焼酎の甲類と乙類の違いは?意外と知らない焼酎の基本を解説

2020.08.02

焼酎を飲んだことはあるけど、どうやって造られているのか、日本酒とどこがどう違うのかなど、基本的なことを知らないという方も少なくないようです。そこで本稿では、焼酎の定義や種類、原材料の違いによる味と香りの特徴、飲み方などについて解説します。

焼酎とは

それではまず、焼酎とはそもそもどのようなお酒なのかをご説明しましょう。

酒税法上の焼酎の定義

お酒は大きく分けて「醸造酒」と「蒸留酒」の2種類があります。

果物や穀物を酵母の力で発酵させたお酒が醸造酒で、その醸造酒をさらに蒸留して造るお酒が蒸留酒です。そして日本酒は醸造酒、焼酎は蒸留酒に分類されます。

酒税法では、焼酎を次のように定義しています(出典:国税庁ホームページ)。

アルコール含有物を蒸留した酒類のうち、

A 連続式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分36度未満、

B 単式蒸留機で蒸留したもので、アルコール分45度以下

のもので、ウイスキー、ブランデー、ウオッカ、ラム、ジンなどに該当しないものをいいます。

また、A に該当するものを連続式蒸留焼酎、B に該当するものを単式蒸留焼酎に区分しています。

Aは甲類焼酎、Bは乙類焼酎とも呼ばれており、後で詳しくご説明します。

焼酎のアルコール度数

国税庁の定義に記されているように、焼酎の度数はAの連続式蒸留焼酎(甲類)が36度未満、単式蒸留焼酎(乙類)が45度以下と法律で上限が定められています。そして出荷前に造り手が水を加えて飲みやすく調整するため、市販の焼酎のアルコール度数は、ほとんどが25度か20度となっています。

焼酎の甲類と乙類の違い

それでは次に、焼酎の甲類と乙類の違いについて詳しくご説明しましょう。

焼酎の甲類とは

甲類焼酎は、穀類や糖蜜(サトウキビ)などを主な原料として、連続式蒸留によって蒸留された焼酎です。連続式蒸留とは、蒸留を繰り返すことで高純度のアルコールを取り出す蒸留法のこと。無色透明でクセのない味わいとなり、主にソーダや烏龍茶などで割って楽しんだり、梅などの果実を漬け込んで果実酒を造ったりするのに用いられます。

焼酎の乙類とは

乙類焼酎は、サツマイモ、麦、米などを主な原料として、単式蒸留(1回だけの蒸留)によって造られる焼酎です。1回しか蒸留しないことで原料の風味や香味成分が活かされるため、原料の香りや持ち味が活かされ、独特の風味と味わいを持つ焼酎になります。ちなみに沖縄名産の「泡盛」も、タイ米を原料とする乙類焼酎の一種です。

乙類焼酎の原材料の違いによる特徴

乙類焼酎は本格焼酎とも呼ばれ、原材料の風味を色濃く楽しめるのが大きな魅力の一つとなっています。そこで乙類焼酎の中でも一般的に人気の高い芋、麦、米を主原料にした焼酎の特徴について見てみましょう。

芋焼酎の特徴

サツマイモと米麹を主原料とする焼酎です。原材料自体に糖分が多いせいか、焼酎としても「芳醇な甘みのある香りと風味」が特徴的。鹿児島や宮崎などが主産地です。

芋焼酎に使われる品種は黄金千貫(こがねせんがん)が主流ですが、近年は焼き芋の材料としても人気の安納芋(あんのういも)や、淡麗な仕上がりになるジョイホワイトもよく使われています。

麦焼酎の特徴

ビールやウイスキーの原材料としてもポピュラーな麦ですが、大麦と麦麹を主原材料とする麦焼酎は麦独特の香ばしいまろやかさが特徴。口当たりもさっぱりとして飲みやすいので、焼酎ビギナーには特におすすめです。

味と香りにクセが少ないので、どんな食事にもおいしく合わせることができます。

米焼酎の特徴

日本酒と同じく米と米麹を原材料とする米焼酎ですが、複雑な旨味を持つ醸造酒の日本酒とは違い、蒸留した分味わいもすっきりとクリアに仕上がっているため、水や氷で割って飲むのがおすすめです。

