麻雀は世界中に愛好者がいる、ゲームの王様的存在です。初心者にとってはルールや麻雀用語がわかりにくいかもしれません。しかし牌の基礎知識から始めれば、決して難しくありません。牌に関する知識や理論の学び方、麻雀牌の扱い方を解説していきます。
麻雀とは
老いも若きも楽しめる麻雀人口は、日本だけでも1500万人にのぼるといわれています。10人に1人以上が楽しむ麻雀とは、どのようなゲームなのでしょうか?
136枚の麻雀牌を使い勝敗を競うゲーム
麻雀は4人で遊ぶ頭脳ゲームです。運に左右される部分も多く、初心者がベテランに勝つこともよくあります。頭も使えば指もよく使うし、駆け引きの要素もあるので、最近では『老化防止』『脳細胞の活性化』に役立つということで見直されています。
老若男女が楽しめる面白いゲームで、一見複雑そうなルールも実戦の中で楽しみながら覚えられます。麻雀人口の多さが、それを証明しているでしょう。
麻雀は34種類136枚の、さまざまな色や絵柄の『牌』を使います。各人が手持ちの13枚の牌を入れ替えながら『役』を作ってアガりを目指し、点数を競うゲームです。
コミュニケーションツールとしても魅力的
麻雀はやってみるとわかりますが、ゲーム中に他のメンバーとのコミュニケーションが意外と深くなります。だいたい半荘(ハンチャン)を4回ぐらいやることが多いので5、6時間は同じメンバーで麻雀卓を囲みます。その間、打ちながら食事をとることも多く、自然と会話も飛び交います。
また、最近はタバコ・酒・賭けナシの『健康麻雀』が広まりつつあります。以前の麻雀が持つアウトロー的なイメージは、時代とともに変わりつつあるのです。
今後麻雀は、もっと気軽に楽しめるものになっていくでしょう。それはコミュニケ-ションツールとしても優れていて、魅力があるからです。
麻雀牌の名前を覚えよう
麻雀を楽しむためには、まず麻雀牌の名前を覚えましょう。中国語のような読み方なのでとっつきにくいかもしれませんが、誰でもすぐに馴染めます。
7種類の字牌と3種類の数牌
麻雀牌には『字牌(ツーパイ)』と『数牌(シューパイ)』があります。字牌は7種類で、数牌は3種類それぞれに1~9が割り振られています。7+9×3=34種類、牌は同じものが4枚ずつあるので34×4=136枚が麻雀牌の1セットです。
字牌は『風牌(フォンパイ)』あるいは『四喜牌(スーシーパイ)』と呼ばれる『東』『南』『西』『北』と、『三元牌(サンゲンパイ)』と呼ばれる『白』『發』『中』の合計7種類です。
数牌は『萬子(ワンズ/マンズ)』『筒子(ピンズ)』『索子(ソウズ)』が1~9まであります。
分類ごとに別の呼び方がある牌
牌の呼び名を紹介しましたが、実は牌の分類上の呼び名がまた別にあります。これはアガるための『役(ヤク)』を覚えるのに直結するので、ぜひ覚えましょう。
老頭牌(ロウトウハイ)
数牌の端っこ、つまり1と9の牌のことで、別名は『一九牌(イチキュウハイ)』です。老頭牌のみで作る『清老頭(チンロウトウ)』は得点が極めて高い役です。
么九牌(ヤオチュウハイ)
老頭牌と字牌を合わせてそう呼びます。ヤオとは小さいという意味で一のことです。中国では么九牌は、一九牌つまり老頭牌を指すのですが、日本では老頭牌と字牌の総称として使われます。
么九牌のみで作る『国士無双(コクシムソウ)』は、多くの麻雀好きあこがれの役満です。
中張牌(チュンチャンパイ)
数牌のうち、端っこを除いた2~8の牌です。初心者でも作りやすい『断么九(タンヤオ)』は一九を断つという意味で、中張牌で構成される役です。
尖張牌(チェンチャンパイ/センチャンパイ)
数牌のうち、両端から3番目の牌です。『辺張(ペンチャン)待ち』の待ち牌のことです。
赤牌(アカハイ)
元々はなかったものですが、現代麻雀でしばしば採用されるドラと同じく1翻がつく牌で、『五萬』『五筒』『五索』が一般的です。
牌の読み方は中国語から変化したもの
