表紙デザインが美しい漫画特集。ジャケ買いしたくなる漫画11選

2018.12.06

漫画を手に取ったときに最初に目に入るのが装丁や表紙です。装丁や表紙とはどのようなものなのかから、思わず”ジャケ買い”したくなるような漫画までご紹介します。見た目から内容までこだわりが盛り込まれた漫画を楽しむためにも参考にしてみてください。

漫画の装丁と表紙の描き方

漫画の装丁(そうてい)と表紙の描き方は、著者に合わせてそれぞれの魅力が現れる部分です。まず、装丁・カバー・表紙の違いを紹介します。それぞれ違った部分ですのでチェックしてみましょう。

  • 装丁・・・本の見た目全体のデザイン
  • カバー・・・本の周りに巻かれている取り外し可能な紙の部分
  • 表紙・・・書籍本体を保護している最も外側の部分

上記の言葉がどの部分のことを指しているのかを理解しておくと、装丁や表紙を作り上げるときに便利です。

装丁やカバー、表紙は『ジャケ買い』と呼ばれる見た目で選んで購入する人に重要な印象を与える部分です。もちろん、本の内容や様子を読者に伝えるためにも大切なので『装丁や表紙』は重要な役割を持っているとも言えます。

そこでまずは、装丁と表紙の描き方をチェックしていきましょう。

文字のデザイン、配置でイメージが変わる

装丁や表紙では、文字のデザインや配置で大きくイメージが変わってきます。表紙のデザインに使われる紙や、フォント、スペースといった細かい部分にこだわりながら『世界観を表して』描き上げていくのです。

紙の厚み、感触、フォント、行間などでイメージは変わるため『第一印象』を決める装丁や表紙を描く『装丁家』はとても丁寧な仕事を要求されます。

装丁に使用する紙のサイズ

装丁に使われる紙のサイズにも注目してみましょう。装丁で使われている紙のサイズには文庫判や新書判、A4などその違いから細かくサイズが分かれています。以下は装丁に使われている紙のサイズの一覧です。

  • 文庫判・・・『横105mm × 縦148mm』ハガキサイズでコンパクトなので保管場所に困らず、持ち運びにも便利でヒット作の再出版に多く使われる。
  • 新書判・・・『横112mm × 縦174mm』少年・少女の手の大きさで読みやすいように作られたサイズなので、少年・少女コミックに多く使われる。
  • B6判・・・『横128mm × 縦182mm』青年・女性の手の大きさで読みやすく作られたサイズ。表紙の素材や装丁にこだわっている作品に多く使われる。
  • A5判・・・『横148mm × 縦210mm』ワイド判とも呼ばれるサイズ。『完全判』としても使われる。
  • B5判・・・『横182mm × 縦257mm』少年ジャンプなどの漫画雑誌と同じサイズであり、同人誌でも使われるサイズ。
  • A4判・・・『横210mm × 縦297mm』画集や同人誌などでも使われる大判サイズ。

上記の中から表現に適切なサイズや、ジャンルに合わせた大きさが選ばれています。

スケッチから仕上げまでの流れ

表紙用の原稿用紙は、表紙のおもてから背表紙と表紙裏を1枚にして描いていきます。このとき、背幅が3mm未満の場合は、印刷の都合上、背表紙は作らないようにするなどの工夫が行われています。

表紙を作成するときは、まず表紙のカバーラフ案を用意します。このとき、カバーラフ案を作るときに参考にするのが、ゲラ(本になる前の原稿のゲラ刷りのこと)です。ゲラを読むことで自分なりに物語を絵として表現していきます。

カバーラフ案ができたら、カバー・帯・表紙・扉との順に作り込んでいき『仕上げ』を行っていきます。何度も丁寧に修正を繰り返し『ラフスケッチ、下絵、線画、線画への色付け』を行って装丁が完成していきます。

