大人のための将棋入門。ルールや道具など基礎知識と楽しみ方

2018.12.22

日本伝統のゲームである将棋は、子どもでも大人でも楽しめる魅力があります。ここでは、将棋を始めるときに知っておきたいルールや道具、基礎知識を紹介します。脳トレにも便利な将棋を覚えて、その魅力と奥深さを楽しんでみましょう。

将棋とは

将棋とは、全40枚の駒を動かして相手の『王将(玉将)』を動けなくした方が勝利するゲームです。

将棋の駒は8種類に分かれており、それぞれの動きと役割を持っています。駒の特徴や動きを活用して、さまざまな戦略を立てて王将を動けなくしていくものです。戦略を立てる楽しみがあるのと同時に、相手との駆け引きを楽しめるゲームとして人気があります。

2人で将棋を指して対局する

基本的に将棋は2人で指して対局をしていくものです。全40枚の駒をお互いで20枚ずつに分けて決められた位置に並べていきます。先手・後手を決めたら、交互に1回ずつ動かして勝負を進めていきましょう。

脳トレにもGOOD

将棋は頭を使って相手との駆け引きを楽しむゲームなので、脳トレにも効果があります。最近では、脳の前頭葉の部分を活用することで『認知症の予防』にも効果があるとして注目されているゲームなのです。

将棋に限らず、囲碁やチェスといったボードゲームは、脳を活性化させるので脳トレに効果的という話がでています。相手の考えを読み取り、先手を打つなどの戦略を考えるということは、脳をフルに活用していくことに繋がるのです。

勝敗の決まり方

将棋での勝敗の決まり方は、上述したように先に『王将(玉将)』を動けなくした人の勝ちです。

将棋での戦略は、敵陣の奥深くにいる王将を、自分の駒でどのように追い詰めて動けなくするかを狙っていきます。相手がどう攻めてくるのか、どう守るのかという駆け引きを楽しみましょう。

では、次に将棋に使う盤と駒について見ていきましょう。

将棋に使う盤と駒

将棋を楽しむために必要なのが『盤』と『駒』です。盤は、9×9の升目(マス目)が書かれており、升目の中に駒を置いて動かしていきます。盤の上で、1人20枚ずつの計40枚の駒を、巧みに操って勝負をしていくのです。

まずは、将棋盤はどのようなものかを紹介します。

81マスの将棋盤

将棋盤は、9×9の81マスが書かれたものを使っていきます。実際に使う将棋盤は、木で作られたものに限らず、プラスチック製、合成樹脂、布などさまざまな種類の材質があります。

将棋が広まった時代では『木材』で作られたものが主に使われていました。現在では、簡単に持ち運べるように考えられた軽量素材のものや、安価なものが作られています。

駒の種類と主な役割

次に、全40枚の駒の種類と主な役割を紹介します。

将棋に使う駒は8種類に分かれており、それぞれが違った動きをすることで『多くの戦術』を楽しめるように作られています。以下は将棋に使う駒の種類と呼び名を一覧にしたものです。

  • 歩兵(ふひょう)・・・歩(ふ)と呼ばれ、裏返ると『と金』と呼ばれます。一番数が多い駒で、攻め・守りの多くの戦術で使われます。
  • 香車(きょうしゃ)・・・香(きょう)と呼ばれ、裏返ると成香(なりきょう)と呼びます。槍のように真っすぐ動き、攻めの役割を持ちます。
  • 桂馬(けいま)・・・桂(けい)と呼ばれ、裏返ると成桂(なりけい)と呼びます。いくつかのマスを飛び越えて動き、攻めの役割を持ちます。
  • 銀将(ぎんしょう)・・・銀(ぎん)と呼ばれ、裏返ると成銀(なりぎん)と呼びます。攻め・守りの役割を持っています。
  • 金将(きんしょう)・・・金(きん)と呼ばれ、裏には何も書かれていません。銀将と同じく、攻め・守りの役割を持っています。
  • 飛車(ひしゃ)・・・飛(ひ)と呼ばれ、裏返ると竜王(りゅうおう)や竜(りゅう)と呼ばれます。十字に動き、攻めの役割を持っています。
  • 角行(かくぎょう)・・・角(かく)と呼ばれ、裏返ると竜馬(りゅうま)や(うま)と呼ばれます。バッテンのように動き、攻めの役割を持っています。
  • 王将(おうしょう)・・・王(おう)と呼ばれ、裏には何も書かれていません。
  • 玉将(ぎょくしょう)・・・玉(ぎょく)と呼ばれ、裏には何も書かれていません。

