レストランでやるワインの『テイスティング』の意味とは?恥をかかない大人の振舞いをマスター

2020.03.17

一説によると、ワインのテイスティング能力は才能ではなく努力次第。素人でもプロ顔負けの力を習得できます。そこで、ワインテイスティングの勉強に必要な道具やコメントの仕方、都内で受講できる初心者OKの講座などお役立ち情報をまとめてみました。

ワインをテイスティングする意味とは?

まずは身近な場面として、レストランなどでテイスティングを求められたときの振る舞い方を確認しておきましょう。

なお、飲食店でのテイスティングは、あくまでもワインに劣化や腐敗がないかどうかの確認であり、好みの味かどうかを試飲するためではありませんのでご注意ください。

レストランでのテイスティング

①まずラベルを見て注文したワインであることを確認し、OKならソムリエが抜栓します。その際にコルクを手渡されたら、カビ臭さがないかどうか匂いを確認します。

②ソムリエがあなた(ホスト)のグラスに少量注いでくれるので、白いテーブルクロスやナフキンを背景に、グラスを傾けて色を確認します

③軽くグラスを回し、グラスに鼻を近づけて異臭がないか確認します

④ワインを少量口に含み、舌の上で軽く転がして味を確認します。違和感があればソムリエに確認してもらい、問題がなければソムリエに軽くうなずいてテイスティング終了。他の人にワインが注がれます。

プロが行う本格的なテイスティング

プロのテイスティングと言えば、ソムリエコンクールなどで商品名を隠し、産地や銘柄をきき当てる「ブラインド・テイスティング」が連想されますが、これはテイスティングのごく限られた分野の一つに過ぎません。

プロが日常的に行っているテイスティングの本来の目的は「鑑定」。つまり目の前のワインの性質や実質的な価値、飲むべきタイミングなどを判断する行為です。

そのため各地で行われる試飲会に参加しては、シャトーのオーナーや醸造責任者から畑の性質や収穫年の気候の特徴について情報を集めたり、現地に足を運んで土壌を確認したり、貯蔵庫で熟成途中のワインをテイスティングしたりしながらメモを取り、様々な判断を下していきます。

テイスティングに必要な道具は?

それでは、本格的にテイスティングを勉強する際に必要なものについて見ていきましょう。

テイスティング(ISO)グラス

ワインのおいしさを引き出すのに、グラスはとても重要な役割を果たします。同じワインでもグラスを変えて飲むと、味や香りが全く異なって感じられる程です。

そのため品評会などの審査目的でテイスティングする際は、評価の環境と基準を一定に保つため、国際規格で定められたISOグラスを使用します。ISOはスイスにある国際標準化機構(International Organization for Standardization)の略称で、様々な分野における単位や規格を各国で標準化する目的で作られた国際組織です。

ワインスクールなどでもほぼ例外なく使用されており、本格的にテイスティングを勉強するにはISOグラスが必需品となります。

通販サイトでは6脚セットなどで販売されており、1脚当たり数百円で購入できます。

INAOとは

ISOの基準を満たすテイスティンググラスの中でも、ワインの本場フランスで作られているのがINAOグラスです。INAOは国立原産地名称研究所(Institut National des Appellations d Origine)の略称で、ワインやブランデーを含む食品の公的な品質保証を厳正に管理するフランスの国立機関です。

テイスティングノート、シート

世界中に数え切れない程の種類があるワインの味を、すべて記憶にとどめることなど誰にもできません。ただ、せっかく出会ったワインたちについて、何一つ感想を残さず通り過ぎてしまうのはもったいない話。

そこでおすすめしたいのが、テイスティングノート(シート)の活用です。ノートやシートと言っても身構える必要はなく、飲んだ感想を気軽にメモすることから始めればOK。基本的な情報としては、下記の項目を記録しておけば十分でしょう。

  • ワインの銘柄
  • 醸造者の名前
  • 購入価格と店
  • ブドウの品種とセパージュ(複数品種をブレンドしている場合の各使用割合)
  • ヴィンテージ(ブドウが収穫された年)
  • 生産地
  • 自分なりに感じた香りと味の特徴、印象
  • その他、一緒に食べた料理との相性について等