表紙買いしたくなる美しいデザインの装丁

ここまで、表紙の描き方を紹介してきました。次は、できあがった表紙を実際に見ていきましょう。

まずは、つい表紙買いしたくなる美しいデザインで作られた装丁の本を2つ紹介します。物語をイメージするだけではなく、その世界観まで丁寧に表現した装丁の魅力を感じる作品が多くあるのです。

繊細なタッチで物語を表現『マイホームヒーロー』

躍動感のある繊細なタッチで物語を忠実に再現している装丁が見られるのが『マイホームヒーロー』です。

本作の作者は、サイコメトラーEIJI・クニミツの政・シバトラなどの週刊少年マガジンの看板作品を幾度も生み出した漫画家の『朝基まさし』が手がけた『愛と戦いの物語』が描かれています。

娘の顔に打撲の傷を見つけた主人公の鳥栖(とす)が繰り広げる、家族のための戦いを装丁に表現することで、父親世代に人気のある漫画です。

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ホログラムが煌めく『宝石の国』

次に紹介したいのが、単行本9巻にホログラムを使って装丁が彩られている『宝石の国』です。漫画家の市川春子本人が装丁まで手がけており、『宝石』という漫画のテーマを表紙から表現しています。

漫画界でも最も美しいと表現される戦う宝石の物語は、美しくもどこか儚い宝石の特徴を捉えた作品です。独自の世界観と、宝石というテーマだからこその充実した内容は大人の男性が注目する作品に仕上がっています。

色使いで魅せる表紙の装丁

表紙の装丁の表現は、インパクトのあるものから自然豊なものまで幅広い工夫が凝らしてあります。今度は、巧みな色使いで魅せるといっても過言ではない2つのタイトルを紹介するので見ていきましょう。

色合いがおしゃれな『さくらん』

遊郭・江戸吉原を題材に、遊女の生き様や悲劇的な最後を目の当たりにしながら位の高い遊女を目指す少女の話を描いたのが『さくらん』です。遊郭という華やかな世界を色使いで表現している装丁をみるだけでも、その世界を表現しているとも感じることができます。

安野モヨコは、高校在学中からデビューし、数々の名作を作り上げてきた漫画家です。その独自の切り口から作り上げられた特色ある作品の1つである『さくらん』を見事に表現した装丁は、色使いからも目を奪われ『装丁と内容』のどちらも楽しめると人気が出ています。

物語の内容を印象付ける色づかい『亜人』

物語の内容を印象付けるかのような独特な色を使った装丁が人気なのが、漫画家・桜井画門(さくらいがもん)の『亜人』です。この作品では、交通事故で亡くなってしまった主人公が『死なない』亜人となって生き返り、その後の人生を描いています。

死なない状態で、何と戦い、何を成せばよいのかという深い『闇』のような物語を、不思議と引き込まれる色使いと陰影で表現した装丁が人気の作品です。

巧みな構図の表紙の装丁

巧みな構図で描かれた表紙の装丁は、見ていると不思議な感覚が味わえるものが多くあります。ロゴやフォントを上手く使って表現している装丁が見られる2つの作品をチェックしてみましょう。

キャラクターにフォーカス『ラーメン大好き小泉さん』

ツンな美少女がデレる最高のタイミングがラーメンを食べているときという『飯テロ漫画』で有名なのが漫画家・鳴見なるの『ラーメン大好き小泉さん』です。

大きく描かれたタイトルのロゴの間に描かれたキャラクター・小泉さんに視点が向かうようにレイアウトされた装丁です。手前に大きく描かれたイラストよりも、タイトルロゴの隙間にキャラクターを描くことで綺麗にフォーカスできる工夫は見逃せません。

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奥行が強調されドラマチックに『ささめきこと』

『奥行』を強調して、広い視野でその世界観を表現した装丁が使われているのが、漫画家・いけだたかしの『ささめきこと』です。優等生の女の子が恋心を抱いた『女の子』への気持ちを描いた学園ドラマが展開されています。

ささめくとは、ひそひそ話す・ささやく・ひそかに噂するという意味を持った言葉です。ささめくように秘めた気持ちが作り出すストーリーが『甘酸っぱい思春期』を感じると人気の1冊です。

