コーヒーフィルターの種類で味が変わる?フィルターの代用品も解説!

2020.10.19

フィルターの素材・形状はコーヒーの風味を左右します。定番のペーパー、味わい深いネル、エッセンスを余すことなく味わえる金属など、それぞれに特徴があり、道具を選ぶのにも楽しさを感じるでしょう。フィルターがないときの代用方法も紹介します。

コーヒーフィルターの基本

コーヒーフィルターは、コーヒーの風味を左右する重要なアイテムです。素材や形状にこだわる理由を知り、自分の好みにぴったりのコーヒーを抽出できるようになりましょう。

コーヒーフィルターの役割

『コーヒーフィルター』は、粉砕したコーヒー豆をろ過するための道具です。フィルター上にコーヒーを入れお湯を注ぐことで、下にある容器にコーヒーの抽出液が落ちる仕組みになっています。

コーヒーフィルターの主な役目は、コーヒーをろ過し、豆と抽出液をより分けることです。フィルター上には出し殻だけが残るので、後片付けが簡単になるというメリットもあります。

もともとコーヒーはポットなどで煮出して飲むのが一般的でしたが、のちにコーヒーから滓(かす)を取り除くための麻袋が用いられ、1908年にメリタ・ベンツが使い捨てのドリップフィルターを考案しました。

フィルターの種類で味わいが変わる

コーヒーフィルターの素材には、『ペーパー』『金属』『ネル』があります。他にも陶器やセラミックなどのフィルターがありますが、最も一般的に使われているのはこの3種類でしょう。

コーヒーには『コーヒーオイル』という油脂分が含まれています。フィルターの材質・厚さ・抽出速度(目の粗さ)によって、コーヒーオイルの抽出量が増減し、味わいや香りに影響すると言われています。

なお、フィルターだけでなく、水の硬度・淹れる人の技術・ドリッパーの形・挽き方などもコーヒーの味わいに大きく関係することを覚えておきましょう。

スッキリとした味わい ペーパーフィルター

ペーパーフィルターは家庭で最もよく使われるフィルターの種類です。万人に好まれやすいすっきりとした味わいが楽しめるでしょう。

ドリップコーヒーの大定番

ペーパーフィルターはドリップコーヒーの定番です。細かい繊維質の目がコーヒーの雑味や油分をしっかりとキャッチするため、抽出液はすっきりとしたクリアな味わいになります。

ペーパーフィルターは多くのメーカーから販売されており、1袋100枚入りが多いようです。中にはメーカー専用のものもあるので、購入時は規格を確認しましょう。

ペーパーフィルターのメリットデメリット

ペーパーフィルターの最大の特徴は、細かな繊維の目がコーヒーの雑味をしっかりキャッチするところです。

滓(かす)の中には血糖値などを上昇させる『コーヒー・ジテルペン』が含まれていますが、ペーパーフィルターを使うとこれらの物質がろ過されます。

一方で、コーヒーの旨み成分である『コーヒーオイル』も少なくなってしまう点は、ペーパーのメリットでありデメリットでもあると言えるでしょう。

他のフィルターと相対し、ペーパーは後片付けが簡単で手入れも不要です。しかし淹れ方には少々テクニックが必要な上、ペーパーを折ったり、ドリッパーの形に合ったものを選んだりと準備にはやや時間がかかります。

ペーパーフィルターの分類は2×2種類ある

ペーパーフィルターの種類は以下のように分類され、合わせて4通りの選び方があります。

  • 未漂白タイプor漂白タイプ
  • 台形タイプor円錐形タイプ

ペーパーフィルターの原料はパルプで、『未漂白タイプ』は原料そのままの色(ブラウン)、『漂白タイプ』は体に害を及ぼしにくい酵素漂白で処理された真っ白なタイプです。

未漂白タイプは紙独特の香りがわずかに残るため、漂白された方を好む人もいます。自分の好みに合わせて選びましょう。

形状は『台形タイプ』と『円錐形タイプ』に大別され、それぞれドリッパーの形に合わせて選ぶのが基本です。『台形タイプ』はカリタ式やメリタ式に多く、お湯がコーヒーの粉全体に馴染みやすいのが特徴です。

