ウイスキーの『ノンエイジ』とは?通が注目するその魅力を解説

2020.08.26

「10年」「15年」など、熟成年数がラベルに記載されていることの多いウイスキー。一方でこうした表記がないウイスキーのことを「ノンエイジ」と言いますが、近年ウイスキー通の間でノンエイジが密かなブームです。ノンエイジは通常のウイスキーとどこが違い、なぜ注目されるのか。その特徴と魅力に迫ります。

年数表記のないノンエイジが増えた理由

一般的なウイスキーは、熟成された複数の原酒をブレンドして造ります。その際、同じ熟成年数10年の原酒同士をブレンドすれば、ラベルに「10年」と表示できます。ただし熟成年数が異なる原酒をブレンドすると、この時使われた最も若い原酒の年数しか表示できないため、あえて年数表示をしないという選択肢が生まれます。これが、ノンエイジウイスキーです。

ノンエイジウイスキー自体は従来から存在しており、特に珍しくはありません。ただ近年になってノンエイジが注目され始めたのには理由があります。それは、世界的なウイスキーの原酒不足です。

1980年代から約20年近く、ウイスキーは他の酒類に押されて人気を落とし、業界全体で原酒の生産を抑えていました。ところが2000年代後半からウイスキー人気が再燃。需要が回復するにつれて、生産を抑えていた頃の熟成原酒に対する需要に供給が追いつかなくなってきたのです。

そこでウイスキー業界が注目したのが、使用する原酒の年数に縛りのないノンエイジウイスキーです。近年著しく樽の研究が進み、短い熟成年数でも良質な原酒が造れるようになっていることも、ノンエイジの活性化を後押ししました。

ノンエイジウイスキーならではの魅力とは

そもそもウイスキーは、熟成期間の長さで質が決まる酒ではありません。逆に熟成年数という足枷がなく、若くて上質な原酒を自由自在にブレンドできるノンエイジウイスキーには、次のような独特の魅力があります。

魅力①ブレンダーの手腕が堪能できる

年代に応じて様々な個性を持つ原酒の中から、最良と思われるものをブレンドするノンエイジウイスキーは、ブレンダーにとってまさに腕の見せどころ。年数の枠にとらわれないブレンダーのこだわりと技術を、ダイレクトに堪能できます。

魅力②コストパフォーマンスに優れている

長期熟成のウイスキーほど、手間がかかるため高価になります。その点上質な若い原酒を活用できるノンエイジウイスキーは、年数表記のあるウイスキーに比べて製造コストがかからないため、コストパフォーマンスの点で優れています。

魅力③これまでにない味わいが楽しめる

同じ蒸溜所で同じ年数を熟成させた原酒でも、樽が違えば味や香りが異なります。ましてや若い原酒と長期熟成の原酒をブレンドさせれば、思いも寄らない化学変化が起こり、これまでになかった味わいが楽しめるようになります。

おすすめのノンエイジウイスキー

それでは、ノンエイジウイスキーの魅力を感じ取れる逸品の中から、おすすめの銘柄をいくつかご紹介します。

碧-Ao

世界5大ウイスキー(スコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアン、ジャパニーズ)の原酒を全てブレンド。口に入れた瞬間は甘く、後半になると少しスパイシーになり、余韻としてスモーキーさが残る、変幻自在な味わいが特徴です。

  • 商品名:サントリー ワールドウイスキー 碧 Ao
  • 参考価格:5080円(税込)
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シングルモルト 余市

新樽のモルトとシェリー樽モルトをブレンド。穏やかなピート感と微かに果実の香りが感じられ、味わいはほのかな甘味と香ばしさ、オレンジのようなフルーティーさが漂います。

  • 商品名:ニッカ シングルモルト 余市 箱付き 45度 700ml
  • 参考価格:6599円(税込)
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ブルックラディ ザ・クラシックラディ

スコットランド産大麦を100%使用しアメリカンオークで熟成。ピートを使っていない異色のアイラウイスキーです。ライムや青リンゴを思わせる香り、凹凸のないなめらかさとナチュラルな味わいが特徴です。

  • 商品名:ブルックラディ ザ・クラシック・ラディ [ ウイスキー イギリス 700ml ]
  • 参考価格:5988円(税込)
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ノンエイジウイスキーが拓くウイスキーの可能性

原酒不足をきっかけに脚光を浴びたノンエイジウイスキーですが、若い原酒と熟成原酒が織りなすハーモニーには限りないポテンシャルが秘められ、ウイスキーの新たな可能性を拓くものとして期待が高まっています。ぜひご自身の舌で、その多彩な味わいの世界をお確かめください。

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