『牛乳焼酎』から『トマト焼酎』にまで?焼酎の原料はこんなに豊富だった

2020.09.26

水割り・お湯割り・サワー・カクテル風など、いろいろなスタイルで味わえる焼酎は、幅広い人気を誇るお酒です。その焼酎は、さまざまな原料で造られていることを知っていますか?定番のものから珍しいものまで、焼酎の原料について解説します。

主な焼酎の原料

焼酎は、全国で親しまれているお酒です。各地でその製造方法が異なり、味や香りもそれぞれです。

そして、さまざまな原料から製造されていることも、焼酎が多彩なバリエーションを持っている理由でもあります。

焼酎にいろいろな表情をもたらす原料には、どのような種類があるのでしょうか。

代表的な芋焼酎と麦焼酎

焼酎の代表的な種類として『芋焼酎』があります。原料となる蒸し焼きのサツマイモの香りが漂い、芋の持つまろやかな優しい味わいがダイレクトに焼酎の味に反映されています。

気候や土壌の関係で良い米を収穫できなかった薩摩などで、米を使う代わりに芋で焼酎を造るようになりました。ソフトな口当たりややわらかな甘さが多くの人に親しまれています。

『麦焼酎』も、ポピュラーな種類の一つです。淡麗で軽やかな風合いが飲みやすさにつながり、さまざまなシーンで飲まれています。

日本で麦焼酎が初めに造られたのは、長崎県壱岐島でした。古くから麦を常食としてきた歴史を持つ壱岐では、麦を使用した独特の工法で焼酎を生産してきました。

その後、この工法が広まり、オーソドックスな麦焼酎の製造法となったのです。そして、麦焼酎も全国に広まり、現在のように愛されるお酒になっています。

米から作られる米焼酎

日本の食文化の中心にあるものが、米です。その米から造られる『米焼酎』は、濃厚で丸みのある味わいが独特の美味しさを生んでいます。

米が栽培されている地域ごとに米焼酎も製造されていますが、焼酎では、アルコール発酵させる段階の麹造りにおいて、ほとんどの場合において米を使用しています。そこから、芋や麦などの原料を加えて、それぞれの種類の焼酎になっていくのです。

一方、米焼酎は、最初から最後まで米だけを使っています。そのため、シンプルでありながらコクのある焼酎ができ上がるのです。

まだまだある焼酎の原料

芋・麦・米などは、焼酎の原料としてよく知られています。その他にも原料となっているものはまだまだたくさんあるのです。

宮崎で生まれたそば焼酎

焼酎を製造するにあたって、原料の多様化を促すきっかけを作ったのが『そば焼酎』です。焼酎に多彩な顔触れが並ぶようになったのは、ある意味、そば焼酎のおかげといえます。

宮崎で産声をあげたそば焼酎の歴史は意外と新しく、1970年代前半のことです。そして、急速にその美味しさが全国に知れ渡りました。

ソフトでふんわりとした甘味があり、独特のコクも特徴です。そばのさっぱりとした食感が多くの日本人の口に好まれるように、そば焼酎の口当たりにも軽快な印象がともないます。

サトウキビからできた黒糖焼酎

『黒糖焼酎』は、サトウキビから作られる黒糖が原料です。現在では、奄美諸島でしか生産されておらず、限定品としての希少性を持っています。

奄美諸島は、長寿の島として知名度があります。そのため、黒糖焼酎には健康的なお酒という印象もあります。

他の焼酎と比較したときに見られる最大の特徴は、主原料である黒糖の糖度にあります。糖分は、原料を発酵させるために不可欠な要素です。

芋・麦・米などは、麹の力で糖分へと分解し、発酵できる状態にする必要があります。しかし、黒糖はふんだんに糖分を含んでいるため、麹を必要とすることなく発酵できるのです。

黒糖焼酎造りでも麹は使うのですが、高い糖度があるため、独特の深いコクにつながります。

珍しいものでは野菜でできたものも

焼酎の原料となるものは、他にも数多くあります。とうもろこしやかぼちゃ、ニンジン、トマトなどいろいろな野菜からできるものもあります。

牛乳や脱脂粉乳を原料とした焼酎があると聞くと、驚く人もいるでしょう。緑茶や抹茶、紅茶などからも造られています。

ひまわりの種・べに花・大根・ピーマンなど、挙げていけばきりがないほどです。それだけに、どのような原料からでも生産可能な焼酎は、広く愛されるお酒になっているのです。

焼酎の原料の豆知識

幅広い原料から造ることが可能な焼酎ですが、知っておくと便利な豆知識を紹介しましょう。飲み会の席などで披露してみてはいかがでしょうか。

同じ原料でも産地や品種で味に違いがある

芋焼酎・麦焼酎・米焼酎などを比較すると、それぞれに味が異なることは想像できます。しかし、同じ原料を使用していても、産地や品種で味に違いが生まれるのです。

例えば、芋焼酎を見てみましょう。宮崎や鹿児島などで栽培され、収穫量が多い黄金千貫は、よく用いられる品種です。風味豊かな味わいが特徴的な焼酎になります。

他方、アヤムラサキやムラサキマサリを使うと、黄金千貫などよりもややシャープなイメージの味わいになります。ワインのようにフルーティーなテイストに感じる人もいるでしょう。

アヤコマチやハマコマチなど橙芋で造ると、フワッと明るい芳香を醸し出すようになります。このように、細かい品種の違いなどで、表情はそれぞれ異なるのです。

本格焼酎の原料には決まりがある

焼酎の銘柄の中で、『本格焼酎』と呼ばれるものがあります。これは、感覚的に呼んでいるのではなく、きちんとした定義によって定められているのです。

焼酎は、製造法によって大きく2種類に分けられます。連続式蒸留器を使って量産される『甲類』と、1回の蒸留ごとに醪を入れ替える単式蒸留器による『乙類』です。そのうち乙類焼酎を本格焼酎と呼びます。

また、麹原料として、穀類か芋類を必ず使用しなければ、本格焼酎とは呼べません。さらに、本格焼酎とするには、酒税法で定められた主原料を使わなければならないのです。

焼酎の原料はさまざま

大衆酒として広く親しまれている焼酎は、実にたくさんの原料によって造られているお酒です。原料を意識しながら飲むことで、焼酎の魅力をより感じることができるでしょう。

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