『円錐形タイプ』はハリオやキーコーヒーのドリッパーに多い形状で、よりすっきりとしたコーヒーを好む人におすすめです。

ペーパーフィルターの入れ方

ペーパーフィルターはそのままドリッパーにセットするのではなく、縫い目を折ってから使います。折らずに使うと、ドリッパーに密着せず、液がうまく抽出されません。

『台形フィルター』は八角錐に折り目をいれるか、底面とサイドに1カ所ずつある継ぎ目をそれぞれ反対方向になるように折り、立体的に形を整えてからセットします。『円錐形フィルター』は、基本的にはサイドにある継ぎ目を折るだけでOKです。

適量のコーヒーを入れたら、少量のお湯で20~30秒ほどコーヒーを蒸らし、香りが立ってきたら残りのお湯を注ぎます。中心から外側に小さな渦巻きを書きながら、丁寧に淹れていきましょう。

本来の風味が楽しめる 金属フィルター

金属フィルターは、ペーパーフィルターとは真逆の濃厚で旨みの強いコーヒーが抽出されます。豆本来の風味を楽しみたい人は金属フィルターを選んでみましょう。

主にステンレス、純金メッキが主流

金属フィルターの素材には、主にステンレスや純金メッキが採用されています。『ステンレス』は比較的安価で錆びにくいメリットがありますが、コーヒーに金属の味が移ってしまう場合もあります。

ステンレスにメッキ加工がされているものが理想でしょう。

『純金メッキ』の『金』は化学変化に強く酸化しにくいので、コーヒーの味に影響を与えません。価格は高めですが、コーヒー本来の味が長く楽しめます。

金属フィルターのメリットデメリット

ペーパータイプはオイル分がほとんどろ過・吸収されてしまうので、豆本来の味わいは弱くなってしまいます。

しかし、目がやや粗い金属フィルターを使うと、コーヒーオイルなどの旨み成分がたっぷりと抽出でき、コーヒー本来のおいしさがダイレクトに味わえるのです。

金属は熱伝導率が高いため、抽出時の温度を一定に保ちやすいのもメリットでしょう。

一方で、深煎りのコーヒーを使うと、インパクトが強すぎて飽きてしまうことがあり、金属フィルターには、浅煎り・中煎りのコーヒーがおすすめです。また、目詰まりしないように定期的な手入れも必要でしょう。

金属フィルターの淹れ方の違い

金属フィルターにお湯を注ぐときは、『メッシュ部分にお湯をかけない』のが鉄則です。ペーパーに比べて目が粗いのでお湯が落ちやすく、淹れ方によっては味も香りも薄いコーヒーになってしまうでしょう。

ペーパーフィルターは外側に向かって渦巻き状に淹れていきますが、金属フィルターの場合は、中心一点に向けて、細く・ゆっくりと注いでいくのがポイントです。

マイルドな仕上がり ネルフィルター

『ネルドリップ』はコーヒー好きの間でも根強いファンが多く、滑らかな口当たりやバランスのよさが評価されています。準備や手入れに手間がかかりますが、スローライフを象徴するようなネルに憧れを持つ人も少なくありません。

ペーパーと金属の中間でバランスがよい

『ネルフィルター』は、起毛のあるコットンネルなどを使った袋状のフィルターで、ペーパーより目が粗く、金属よりも細かいという特徴があります。両者の良さを半分ずつ持ち合わせており、マイルドでバランスのよい風味が楽しめるでしょう。

なお、ネルフィルターの素材は、コットンネルの他に、乾燥が早く衛生的なリネン、目詰まりを防ぐためにポリエステルを混ぜたコットンなどが販売されています。

ネルフィルターのメリットデメリット

ネルフィルターのメリットは、コーヒーオイルや旨みが程よく抽出される点です。金属フィルターのような旨みを保ちつつも、ペーパーフィルターに近い飲みやすさを備えているので、一度味わうとファンになってしまう人が多いようです。

