おすすめホラー漫画を紹介。心霊やパニックホラーなど本当に怖い作品

2018.12.13

日々の生活に適度な刺激を与えてくれるホラー作品は、漫画界でも多くのファンを獲得している人気ジャンルです。ホラー映画は無理でも、漫画なら大丈夫という方も多いのではないでしょうか。短編集から本格長編まで、本当に怖いホラー漫画を紹介します。

ホラー漫画の昔と今

今でこそ誰でも手軽に入手でき、多くの人に読まれている漫画ですが、一部の裕福な人しか読むことができない時代もありました。しかし戦後、本や漫画を安く貸し出す『貸本屋』が登場したことをきっかけに、漫画は大衆の娯楽として急速に広まっていきます。

その後訪れる高度経済成長期により、貸本屋は廃れ貸本漫画も姿を消してしまいましたが、漫画の人気は今も昔も変わりません。書店で買ったり、貸し借りしたり、スマホのアプリで読んだりと、入手方法は違っても大人から子どもまで、多くの人に読まれています。

貸本時代から人気のあった有名怪奇漫画と昭和の漫画史に残る名作ホラー、そして平成のホラー漫画事情についてみていきましょう。

昭和の貸本漫画、墓場鬼太郎が大人気

貸本屋が流行した戦後の復興期には、貸本屋向けの漫画を出版する専門業者が現れ、貸本漫画家という職業も存在しました。人気漫画『ゲゲゲの鬼太郎』の原点となった『墓場鬼太郎(はかばのきたろう)』の著者、水木しげるもその1人です。

『墓場鬼太郎』はもともと、水木しげるが体験した戦争の悲惨な記憶を反映させたおどろおどろしい内容が特徴の怪奇譚でした。しかし貸本漫画が衰退したのち『週刊少年マガジン』での連載が決まると、正義感の強い鬼太郎が悪い妖怪と戦うという、勧善懲悪ものに変わっていきます。

その後アニメ化をきっかけに、タイトルが『ゲゲゲの鬼太郎』に変更され、連載が終わり時代が平成になってからも鬼太郎ブームが起こるほどの、大ヒットシリーズとなりました。

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オカルトブームを牽引した恐怖新聞

日本を代表するホラー漫画と聞けば、つのだじろうの『恐怖新聞』を思い出す方も多いのではないでしょうか。『週刊少年チャンピオン』で1973年から2年間連載され、日本中にオカルトブームを巻き起こした名作です。

普通の中学生男子のもとに、ある日突然『恐怖新聞』が届きます。新聞には明日起こる不幸な出来事が掲載されていて、必ずその通りになってしまいます。しかも読むたびに寿命が100日縮まるという、迷惑なおまけまで付いてきます。

新聞に書かれている怪奇現象の描写はもちろん、どんなに抵抗しても逃げられないという設定が、見えない鎖につながれているようで心底恐怖を感じます。

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平成のホラー漫画が読める専門雑誌 幽

平成時代になりインターネットが普及したことで、漫画もパソコンやスマホでより手軽に読めるようになりました。そんな中、小説や漫画などのホラーコンテンツを専門に扱う文芸雑誌『幽』が登場します。

株式会社KADOKAWAが年に2回発行するこの雑誌には、6人のホラー漫画家が連載しているほか、巻頭特集に寄せたエッセイ漫画も掲載されています。

文芸作品や実話、作家の対談など、ホラーファンを自称する方なら一度は読んでおきたい盛りだくさんの内容です。

怪談専門誌『幽』公式サイト

1話完結、ホラー短編をまとめた漫画本

ホラー漫画を読みたくても、怖くて勇気が出ない方や、長編漫画を読む時間がない忙しい方には、1話完結タイプの短編集がおすすめです。短編なら、続きが気になって最後まで読んでしまい、寝不足になることも避けられます。

