休日に、ピアノを弾くことが趣味という大人の男性のなかには、クラシックピアノ曲を自分で弾いてみたいと思う人も多くいます。有名な作曲家たちが作ったピアノ曲の中から、おすすめの名曲を難易度別に紹介します。
難易度別クラシックピアノ曲
クラシックピアノ曲は、多くの作曲家たちによって書かれており、曲数も豊富にあります。
それらのピアノ曲は、初心者でも弾けるような簡単な楽曲から上級者などのピアニストでも難しいと言われる難しい楽曲までさまざまなレベルがあります。
しかし、初級や上級などのレベル分けの定義は正確には決まっていません。
ここでは、一般的な難易度の分け方と、難易度票の見方について紹介します。
一般的なレベルの分け方
一般的なレベルの分け方は、下記のとおりです。
- 入門~初級レベル:ピアノに初めて触れる人
- 初級~中級レベル:ピアノの基礎を習得して、楽譜がある程度読め、指の動きも早くなってきた人
- 中級~上級レベル:ピアノの演奏技術をある程度身に付けた人
ピアノの上達は、もちろん練習量によっても異なりますが、長い期間ピアノ練習をしているからといって上級レベルになれるわけではありません。
上級レベルは、レベルに関係なくどんな曲でも、自分なりに分析して楽譜通りの音や拍子で演奏できるだけでなく、表現力も身に付いているレベルのことです。
難易度表の見方
ピアノの楽譜や教本などを数多く出版している『全音楽譜出版社』の『難易度別教本・曲集一覧』を例に出すと、難易度表は下記のように分類されています。
難易度 | レベル |
A | 初級 |
B | 初級上 |
C | 中級 |
D | 中級上 |
E | 上級 |
F | 上級上 |
出版会社によっても、同じ曲なのに難易度が1ランクほど違って表記されていることもあります。
あくまでも目安として考えましょう。
クラシックの名曲 難易度ランキング
自分のレベルに合わせた曲を選んで練習することが、上達への近道です。ここでは、クラシックの名曲の難易度ランキングを紹介します。
難易度A
難易度Aでおすすめの曲は、バッハの『メヌエット ト長調』とモーツァルトの『ピアノソナタ 第15番 ハ長調 K.545 第1楽章』です。
バッハのメヌエット ト長調は、ピアノを習い始めたばかりの人が、練習曲として使う曲です。同じメロディの繰り返しで、指の動きがシンプルなので、初心者の指の動きの練習に役立ちます。また、ゆっくりとしたテンポなので鍵盤と楽譜を交互に見ながら演奏練習ができます。
モーツァルトのピアノソナタ 第15番 ハ長調 K.545 第1楽章は、指の動きがまだスムーズでない初心者でも、一定の動きなので練習しやすいです。また、左手も適度に動きがあるため、左手の練習にも役立ちます。
難易度B
難易度Bでは、ベートーヴェンの『エリーゼのために』とバッハの『プレリュード第1番 ハ長調』があります。
エリーゼのためには、音域を広くとって、エリーゼとベートーヴェンの過ごした時間が表現されています。音を逃さずに弾く練習になり、また全体的にゆったりとしたテンポの曲なので練習曲に最適です。
プレリュード第1番 ハ長調は、同じ音符形式が続くため、楽譜が読みやすいのが特徴です。ある程度弾けるようにまでなったら、音の粒を揃えて弾く練習もできます。
難易度C
難易度Cは、ドビュッシーの『月の光』とショパンの『子犬のワルツ』です。
月の光は、序章の音が特に少なくスローテンポなので、拍子のとり方を練習できます。拍子に合わせた弾き方ができるようになったら、音の強弱をつけたり、場所によってテンポを変えたりしてみましょう。
子犬のワルツは、子犬がくるくると回ってワルツを踊っているように、3拍子に合わせてリズミカルに鍵盤をたたいて音を出すことが必要です。 また、早いテンポの曲なので早く指を動かすだけでなく、指の動かし方や正確に音を弾く練習にもなります。
憧れのピアノ曲に挑戦
ピアノを学ぶ人ならば、いつかは憧れのピアノ曲を弾いてみたいと思うはずです。そのためには左手の練習をすること最も重要と言えるでしょう。
多くの人は、利き手が右手なので、左手のリズムがつかみにくいのです。そのため、右手の10倍以上、左手の練習をしましょう。
また、誰にでも苦手な部分はあります。苦手なところは、部分的に練習をすることで、克服する必要もあります。
ここでは、中級上~上級上レベルの人にぜひ挑戦してもらいたい名曲ランキングを紹介します。
難易度D
難易度Dには、シューマンの『トロイメライ』と、リストの『コンソレーション(慰め) 第3番』が挙げられます。
トロイメライは『夢』という意味です。その名の通り、ゆったりとしたメロディは、まるで夢見心地のような穏やかさがあります。休止符ごとにひと呼吸で弾くようなテンポで、左右の指の異なる動きに注意しながら弾きましょう。
コンソレーション 第3番は、『超絶技巧練習曲』など超上級テクニックを必要とする曲が多いリストの中でも、演奏技術があまり高くなく、ゆったりとしたテンポの曲です。
3小節目の4拍目から7小節目の1拍目のメロディがテーマとなり、形を変えて繰り返し出てきます。注意点は連符に惑わされることなく、最初はゆっくりと、そして段々と早く弾くことでリズムがつかめます。
難易度E
難易度Eには、ショパンの『エチュードOp10-4』やリストの『ラ・カンパネラ』があります。
どの曲もレベルが非常に高いため、完璧に原曲の楽譜通りに弾きこなすには相当の練習量が必要です。
エチュードOP.10-4は、スタッカート・アルペジオ・半音階などの演奏技術を用い、右手の高速パッセージを左手で真似て弾いていきます。
ラ・カンパネラは、プロのピアニストでも敬遠する人が多いと言われる曲です。手が大きく指も長いリストによって作曲されたこの曲は、音の跳躍が多く、難易度が高い曲です。
難易度F
難易度Fともなれば、まさにプロのピアニストレベルの曲です。演奏技術はもちろん、楽譜の分析力や表現力も必要です。
いまだにリストを超えるピアニストは出現していないとまで言われるほど、自身も素晴らしいピアニストだったリスト。彼が作った『超絶技巧練習曲』はどの曲も、難易度が高く、プロでも完璧に弾きこなすには苦労します。
その超絶技巧練習曲のなかでも第4番は、10本の指がそれぞれ意思をもって動いているかのような弾き方が特徴です。
また、ショパンの『エチュードOP10-3』は、エチュード(練習曲)とつけられていますが、特に中盤において難易度の高い演奏技術がたくさんつまった非常に難しい曲です。
名曲のひとつひとつを大切に仕上げていこう
ピアノは、弾き方によって音の強弱や緩急を表現することが可能です。
1曲ずつ丁寧に、また正確な音を出すことが、演奏の仕上がりに大きく左右するので、あきらめずに練習していきましょう。