麻雀牌の読み方は中国読みといわれますが、厳密には違います。中国語の発音がベースですが、微妙に日本語も影響しており、日本の麻雀特有の読み方というのが正しいでしょう。
麻雀での数字の読み方は以下の通りです。
- 1:イー
- 2:リャン
- 3:サン
- 4:スー
- 5:ウー
- 6:ロー/リュー
- 7:チー
- 8:パー
- 9:チュー/キュー
個々の数牌の読み方ですが、萬子は『ワン』あるいは『マン』、筒子は『ピン』、索子は『ソ』あるいは『ソー』を上記の数字の読み方の後につけて呼びます。たとえば『一萬(イーワン)』『二筒(リャンピン)』『三索(サンソ)』のようになります。
『東』『南』『西』『北』は『トン』『ナン』『シャー』『ペー』、『白』『發』『中』は『ハク』『ハツ』『チュン』と読みます。
麻雀の基本を理解しよう
麻雀を覚えるためには、まずもっとも基本的な部分である、牌の取り方・並べ方や基本用語を押さえておきましょう。それを覚えればゲームができます。あとは実戦の中でも身についていきます。
牌の取り方や並べ方について
麻雀はまず最初に席や親を決めます。それが決まれば、全員で牌をすべて裏向きにして『洗牌(シーパイ)』します。
洗牌が済んだら、それぞれ手前に17枚持ってきて、きちんと揃えて前に出します。同じことをもう一度やり、最初の1段の上に乗せます。これで上下2段17列34枚の牌山が4つできました。
次に親が2個のサイコロを振り、出た目によって手牌を取り始める起点を決めます。サイコロの出た目の数だけ牌山の右側が残されて、上下2段2列、4枚ずつを親から順番に持っていくのです。
3回りで各メンバーの前に12枚の牌が並びます。親は最後に山の続きの上段端から1枚目と5枚目を取り、他の3人は1枚ずつ取り配牌完了です。この時点で親が14枚、子が13枚になります。
主な用語を把握しておこう
麻雀用語はたくさんあり一度には覚えられないですが、頻繁に使う用語は押さえておきましょう。
『リーチ』はテンパイ(アガりのひとつ前)になった時に、不要牌を横にして、場に千点棒を出しリーチと宣言します。1翻役で、待ちの制限はありません。一巡目にアガると『リーチ即』で2翻になります。
アガる時に言うのは『ツモ』か『ロン』です。自分が引いた牌でアガる時は『ツモ』、誰かの捨て牌でアガる時は『ロン』と言い、手牌を倒して公開します。
『ドラ』は、アガった手牌にあるだけで1翻つく牌です。牌山を積んだ時に、切り分けた牌の左から3番目上段の牌が『ドラ表示牌』になります。
『ポン』『チー』『カン』は鳴く時に言う言葉です。鳴いて刻子にする時は『ポン』、順子の時は『チー』、槓子(カンツ/同牌が4枚)にする時は『カン』です。
勝負の基本は牌理を知ること
現代麻雀の勝負において、一番基本になることは何でしょうか。それはテンパイまでの、もっとも効率のよい打ち回しです。そのために『牌理』という4面子1雀頭をもっとも効率よく、最短で完成させるための理論があります。
極論から言えば誰よりも早くアガれば、それが小さい手でも対戦相手の大きかったかもしれない手を封じ、相手のアガり牌を打つことも避けられます。そういう観点で、とにかく早く4面子1雀頭の完成を目指すことを目的としたのが牌理です。
麻雀で勝つためにはスピードが必要
前述の牌理を極めていくことで、テンパイへの道が近くなります。牌理は『牌効率』と言い換えてもよいでしょう。麻雀には『早さ』『高さ』『守備力』が必要ですが、最近の傾向では特に『早さ』が重要になっています。
いくら配牌がよくて、いくら高い得点の役を目指しても、アガれなければ何の意味もありません。逆に、安くても早い手はそれだけで相手の力を抑え、守りにもなります。早さを基本姿勢として打つ中で、よい手牌は早くて高い手に伸びるのです。
勝つためには牌効率を理解しよう
配牌をどの方向に伸ばすのか、可能性を比較しながら、少しでも確率の高い受け方に変化させていくのが根幹です。これは単に経験でできるというよりは、常に問題意識をもって手牌と場の流れを見つめることが肝要になります。