好きな話から読んだり、慣れてきたら長編にチャレンジしたりと、自分のペースでホラー漫画に親しむことができますよ。

小松左京の怖いはなし ホラーコミック短編集

『日本沈没』の著者として知られる小松左京が遺したホラー小説を、人気ホラー漫画家がコミカライズした短編集です。どの作品もさすがは小松左京と思える素晴らしいアイデアで、読者を恐怖の世界に導いてくれます。

なかでも『霧が晴れた時』と題された短編集に収録されている『まめつま』は、子どもにしか見えない小さな魔物が悪さをするかわいい序盤から一転、恐ろしい老婆の霊が襲いかかってくる展開が衝撃的です。古い日本家屋や髪を振り乱した幽霊の描写も、いかにも日本の怪談といった風情で味わい深い作品となっています。

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惨劇館

『小松左京の怖いはなし』で『まめつま』の絵を担当した漫画家、御茶漬海苔(おちゃづけのり)の代表作といえるホラー短編集です。

収録作品はどれも、ありふれた日常生活に忍び寄る姿の見えない恐怖を描いていて、最初の静けさがその後のグロテスクで凄惨なシーンを一層引き立てています。

たとえば第1巻の1話『テレフォン』は、ストーカーに悩む人妻が夫に代わって電話に出たことで、惨劇が始まるストーリーです。昨今ニュースなどでよく見かける題材を使うことで、登場人物に感情移入しやすく、より強い恐怖を感じることができます。

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恐之本

『恐之本(きょうのほん)』はホラー漫画家として20年近いキャリアをもつベテラン、高港基資(たかみなともとすけ)の短編を収録した傑作選で、全10巻が発行されています。

幽霊、肉体改造、怪奇現象などさまざまな手法で恐怖を表現してくるため予測がつかず、どの作品も新鮮な気持ちで読み切ることができます。さすがはベテランといえる、クオリティの高さです。

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王道の心霊系ホラー漫画

怨霊や幽霊が関わる心霊現象は、ホラー作品の王道とも言えます。ただ怖いだけじゃない、切ない霊の事情も織り込まれた感動できる心霊系ホラー漫画を2つ紹介します。

次々と怪異が襲う『死人の声をきくがよい』

『死人(しびと)の声をきくがよい』は、手に汗握る猟奇的なストーリーを、懐かしさを感じるレトロなタッチで描く正統派ホラー漫画です。死んだ人間の姿が見える高校生が、幼馴染の美少女の霊と一緒に次々と襲いかかる怪異現象に立ち向かいます。

怪現象の描写やストーリーは確かに怖いのですが、1話完結型で読みやすく、登場するキャラクターにもそれぞれ愛嬌が感じられます。このため、ホラー漫画特有のスプラッター描写が苦手な方にもおすすめできる作品です。

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これぞジャパニーズホラー『サユリ』

新しい家に引っ越してきた家族が、家に巣くう恐ろしい何かに襲われ犠牲となっていくという、定番のホラー漫画です。主人公の家族が命を落としていくシーンの凄惨さはもちろん、主人公とその祖母が反撃に転じる後半も非常に読みごたえがあります。

通常こうしたストーリーでは、家に巣くうものが一方的に悪とされ、犠牲となる家族は被害者の立場で描かれます。しかしこの作品では、怨霊となった少女の家族の話も描かれており、悪の側にもそうならざるを得なかった深い理由があることがわかります。

善悪それぞれに、悲しみと恐怖を生み出す背景があるという表現手法は、特定の観念にとらわれない日本人独特の感性に訴えかけているようで考えさせられます。

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スリル満点のパニックホラー漫画

得体の知れないものに、突然危害を加えられるパニックホラーは、漫画ならではの表現力を活かした不気味なタッチの絵が印象に残ります。

動物や人間が現実にはあり得ない姿で描かれる、スリリングなパニックホラー漫画を紹介します。

不気味な魚にトラウマ『ギョ』

魚と驚きの表現をかけた『ギョ』というタイトルの通り、足の生えた不気味な魚の大群に襲撃される、感染系のパニックホラー漫画です。

歩行魚がまき散らした細菌は、犬や猫、人間にまで感染し、おかしな姿に変えていきます。日本全土に大量発生した歩行魚が放つ悪臭や、密集しながらうごめく姿は、不気味すぎてトラウマになってしまうかもしれません。