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フォントが特徴的な表紙の装丁

特徴的なフォントを使うことで、その本に込められた気持ちを表現している装丁も魅力的なものが多くあります。フォントを巧みに使っている本を3冊紹介します。

流れるような文字が美しい『甘々と稲妻』

漫画家・雨隠ギドの『甘々と稲妻』は、妻を亡くして子育てに奮闘する教師と、教え子の高校生で囲む華やかな食卓を描いた作品です。

この作品の装丁では、流れるように綺麗に描かれたフォントが使われています。表紙に描かれているキャラクターのタッチと使われたフォントを合わせて見てみると、綺麗な一体感で優しい装丁に仕上がっているので必見です。

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味のある手描き風の文字『また、片想う。』

漫画家・タチバナロクの『また、片想う。』は、幼稚園からの幼馴染の3人組の恋路という青春と揺れ動く気持ちを描いた作品です。

その物語を表現するかのような主人公の少女と一緒に使われているフォントは、手書き風の文字が使われています。学校という舞台と、揺れ動く切ない気持ちをフォントで表現しており、見事に漫画のイメージを捉えている装丁です。

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強さが感じられるフォント『ファイアパンチ』

漫画家・藤本タツキの『ファイアパンチ』は、再生能力を持った兄妹を待ち受けるダークファンタジーが描かれた作品です。

ダークファンタジーの世界を力強いタッチのフォントを使うことで表現している装丁は、今にも何かが起きそうな鬼気迫る勢いを表現しています。同じフォントでも1巻と2巻では色合いで異なったイメージを作り出している点もチェックしておきたいポイントです。

  • 商品名:ファイアパンチ 1
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ユニークな表紙の漫画も

描かれた漫画に合わせて装丁を作り上げている作品の中には、遊び心が盛り込まれた『ユニークな表紙』が描かれているものもあります。驚くような工夫が使われている2つの作品を紹介します。

表紙詐欺と言われる美少女の装丁『あそびあそばせ』

面白い表紙詐欺とツイッターでも話題になった作品が、漫画家・涼川りんの『あそびあそばせ』です。可憐な少女と淡い色使いで作られた表紙からは、青春・萌え・百合などのイメージが湧いてきます。

しかし、表紙からこだわって作られた装丁とは全く違う『予想を裏切る女子中学生のギャグな日々』が物語に描かれています。つい何度も見返してしまう癖になるほどの濃い内容と、表紙のギャップが話題となりアニメ化が決定されるなどの注目を浴びています。

  • 商品名:あそびあそばせ (1)
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透明カバーに落書き 春になるとウズウズしちゃう』

全寮制の学園で、女子高生たちが過ごす日常を描いた作品が、漫画家・藤村歩実の『春になるとウズウズしちゃう』です。

本作の装丁を見てみると、表紙に描かれている女子高生の顔に多くの落書きが描かれています。しかし、ここに工夫が隠れているのです。実際に、表紙に描かれているのは、綺麗に描かれた女子高生の顔です。

綺麗に描かれた表紙の上に付けられているのが、落書きや水玉が描かれた『クリアカバー』なのです。クリアカバーを外すと、落書きや水玉がなくなった絵が楽しめるユニークな楽しみが話題となり人気を集めました。

2巻が発売されたときはカバーにちなみ、著者直筆の『顔面サイン会』が行われるほどの人気を集める装丁の作り方も、また違った楽しみがあります。

  • 商品名:春になるとウズウズしちゃう(1)
  • 価格:669円
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漫画の表紙は物語の魅力を引き出す

装丁の描き方から、実際に完成した装丁まで見てみると『作る人の工夫や楽しみ』が、本の中の内容と相まって1つの作品となっているのがわかります。つい、表紙で購入してしまうものも多くあるので、本屋に寄ったときに普段は見ないコーナーを見てみるのもおすすめです。

装丁から内容まで漫画の隅々まで楽しんで、その世界観を満喫してみましょう。

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