勝つために必要な『牌効率』とは、具体的には手牌の中で塔子(ターツ:あと1枚で順子や刻子になる2枚)を比較し、少しでも待ちの広い残し方にして、テンパイに近づく確率を上げる考え方です。
分かりやすい例で『二萬』『三萬』『五萬』とあり、他の牌は揃ってきているので、この中のどれかを切りたいとします。3-4-5を目指して『二萬』を切るのか、1-2-3か2-3-4を目指して『五萬』を切るのかなら、受けが広い『五萬』切りの方が効率は上です。
牌効率はマイナスしてから比較
理屈では理解できても、麻雀で長考はできません。いろんな可能性を比較し、場に見えている関係牌の数やドラ、場の流れも踏まえて、瞬時に判断するのは難しいことです。充分に時間がない中でのコツとしては、マイナス計算で考えるのが実戦向けです。
たとえば捨て牌の二者択一を迫られた時に、それぞれを切った時に失う可能性を比較するのです。こちらのほうが早く計算できますので、一度試してみてください。
アプリやツールで牌理や牌効率を学ぶ
無料アプリや無料のオンラインツールで、牌理や牌効率を学ぶことができます。非常によく考えられていて、有効牌の種類や枚数、あるいは『シャンテン数(テンパイまでの手数)』をすぐに求めることができるのです。
『有効牌』とは、テンパイに近づけてくれる受け入れ牌を意味します。有効牌をしっかり把握すれば、手牌の打ち回しへの理解が深まるでしょう。
過去の対局から学ぶには
たとえば将棋で上達したい時は『棋譜』、すなわち実際の対局のすべての手が記録されたものを研究することがあります。プロの棋譜から、実戦で応用されて打たれた手を学べるのです。麻雀にも同じような意味合いで『牌譜(パイフ)』というものがあります。
対局ごとに流れを記録した牌譜を活用
実戦での打ち回しの選択肢は無限といえるほど多く、牌理からしたら例外的なものがいくらでもありえます。要するに実戦は、牌理からくる個々の定石の応用問題が絡み合い、連続するようなものです。
実戦の一打一打の解釈は、実践的な牌効率を学ぶのに格好の教科書になると考えられます。そのためにプロ雀士の対局記録、牌譜を活用しましょう。
牌譜とは、各メンバーの配牌・自摸・打牌をすべて記録したものです。これさえあれば、その対局を完全に再現することができます。
プロの対局のデータを見る
『日本プロ麻雀連盟』の公式ホームページの中にある『牌譜データサービス』は、同連盟のタイトル戦はもとより、数々のプロ同士の対局を記録した牌譜をパソコン上で再生して見られるサービスです。
その中には、対局中にプロ雀士が何を感じ、どう考えて打ち回しているかをうかがえるコメントが入ったものもあります。達人の打ち回しと合わせて、対局中の心理まで知ることができる貴重な資料です。初心者の人は、ぜひとも参考にしましょう。
インターネットの牌譜再生を利用する
オンライン対戦での牌譜再生サービスを使って、信頼できる上級者に対局を見てもらうことも上達の役に立ちます。上級者に自分の牌譜を見てもらって、助言してもらうのです。自分で自覚できていない判断ミスが見つかる可能性もあります。
対局中で自分がよいと思った判断、自分には当たり前の判断でも上級者には判断ミスと思えることもあるのです。それは自分だけで反省していても、わかりようのないものでしょう。
判断ミスの頻度を下げれば、必ず上達に繋がります。自分自身でミスは認識しにくいものです。上級者の助言が、たとえその時はしっくりこないとしても、謙虚にもう一度考え直すことはレベルアップに貢献します。
麻雀牌を購入しよう
自分の麻雀牌があるとないとでは、上達のスピードが違います。普通の麻雀牌はもちろんのことですが、ここでは初心者の人におすすめの、モチベーションアップに役立つ変わりダネ麻雀牌も紹介します。
自分の麻雀牌でモチベーションアップ
