規制された過去も?禁断の酒『アブサン』はなぜ芸術家たちを魅了するのか

2020.01.15

ハーブ系リキュールの中でも「危険なお酒」でありながら「魅惑の酒」として有名なアブサンをご存知ですか?今回は過去に世界中で禁止令が発令されたほど、人々を虜にした魅惑のお酒「アブサン」について、特徴や歴史、飲み方、専用の道具などをまとめてご紹介していきます。

アブサンとは?

アブサンとは、スイスで生まれヨーロッパを中心に広まったハーブ系リキュールで、アルコール度数は70%以上。ニガヨモギと呼ばれるキク科の植物を原料としています。美しい薄緑色とハーブの独特な風味が特徴のアブサンですが、一体どんな歴史があるのでしょうか?

幻覚?犯罪?禁止された歴史

アブサンは18世紀末、元々スイスで医療用の薬として使われていたニガヨモギをスイス人医師が独自の蒸留方法でリキュール化したのが始まりだと言われています。19世紀に入るとゴッホやピカソなど有名や画家や芸術家たちに愛飲され、作品にも度々登場する「魅惑のお酒」として世界各地に広まっていきました。

しかし、ニガヨモギに含まれる香味成分「ツジョン」によって嘔吐や神経麻痺、幻覚などの症状が引き起こされることがわかると、19世紀末から20世紀初頭にかけてスイス、ドイツ、アメリカなど各地で製造や販売の禁止令が発令され、危険な「魔のお酒」となりました。

禁止令が解除された現在では、製造にあたりツジョンの成分比率の制限が設けられています。そのため、現在販売されているアブサンに危険な成分は含まれていません。

日本での製造や販売は?

日本でも様々な芸術家たちによって映画や小説、漫画などに度々登場しているアブサン。有名なところでは、文豪・太宰治の小説「人間失格」の中にもその名が出てきます。

日本では海外から輸入されたアブサンが楽しめる他、原料にニガヨモギではなく兵庫県丹波産のヨモギを使った和風アブサン「和ブサン」が発売されるなど、コアなファンを持つリキュールとなっています。

専用スプーンに専用グラス?道具まとめ

アブサンには、王道の飲み方である「クラシックスタイル」で使用する専用のスプーンとグラスが欠かせません。続いてはアブサンと共に手に入れたい「アブサンスプーン」と「ポンタルリエグラス」についてご紹介していきます。

アブサンスプーン

アブサンスプーンはアブサンの水割りである「クラシックスタイル」を作る際に使われる特殊なスプーン。グラスの縁に橋のように渡して上に角砂糖を乗せ、垂らした水で溶けた各砂糖をグラスに注ぐために柄は短く、つぼには穴が空いた仕様になっているのが特徴です。

アブサンスプーンは葉のような形状のものが一般的ですが、中には宝石などの装飾がされたものや、つぼではなく柄の部分に穴が空いていて普通のスプーンとしても使えるものなど、様々なデザインのものが存在します。

ポンタルリエグラス

アブサン専用のグラス「ポンタルリエグラス」は、小さなグラスの下に球形の液溜め部分がついた脚付グラスで、「クラシックスタイル」で楽しむ際は液溜めの部分にアブサンを注ぎ、垂らした水でグラス部分を満たすような作りになっています。

また、グラスの他に水を垂らす道具としてアブサン用に作られたファウンテン型ウォータードリップなども存在します。

アブサンの飲み方とカクテルレシピ

続いては、アブサンの基本の飲み方であり、専用の道具を使って作る「ボヘミアンスタイル」の楽しみ方や、アブサンを使ったおすすめのカクテルレシピをまとめてご紹介していきます。

王道「クラシックスタイル」

アブサン専用のスプーンやグラス、ウォータードリップを使って楽しむ「クラシックスタイル」は、簡単に言えばアブサンの「水割り」。アブサンを適量入れたグラスの上にアブサンスプーンを渡し、角砂糖を置いて水を少しずつ垂らして溶かしていきます。

また、角砂糖にアブサンを少し垂らして火をつけ、そこに水を垂らしていく「ボヘミアンスタイル」も定番の飲み方の一つです。アブサンは水を加えると白濁する性質を持っており、色の変化なども含めてまるで実験をしているように楽しめるのが特徴です。

おすすめカクテルレシピまとめ

アブサンを使ったカクテルとしてコーラやビール、トニックやジンジャエールと合わせるのはもちろん、シャルトリューズ、アプリコットブランデー、アブサンを1:1:1の割合で合わせた鮮やかなカクテル「イエローパイロット」もおすすめです。

また、アメリカの著名な小説家・ヘミングウェイが発案した「アフタヌーン・デス」は、シャンパンとアブサンを3:2の割合で合わせたカクテル。多くの芸術家に愛されたアブサンらしいカクテルとして有名です。

ぜひ一度試してみたい「魅惑の味」

いかがでしたか?過去には禁止令も発令されたほど人々を虜にするハーブ系リキュール「アブサン」。アルコール度数も高く、「魅惑の味」と呼ばれるハーブ系の香りが強烈な独特の風味は人によって好みが別れますが、お酒好きならぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?

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