ラーメンは性別、世代を超えて好きな食べ物として大人気です。スープに注目されることは多いものの、麺についてはあまり知られていません。麺の種類、原材料や作り方、最新トレンドまでラーメンの『麺』にフォーカスして豆知識やトレンドを紹介します!
ラーメンの麺の種類について
ラーメンの麺の分類について、まずは紹介します。
麺は形状の違いで分類
麺の形状には、断面が丸型と四角型があります。一般的にラーメンは四角型を使用し、丸型はほぼ使用されません。丸型は、焼きそばやちゃんぽんの麺として使われます。
また、四角型の中でもさらに分類することができ、きれいに正方形のものと、長方形のものがあります。
長方形は平打ち麺と言われるものです。また正方形の麺は、ちぢれ麺とストレート麺があります。ちぢれ麺は、切り刃にゴムプレートをつけて切ることで作られています。
麺の太さは一般的に6種類ある
麺を見れば分かる通り、太さはさまざまです。よく細麺や太麺と表現されますが、実は日本産業規格(JIS)が明確に定義をしています。
この基準は『番手』と言われ、30mmの幅の麺から何本の麺が取れるかを、1~30の番号で決めています。つまり、番手の数字が大きくなればなるほど細麺ということになります。
例えば1本3mmの麺であれば110本とれるので、10番手となります。一般的に番手で麺の太さを伝えることはなく、おおよそ以下の6種類に分別されているため、細麺、太麺という表現を見かけるのです。
- 極細麺(28番手)
- 細麺(22〜25番手)
- 中細麺(21番手)
- 中太麺(20番手)
- 太麺(16〜18番手)
- 極太麺(10〜14番手)
水分量で食感や味が変わる
麺は、小麦粉を練る際に使う水の分量によっても種類が分類されます。水を多めに使うものが『多加水麺』、少ないものが『低加水麺』です。
多加水麺は水を多く含んでいるため、弾力のある食感になりますが、スープを吸収しにくいことが特徴で、濃厚なスープに向いているといわれます。
低加水麺は水分量が少ない分、小麦粉の風味を感じやすくなります。また、スープを吸収しやすいため、繊細なスープに向いているといえるでしょう。ただし、スープを吸いやすいということは、麺が伸びやすいという特徴もあります。
麺に使われる材料
種類が分かったところで、ラーメンのおいしさの秘訣であるツヤや弾力の正体となる材料について紹介します。
ラーメンの麺は主に3つの材料でできている
麺の原材料は非常にシンプルで水、小麦粉、かんすいからできています。同じ麺類でもうどん、パスタとラーメンが明確に異なるのが、かんすいを含むか否かです。
かんすいは日常的に聞くことはありませんが、実はラーメンの麺には欠かすことのできないものです。公正競争規約で中華麺は小麦粉にかんすいを加えたものと定義されているのです。
具体的にかんすいとは、食品衛生法で定められている食品添加物の一種で、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどを指します。
麺に使われるかんすいの役割と人体への影響
かんすいを使用することで、麺に色味やツヤを与え、独特のコシや弾力やを生みます。その原理は、かんすいがアルカリ性で小麦粉に含まれるグルテンに反応することによります。
かんすいは食品添加物なので一定の基準を満たしたものではあるものの、人体への悪影響について言及されることがあります。その背景には、戦後の日本では水酸化アルカリやケイ酸アルカリなどがかんすいとして使われていたことがあるからです。
現在では使用が認められていませんが、その危険性とイメージが残っており、「かんすいは危険」という認識が広まりました。
また、かんすいを摂取したことに起因するかは分かりませんが、不調を訴える人もいたことから、そのような認識が広まったようです。
食品添加物なので必ず安全、絶対に危険ということはいずれもありませんが、大量摂取しない限りは問題ないと考えられています。
おいしいラーメンの麺の作り方
実は自宅でも簡単にラーメンの麺を作ることができます!基本的なレシピを紹介します。
かんすいを使った基本的な麺の作り方
作った麺は冷蔵庫で1週間程度保存することができるのでぜひ一度、自家製ラーメンを楽しんでみてください。
<材料>
- 小麦粉…500g
- かんすい…10cc
- 水…200cc
- 塩…適量
- 片栗粉(打ち粉として使用)…適量
<作り方>
- はじめに水、かんすい、塩を混ぜて合わせます。水の分量は200cc程度ですが、少ないとこねにくいので、初心者の方は10〜20ccほど、水を多めに入れるといいでしょう。
- ボウルに小麦粉を準備し、そこに1を均等にいきわたるように少しずつ加えて混ぜます。
- ボウルの中で円球になるまで5分ほどこねます。こねた麺をラップし、常温で1時間程度ねかせます。
- 1時間経ったら再度こね、麺棒で生地を伸ばしていきます。最初は伸ばしにくいですが、麺棒を転がしたり麺棒に巻きつけながら伸ばしましょう。生地の粘りが強く、伸ばしにくい場合は片栗粉(打ち粉)を使います。好みの薄さになったら、生地を折り返します。およそ3〜4回ほどの幅にすると切りやすくなります。
- そば切り包丁で麺を切り、手で麺をほぐし、お好みの太さに切って完成です。
