万年筆を使った綺麗な文字の書き方。上手くなるコツや練習方法

2018.12.20

万年筆の使い方や書き方にはコツがあり、初心者が上手に文字を書くことは容易ではありません。しかし慣れてしまえば、ボールペンよりも楽に綺麗な文字を書くことができます。万年筆の書き方が上達するコツと、初心者向けの文字の練習方法を紹介します。

美しい文字のための万年筆の持ち方

ボールペンや鉛筆と違い、万年筆は間違った持ち方で文字を書こうとしても、きちんとインクが出てこなかったり、ペン先が紙に引っかかったりして上手くいきません。美しい文字を書く以前に、万年筆でスムーズに文字を書けるようになる必要があるのです。

また、万年筆には向きがあるため、利き手によって使いやすさが大きく変わってしまいます。万年筆の正しい持ち方と、左利きの方の対処法をみていきましょう。

ペン先の刻印の向きを上にして持つ

万年筆のペン先には、メーカー名や製造国の名前、ペン先の太さを表すアルファベットなどが刻印されています。文字を書くときは、この刻印を上にして持つのが基本です。

逆に持ったり、傾いた状態で持ったりするとインクが出ないため、書くことができません。

左利きの場合は専用の万年筆を使う

左利きの方は、持ち方や書き方を練習しても、なかなか上手に書けないことがあります。左利きの方は文字を書くときにペン先を押しだすような動作になるため、右利きの方に比べてペン先が紙に引っかかりやすく、スムーズに文字を書くことが難しいのです。

とくに角度や向きが少しで変わっただけで、紙にペン先が引っかかってしまう万年筆の場合は、なおさらです。

どうしても上手く書けない場合は、左利き専用の万年筆を使ってみましょう。ペン先やグリップ部分が左利きが使いやすように作られているので、ずいぶん書きやすくなりますよ。

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綺麗な文字を書くには?

綺麗な文字を書くためには、筆記具の構造を理解することも大切です。とくに万年筆の場合は、インクが出てくる仕組みがわかれば、自然と正しい持ち方や姿勢ができるようになります。

万年筆の仕組みを理解する

万年筆のインクは、毛細管現象によってインクタンクから細いペン先へと自然に伝わっていきます。ペン先に伝わったインクが紙の繊維に触れると、再び毛細管現象によって引き出され、文字が書けるようになっています。

このため万年筆はペン先を紙に当てるだけで、流れるようにインクが出てきます。ボールペンなどと違って、強い筆圧をかける必要はありません。むしろ筆圧をかけ過ぎると、ペン先が開いて字が太くなったり、曲がってしまったりするので注意しましょう。

寝かせ気味に書く

文字を書くときはインクが紙に触れやすいよう、ペン先が紙に対して45~60度の角度になるように、やや寝かせて持ちます。指先に力を入れずに万年筆の重みだけで、紙の上を滑らせるように書いていきます。

文字を濃くしたり、太くしたりする時は、ペン先をややしならせる程度に筆圧をかけ、インクを多く出すようにします。

姿勢を正して楽に書く

ペン先の角度を一定に保ち、滑らかに文字を書くためには、書くときの姿勢も大切です。書き方や持ち方に気を取られて姿勢が崩れてくると、文字も乱れてしまいます。

まず椅子に浅めに座り、背筋を伸ばしてあごを引きます。机に近づきすぎないように、お腹と机の間はこぶし1個分空けます。指先や肩、腕に余計な力が入っていないことを確認し、1度リラックスしてから書き始めましょう。

書き方のコツ

次に美しい文字を書くための書き方のコツを、具体的に紹介します。1つ1つの文字を崩したり、省略したりせずに丁寧に書くことと、全体のバランスが良く見えるようにすることを、心がけていきましょう。

とめ、はらいを意識する

文字を書くときは画を省略せず、『とめ』や『はね』、『はらい』をできるだけ意識します。そうすることで、メリハリのある読みやすい文字になります。

たとえば、はらう部分を適当に書くと、ただの点や棒のように見えてしまうことがあります。また、とめやはねをしっかり書かなければ、全体の印象が弱くなります。これでは美しい文字とは言えませんから、しっかりと意識して書いてください。

間隔や角度を工夫し、バランス良く見せる

バランスの良い文字を書くためには、正しい書き順で書くことがもっとも重要です。書き順が間違っていると、いくらとめやはらいに気を配っても美しい文字には見えません。どうしても上手く書けない文字は、1度漢字辞書などで書き順を確認してみましょう。

画の間隔や角度を工夫することも大切です。たとえば『自』という字の場合、中の2本の横線を等間隔で書くと、綺麗に見えます。

また、人の目には水平の横線が少し右に下がって見える性質があるため、正しく書いたつもりでも、文字が右側に傾いているように見えることがあります。この場合は横の画を、5度を目安に右上がりに書くことで、まっすぐに見せることができます。

あとは文字同士の大きさや間隔が揃うように、文章全体のバランスにも気をつけましょう。

上手く書けないときはどうする?

万年筆を使い始めたばかりの頃は、正しい持ち方や姿勢、書き方のコツをいくら意識しても、どうしても上手く書けないということがよくあります。実は万年筆はブランドによって書き心地が異なり、ペン先にもたくさんの種類があります。

このため初心者には扱いにくいタイプの製品も多く、万年筆で上手く文字を書けない原因の1つにもなっています。上手く書けない方は1度、使っている万年筆やペン先を見直すことをおすすめします。

初心者に優しい万年筆と、ペン先の選び方をみていきましょう。

初心者用の万年筆から使い始める

万年筆は、ほかの筆記用具と違って持ち方がとても大切です。文字が上手く書けないのは、持ち方が間違っていることが原因ということがよくあります。

初心者用の万年筆は、持ちやすい形や重さを重視し、ボディ部分に持ち方がわかるくぼみをつけるなど、正しく持てるように工夫されているのが特徴です。

上手く文字を書けないという方は、初心者用の万年筆を使って、正しい持ち方を身に着けることから始めてみましょう。

練習にぴったりの万年筆 カクノ

初心者用の万年筆の中でも、子ども用に開発されたパイロットの『カクノ』はとくに使いやすく、1000円を切る手ごろな価格ということもあり、練習にぴったりの製品です。

子どもでも持ちやすいように、ボディは鉛筆のような6角形になっています。グリップ部分は3角形で、正しい持ち方が簡単にできるよう工夫されています。タンク部分のボディが透明なので、インクの残量が分かりやすいのも特徴です。

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ペン先の細さを見直す

初心者が上手く字を書けない理由には、書き方のくせや筆圧と、ペン先の細さが合っていないこともあげられます。同じ万年筆でもペン先の細さを変えることで、書き心地が違ってくるのです。

ペン先の細さは、刻印部分に表記されているアルファベットで分かります。EF(極細)、F(細字)、M(中字)、B(太字)の4種類があるので確認してみましょう。もっとも書きやすいとされる細さはF(細字)で、初めて万年筆を使う方にもおすすめです。

ただしペン先の基準は、はっきり決まっているわけではなく、メーカーによって多少異なりますので、あくまでも目安と考えてください。

動画や練習帳で目指す。万年筆で書く美しい文字

使いやすい万年筆とペン先を手に入れ、文字を書くことに慣れてきたら、実際に美しい文字を書く練習をしていきましょう。早く上達するには、お手本をなぞって練習する、練習帳を使うのがおすすめです。

数多く販売されている練習帳の中から、万年筆の文字練習に最適なものを3冊紹介します。

DVDですぐ上達 10日で美しい文字が書ける本

文字を書く時のルールや、手の動かし方をDVDの動画を見ながらリズムに乗って楽しく学べる練習本です。お手本をなぞるだけの練習では、なかなかクセが直らないという方にもおすすめです。

また、なぞって練習する時間がなくても、DVDを観るだけでコツが頭に入り、今までより上手に書けることを実感できます。著者は、テレビ番組などで幅広く活躍中の美文字研究家・青山浩之氏です。

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ペン字・筆文字練習帳

NHK大河ドラマなど時代劇での書道所作を指導する、書道家・鈴木曉昇(ぎょうしょう)による練習帳です。便せんや封筒、挨拶状などの書き方なども解説してあり、実生活にも役立つ内容となっています。

右ページは練習用、左ページは詳しい解説と、1つのテーマにつき見開き2ページの構成が、大変使いやすいと好評です。著者の経験をもとに書かれた美文字コラムも勉強になります。練習するだけではなく、美しい文字に対する意識も高まる1冊です。

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英語の名文をなぞる筆記体練習帳

万年筆で、しかも英語の筆記体で、メッセージや手紙を書いてみたい方におすすめの練習帳です。英文学に出てくる、有名な文章やフレーズをなぞりながら練習します。

文章には和訳と解説がついているので、聞いたことのあるフレーズに出会うと気分が上がり、英語の勉強にもなります。また、万年筆のインクがにじみにくい紙質でできているため、練習に集中できるのもポイントです。イギリスの紳士になったつもりで、スラスラと書いていきましょう。

著者の三瓶望美 (みかめのぞみ)氏は、英文を美しく見せる手法、『カリグラフィー』の教室を開いている筆記体の達人です。

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褒められる綺麗な文字で品格アップ

パソコンやスマートフォンの普及によって、仕事でもプライベートでも、文字を手書きする機会はどんどん減っています。だからこそ、いつでも綺麗な文字を書けるということは品格を上げる大きな武器になります。

とくに昔ながらの筆記具、万年筆で書いた文字は、インクの色やにじみ具合にも風情があり、書いた人の気持ちが一層伝わります。この記事を参考に、万年筆を使って綺麗な文字を書けるよう、練習に励んでください。

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