一方、手入れや準備に時間がかかるので、忙しい朝には不向きです。

使用前はネルをお湯にくぐらせてシワを伸ばし、冷めないうちにお湯を注ぎます。使用後は、出し殻を取り除いた後、水洗いと湯通しをし、水を入れたタッパーに入れて冷蔵庫で保管しなければなりません。

目詰まりを放置すると雑菌が発生するので、定期的に煮沸し清潔な状態を保つことも必須です。ネルは、「手間がかかってもおいしいコーヒーを飲みたい」という人に適した方法でしょう。

コーヒーフィルターがないときの代用方法は?

コーヒーフィルターは身近にあるもので代用が可能です。フィルターはコーヒーをろ過し、抽出液と豆を分離することが目的なので、同じ役割をもつアイテムを探してみましょう。

まずはお茶のパックがないか確認

茶葉を入れ、ティーポットに投入して使用する『お茶のパック』は、出汁取りやコーヒー抽出、生薬煎じなどに使える万能なアイテムです。100均でも購入でき、1パックにつき100枚程度入っているので、コストパフォーマンスは抜群でしょう。

お茶パックはごく薄手ですが、簡単に破れることはありません。お茶パックにコーヒーを入れたら、倒れないようにドリッパーやマグカップにセットしましょう。

また、粗めに挽いたコーヒーをパックに入れて口をしっかり閉じ、紅茶のティーバックのようにして使うこともできます。

キッチンペーパーで代用する

お茶のパックがないときは、キッチンペーパーで代用しましょう。キッチンペーパーには、表面に凹凸のある『エンボスタイプ』と、ふわふわとした厚みのある『フェルトタイプ』があります。

フェルトタイプは、水や油の吸収力が高いので油切りやお掃除には向いていますが、コーヒーフィルターにすると、抽出液を吸い取ってしまいなかなか下に溜まりません。使用するなら、ロール状のエンボスタイプがおすすめです。

まず、キッチンペーパーを1枚切り取り、対角線に沿って三角形(山型)になるように折ります。今度は左右を中心に向かって折り、2枚重なった頂点部分をそれぞれ前と後ろに折り込みます。

形を整えたらコーヒーにセットしていつものよう 『蒸らし』を行いましょう。お湯を注ぐときは、極力ペーパー部分にお湯が当たらないようにするのがポイントです。

金属製があればフィルターなしでも安心

金属製フィルターは、そもそもペーパーをセットする必要がありません。

ペーパードリップならではの『すっきりとした味わい』が好きな人は別ですが、金属フィルターを1つ常備しておけば、いつでもどこでもコーヒーがつくれ、エコにもつながるでしょう。

また、カリタやメリタ、ハリオなどのコーヒー機器メーカーまたは陶器を扱う店舗では、ペーパーフィルター不要の『陶器製ドリッパー』を販売しています。

表面に見えない無数の孔があいた『セラミック製ドリッパー』もペーパーフィルター不要で、焼成によって目詰まりが元に戻る優れものです。

おすすめのコーヒーフィルター

コーヒーの味わいはフィルター1つで大きく変わります。お気に入りのフィルターを愛用し続けるのもいいですし、いろいろなメーカーのものを揃え、気分によって使い分けるのもいいでしょう。

カリタ コーヒーフィルター NK102濾紙 2〜4人用

(Amazon.co.jp) 『カリタ』はプロも愛用するクオリティの高いアイテムを扱うコーヒー機器総合メーカーです。

ペーパーフィルターは100枚入りで200円以内という安さなので、まとめ買いをする人も多いでしょう。未漂白タイプと漂白タイプがあり、素材には針葉樹、バージンパルプなどが使用されています。

