万年筆のインクの種類と故障の関係。インクを選ぶポイントも解説!

2020.07.14

大人ならば一度は触れておきたい筆記用具、万年筆。通常の筆記用具よりも高価なものなので、購入する際はじっくりと吟味したいものです。ところで、万年筆には本体だけでなくインクにも種類があることや、販売しているメーカーによって書き心地が異なってくることをご存知でしょうか?この記事ではそんな万年筆の『インクの種類』にフォーカスを当てていきます。

インクは大きく分けると2種類

現代において主に使用されている万年筆のインクは主に『染料インク』と『顔料インク』の2つです。ここからは2つのインクにはどのような特徴があるのか詳しく解説します。

染料インクの特徴

染料インクは主に染物の衣服などに使われてきたものです。原材料の大半が植物由来であり、インク自体の粒子も非常に細かいため網状の繊維はもちろん紙類にも染み込みやすくなっています。

現在販売されているインクは大多数がこの染料インクであり、書き心地や色合いの良さに加えてカラーバリエーションも豊富で、非常に汎用性の高いインクです。唯一のデメリットとしては原材料の特徴から水などに溶けやすくなっている点です。そのため長期保存する書類などには向いていません。

顔料インクの特徴

顔料インクは染料インク同様に染物の衣服に使用されてきたものです。原材料は貝殻や岩などの無機物が多く、染料との決定的な違いは『耐水性が高い』という点す。

しかしデメリットとして、粒子が大きく粘度が高いことから『インク詰まり』が起こりやすい点や、『カラーバリエーションの少なさ』が挙げられます。特にインク詰まりの事例は顕著であり、そのためかなりの頻度で万年筆のメンテナンスが必要となるためあまり現代的な用途には向いていません。

カートリッジタイプと瓶タイプ

ここまでインク自体のことについて詳しく紹介してきました。しかし他にもインクには分類が存在します。それが万年筆のインクを補充する際に重要となってくる『インクタイプ』です。

ここからはそんな万年筆のインクタイプについて紹介します。

カートリッジタイプ

カードリッジタイプは万年筆のインクタイプの中でも特に現代的なものとなっており、ボールペンのようにビニールでパックされたカードリッジをそのまま取り替えるだけでインク補充を行うことができます。

さらにその機構からインク漏れの危険性が少ないため持ち歩く用の万年筆として非常に重宝されます。注意点としてはカードリッジにはそれぞれに規格があり(※ヨーロッパ規格はほとんどが同一)、規格外のものを誤って買ってしまうと使用することができないため、購入の際は気をつけましょう。

【関連記事】万年筆のインクはカートリッジ式が便利。人気メーカーの商品を紹介

瓶(ボトル)タイプの特徴

瓶タイプは万年筆の中でも王道の伝統的なインクタイプです。主にペン先を瓶に直接浸けてインクを吸い上げる『吸入式』を採用している万年筆に使用されます。

前述のカードリッジ式に比べると不便なうえ、インク漏れの危険性やメンテナンスが重要となってきますが、書き心地などはこちらの方が優位とする声も多く、いまも根強い人気を誇っています。

【関連記事】万年筆のボトルインクの選び方は?使いやすい商品を厳選して紹介

万年筆ブランドの人気インクを紹介

万年筆には数多くの人気ブランドが存在しており、その多くが同時に純正のインクを販売しています。

ブランドによって書き心地はもちろんインクの質感も大きく違ってくるため、購入する際の大きなポイントとなってくるでしょう。特に初めて購入する際はそのバリエーションの多さに思わず目移りしてしまうと思います。

そこでここからは万年筆の人気主要ブランドの人気インクをピックアップして紹介します。

モンブラン

高級筆記用具ブランドとして名高い「モンブラン」は古くから万年筆を製造販売しています。

そんなモンブランが販売するインクの中でも『ミステリーブラックカラー』はどこか明るいグリーンの色味を含むはっきりとしたカラーで、他社のブラックインクとは一線を画す人気があり、広い人気とシェアを誇っています。

  • 商品名:MONTBLANC モンブラン 万年筆 インク ミステリーブラック 黒 60ml 正規輸入品 ボトルインク MB105190
  • 参考価格:2,751円(税込)
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ペリカン

