お酒における「天使の取り分」「悪魔の取り分」とは?その意味を解説

2020.01.13

ワインやウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒には「天使の取り分」と呼ばれる「絶対に味うことができない部分」があるのをご存知ですか?今回はお酒における「天使の取り分」について詳しくご紹介していきます。

「天使の取り分」とは?

天使の取り分とは、ワインやウイスキー、ブランデーなどのお酒を熟成する過程で蒸発してしまう水分やアルコール分のこと。熟成前よりも熟成後の製造量が少なくなってしまうことから、失われてしまったお酒は天使が持っていた「天使の取り分」と呼ばれています。

英語では「エンジェルズシェア」

天使の取り分は「天使の分け前」とも呼ばれることがあり、英語では「Angel’s share(エンジェルズシェア)」と呼ばれています。天使の取り分となったお酒は二度と戻ってこないので、味わうことは絶対にできません。

一般的には木製の樽で1年間熟成すると、製造量のうち1〜3%が天使の取り分として失われます。お酒の熟成期間が長ければ長いほど多くなってしまうため、金属製の樽に入れるなど様々な方法が考案されていますが、風味などへの影響もあり全面的な採用はされていないのが現状です。

「悪魔の取り分」とは?

天使の取り分とは反対に、「悪魔の取り分」と呼ばれるお酒も存在します。天使の取り分は味わうことができませんが、悪魔の取り分は味わうことができるとか。一体どんなお酒なのでしょうか?

英語では「デビルズカット」

悪魔の取り分は英語では「デビルズカット」と呼ばれており、熟成後の蒸留酒を取り出した際、樽に浸み込んで取り出されずに残ってしまったお酒のことを言います。

一見「天使の取り分」と似たような意味合いに感じられますが、大きな違いは天使の取り分が味わうことができないのに対して、悪魔の取り分は抽出すれば味わうことができる点にあります。

悪魔の取り分を味わえるお酒がある?

樽に残った悪魔の取り分は、樽に水を入れて揺することにより抽出することができ、抽出された悪魔の取り分を使用したお酒も発売されています。

有名なのが誰もが知るバーボンウイスキーの人気銘柄「ジムビーム」が製造している、「デビルズカット」と呼ばれるお酒。これには先ほどご紹介した方法で抽出した悪魔の取り分が、ジムビームをボトリングする際の加水として使われています。通常よりもビターな味わいで、より濃厚な樽感が感じられる独特な風味が特徴です。

お酒以外にも使われる「天使の取り分」

実は、天使の取り分はお酒以外にも仕事に欠かせないメモリーカードなど、身近な道具にも使われることがある言葉。ここではそのメモリ機器における「天使の取り分」について、どんな意味があるのかご紹介していきます。

メモリにおける「天使の取り分」とは?

パソコンやテレビに繋いで使うメモリーカードやHDDには、しばしば「何も保存していないのにメモリ容量が減っている」という現象が起こります。一体どうしてこのような現象が起こるのでしょうか?

これはメモリ容量の計算方法や記載方法の違いによる場合もありますが、主に使うパソコンに適応させるための「フォーマット」と呼ばれる作業などによって、メモリ容量の一部分がこのフォーマット作業に使用されたために起きることがほとんどで、その失われた容量をメモリにおける天使の取り分と呼ぶ人もいるようです。確かに、ものは違えど蒸留酒における意味ととてもよく似ていますよね。

天使のいたずらでお酒は美味しくなる

いかがでしたか?蒸留酒を熟成すればするほど蒸発してしまう「天使の取り分」ですが、熟成すればするだけ深い味わいが生まれます。お酒をより美味しくしてくれる「天使の取り分」は、お酒にまつわる知識としてぜひ覚えておきたいですね。

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