まず『ワシズ麻雀牌』として知られる『スケルトン牌』は、牌中の3/4が透明です。人気麻雀漫画『アカギ』の中で、登場人物である鷲巣が考案した牌なので、そう呼ばれます。牌が透けているので、対局中に上級者の助言をもらうことができるのです。
『マスター麻雀牌』は各数牌に数字が書いてあります。筒子、索子の上のほうの数字になると見分けがつかないようなビギナーでも、数字を確かめつつ対局できるのです。この牌で対戦するうちに、数字ナシでもわかるようになるでしょう。
自宅に麻雀卓がないとか、どこでも気軽に麻雀を楽しみたい人にオススメなのが『カード麻雀』です。麻雀牌の柄のカードで、トランプのように見えます。卓を必要とせず、カード立てがセットになっているものも多く、どこでも麻雀が楽しめます。
通販で購入できる麻雀牌
ネット通販などで購入できる麻雀牌もいろいろとあります。スペックや特徴、価格をよく検討して選ぶとよいでしょう。
麻雀牌 黒蘇州II
牌が落ちにくく作られたアール牌で、約15gと手応えのある重さです。牌山の端の牌など普段こぼれやすいところも、なかなかこぼれません。人間工学を基にした湾曲で、ツモる時の親指のフィット感が吸い付くようだといわれます。
- 商品名:麻雀牌 黒蘇州II
- 価格:2万4800円(税込)
- Amazon:商品ページ
麻雀牌 水仙
Amazon人気ランキングで上位を飾る、コストパフォーマンスが極めて高い麻雀牌といえばこれです。普通サイズよりも少々大きめの牌で、使いやすくなっています。
- 商品名:NorthwaySports 麻雀牌【水仙】
- 価格:4680円(税込)
- Amazon:商品ページ
麻雀牌を扱う時の注意点
麻雀牌は乱暴に扱ってはいけません。ひとつでも破損すると補充もままなりません。麻雀牌の取り扱い方を確認しておきましょう。
牌をテーブルに強く叩きつけない
牌を長持ちさせるためには、強打はくれぐれも避けたいものです。
強打は牌にひび割れを作ります。『ガン牌』すなわち何かの目印で裏からでもどの牌か分かる原因となったり、ことによっては割れたりするのです。牌は補充が面倒ですので、丁寧に扱うべきでしょう。
アクリル樹脂製の牌はショックに弱く、強打であっさりと割れることもあるので要注意です。麻雀マットを用いるのも、牌を保護するよい対処法です。
煙草を持ったまま牌に触らない
マナーの上からも喫煙する時は、周りの対局者に気を配りましょう。煙は上にいくようにし、煙を周りの人に吹きかけてはいけません。置きタバコ、くわえタバコは厳禁です。
そして何より煙草を手に持ったまま、手牌を触ってはいけません。卓上で手が交差する瞬間など特に危険です。卓の上に灰を落とす可能性も否めません。また、くわえ煙草ではゲーム上の必要な発言が聞き取りにくくなり、もめる原因となりかねません。
寒暖差や乾燥によるひび割れに注意
麻雀牌のひび割れは、強打以外でも起こります。寒暖差や乾燥が原因です。
全自動卓用の鉄心入りの麻雀牌は、寒暖差によりひび割れることがあります。全自動卓用の麻雀牌は磁石によって牌を裏返すため、牌の中に鉄心が埋め込まれて、その周りを樹脂で囲っています。鉄心と樹脂が異なる比熱および膨張率で収縮・膨張することで、牌にひび割れが起こってしまうのです。
また、乾燥によって牌にひび割れが起こることもあります。ユリア樹脂製の麻雀牌は乾燥に弱いです。乾燥状態で放置されると、中の水分が抜けていってひび割れが起こります。
麻雀の奥深さを知り自分の牌を手に入れよう
麻雀の基本を身につけるための、麻雀牌の基礎知識や理論の学び方、麻雀牌の扱い方に関する基本情報などを紹介しました。麻雀は少しルールがわかれば誰でもできて、初心者がベテランに勝つこともある面白いゲームです。
そしてひと通り打てるようになると、多くの人が麻雀の奥深さを知り、さらに麻雀の魅力にハマっていきます。ぜひ自分の麻雀牌を手に入れて、よりいっそう麻雀を楽しみましょう。