紅茶の国イギリスで勃発した『MIF論争』とは?ミルクは先or後?

2020.09.22

紅茶に牛乳を混ぜるだけのミルクティーですが、長年愛されつづけると「よりおいしく飲む入れ方は」と追求されるもの。ここでは、そんな入れ方のコツをまとめます。本場イギリスの、紅茶と牛乳どっちが先かというおもしろい論争も紹介します。

茶葉と牛乳を準備するときのコツ

まず、おいしいミルクティーをいただくにはどんな茶葉と牛乳を用意すればいいか、準備のコツから見てみましょう。

ミルクティーに合う茶葉は

ミルクティーには「濃厚な味」で「ほどよい渋み」のある茶葉がよく合います。産地でいえばインド北東部のアッサムや、スリランカのウバ、ルフナ、ディンブラなどです。特にアッサム茶葉はミルクティーの定番と言われています。

これらの茶葉を、ストレートティーのときより少し多めに使うのがコツのひとつです。1人分につきティースプーンに1杯か2杯、約5g前後入れるといいでしょう。

特に大きい葉は浸出しにくいので、スプーン山盛りにして入れましょう。逆に細かい葉やCTCの場合はスプーンすり切れ、または中盛りでちょうどよくなります。

ミルクティーに合う牛乳は

ミルクは生クリームやコーヒー用液体クリーム(コーヒーフレッシュ)でもいいですが、やはり生乳がよく合います。特に低温殺菌の牛乳があれば、ミルク本来のクリーミーさが感じられて、味わい深いミルクティーとなるでしょう。スーパーで見かけたら、ミルクティー用に準備してもいいですね。

この牛乳を、ミルクティーを作る前に冷蔵庫から取り出して、使う分だけ常温に戻しておくのが2つめのコツです。冷たい牛乳だとミルクティーが冷めてしまうからです。特にたくさん入れる人は常温に戻すことをおすすめします。

ミルクティーを作る時のコツ

次にミルクティーを作るときのコツを3つまとめます。

まず大量の熱湯を沸かして、ティーポットとティーカップをあらかじめ温めておくのが1つめです。冷たいポットやカップだと、せっかくのホットミルクティーの風味が損なわれてしまいます。1~2分は熱湯を入れておくといいでしょう。

次にポットに茶葉を入れて熱湯を注ぎます。ここで熱湯の量を、一回でちょうど使い切るだけ入れるのが2つめのコツになります。2杯分なら300ml程度でしょうか。こうすることで、カップに注ぐ際に最後の一滴、いわゆる「ベスト・ドロップ」まで入れることができます。

最後のコツは、蒸らす時間をストレートのときより長めにすることです。3分~5分ほどを目安に、いつもよりたくさん蒸らしてください。浸出時間を長めることで、牛乳に負けない濃厚な風味の紅茶となるでしょう。

以上3つのコツを利用して、よりおいしいミルクティーを入れてみてください。

紅茶が先?牛乳が先?イギリスの入れ方論争

ところで、カップに注ぐのは紅茶が先でしょうか。それとも牛乳を先に注ぐべきでしょうか。紅茶の本場イギリスでは、この「牛乳が先(Milk In First)」か「牛乳が後(Milk In After)」どうかで130年も議論してきたそうです。

王立化学協会が発表「牛乳が先(MIF)」

そして2003年に、なんと王立化学協会が公式発表を出しました。それによれば、「牛乳が先(Milk In First)」であるべきとのこと。牛乳を先にカップに入れたほうが、牛乳に含まれるたんぱく質の変性が少なくすみ、また豊潤で魅力的な色にもなるからだそうです。

日本でもこの発表を受けて、本場では牛乳が先と伝えているところもありますが、発表の原文をよく読むと、どうやらこれ、ジョークかもしれません。

公式発表なのにユーモアが満載

というのも、この王立化学協会の発表はイギリス人作家ジョージ・オーウェルの生誕100周年を記念したもので、内容もユーモアが満載だからです。

そもそも文書のタイトルが「完璧な紅茶の入れ方」と、国立機関らしからぬもの。加えてこんな文もあります。

最高に紅茶を楽しむためには、まず冷たい横なぐりの雨の中、少なくとも30分間は重い買い物袋をかかえて、犬を散歩させること。これが紅茶の味を、この世のものとは思えないものにするだろう。 (プレスリリースを一部私訳)

この発表は優れたユーモアとして読んだほうがいいでしょう。ともあれ、国立機関がこんな発表をするほど、イギリス人は議論とユーモアを愛し、そしてミルクティーを愛しているということです。

おいしいミルクティーをいただこう

  1. 茶葉はアッサムなどを少し多めに使って
  2. 低温殺菌の牛乳を常温で
  3. ポットとカップを温めておく
  4. 一回で使い切る量の熱湯を
  5. 蒸らす時間も3~5分と少し長め

以上5つが、ミルクティーをおいしく飲むための入れ方のコツでした。

また、紅茶と牛乳どっちが先かというイギリスの論争は、まるで卵かけごはんの「卵が先か醤油が先か論争」みたいで、おもしろいですね。こんな話などしながら、おいしいミルクティーをいただくひとときに、この記事が参考になれば幸いです。

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