かんすいなしで作る麺のレシピその1
かんすいを使用せず作りたいという方のために、重曹で代用するレシピを紹介します。
<材料>
- 強力粉…400g
- 薄力粉…100g
- 水…小さじ1
- たまご…1個
- 重曹…小さじ1
- 塩…小さじ1
- 片栗粉(打ち粉として使用)…適量
<作り方>
- はじめに水、たまご、重曹、塩を混ぜ合わせます。
- ボウルに強力粉と薄力粉を入れ、そこに1を入れて混ぜ合わせます。
- ボウルの中で円球になるまで5分ほどこねます。
- 3をビニール袋に入れ、新聞紙で挟み、その上から踏みます。20〜30分踏んだら、再度丸めてボールに戻し、ラップをかけて常温で3〜4時間ねかせます。
- 生地を5つに分け、打ち粉(片栗粉)をして麺棒で薄く伸ばします。『かんすいを使った基本的な麺の作り方』のように、折り返して切ってから、5つに分けてもいいでしょう。
- 蕎麦切り包丁で麺を切り、手で麺をほぐします。麺がくっつく場合は打ち粉をすると、ほぐれやすくなります。
かんすいなしで作る麺のレシピその2
かんすいも重曹もないという方に、次は家にある食材で作るレシピを紹介します。
<材料>
- 強力粉…600g
- たまご…4個程度
- 塩…小さじ1
- 水…たまごと合わせて250gになる分量
- サラダ油…40g
<作り方>
- たまごを溶いて計量器で計り、合わせて250gになるように水を加えます。
- ボールに強力粉と塩を入れ、そこに1とサラダ油を加え、パラパラになるまで混ぜ合わせます。
- パラパラになったらこねるのではなく、両手でかきまわすように混ぜる。生地がしっとりしてきたら、ラップをして30分以上ねかせます。
- 粉と水分が馴染んで黄色くなったら、生地に打ち粉をして押し固め、1つにまとめます。
- 麺棒で薄く伸ばし、パスタマシンまたは蕎麦切り包丁で好みの太さに切れば完成です。
ラーメンの麺は太りやすい?
ラーメンは太る、高カロリーというイメージが強いですが、実はそうでもありません。
麺のカロリーはどのくらい?
ラーメンのカロリーはもちろん種類によりますが、100gで150〜300kcal程度です。ちなみに白米は100gで168kcal程度なので、麺によってはほぼ変わりません。
ラーメンのカロリーは、トッピングの具材と何よりもスープで大きく異なります。こってりとしたスープで油分が多く、具材たっぷりなものは1000kcalを超えることもあるので気をつけましょう。
味が薄めで油分の少ない醤油スープなどで、具材も野菜を中心にすれば太りやすいということはありません。
麺の量は1人あたり1食何gが目安?
100gあたりのカロリーを書きましたが、1食あたりは100〜180g程度が一般的です。平均的に家庭用として販売されているものは120g程度、ラーメン屋の並で160g〜200g程度になります。
つまり家庭用の分量であれば、麺のカロリーは1食あたり180〜360kcalです。成人1人当たりの摂取カロリーの目安は1800~2200kcalと言われているので、やはりスープや具材に注意を払えば、ラーメンで太るということはありません。
ラーメン界の新トレンド?麺抜きラーメンとは
それでもカロリーや糖質が気になるという人に注目されているのが、麺抜きラーメンです!
麺が入っていないラーメンでカロリーオフ?
ダイエット中でも大好きなラーメンを食べたいという方は多いはずです…。
そんなときは麺のかわりにキャベツや豆腐などのヘルシー食材が使われている麺抜きラーメンがあります!味は濃厚なので、しっかり食べたような満足度を感じられると人気です。
ブームの先駆けは一風堂のとんこつ豆腐
1985年に開業した博多発祥の博多一風堂が麺抜きラーメンの火付け役でした。看板ラーメンである『白丸元味』から麺を抜き、豆腐を代わりに使った『とんこつ豆腐』を一部店舗で販売したところ大人気となりました。
一部店舗での期間限定販売で、2018年3月31日で販売が終了しており、今は残念ながら食べることができません。
一風堂はもともと「女性1人でも入りやすいスタイリッシュで清潔な店」というのがコンセプトにありました。ヘルシーな麺抜きラーメンは女性にも大人気なので、まさに創業当初の思いを受け継いだメニューだったのです。
有名寿司チェーン店も麺抜きメニューを発売
大手回転寿司チェーンの無添くら寿司は、糖質オフシリーズメニューを複数提供しています。その中の1つがサイドメニューの『7種の魚介らーめん』です。
麺の代わりににんじん、チンゲン菜、モヤシ、キャベツを蒸したもの使われており、蒸し野菜なので非常にヘルシーです。
種類も豊富で『胡麻香る担々麺』、『とんこつ醤油』、『醤油』、『濃厚味噌』の4種類のスープから選ぶことができます。価格は人気のサイドメニューながら、399円(税込)とリーズナブルです。
ラーメンの麺には奥深い魅力がたくさんある
太さや形状も多くの種類があり、またスープによって適切な麺が異なるラーメンの麺は実に奥深いものです。
スープに注目されがちなラーメンですが、これからは麺にも注目してラーメンを食べるとさらに楽しめるでしょう。また麺抜きラーメンも健康ブームの中で広がりつつあります。麺がなくても満足できると大人気なので、ぜひ試してみてください。