上記の8種類の駒を巧みに動かして、勝負を進めていきます。王将・玉将はどのマスでも1マスずつ動けますが、大きな役割は持っていません。王を守り、敵陣の王を攻める多くの駒の司令塔と呼べる存在として覚えておきましょう。

かっこいい指し方

プロの棋士を見ていると、独特な指し方をしているのがわかると思います。将棋を指すときに、誰もが1度は試してみたい指し方かもしれません。最初は難しいかもしれませんが、慣れてくるとできるようになるので、徐々に将棋のルールと一緒に覚えてみましょう。

やり方は、人差し指を駒の下に入れ、中指で挟むようにして駒を持ちます。盤に駒を持っていき、指す時に人差し指を抜くと、パチンと音を立てて駒が指せます。盤と駒から響く音を楽しめる指し方です。

指し方を覚えたら、次は対局に欠かせないアイテムをチェックしていきましょう。

対局に欠かせないアイテム

プロの勝負でも見かけることがあるアイテムを確認してみましょう。対局には直接関係のないものが多いですが、本格的に対局するときに、より雰囲気が出せるアイテムを紹介します。

じっくり考えるため肘を置く脇息

じっくりと手筋を考えるときに、肘を置いて使うのが『脇息(きょうそく)』です。肘掛けとしてプロの対局でも用意されているこの脇息は、左側に置いて使っていきます。

正座やあぐらで対局をしているときに、肘を置いてゆっくりと手筋を考えることができます。和を感じる脇息に肘を掛け、手筋を考えている姿は「カッコイイ・雰囲気が良い」と人気のアイテムです。

持ち時間をチェックする時計

持ち時間を測るときに使うのが『対局時計』です。プロの対局で使われる対局時計は、記録係が管理して時間を計っています。アマチュアでの試合には、チェスクロックと呼ばれる、上部にボタンの付いた対局時計が主流です。

これらの道具以外にも、プロの対局を見ていると『勝負』だけではない将棋の楽しみ方を見つけることもできます。将棋は、用品から使っている将棋盤、駒までこだわるのも1つの楽しみ方と言えるのです。

基本的なルール

ここまで、将棋に使うアイテムや用品の確認をしてきました。次は、将棋の基本的なルールを紹介します。駒の並べ方、動かし方などの基本的なルールを覚えて将棋を実際に指して楽しみましょう。

開始時の並べ方

まずは、駒の並べ方から覚えておきましょう。

王将・玉将を1番手前の中央に置きます。王将の左右に金将を、それぞれの金将の隣に銀将を置いていきます。銀将の隣に桂馬、桂馬の隣に香車を置くと1番手前の列が全て埋まります。

次に、桂馬の前に飛車と角行を置いていきます。飛車が右側の桂馬の前、角行が左の桂馬の前になるように置くのが基本です。ここまで終わったら、3段目に『歩』を横並びに全て並べて、ゲームスタートの用意ができます。

次は、並べた駒の動かし方を見ていきましょう。

駒はどのように動かすか

全ての駒には、決められた動きがあります。駒の動きを覚えることが、将棋をするためにも必要不可欠です。以下は将棋で使う駒の動きの一覧です。

  • 歩兵・・・1マスずつ前に進める。
  • 香車・・・駒や盤の端に当たるまで前に進める。
  • 桂馬・・・うさぎのように2マス前の斜めマスに飛んで進める。
  • 銀将・・・アメンボの形で1マスずつ進める。
  • 金将・・・きのこの形で1マスずつ進める。
  • 飛車・・・十字の形で駒や盤の端に当たるまで進める。
  • 角行・・・バッテンの形で駒や盤の端に当たるまで進める。
  • 王将(玉将)・・・全方位1マスずつ進める。

歩、香、桂、は後ろに下がれません。また、成る(なる)と呼ばれる、敵陣に入ったときに駒を裏返した状態では動きが変わってきます。裏返した駒は成駒(なりこま)と呼ばれ、以下のような動きに変化します。

