールーであれば、食べることはできても香りが変化したり弱くなることがあります。また、油脂の劣化での変色や風味の変化が起きることもあります。
カレールーに限らず、賞味期限が設定されている食品を美味しく食べるためにも『賞味期限内』に食べきるように考えて食べていきましょう。
未開封であれば少しの期間過ぎてもOK?
賞味期限はあらかじめある程度のゆとりを用意して設定されています。どの程度のゆとりを持っているのかは、メーカーで違いがあるものの『賞味期限の1.1〜1.2倍』までは問題ないと言われています。
多くの企業は1.5倍程度の賞味期限でテストを行っていますが、保存状態が守られている場合を仮定して行っています。家庭によって保存状態が違うので、過ぎたとしても『賞味期限の1.1〜1.2倍』までを目安にしておいた方がよいでしょう。
手作りカレーの保存方法は?
市販されているカレールーや、手作りのカレールーで作ったカレーの場合の保存はどうしたら良いのでしょうか。1度調理してしまっているので、カレールーに記載されている賞味期限と同じように扱えません。
そこで、手作りカレーの効果的な保存方法を紹介するので参考にしてみてください。
冷蔵庫に入れるのがベスト
手作りしたカレーの保存はできる限り『冷蔵庫』に入れるのがベストです。常温保存の場合は、例え冬場であっても賞味期限は『1日から1日半』が限度と言われています。夏場であれば、常温での保存が難しく『長くても半日まで』です。
加熱処理でカレーを殺菌し、保存パックの殺菌もしっかりとした後に『カレーを入れたパックを真空状態』にするなどで、完全に殺菌ができている状態を作り上げたととしても不安が残ります。どのような保存方法であってもできる限り『冷蔵庫』で保存するようにしましょう。
作ったカレーを密封パックに入れて、冷凍庫に入れておくとレトルトと同じように使うことができますが、早めに食べるようにするのがおすすめです。
寒い冬でも火にかけるか、冷蔵庫へ
寒い冬の時期でも、カレーはそこまで長くもちません。朝・昼・晩と火を入れておけば、寒い時期だと翌日までは常温保存ができます。それ以上の期間は、冬の時期でも雑菌の発生や風味を損なうことがあるため、冷蔵庫での保存をしましょう。
長期間の保存は冷凍庫へ。ただし長期間はNO
長期間の保存を考えているときにおすすめなのが『冷凍庫』の活用です。
カレーを冷凍する場合は、1度加熱してから十分に冷まし、タッパーやフリーザーパックに入れておきます。ジッパー付きの保存用の袋であれば、手軽に保存ができるのでおすすめです。
できるだけ短期間で急速冷凍することで、カレーの風味などの劣化を防ぐことができます。そのため、カレーを平らにしてフリーザーパックやタッパーに入れることで『冷凍』を素早く行えるように工夫しておきましょう。とはいえ家庭の冷凍保管は完全に温度が保たれるとは限らないので、あまりに長期間保管するのは避けましょう。
美味しいうちにいただくのがベスト
カレールーの賞味期限を守り、作ったカレーは美味しいうちにいただくのが『カレーを最大限に楽しむポイント』です。どれだけルーの保管状態が良かったとしても、調理をしてしまえばそこまで長持ちしません。手作りのカレールーで作ったときは特に風味の劣化が出やすいのです。
美味しいうちにカレーの深い味わいと香りを楽しみ、どうしても食べきれないときは冷凍庫で保存して美味しくいただきましょう。