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登山イベントが一転、惨劇に『モンキーピーク』

気楽な社内レクリエーションが、突如現れた『猿』と呼ばれる殺人鬼により惨劇の舞台と化してしまう、サバイバルホラーです。会社の登山イベントに参加した36名の社員が、助けの来ない山中で何者かに襲われ、次々と犠牲になっていきます。

殺人鬼、猿の正体やその目的がなかなか見えてこない展開と、裏切り者の存在をほのめかすフラグなど、続きが気になって一気に読める作品です。

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ウラガエリの謎『リバーシブルマン』

強いストレスや憎悪を感じたときに起こる『ウラガエリ』と呼ばれる怪現象をキーワードに、さまざまな事情でウラガエリした人々の運命を描く物語です。

強い意志でウラガエリすることを拒み、無残に殺された姉の復讐を誓う主人公の姿に胸を打たれます。

皮膚がめくれ血が噴き出し、徐々に身体がうらがえっていくグロテスクな描写と、人間の心の闇や狂気をこれでもかと見せつけられる展開に、ページをめくる手が止まらなくなります。

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じっとりと恐怖が迫るサイコホラー漫画

グロテスクなスプラッターものが描かれることが多いホラー漫画ですが、じわじわと忍び寄る恐怖を描くサイコホラー漫画も健在です。ストーカーや裏社会の実情、人間の醜悪な心を描いた3作品を紹介します。

エスカレートするストーカー『座敷女』

発表から20年を経てもなお、怖い漫画ランキング上位にランクインし続ける最も凶悪なサイコホラー漫画です。ストーカー女性ののっぺりした表情や不潔な服装、異常な体格や行動のすべてが不愉快で恐ろしく、主人公が味わう地獄の日々は他人事とは思えないほどリアルです。

実際にそんな女性が現れる可能性は低いのですが、1人暮らしの男性は、読む前に戸締りをしっかり確認しておくことをおすすめします。

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衝撃のラストまで目が離せない『うなぎ鬼』

借金を返すために、裏社会のビジネスを手伝わされることになった男性の物語です。冒頭に出てくるうなぎのエピソードが、これから始まる底知れぬ恐怖を暗示しています。

普通なら知ることのできない社会の闇が丁寧に描かれ、ホラー要素以外の部分でも楽しめる内容となっています。スピーディな展開と衝撃のラストに目が離せなくなり、たった3巻で完結するとは思えないほど中身の濃い作品です。

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楳図かずおの傑作『おろち』

ホラー漫画界の王様、楳図かずおによるサイコホラー漫画です。不老の少女『おろち』がさまざまな人の人生に関わるオムニバス形式となっていて、恐怖の種類もスプラッターからサイコホラーまで、多岐にわたっています。

人が心の奥に隠し持つ怨念や執念、憎しみといった負の部分が増幅し、ついには暴発していく様子に鳥肌がたちます。その凄まじさは、特殊能力を持つおろちでさえも、舌を巻いて逃げ出すのではと思えるほどです。

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デスゲーム系ホラー漫画

何者かによって強制的に1カ所に集められ、命のやり取りをさせられる『デスゲーム』系ホラーは、ゲームの黒幕探しや脱出方法を解き明かすミステリー要素と、生き残るための協力や裏切りといった心理戦も大きな魅力です。

ゲーム機やSNSといった、現代のアイテムが用いられることが多く、新しいジャンルのホラーとして定着しています。

強制参加のデスゲーム『オンライン The Comic』

閲覧者の総数が4000万を超えた人気の携帯小説、『オンライン』を漫画化した作品です。ある日自宅に届いた謎のゲーム機によって大切な人を人質にされ、強制的にオンラインゲームに参加させられた女性が、生き抜くために戦い続けます。

ゲーム内の戦いに負ければ自分の肉体もただではすまないため、絶対に勝ち続けなければならないという状況は絶望的です。しかし読み進めるうちに、ともに戦う仲間との友情や、謎の男性の存在が盛り込まれ、その後の展開に希望の光が見えてきます。