特徴的なネーミンが興味を引く「ペリカン」は現代でも伝統的な吸入式万年筆を精力的に販売している万年筆界の王道ブランドです。ペリカンが販売するインクの中でも少し青みがかった黒の『ブルーブラックカラー』が人気であり、前述のモンブランに匹敵するシェアを誇っています。

  • 商品名:ペリカン ボトルインク ブルーブラック 4001/76
  • 参考価格:883円(税込)
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ラミー

ラミーはカードリッジ式万年筆のベンチマーク的ブランドです。万年筆はどこか現代的なメタリックデザインが特徴で、伝統派とは少し違ったオフィスライクな印象を与えます。

純正インクは従来のカードリッジよりも多くインクを搭載しているため、コスパの悪さが指摘されるカードリッジ式万年筆をより使いやすくしています。

  • 商品名:LAMY ラミー カートリッジインク ブラック LT10BK
  • 参考価格:379円(税込)
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パーカー

モンブラン同様にイギリス発の高級筆記用具ブランドである「パーカー」。何と言ってもファッションの一部になりうる秀逸なデザイン性が1番の魅力です。

純正インクはカートリッジ・瓶タイプどちらも人気を博しており、特に瓶タイプのブルーブラックカラーは数あるインクの中でも王道として根強い人気を集め続けています。

  • 商品名:パーカー ボトルインク クインク ブルーブラック 1950378 57ml
  • 参考価格:836円(税込)
  • Amazon商品ページ:こちら

パイロット

日本の筆記用具メーカーとして世界に名高い「パイロット」。過去に同メーカーのボールペンを手に取ったことのある人も多いはずです。

日本ならではの伝統工芸を落とし込んだ万年筆を数多く販売しており、世界各国の万年筆ユーザーからも高い評価を得ています。純正インクは耐水性の高さが有名であり、様々なメーカーを使った後にパイロットに落ち着くという人も多いようです。

  • 商品名:パイロット 万年筆インキ INK-70-BB 70ml ブルーブラック
  • 参考価格:1,280円(税込)
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【関連記事】万年筆のインクとパイロットの特徴。定番色から色彩雫シリーズまで

インクを選ぶ時に知っておきたいこと

ここまで様々な万年筆のインクについて紹介してきました。ある程度知識が身についたてきたかと思います。しかしインク選びの際には他にも知っておくべきポイントがあり、そこでつまづいてしまうと後々に万年筆の不調に繋がってしまう可能性があります。

ここからはそんなインク選びにおける重要なポイントをいくつか紹介します。

できるだけメーカーを統一する

万年筆は高価であることに加え、その名の通り『一生もの』です。そのため、ほとんどのメーカーからは手厚い保証がついていることでしょう。

しかしそれは、「同メーカーの純正インクを使用して不具合が発生した場合に限る」というケースが多くあります。万年筆の設計はメーカーによって微妙に異なっており、他メーカーのインクをつかうことでおもわぬ不具合を起こしてしまう可能性があるからです。

そのため、好奇心で万年筆とは別のブランドのインクを使用してしまうと、取り返しのつかないことになりかねません。インクを選ぶ際はしっかりと純正のものを購入するようにしましょう。

【関連記事】万年筆のインク選び方大全。種類や色、メーカーごとのおすすめとは?

耐水性が高いインクのデメリット

前述で紹介したように耐水性の高い顔料インクは必ずしも万能ではなく、含有されている粒子の関係でインク詰まりを起こしやすい傾向にあります。どちらかといえば、細やかなメンテナンスが要求される上級者向けのインクと言えるでしょう。

『耐水性の高いインク』といううたい文句についつられて購入してしまうと、思わぬ手間をとられてしまったということも。耐水性がどの程度まで必要なのか、使用用途をよく考えてから購入するようにしましょう。

【関連記事】万年筆のインク耐水性比較。人気ブランドの特徴をご紹介

特徴を把握して自分好みのインクを探してみよう

万年筆の世界は広く、その一部であるインクも例外ではありません。様々な種類やタイプ、そして特徴がありその違いは千差万別です。ぜひ本稿を参考にして自分の思い描く書き心地を再現できる素敵なインクを見つけて下さい。

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