ミズナラ樽のウイスキーとは?苦肉の策から生まれた日本のウイスキー誕生秘話

2020.01.21

日本ならではのウイスキーとして、ミズナラ樽のウイスキーは大きな人気を集めてきました。他のウイスキーと比べてどのような特徴があるのか、その魅力やおすすめの飲み方、ブランドをご紹介します。ウイスキー好きの方は必見です。

ウイスキーは樽で味が変わる

樽で貯蔵され、長年熟成されることで独特の味わいを持つようになるウイスキー。その味は、貯蔵する樽の木材の種類によっても変わります。広く一般的なオーク樽やバーボン樽など、それぞれの樽ごとにウイスキーは違った個性を見せてきました。

では、ミズナラ樽で貯蔵されたウイスキーはどのような特徴を持つのか、見ていきましょう。

ミズナラとはどんな木材?

ミズナラは主に北海道などにある木で、オークの一種であることから「ジャパニーズ・オーク」とも呼ばれてきました。一般的には「どんぐりの木」として広く知られています。

元々はウイスキー樽向けの木材とはされていなかったものの、しだいに芳醇な香りのウイスキーを生む木材として注目を集めるように。現在では、日本が誇るウイスキー樽の木材の一種としてひとつのムーブメントを呼んでいます。

ミズナラ樽が使われるようになった理由

ミズナラ樽を世界で初めて導入したのは、ほかでもないここ日本。ミズナラ樽がウイスキー作りに使われるようになったきっかけは、1940年代の太平洋戦争期にまでさかのぼります。当時アメリカをはじめ連合国との関係が悪化していた日本では、ウイスキー作りのためのオークを輸入することが難しくなっていました。

そこで日本のブレンダーたちが目を付けたのが、北海道に自生するオークの一種であるミズナラ。当初はクセの強い木香をもつミズナラ樽による熟成はうまくいかないと思われていましたが、ミズナラ樽による熟成を何度か繰り返していくうちに、その独特で深みのある香りが顔を見せ始めたのだそう。

そんな苦肉の策から生まれた日本発のミズナラウイスキーですが、いまやその評価は日本をとびこえ、海外の有名銘柄からもミズナラ樽で熟成したウイスキーが発売されるほどとなっています。

ミズナラ樽のウイスキーの特徴

ミズナラ樽の木香はシェリー樽などにくらべウッディーなクセが強く、そこで熟成されたウイスキーは重厚で奥深い味わいを見せることで知られています。ややスパイシーな香りが立ち上り、次いでスウィートともフルーティとも形容される甘みのある余韻が感じられます。

飲んでいて落ち着きを感じさせる風味は、日本人にとってはどこか懐かしく、海外のウイスキーファンにとってはどこか神秘的でオリエンタルな香りを感じさせてくれるものとして支持を得ています。

ミズナラ樽のウイスキーの飲み方

日本で生まれたウイスキーならではの個性を持ち、根強い人気を誇ってきたミズナラ樽のウイスキー。そのおすすめの飲み方をご紹介します。

飲みやすさと濃厚さを両立した水割り

ミズナラ樽のウイスキー最大の特徴は、まろやかな甘さと後に長く残るコクです。その濃厚な味わいは、水割りにしてもしっかり感じられると評価されてきました。

水割りならではのさらりとした飲みやすさを感じさせつつも、ウイスキーとしての濃い飲み心地も両立できる飲み方として、長くゆっくりとウイスキーを楽しみたいときにおすすめです。

爽やかな甘さを味わえるハイボール

ウイスキーの飲み方として特に人気が高いのがハイボールでしょう。

炭酸で割ることによる爽快さや刺激はしっかりと感じられる一方で、ミズナラ樽のウイスキーならではの芳醇な飲み味はやはり健在。がっつりと味わえるハイボールに仕上がります。

さっぱりとしたハイボールとはまた一味違った、飲みごたえ抜群の一品として注目です。

おすすめのミズナラ樽ウイスキー

最後に、ミズナラ樽のウイスキーとして人気のブランドをご紹介します。実際に飲んでみたい方は、参考にしてみてください。

シーバスリーガル ミズナラ12年

スコッチの名門・シーバスリーガルが、日本向けエディションとして販売しているミズナラ樽のウイスキー「シーバスリーガル ミズナラ12年」。

通常シェリー樽で熟成されるシーバスリーガルですが、代わりにミズナラ樽を使用することでミズナラのもつウッディーでスパイシーな香りが強調され、繊細で複雑な味わいになっています。

イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ

ジャパニーズウイスキーブランドとして「ワールド・ウイスキー・アワード」3年連続金賞を受賞するなど、世界からも注目を浴びる新進気鋭の銘柄・イチローズモルト。そんなイチローズモルトが送る「イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ」は、日本発のブランドの誇りそのままに、ミズナラ樽を使用した趣深い逸品となっています。

原料にピーテッドモルト(ピートで香りづけされた大麦麦芽)を用いることで、スモーキーな香りの中に顔を出すミズナラらしいクセが豊かに調和します。日本のミズナラ樽の真骨頂を感じられるおすすめの一本です。

サントリー シングルモルト ウイスキー 山崎 ミズナラ

サントリーによる人気ウイスキー「山崎」からも、ミズナラ樽で熟成されたウイスキーが販売されています。

ブレンダー自らが樽に使用する樹木を選定し、樽の製造まで自社で行うという徹底的なこだわりようで、厳選されたミズナラ樽によって熟成される味わいはジャパニーズウイスキーを代表する一本といっても過言ではありません。

こちらの銘柄は毎年発売されるわけではなく、2017年に3年ぶりとなる「山崎ミズナラ 2017エディション」が発売された時には大きな話題となりました。定価は10万円でしたが、全国1500本のみの限定発売という希少性もあいまって、現在の市場取引価格は1本50万円前後。とても手がでない価格ですが、一生に一度は飲んでみたいですね。

ミズナラ樽のウイスキーで贅沢なひとときを

ウイスキーらしさと独特の個性を併せ持ったミズナラ樽のウイスキー。海外のウイスキー愛好家をもうならせてきたその味わいは、ウイスキー好きなら一度は飲んでおきたいところです。ミズナラ樽のウイスキーで、ぜいたくなひとときを楽しみましょう。

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