怖さとワクワク感が共存する、不思議な作品です。

オンライン The Comic(1~6巻セット)- Amazon

理不尽なルールと恐怖『カラダ探し』

目的を果たすまで、何度も同じことをさせられ、同じ人物に何度も殺されるという無限ループがポイントのデスゲーム漫画です。

八つ裂きにされた友人のカラダを探すことになった6人の高校生が、協力したり喧嘩したりしながら、理不尽なルールと恐怖に立ち向かい、ゲームの謎解きに挑みます。

ゲームの管理者的な存在『赤い人』に、何度も惨殺されるシーンは生々しく、終わりのない苦痛がこちらまで伝わってくるようです。

カラダ探し(全17巻セット)- Amazon

SNSを題材とした現代ホラー『リアルアカウント』

普段何気なく使っているSNSが題材の、現代型ホラーです。突然スマホに吸い込まれ、理不尽なデスゲームに巻き込まれていくという設定で、次々と人が死んでいく様子が非常に残酷に描かれています。

ホラーな内容とは裏腹に、軽快なタッチで読みやすい絵と、頭脳をフル回転させてピンチを切り抜ける主人公の姿に爽快感を覚えます。

リアルアカウント(1~19巻セット)- Amazon

WEB漫画まとめサイト 恐ろし屋

最後にホラー漫画だけを集めたWEBサイト、『恐ろし屋』を紹介します。プロの作品を中心に、毎日1話以上の新作が掲載されていて、好みのホラー漫画や作家を簡単に見つけることができます。

読んでみて気に入った作品には『怖イイね!』ボタンを押して応援できる機能もあり、ホラーファンから熱い支持を得ています。

本格ホラー漫画が無料で読める

『恐ろし屋』は、ホラー漫画の普及と販売促進を目的とした、WEB版ホラー漫画カタログです。有名作家から新人まで、さまざまな漫画家が書いたホラー作品を無料で試し読みできます。

閲覧数や『怖イイね!』獲得数のランキングが公開されているので、人気の漫画を探しやすいのも特徴です。2017年にはランキング上位の作品や、人気作家の未発表作品を集めた書籍『恐ろし屋 黒ノ書』が刊行されました。

恐ろし屋

有名漫画家、伊藤潤二の作品も

『恐ろし屋』には、漫画家生活30年以上のベテラン作家、伊藤潤二の作品も掲載されています。代表作かつデビュー作の『富江』シリーズは、1度読んだら虜になってしまう恐ろしさです。

ほかにも『恐之本』の著者高港基資の作品や、綾辻行人や江戸川乱歩といった人気ミステリー作家の小説をコミカライズした作品も読むことができます。

人気の作品3選

さまざまなジャンルのホラー漫画が勢ぞろいの『恐ろし屋』は、あまり馴染みのない漫画家の作品を知ることができるのもポイントです。

何を読めばいいかわからないという方は、ホラーファンが選んだ人気の作品から読んでみるといいでしょう。漫画探しのヒントとなる、ホラービギナーにおすすめの作品を紹介します。

ホラー漫画界のカリスマ、外薗昌也の短編集『赤い妹』や七色虹子の『ラストリバース』は、レンタルビデオが題材の身近な内容で、ホラー漫画デビューにも最適です。

また、スプラッターホラーに定評のある漫画家ユニット蕪木彩子の『リリとララ』では、双子の美人姉妹が見舞われる恐怖に戦慄させられます。いろいろな作品を読み比べて、好みのホラー漫画を見つけてくださいね。

作家独自の絵のタッチとスリルが楽しめる

誰もが同じ映像を見るホラー映画と違い、作家によって怖さの感じ方が変わってくるのがホラー漫画の特徴です。作家独自の絵のタッチが、恐ろしいストーリーを一層スリリングなものに変換してくれます。

小説や映画では味わえない、漫画ならではの恐怖の世界をぜひお楽しみください。

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