ノートは市販の大学ノートや手帳でも構いませんが、専用のテイスティングノートを使うと気分も上がります。また本格的に勉強する場合は、例えばワインスクールのレッスンで用いられるフォーマットを参考にしてみてください。

アカデミー・デュ・ヴァンHPテイスティングノート・フォーマット

コメント力

味や香りの感想に関するコメント力を磨くためには、単に「おいしい」「おいしくない」ではなく、自分が感じた印象を後で思い出せるような言葉で表現してみましょう。

「高原に吹く爽やかな風のような」といった小洒落た表現を真似る必要はありません。「黒コショウを思わせる」「柑橘系の香ばしさ」「コーヒー豆の香りに似た」等々、まずは自分が感じた具体的なイメージに近い言葉で記憶を定着させましょう。

テイスティングコメントの基本

自分なりのコメントが表現できるようになると、次は他人との間で意思が伝え合えるように意識すると、自分好みのワインと出会える機会が一段と広がります。そのためには、専門家同士で使われている共通の表現を知っておくと便利です。

アタックとは?

例えば「アタック」という業界用語があります。これはワインを口に含んだ当初に感じる味わいの第一印象を表す言葉で、「アタックの強い」「重厚なアタック」など強弱や軽重のイメージで表現することがほとんどです。

よく使われるコメント一覧

その他よく使われるコメント(フレーズ)の一部をご紹介しておきますので、テイスティングの際の参考にしてみてください。

■ドライ

ブドウの甘みがほとんどなく、後味に苦みが感じられる白ワインなどでよく使われる表現。

■フルーティ

ボディが軽めで酸味が少なく、ほのかに甘みを感じるワインに使われる表現。

■スパイシー

ツンとした香りやピリッとした味わいを持つ、しっかり系の赤ワインによく使われる表現。

■フレッシュ

柑橘系を彷彿とさせる酸味があり、比較的軽やかで若々しいワインによく使われる表現。

■果実味

「果実味のしっかりした」など、比較的重めのコクのあるワインによく使われる表現

初心者OK。東京都内で受講できる講座

最後に、ワイン初心者でも基本から楽しく学べる都内の二つの講座と、テイスティングを体験できる都内のお店をいくつかご紹介します。

自由が丘ワインスクール

おしゃれな街の代名詞、自由が丘で開催される『自由が丘ワインスクール』では、初心者向けの「ベーシックコース」(2019年春開講)があります。

ワインとはどんな飲み物なのか、テイスティングは何のために行うのか、ワインの造り方、味わい方、ワイングラスによる味わいの違いなど、ワインの楽しみ方をお伝えする3か月コースです(同校HPより)。

とあるように、初心者でも気兼ねなく、テイスティングの基礎を学ぶことができます。しかも教えてくれる講師の人はいずれも日本トップクラスのソムリエたち。最初からしっかりとした知識のある先生に教えてもらえれば知識の幅もぐっと広がるはずです。

詳細はこちら

田崎真也ワインサロン

日本ソムリエ界の権威、田崎真也氏が開催する『田崎真也ワインサロン』では、「ワインテイスティング講座<基礎編>」が開講されています。

「おいしい」「いいにおい」・・・といった漠然としたものではなく、より具体的にワインを知るためのテクニック。それが「ワインテイスティング」です。 単純にワインをもっと知りたいという方から、テイスティングに悩んでいる方、資格試験を受験する方まで、ワインテイスティングのテクニックやコツを基礎から学んでみませんか? ワインの資格試験の取得を目指している方にもオススメの講座です。(同校HPより)

ワイン好きの初心者から資格取得を目指す中級者まで、ワインテイスティングの基本を学べる講座です。あの田崎真也氏が主催するとあってその内容は折紙付と言っていいでしょう。ぜひ参加してみてはいかがでしょうか?

詳細はこちら

テイスティングは知識と経験が大切

テイスティングの実力は味覚の良し悪しよりも、どれだけ勉強し、どれだけたくさんのワインをテイスティングしてきたかがカギとなります。

「ワインの鑑定師」として本格的に勉強するのも良し、個人的に楽しむためのノート作りやコメント力を磨くのもまた良し。ぜひ楽しみながらテイスティングの魅力に触れてください。

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