ホラー映画と日本の作品の歩み。海外との違いや最新の日本映画を紹介

2018.12.26

ホラーといえば洋画、という時代が長く続いていた日本の映画界ですが、20年前にヒットした『リング』をきっかけに、海外からも高い評価を得られるまでに成長しました。そんな日本製ホラー映画の歩みと海外との違い、最近話題を集めた作品を紹介します。

日本のホラー映画の歴史

日本人の生活には、昔から怪談話が根付いています。日本のホラー映画は、こうした怪談が元になったクラシックなものが多く、海外のように新しい手法で恐怖を生み出す試みをするような作品は、ほとんどありませんでした。

しかし1998年、現代の生活を舞台に起こる呪いの連鎖を描いた『リング』が大ヒットし、日本のホラー映画界は新たな歴史を歩み始めます。

スタートは怪談映画から

『リング』が公開される以前にも、日本ではホラー映画と呼ばれる作品が多く製作されていました。しかしそのほとんどが、日本の風物詩ともいえる昔の怪談を取り入れた内容でした。

一方海外では、オカルトやスプラッターからサイコスリラーまで、さまざまな形のホラー映画が製作され、安定した人気を獲得していきました。

日本でそのようなホラー映画があまり製作されなかったのは、映画産業自体が厳しい局面に立たされていたことや、国民を震撼させる事件が現実に起こったことなどが、大きな理由とされています。

このため、古典的な怪談映画から、現在のようなホラー映画に切り替わるまでに長い時間がかかってしまったのです。

リングや呪怨が世界的な大ヒットを巻き起こす

長い間日の目を見ることがなかった日本のホラー映画は、1990年代後半になってようやく脚光を浴びるようになります。きっかけは『リング』を手がけた監督、中田秀夫のホラーデビュー作『女優霊』でした。

全く新しいタイプのホラー映画として世に出たこの作品には、賛否両論ありました。その後、良い点を残し問題点を修正して完成させた『リング』は、世界的なヒット作となりました。

これにより日本のホラー映画の人気は急上昇、『呪怨(じゅおん)』などのヒットにも繋がっていきます。リングも呪怨も大ヒットを記録しただけでなく、シリーズ化されたり海外でリメイク版が製作されたりと、まさに日本ホラー映画ブームのけん引役となりました。

日本と海外のホラー映画の違い

ホラー映画には、製作された国の文化や生活が色濃く反映されています。日本と海外で、ホラー映画のスタイルにどんな違いがあるのか、また日本のホラー映画は海外でどのような評価をされているのか、具体的にみていきましょう。

欧米作品の特徴

欧米で作られるホラー映画は、宗教的な思想や要素が根底にあるものがほとんどです。とくにキリスト教における絶対的な悪の存在である、悪魔や魔女が物語の重要なキャラクターとして用いられているのが特徴的です。

日本のホラー映画にはこうした宗教的な考え方はありません。悪霊や怨念といった、形のないものが人に祟る展開が定番となっています。

日本のホラー作品の評判

特定の宗教に縛られず、何気ない日常に潜む恐怖を描く日本独特のホラー映画は、海外でも新しいジャンルとして受け入れられました。

『リング』シリーズはアメリカで2作、韓国でも1作がリメイクされ、『呪怨』シリーズもアメリカで3作がリメイクされています。いずれも大ヒットとなったことから、日本ホラー映画に対する評価の高さがわかります。

洋画は字幕より日本語吹き替え版が主流か

海外で外国の映画を上映するときは、字幕ではなく吹き替え版が基本となっています。日本のホラー映画も、上映される国の声優による迫真の吹き替えで盛り上がるのでしょうか。

日本では逆に、洋画を観るときは字幕が主流で、吹き替え版は子ども向けとされていました。しかし最近では、字幕よりも吹き替え版で洋画を楽しむ大人が増えています。

ハラハラドキドキの連続となるホラー映画なら、字幕を追うよりも吹き替え版のほうが集中できて楽しめるかもしれませんね。

2016年から最新の注目ホラー映画一覧

最後に、この3年間で公開された作品の中から、注目を集めた日本のホラー映画を紹介します。笑えるシーンがあったり、アイドルが出演していたりと、どの作品も個性的なものばかりです。

笑いありのホラー映画 貞子vs伽椰子 2016年

リングの貞子と呪怨の伽椰子が対決する、豪華なホラー映画です。呪いによって人々を苦しめる存在の2人が、どのような手段で対決するのか非常に興味深いですね。

ホラー映画にも関わらず思いきり笑えるシーンもあり、終始楽しめる内容になっています。もちろん怖いシーンは健在ですよ。

37分間のホラー カメラを止めるな 2017年

作ったのは新人監督と無名の俳優たち、という異色のホラー映画です。『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭』を始め、国内外の映画祭でも大変話題となりました。

1番の見どころは、37分という長時間にわたりノンストップで撮影された、ゾンビとのサバイバルシーンです。ほかにも野心的な試みが随所に散りばめられ、見ごたえ充分な作品に仕上がっています。

AKB48メンバー主演 黒看 2018年

『黒看』は、黒木あるじ著『怪談実話傑作選 弔』に収録されている短編を映像化した作品です。AKB48のチーム8で注目のメンバー、山田菜々美が主演していることで話題になりました。

今後も日本のホラー映画は見逃せない

『リング』のヒットから20年、日本のホラー映画は進化を続けています。海外での上映やリメイク版の公開も当たり前のように行われており、見逃せないジャンルとなりました。今後の発展が、ますます期待できそうです。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME