麻雀を覚えたての方が最初に直面するのが「役牌」の扱い方です。役牌についてもっと知りたい人も多いのではないでしょうか?使い方やテクニックを学ぶことで、麻雀の上達への近道へと繋がります。役牌の『使い方のコツとテクニック』を紹介します。
麻雀の役牌の種類
麻雀には、いくつかの役牌が存在します。役牌とは、三元牌(サンゲンパイ)と条件をクリアした風牌の総称、または、これらを使って刻子(コーツ)または槓子(カンツ)を作って完成させた1翻の役の意味を指しています。
刻子とは同じ柄の牌を3つそろえることです。槓子とは同じ柄の牌を4つそろえることで、別名・翻牌(ファンパイ)です。
このように役牌には2つの意味があるので、まだ慣れていない初心者にとっては、牌のことを指すのか役のことを指すのか、判断がつきにくいときもありますが、慣れていくうちにどちらの意味を指しているのか判断できるようになるでしょう。
ここでは、役牌の種類について解説します。
三元牌は白發中
字牌の中でも三元牌と呼ばれる『白(ハク)・發(ハツ)・中(チュン)』は、それらの1種類だけを刻子または槓子をそろえれば1範の役が作れます。
白は、正式名称は白板(パイパン)です。何もデザインがない空白が特徴です。ハク以外にも別名・シロという呼び名もありますが、ほとんどの場合でハクと呼ばれています。
發は、正式名称は緑發(リューファ)と言い、緑色の字で發がデザインされています。
中は、正式名称は紅中(ホンチュン)です。牌に赤色の字で中と書かれています。
風牌の東南西北は条件付きの役牌
いつでも役牌の三元牌に対して、一定の条件をクリアすれば役牌になれるのが『東南西北(トンナンシャーペー)』の風牌です。
風牌は、東・南の場風牌と、親と子のそれぞれの家にある門風牌の場合のみ役牌になります。
役牌を使った上がり
役牌の種類がわかったら、次はそれらを使って作る1翻の役の意味での役牌について説明しましょう。役牌となる牌を刻子か槓子で集めれば完成です。
組み合わせ方によっても、いろいろな役が作れるので、ぜひ覚えておきましょう。
ここでは、役牌を使った上がりの種類について解説します。
役牌が使える役を一覧表で確認しよう
約40種類の役のうち、平和(ピンフ)・清一色(チンイツ)、純全帯公九(ジュンチャン)などの役牌が使えない役と七対子を除いた、ほとんどの役で役牌を使えます。
たくさんあるため、麻雀の役一覧表を参考にしながら、役牌が使える役を確認しておくと、いろいろな手が使えるようになります。
役牌がたくさんあると役満が狙える
役牌は、刻子を1組作れば完成する役ですが、点数はあまり高くありません。しかし、役牌をたくさんそろえて完成する役満もあります。
役牌がたくさんあったときに狙える役満をいくつか紹介します。
役 | 特徴 |
大三元
(ダイサンゲン) |
■ 三元牌すべてを刻子または槓子でそろえて完成
■ 鳴いても成立 |
字一色
(ツーイーソー) |
■ 字牌(役牌含む)のみですべての面子と頭をそろえる
■ 鳴いても成立 |
小四喜
(ショウスーシー) |
■ 東・南・西・北の風牌のいずれかを頭とし、3つの刻子を作る
■ 残りの1組は何でもOK ■ 鳴いても成立 |
大四喜
(ダイスーシー) |
■ 東・南・西・北の風牌をすべて刻子でそろえる
■ 雀頭は何でもOK ■ 鳴いても成立 |
役牌のみで早上がりはアリ?
役牌は、刻子を1組作るだけで役が成立するので上がりへの『特急券』や『急行券』とも呼ばれます。
とはいっても、先に紹介したように役満が狙えるときなどには早上がりしない方が得策です。
ここでは、早上がりを狙うべき3パターンを紹介します。
親は連荘狙いで使う
親の点数は子の点数に比べて1.5倍になります。自分が親のとき、連荘(レンチャン)で点数を積み上げておけば、得点が高くなります。連荘狙いは、麻雀で勝つための重要なポイントの1つです。
1.5倍になるならば、高得点を狙いたいところですが、配牌があまりよくないときには、できる限り早く役を作って、早上がりを目指しましょう。
ドラとの組み合わせで点数も稼ぐ
役牌で早上がりを狙う2つ目のパターンは、ドラと一緒にして早上がりして点数も稼ぎたいときです。
ドラが複数あった場合などでは、役牌と組み合わせることで3翻や4翻と簡単に点数を高くすることもできます。また、役牌そのものがドラのときは、役牌の刻子をそろえるだけで4翻となり、さらに高得点になります。
役牌バックを使うとスピードアップ
麻雀は、いかに早く役を作って上がれるかという役作りのスピードを競うゲームでもあります。鳴き仕掛けを仕掛ける場合、早々に鳴いていきたいところです。
役牌狙いのデメリット
しかし役牌だけを狙いに行く場合、一つ大きなデメリットがあります。それは、「もし役牌が鳴けなかった場合、役なしになる可能性が高い」ということです。
鳴き仕掛けの場合、当然ですが立直(リーチ)ができません。また、役牌だけで上がろうと早く仕掛ければ仕掛けるほど、じっくり手作りする暇がなく、必然的に手が安い方へ流れていきやすい傾向があります。
そのため、役牌が手牌の中で対子(トイツ。2枚あること)になっている場合、先に役牌を鳴いて役を確定させてから、他の面子を鳴いていくという戦略をとることが一般的です。
役牌バックで強行突破
一方役牌バックとは、そうしたセオリーを強行突破する考え方です。役牌の確定を後回しにしてでも一手でも早く鳴きにかかることで、スピードアップを図る戦略です。ちなみにバックとは『後付け』のことであり、「役が確定していない状態で、ロン牌で初めて役が付く」という状態のことです。
ただし、これは『後付けアリ』ルールでしか使うことができません。後付けでついた役は成立を認めないルールもあり、ハウスルールや仲間同士のルール決めによって異なりますので、注意してください。
上級者の役牌の使い方
初心者にとっては3つそろえるだけで簡単に役が作れるため、役牌は麻雀の基本です。
しかし、上級者になるにつれて、役牌の使い方のコツやポイントを理解して上手な使い方ができるようになります。
ここでは、上級者の役牌の上手な使い方とポイントを解説します。
役牌を切るタイミングも考える
3つそろえるだけで役が成立する役牌なので、初心者にとっては最も使いやすい役の作り方です。しかし、上級者は役牌をいつまでも自分の手元において置くことはしません。
切り順には、自分が使わない役牌から切る方法と、他人に使われたくない役牌から切る方法の2種類があります。どちらが正しいというわけではありません。
自分が使わない役牌から切っていけば、誰かの鳴きを遅らせることが可能です。
また、他人に使われたくない役牌から切っていけば、他の人が鳴ける形を完成させる前に処理できる可能性が高くなります。なぜならば、巡を重ねるごとに相手も手牌の形がそろってくるからです。
どちらのタイミングで役牌を捨てるのかは、その場に応じて判断します。
役牌の頭や刻子は守りにも使う
役牌の頭や刻子は、安全牌としての守りにも使えます。たとえば、自風牌であって場風牌でない役牌は、他のプレーヤーにとっては、基本的に不要な牌です。ドラなどの特別な状況でない限り、捨てても誰かにロンされる心配は低いと考えられます。
このように役牌は、対局の流れによって後半は安全牌になる可能性が高いです。ただし、場にまだ1枚も出ていないときや、誰かが国士無双を狙っているような捨て牌をしているときなどには、思わぬ痛手を負う可能性があるので、「終盤の役牌は安全!」と思いこまず、良く場を見て捨てましょう。
役牌の符を使ってきわどく逆転も
役牌は符加点が多いのが特徴です。そのため、上級者は符加点の計算についても細かく考えながら役牌を扱っています。
たとえば、役牌を頭にして上がった場合、得点を高くすることが可能です。頭が役牌以外の場合には符点は0点ですが、役牌が頭の場合には符点が2点加算されます。
逆転を狙うときなど、上級者は加点の符加点計算を常にしながらプレイしています。
役牌の使い方が麻雀の上達へのカギ
役牌を上手に使って役を作ることで、役満も狙えます。しかし、いつまでも大事に手元に残しておいても意味が無いこともあります。
状況によって残すべきか、または捨てるべきか見極められるようになるためには、実践あるのみです。なかなか上達しない人は、ぜひ役牌の使い方を学ぶことから始めましょう。