  • と金・・・歩の成駒。金将と同じ動きができる。
  • 成香・・・香車の成駒。金将と同じ動きができる。
  • 成桂・・・桂馬の成駒。金将と同じ動きができる。
  • 成銀・・・銀将の成駒。金将と同じ動きができる
  • 竜王・・・飛車の成駒。飛車と王将の動きができる。
  • 竜馬・・・角行の成駒。角行と王将の動きができる。

王将・玉将・金将では、成駒がないので動きは変わりません。最初は動きを覚えるのが大変なので、紙やメモに用意してから動かしていくのがおすすめです。動きを何かの形に置き換えて覚えるのも覚えやすいと人気の方法なので試してみましょう。

主な反則

最後にルールとして覚えておきたいのが『反則』についてです。反則の手を使ってしまうと、その場で『負け』となってしまうので注意しておかなくてはいけません。以下に代表的な反則を一覧にしたので確認してみましょう。

  • 二歩・・・同じ縦列に歩を2枚指すこと。成駒のと金がいる縦列に歩を指すのは問題ありません。
  • 打ち歩詰め・・・持駒(取った駒のこと)の歩を指して相手の『王将・玉将』を詰ませること。歩を動かして詰めるのは問題ありません。
  • 王手放置・・・王手となった盤面で、対処しないで他の手を指すこと。
  • 駒を間違えて動かす・・・駒に決められた動き以外のマスに指すと反則です。敵陣に入っていないのに成る、成った状態で持駒を指す、成駒のない金将・王将が成るというのも反則に含まれます。
  • 二手指し・・・2回続けて指すこと。

慣れないころに起きやすい反則を紹介しました。他にも反則はありますが、まずは上記で紹介した反則を覚えていきましょう。

将棋のレーティング

将棋の強さを表すレーティングについて紹介します。実力の近い人と対局をするためにも知っておくと便利なものです。難しいものではないので、ぜひ覚えて活用してみましょう。

レーティングとは

レーティングとは、チェスの世界で使われていた棋力の判定方法が、将棋の世界にも持ち込まれたものです。自己申告で、自分の棋力を表すレーティングを最初に設定するところからスタートします。

その後、勝敗によって自分と相手のレーティング点数を増減して決めていきます。最初は上下が激しいレーティングですが、ある程度の数の対局をしていくことで安定した数字で落ち着くものです。

最上位は八段の3000点、最下位は初心者の0点です。15級から1級、初段から八段までの階級がレーティングの数字で決められるので、実力がわかりやすくなります。

順位戦やタイトル戦と昇段規定について

紹介したレーティングの点数以外にも、段位や級位を上げるための条件として行われているのが『段位戦・タイトル戦』です。昇段規定として決められた、段位戦・タイトル戦・勝利数を満たすことで段位の昇格が認められます。

レーティングでは八段までの点数ですが、八段から特定のタイトル戦・段位戦で勝利することで『九段』の昇格が認められます。九段までたどり着くというのは、多くの対局を乗り越えていく必要があるのです。

好きな棋士の対局を楽しもう

将棋の上達に欠かせないのが目標です。誰でも良いので好きな棋士を見つけて、目標にしてみましょう。とはいっても、いきなり棋士を見つけることは難しいものです。そこで、行われている対局を実際に見て決めるという方法がおすすめです。

対局を観る方法

実際に対局を観るために出かけるのが難しいときに、活用したいのが『ライブ中継や動画サイト』です。

ライブ中継では、ニコニコ生放送・AbemaTV・将棋連盟ライブ中継などのアプリを使うことで、実際に行われている対局を楽しむことができます。中継では、解説などが含まれているので初心者でも比較的簡単に内容の理解ができると人気です。

他にも、投稿されている動画から対局の様子を見てみるというのもおすすめです。あまり触れることのできない、対局の緊張した雰囲気や様子を観るのもまた楽しみが増えるきっかけになります。

棋士が選ぶランチにも注目

対局では、盤面で繰り広げられる攻防以外にもチェックしておきたいものがあります。それが、棋士が食べている『ランチ』です。

将棋では、終盤の集中力がとても重要視されています。大切な場面でお腹が空いてしまったら、集中力が途切れてミスをしてしまうこともあるのです。そんな棋士たちが、何を食べるのかを見てみるのも楽しみの1つとも言えます。

