大人の男性のなかには、万年筆を使って字を書きたいと考えている人も多いです。万年筆は、いろいろなブランドのものがあります。自分用に、またはプレゼント用に万年筆を探している人が最適な商品を探せるように、ブランドごとの魅力や特徴を紹介します。
大人の男性が持つ万年筆の選び方
『万年筆』で字を書いている男性は、それだけで大人の魅力が漂います。そろそろ、文房具にもこだわりを持ちたいと考えている人は、万年筆を購入してはいかがでしょうか。
しかし、万年筆には『ペン先の素材・太さ』や『ペン軸の太さ』など、たくさんのタイプが展開されています。そのため、自分の使用用途に合わせたタイプを選ぶことが大切です。
万年筆のペン先には、金とステンレスの2種類があります。金製のペン先は、14k・18k・24kと3種類あります。金なので、万年筆自体の価格は高くなりますが、なめらかな書き味で手が疲れにくいのが特徴です。
また、金は柔らかい素材なので、使用していくうちに自分の癖に合わせてすり減って、自分に合った形になるため、使用するほどに書きやすさが増し、お気に入りの一品になるでしょう。
一方、ステンレス製のペン先は、硬い書き味が特徴です。リーズナブルな価格で購入できますが、酸に弱いというデメリットがあります。万年筆のインクは、酸性なので、ステンレス製のペン先は劣化しやすく長く使えません。
長く使いたい人は、値段は上がりますが金製の万年筆を選ぶと良いでしょう。
また、メモ書きに使うのか、もしくは広範囲の文字書きに使用するのかによっても、選ぶポイントが異なります。
ここでは、大人の男性のためのパターン別万年筆の選び方を紹介します。
広範囲に文字を書く場合
万年筆を購入するときには、まず『ペン先』に注目しましょう。広範囲に文字を書く場合には、書いていて疲れにくいもの選ぶことがポイントです。広範囲に書くときの万年筆の選ぶポイントは、下記の2点です。
- ペン先の太さが中太以上
- ペン軸の太さは太め
ペンの太さは『M』の中太以上、ペン軸は太めのほうが長時間書いていても疲れにくいと言われています。
【関連記事】万年筆を使った綺麗な文字の書き方。上手くなるコツや練習方法
細かい文字や手帳にメモを書く場合
手帳やメモなど、細かい文字や狭い範囲に文字を書くときの万年筆の選ぶポイントは、下記の2点です。
- ペン先が極細もしくは細め
- ペン軸が細め
細かい字を書く時には、ペン先が『EFまたはXF』の極細タイプ、もしくは『F』の細めタイプを選びましょう。
また、ペン軸が細めのものは力が入りやすいため、細かい字が書きやすく、外出先でさっと文字を書くような場合にも適しており、携帯にも便利です。
仕事で使う場合は両用タイプがおすすめ
万年筆は、インクを使います。このインクの補充方法には、大きく分けると下記の3タイプがあります。
- 吸入式
- カートリッジ式
- コンバーター式
昔ながらのインクの補充方法が、『吸入式』です。吸入方法は、以前はいくつかありましたが、現在ではペン先をインクボトルに浸して、尻軸を回転させてピストンが上下することで、インクを吸い上げる『回転吸入方式』が一般的です。
1度にたくさんの量のインクが補充できるので、長時間書けます。
カートリッジ式は、インクが入ったカートリッジを交換するだけなので、手が汚れにくく手間がかかりません。ただし、カートリッジの容量は吸入式に比べると少ないため、こまめに交換する必要があります。
仕事で万年筆を使う人は、コンバーター式の吸入とカートリッジのどちらも使える『両用タイプ』を選びましょう。コンバーター式の吸入式には、回転式・プレートを押してインクを吸入する『板バネ式』・ノブを何回か押してインクを吸い上げる『プッシュ式』の3種類があります。
両用タイプならば、外出時にはカートリッジを使い、自分のデスクでは吸入式と使い分けることが可能です。
【関連記事】万年筆のインクを交換する方法。失敗しないための注意点とは
魅力的な日本のブランド一覧と特徴
万年筆というと、海外のブランドとイメージする人も多いのではないでしょうか?しかし、日本の万年筆のブランドも負けていません。
ここでは、魅力的な『国内3大万年筆ブランド』を紹介します。
高品質で種類豊富 パイロット
日本だけでなく世界でも、その品質の高さが評価されている『パイロット』は、1918年に東京に創業した国内最大の万年筆メーカーです。
パイロットの万年筆は、自社生産している硬く摩擦に強い合金『イリドスミン』を使用して作られているので、丈夫で長く使えるのが特徴です。また、万年筆が種類豊富なところも魅力の1つでしょう。
日本の万年筆メーカーというだけあり、日本人の手にフィットしやすく、日本語のとめ・はねなどを書くのにも適しています。
【関連記事】万年筆のインクとパイロットの特徴。定番色から色彩雫シリーズまで
幅広い価格帯が魅力 プラチナ
プラチナ万年筆株式会社は、通称『プラチナ』と呼ばれる国内でも人気の万年筆メーカーの1つです。世界で初めてインクカートリッジ式の万年筆を開発したことでも有名です。
プラチナの万年筆は、インクの量があらかじめ絞って調整されているので、書いた時の文字がにじみにくくなっています。そのため、細かい字を書くのに適しています。
また、最高級加賀蒔絵超高級万年筆『滝山水』や、300円前後で購入できる万年筆『プレピー』など幅広い価格帯の万年筆が揃っています。
世界も認める品質 セーラー
セーラーは、国内で初めてペン先が2つに割れた金製のペン先万年筆を製造したメーカーです。
