アイラモルトの異端児!?『ブルイックラディ』はノンピートで飲みやすい

2020.02.13

シングルモルトウイスキーのブルイックラディはスコットランドのアイラ島で作られているのにクセがないといわれている飲みやすいウイスキーです。この記事では、他のアイラ島のウイスキーとちょっぴり違うブルイックラディの特徴や歴史、種類などをご紹介していきます。

ブルイックラディの歴史

ブルイックラディ(ブルックラディとも)は、スコットランドのアイラ島で作られるシングルモルトウイスキーで、いわゆるアイラモルトの一銘柄です。1881年から製造が始まった歴史ある銘柄ですが、1929~1936年は世界大戦のため生産が停止となりました。

その後、何度も復帰を試みましたが経営は上手くいかず、1994年に蒸溜所は閉鎖に追い込まれてしまいました。しかし歴史あるブルイックラディ蒸溜所の樽は辛くも廃棄の難を逃れて引き継がれ、2012年からは同蒸溜所を買収したレミーコアントロー社によって生産が開始されています。

アイラなのにノンピート。その理由は?

アイラ島で作られるウイスキーの特徴といえば、なんといっても強烈なピート(泥炭)の香り。大麦麦芽をピートをいぶした煙によって乾燥させることで、「薬のよう」などと形容される独特の香りが生まれます。

しかし、ブルイックラディは、「ノンピート」つまりピートの香りをつけずに製造する工程をとるアイラモルトです。これは、徹底的にこだわって選別された上質なモルトの香りを最大限引き出すためのブルイックラディのこだわり。この点が、ブルイックラディをほかのアイラモルトと一線を画す存在にしています。

アイラモルトの味わいを想像して飲んだ人には少し物足りなく感じるかもしれませんが、初めて飲む人にとっては甘味と香ばしさをバランスよく感じることができ、ほのかにスモーキーな風味も残る飲みやすいウイスキーです。

ブルイックラディは、蒸留からボトリングまでを一貫してアイラ島内で行い、コンピューターなどを介さずすべて人の手と感覚によって丁寧に作られています。徹底的なこだわりと伝統の職人技が生み出すブルイックラディの味わいを、ぜひ一度堪能してみてください。

ブルイックラディの種類は?

ブルイックラディにはどのような種類があるのでしょうか。現在販売されているブルイックラディの銘柄を見ていきましょう。

ブルイックラディ ザ・クラシック・ラディ

『ブルイックラディ ザ・クラシック・ラディ』は、ブルイックラディのスタンダード銘柄。初めてブルイックラディを飲む人におすすめです。アルコール度数は50度と高めですが、そうとは思えないほど、柔らかでクセのない味わいが特徴。バニラやナッツ、シトラスのような甘い香りが広がり、リンゴのような甘みのある味わいが感じられます。

ブルイックラディ アイラ・バーレイ

『ブルイックラディ アイラ・バーレイ』は、熟成させる樽にこだわりが詰まった一本。バーボン樽をメインに、アメリカンオーク樽・フランスワイン樽などあらゆる樽で熟成されますが、これらの組み合わせは一定ではなく、蒸溜された年によって条件を変えて樽の組み合わせを模索するというから驚き。

使用されるモルト(大麦)にもこだわり抜いており、アイラ島内で生産された単一農園・単一畑・単一年・単一品種という厳しい条件を満たしたモルトのみが使用され、ラベルには農場名と大麦生産者の名前も記載されます。味わいの方はというと、香ばしくスパイシーながら口当たりがよく、モルトの旨味が存分に引き出されています。

ブルイックラディ ブラックアート

『ブルイックラディ ブラックアート』は、ブルイックラディ蒸溜所のヘッド・ディスティラー(蒸溜責任者)であるアダム・ハネット氏によって生み出されたウイスキー。さまざまな樽の原酒を掛け合わせて作られ、販売本数も非常に少ない希少価値の高い一本です。

どの樽で熟成された原酒がどれくらいの比率でヴァッティング(混ぜ合わせること)されているのか、アダム・ハネット氏以外は誰も知らないというミステリアスなウイスキー。ボトリングまでアダム・ハネット氏自身が行っており、秘密のレシピを守るための徹底したこだわりが感じられます。

これまでにいくつかのバッチが販売されており、味わいはそれぞれ微妙に異なりますが、ドライフルーツのような甘みとダークチョコレートのようなコク、モルトの香ばしさが感じられる複雑な味。機会があればぜひ一度は試してみたい銘柄です。

姉妹銘柄?『ポートシャーロット』と『オクトモア』

ブルイックラディの蒸溜所では、看板銘柄であるブルイックラディのほか、2つの銘柄のウイスキーが作られています。それが『ポートシャーロット』と『オクトモア』です。これら2つの銘柄は、ブルイックラディとはうってかわって非常にアイラモルトらしい味わいに仕上がっています。

ポートシャーロット

ポートシャーロットは、蒸溜所自身が「へビリー・ピーテッド」と位置付けるだけあり、ほかのアイラモルトにも引けをとらない強いピート香とスモーキーな風味を持ちます。そんな中にもエレガントで繊細な風味が感じられ、蜂蜜やナッツを思わせるコク深い味わいが特徴的です。

オクトモア

オクトモアは、ブルイックラディとは違う意味で「アイラモルトの異端児」といえるかもしれません。オクトモアの特徴は、なんといってもその強烈すぎるピート香。あらゆるウイスキーを差し置いて「世界最強のピート」ともいわれる超個性派ウイスキーです。

「スーパー・へビリー・ピーテッド」と位置づけられるオクトモアは、とにかく強いピート、あえて短い熟成年で行うボトリングなど、ウイスキー界の常識を打ち崩す数々のこだわりを持っています。オクトモアの概要や銘柄に関しては、以下の関連記事でも詳しく解説していますので、ぜひ読んでみて下さい。

【関連記事】オクトモアとはどんなウイスキー?世界最強のピートを追求する超個性派の魅力

ブルイックラディの飲み方は?

ブルイックラディはクセがないため、ストレート、ロック、水割り、ソーダ割りとさまざまな飲み方が楽しめます。アルコール度数も高いので、爽やかなハイボールにしても力負けしません。初めて飲むときはザ・クラシック・ラディをストレートで飲んでみるといいでしょう。アルコール度数はやや高めのため、少しずつ加水して、お好みの飲み方を探してみてください。

ブルイックラディは飲みやすい

ブルイックラディはピートを使うことが当たり前のアイラ島のウイスキーの印象をがらりと変える一本です。細部に及ぶ徹底したこだわりは、ブルイックラディを唯一無二のウイスキーへと昇華させています。

飲みやすいウイスキーが好きな人はもちろん、普段アイラモルトを愛飲しているという人も、ぜひ一度試してみてください。ともすれば強いピートの印象の陰に隠れてしまいがちな、アイラモルトの真の味わいにふれることができるかもしれません。

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