なお、カリタのドリッパー専用なので、他のドリッパーへの使用はあまりおすすめされていません。

  • 商品名:カリタ コーヒーフィルター NK102濾紙 2〜4人用
  • 価格:177円(税込)
  • Amazon:商品ページ

メリタ コーヒーフィルター エコブラウン 2〜4杯用

(Amazon.co.jp) 『メリタ』はドイツのコーヒー機器総合メーカーで、ペーパードリップシステムをはじめて考案した会社でもあります。

メリタのペーパーフィルターには、スーパーミクロウェイというきめ細かなメッシュがほどこされており、豆の旨みを漏れなく引き出しながらも、雑味はしっかりキャッチするのが特徴です。

こちらの『エコブラウン』は森林資源を守るためにつくられた環境志向のフィルターで、国際的な第三者機関『FSC(森林管理協議会)』の認証を取得しています。1箱100枚入り×3個セットなので、たっぷり使えますよ。

  • 商品名:メリタ コーヒーフィルター エコブラウン 2〜4杯用×3個セット
  • 価格:2980円(税込)
  • Amazon:商品ページ

ハリオ ドリッパー カフェオール コーヒー ドリップ 1〜4杯用

(Amazon.co.jp) 『ハリオ』は東京日本橋に本社を置く日本の耐熱ガラスメーカーで『瑠璃王(ガラスの王様)』が社名の由来になっています。

世界中のバリスタに愛されるV60ドリッパーなど、美味しい一杯を淹れるために計算されたクオリティの高いアイテムを扱っているのが特徴です。

『ハリオ カフェオールドリッパー 』はアロマやコーヒーオイルをしっかりと抽出するステンレスメッシュ製のフィルターで、ペーパー不要で使用できます。手持ちのマグカップにセットして使えるので、洗い物もぐっと減るでしょう。

  • 商品名:ハリオ ドリッパー カフェオール コーヒー ドリップ 1〜4杯用
  • 価格:1055円(税込)
  • Amazon:商品ページ

収納に便利なフィルター用アイテム

ペーパーフィルターは袋や箱に入っているので、そのままでも収納には困りませんが、せっかくならおしゃれで取り出しやすいケースやラックに入れ替えてみませんか?

下村企販 コーヒーフィルターケース

(Amazon.co.jp) ペーパーフィルターをキッチンにそのまま置いておくと、油煙汚れや水濡れで使い物にならなくなってしまいます。

また、たまにしか使わない人はホコリが気になるのではないでしょうか?ペーパーの汚れや劣化を防ぐのにぴったりなのが『下村企販』のカバー付きフィルターケースです。

2~4人用、5~7人用の2種類が計100枚収納でき、置く場所によって向きが変えられるのがポイントです。なお、底部分が平らなので、円錐形フィルターの場合は別のタイプを使いましょう。

  • 商品名:下村企販 コーヒーフィルターケース
  • 価格:738円(税込)
  • Amazon:商品ページ

山崎実業 マグネットコーヒーペーパーフィルターホルダー

(Amazon.co.jp) 冷蔵庫やホワイトボードなどに貼り付けて使うペーパーホルダーで、ワークトップや卓上に物を置きたくない人に最適です。底部分が切り取られた形なのため、台形タイプはもちろん、円錐タイプのフィルターも問題なく入ります。

ホコリが底に溜まらず、掃除が楽な点も◎でしょう。

粉体塗装仕上げのホワイトカラーは、ナチュラルな空間にもモダンテイストの空間にもよく合います。1000円以内で購入できるリーズナブルさにも注目です。

  • 商品名:山崎実業 マグネットコーヒーペーパーフィルターホルダー
  • 価格:990円(税込)
  • Amazon:商品ページ

コーヒーフィルターで味のこだわりを

コーヒーの味や香りを左右する要素はさまざまですが、その1つが『フィルターの違い』です。たとえば、豆が同じでもペーパーフィルターと金属フィルターでは、全く違った風味のコーヒーが抽出されるでしょう。

手軽で使いやすい理由から、ペーパーフィルターが家庭の定番になっていますが、金属やネル、陶器などいろいろなフィルターで味比べをしてみてはいかがでしょうか。

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