なお、熊本県の米焼酎は「球磨焼酎(くましょうちゅう)」と呼ばれ、WHO(世界保健機関)から産地指定を受けるなど海外でもよく知られています。

焼酎がダイエットの味方な理由

太るのはイヤだけど、ノンアルコールのビールやカクテルじゃ物足りないと言うお酒好きのあなた。ダイエット中のカロリーコントロールには焼酎がおすすめです。

焼酎の糖質はゼロ

焼酎がダイエットの味方と言われるのは、蒸留工程によって糖質がカットされるから。甘く感じる芋焼酎でも、甘いのは香りだけで糖質はゼロです。また、アルコールのカロリーは「エンプティカロリー」と呼ばれ、消費される優先順位が高いため、体内に残りにくいという特徴があります。

ただしサワーや酎ハイには糖分が含まれているため、ダイエット中の人は焼酎を水かお湯、お茶、あるいは炭酸で割って飲むように心がけましょう。もちろん、おつまみも控えめに。

焼酎は他のお酒よりカロリー少なめ

主なお酒の100ml当たりのカロリーを比較すると、焼酎がダイエットに適したお酒であることが分かります。

お酒の種類/100mlあたりのカロリー

  • ビール/40kcal
  • ワイン/73 kcal
  • 日本酒/103kcal
  • 焼酎(乙類)/ 146 kcal
  • ウイスキー・ブランデー/237 kcal

一見焼酎のカロリーは多く感じられますが、350mlの缶ビールを1缶飲むと40kcal×3.5=140kcal。ワインもグラス1杯(150ml)で73cal×2=109.5kcal。日本酒も1合(180ml)で103cal×1.8=185.4kcalとなります。

対する焼酎はお湯や水などで割ることが多いため、1:1の水割りにして200ml飲んだとしてもカロリーは146kcalのまま。そして糖質ゼロの焼酎に対し、醸造酒であるビール、ワイン、日本酒はいずれも糖質を含むため、総合的に見るとダイエットにおすすめなのは焼酎、ということになるわけです。

焼酎を味わうための飲み方

様々な割り方、飲み方で味わえるのも焼酎の魅力の一つ。ここでは最もポピュラーな飲み方をご紹介します。

焼酎そのものを味わうロック

特に乙類焼酎の風味と香りそのものを楽しむならオンザロック。焼酎ブームの火付け役となったのがこの飲み方でした。氷はコンビニやスーパーで売っている、透明度が高くて溶けにくいロックアイスがおすすめです。

飲みやすく味わえる水割り

水割りは、乙類焼酎の飲み方としては最もポピュラー。角が取れて優しい味わいになります。水の量はお好みで構いませんが、原材料の風味を味わうなら薄め過ぎないのがポイント。黄金比は「焼酎6:水4」と言われています。お湯で割る場合も、同じ割合でどうぞ。

原料別おすすめの焼酎銘柄

最後に初心者向けのおすすめ乙類焼酎を、原材料別に2品ずつピックアップしました。

芋焼酎のおすすめの銘柄

霧島酒造「赤霧島(あかきりしま)」

甘みと上品な香味が特徴。原材料は“幻の紫芋”と呼ばれるムラサキマサリです。

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甲斐商店「伊佐美(いさみ)」

プレミアム焼酎の元祖。黒麹由来の素朴で濃厚な味わいと、滑らかな喉越しが特徴です。

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麦焼酎のおすすめの銘柄

佐藤酒造「佐藤 麦」

麦の香ばしい香りと、まろやかなコクと甘みが特徴。ライトな口当たりも魅力です。

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黒木本店「百年の孤独」

ウイスキーと同じホワイトオーク樽で熟成した、洋酒テイストのプレミアム焼酎です。

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米焼酎のおすすめの銘柄

鳥飼酒造「吟香鳥飼(ぎんかとりかい)」

モンドセレクションで特別金賞を受賞。華やかな香りと柔らかな風味が特徴です。

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高橋酒造「しろ」

上品な香りとライトな口当たり、そしてクリアな味わいが特徴。食中酒としても最適です。

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焼酎を知るともっとおいしくなる

すっかり身近な存在となった焼酎ですが、基本的な知識を得るだけで楽しみ方の幅もグンと広がります。この記事をきっかけに焼酎についてさらに掘り下げ、味わい深い“焼酎ワールド”に浸ってみてはいかがでしょうか。

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