藤井聡太七段の報道後すぐ話題に

プロデビューから29連勝を果たして話題になった藤井聡太棋士が、29連勝目の対局で食べたのが『豚キムチうどん』でした。この豚キムチうどんは、報道後すぐに多くの人の話題になり『売り切れ』が続出するほどの人気がでています。

藤井棋士が食べたことから、勝負事に強くなれるという縁起を担ぐために食べている人が多いと言われています。この豚キムチうどんを提供しているのが東京・千駄ヶ谷にある『みろく庵』とよばれる蕎麦のお店です。機会があれば、1度足を運んでみましょう。

将棋の上達を目指すには、経験を積むこと

では、プロの棋士のように将棋を上達するためには何をしたら良いのでしょうか。そこで大切なのが『経験』を積むことです。将棋の対局の流れは、対局ごとに違ってきます。何度も繰り返していくことで、徐々に手筋や戦略に幅がでてくるのです。

まずは、上達するために経験ができる場所はどこがあるのかを確認していきましょう。

大人向け将棋教室へ行く

将棋道場や将棋教室は、緊張してしまうかもしれませんが『経験の場』として考えると最も適した場所と言えます。対人でも気軽に将棋を楽しめるほか、失敗してもお互いの意見交換ができる将棋教室は、上達するためにもおすすめの場所です。

将棋のルールの確認から、指し方まで丁寧に教えてくれるので初心者のうちでも安心して楽しめます。ある程度慣れてきてから、対局の数を増やして経験を積んでいきましょう。

将棋バーへ行く

次におすすめしたいのが『将棋バー』です。対人戦は意外と緊張してしまうものですが、気軽に食事と将棋を楽しむことができます。お酒を飲みながら、ゆっくりと楽しむ将棋は『新しい楽しみ方』と『大人の社交場』として話題のお店です。

お店によっては、プロの棋士もプライベートで足を運んでいることもあるそうです。将棋とお酒を楽しみながら、徐々に上達を狙っていきましょう。

将棋ゲームで遊ぶ

出かける時間がないときにも、隙間時間で楽しめる将棋ゲームを使うというのも効果的です。中でも、プレイしやすいゲームを紹介するので参考にしてみてください。

将棋ウォーズ

無料でインストールして手軽に楽しめる将棋ゲームの『将棋ウォーズ』は、日本将棋連盟公認のアプリです。派手な演出やグラフィックを楽しみながら、対局を続けることにより経験を積むことができます。

名人にも勝利した将棋AIを搭載しているので、コンピューター対戦でも十分な手応えを感じることができるのも魅力の1つです。短時間で遊べる対戦から、プロ棋士と対戦できるモードまで遊び尽くして、強くなっていきましょう。

将棋ウォーズ – iPhone

将棋アプリ 将棋ウォーズ 将棋対戦ゲーム 入門・初心者歓迎 – Android

将棋アプリ 将皇

将棋の初心者で、まだ不安なことが多いという人におすすめなのが『将皇』です。将棋の基礎を学ぶモードや、詰め将棋、実践対局モードなど練習にぴったりの機能が用意されています。

入門編では、難易度を心配することなく、安心して対局を楽しむことができます。中でも、実践練習モードは『ハンデ』が付いた状態からスタートするので勝ちやすくなっています。勝利を重ねるごとにハンデがなくなるので、互角に戦えるまで何度も挑戦して楽しみましょう。

将棋アプリ 将皇(入門編) – iPhone

将棋アプリ 将皇(入門編) – Android

将棋の楽しみ方はさまざま

勉強して、観て、そして実践して楽しめる将棋は、楽しみの奥深さからも人気のあるゲームです。最初はわからないことが多くても、楽しみを見つけて熱中している間に上達していたという人も少なくありません。

目標を決めてみたり、将棋の用品のこだわりを見つけてみたり、『対局』以外の楽しみ方を探すのもおすすめです。自分なりの楽しみを見つけて、将棋にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

その他のテーマ

ART

CULTURE

CRAFT

FOOD

TIME