400年の歴史を持つ有田焼と、セーラーがコラボした『有田焼万年筆』は、G8北海道洞爺湖サミットの記念品として内閣総理大臣から各国首脳に贈呈する品物としても選ばれています。
オーダーメイド可能なブランド
他の人が持っていない、自分だけの万年筆にこだわりたい!そんな人は、万年筆をオーダーメイドしてみましょう。既製品とは一味違った、特別感を味わえること間違いありません。
ここでは、万年筆をオーダーメイドできるブランドを2つ紹介します。
日本語が美しく書ける 万年筆博士
日本人ならば、日本語も美しく書ける万年筆が欲しいと考えている人は、『万年筆博士』がよいでしょう。
万年筆博士のオーダーメイドは、下記の5種類から素材を選択できます。
- エボナイト
- セルロイド
- べっ甲
- ココボロウッド(ローズウッド)
- 水牛
素材によっても、色が何種類か展開されているものもあります。自分の好みや予算に合わせて自由にカスタマイズできるので人気です。
相性抜群の万年筆に出会える 中屋万年筆
『中屋万年筆』は、国内3大万年筆ブランドの1つである『プラチナ』の子会社です。
中屋万年筆のオーダーメイドは、基本タイプのなかから下記の4項目をそれぞれ選びます。
- ベースとなる万年筆の型
- 軸の種類
- ペン先
- クリップ
これらの4つのデザインの展開も、それぞれ何種類もあります。また、そのほかにも廻り止め・象嵌(ぞうがん)・クリップなどのアクセサリーも選択可能です。すべて自分の好みで決めたい人におすすめです。
日本でも人気の高い海外ブランド
国内ブランドの万年筆もいいけれど、やはり海外の人気ブランドの万年筆が欲しい人もいます。
ここでは、日本でも人気のある万年筆の海外ブランドを3つ紹介します。
書き心地抜群 ペリカン
『ペリカン』は、スイスの老舗万年筆メーカーです。通常、万年筆は長期間使わなかった場合には、ペン先が固まってインクが出ないことがあります。
しかし、ペリカン万年筆のキャップには、気密性を高める中軸が装備されているため、長期間使わなくてもすぐに使えるのが特徴です。
また、インクカートリッジ式ではなく吸入式を採用しており、インク補充のときにペン先のお手入れができるためメンテナンスがしやすくなっています。
世界中で愛されるペン パーカー
『パーカー』は、世界で最も愛されるペンと称されるイギリスの高級筆記具ブランドです。
パーカーの万年筆は、スタイリッシュかつ上品なデザインのものが多く、ビジネスシーン~フォーマルシーンまで幅広いシーンで使えると大人の男性に人気があります。
機能美を追及 ラミー
ドイツの老舗メーカー『ラミー』の万年筆の大きな特徴は、斬新で機能的なデザインという点です。
ラミーは、自社専属デザイナーにこだわることなく、世界中のさまざまな分野のデザイナーとコラボレーションしています。そのため、ほかのブランドでは見られないような目新しいデザインの万年筆が豊富です。
また、これらの斬新なデザインのラミーの万年筆は、世界で数々のデザイン賞を受賞しています。
憧れの高級ブランド万年筆ランキング
自分への特別なご褒美、もしくは大切な人へのプレゼントとしても喜ばれるのが、高級万年筆です。
ここでは、憧れの高級万年筆ブランド3つを紹介します。
モンブラン マイスターシュテュック
『モンブラン』は、世界でも最も有名なドイツの老舗高級筆記具ブランドです。モンブランのトレードマークである白の六角形は『ホワイトスター』とも呼ばれています。
なかでも、モンブランが1924年に発売以来ロングセラーの商品が『マイスターシュテュック』です。ペン先には18kを使用し、30以上もの手順から成る工程をすべて手作業で行っています。また、ペン先には、モンブラン山の標高である4810が刻印されているのも特徴です。
- 商品名:MONTBLANC (モンブラン) マイスターシュテュック 149
- 参考価格:83,595円(税込み)
- amazon:商品ページ
カランダッシュ バリアス
『カランダッシュ』は、スイスで最も大きな筆記具メーカーです。カランダッシュとは、ロシア語で『鉛筆』の意味があります。1本1億円もする高級万年筆を販売したことでも知られています。
そんなカランダッシュのなかでも、希少価値の高い天然素材やハイテク素材を贅沢にボディデザインへ使用した『バリアス』は、シンプルななかにも高級感が漂います。
- 商品名:カランダッシュ 万年筆 M 中字 バリアス エボニー 4490-142 両用式
- 参考価格:103,950円(税込み)
- amazon:商品ページ
アウロラ オプティマ
『アウロラ』は、イタリアで最も古い歴史を持つ万年筆ブランドです。イタリアの万年筆の歴史を築き上げたブランドと言っても過言ではありません。
アウロラの『オプティマ』は、1930年代に発売された、同ブランドの代表的なベストセラー万年筆『オプティマ』の復刻版です。アウロラ独自のリザーブタンク付きのピストン吸入式を採用し、ボディにはアウロラ社創業当時の社名が刻印されています。
- 商品名:アウロラ 万年筆 F 細字 オプティマ 996
- 参考価格:61,800円(税込み)
- amazon:商品ページ
長く愛用できる逸品との出会いを
万年筆は、手軽に購入できる価格帯から質の高いオーダーメイドや高級ブランドまで幅広く展開されています。なかでも、高級な万年筆は大事に使えば、一生使うことも可能です。
いろいろなブランドから、自分にとって最高の逸品を見つけてみましょう。
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