パチンコの換金は違法なのか?政府や警察の対応から読み解いてみる。

2018.12.05

お店がお金を直接景品にすることは、法律によって禁止されています。それではパチンコの換金も違法なのでしょうか?パチンコの換金に対する政府や警察の対応や発言、過去の裁判の事例などについてもまとめました。

パチンコの換金と違法性について

2014年ですが、客から景品を買った容疑で、パチンコ店運営会社の社長ら3人が逮捕されています。

また、2016年には当時民進党の緒方林太郎議員が「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する質問主意書」という文書を内閣に提出しました。この中で緒方議員は、パチンコの違法性について質問をしています。

これらの例にも見て取れるように、パチンコの換金と違法性についての議論は昔から行われてきました。なぜ摘発されていないのか、また換金の仕組みなどについて見ていきましょう。

換金の仕組みは三店方式がベース

『三店方式』とは、まずパチンコ店が客の出玉を『特殊景品』というものに交換します。客はそれを店の外にある景品交換所へと持ち込み、換金してもらいます。

さらにそれを景品問屋が買い取り、パチンコホールに卸します。この流れを三店方式と言います。現在のパチンコ店の換金方法は、この三店方式が主流となっています。

パチンコの換金が違法とは言えない訳

パチンコ店で直接現金に交換するのは風営法により賭博に当たるとして法律上禁止です。

しかし三店方式により形式上「まったく関係ない第三者に景品を買い取ってもらう」という形を取ることで、遊技という体を保っているのです。

これによって、パチンコの換金ははっきり違法とは言い切れないという仕組みなのですが、現状グレーゾーンであることに変わりはないので、さまざまな議論が取り交わされています。

パチンコの換金の今後は?

出玉規制などによって、パチンコという遊技自体への締め付けが徐々に厳しくなってきています。東京オリンピックに向けて、パチンコ店へさらに規制が強化されるという噂もありますが、実際のところどうなのでしょうか。

2018年9月に菅官房長官が出した、パチンコ規制に本腰を入れるとのコメントが波紋を広げています。

また、パチンコ換金をグレーのままにせずに合法化・厳格化するといった意見や違法とすべきなどの意見も出ているようです。

しかし、パチンコ産業に携わる人は、パチンコ店の従業員だけでも数十万人にのぼると言われており、急激にシステムを変更させるのは難しいと言われています。

今後も議論が重ねられていくのは、間違いありません。

換金やパチンコ税について警察や政府の対応

先述したように、パチンコの換金は非常にグレーゾーンとされ、さまざまな議論を呼んできました。

東京オリンピックが迫っていることや、カジノ法案の成立などによって、パチンコは今までより肩身が狭いものになりつつあります。

また、パチンコ税の導入も検討されているようですが、それについてはどうなっているのでしょうか?パチンコに関する警察や政府の対応を見ていきましょう。

換金についてこれまでの警察庁の発言

パチンコの換金に対する警察庁の過去の発言をピックアップしていきましょう。

2006年に警察庁生活安全課課長補佐鶴代隆造氏による論文によれば「営業者が賞品を客より買い取る事は禁止だが、第三者が賞品を客から買い取ることは禁止されてはいない」と述べています。

このように、パチンコの換金に関しては現在のところ寛容な姿勢を取っていますが、「違法ではない」とはっきり言わないあたりが、パチンコの在り方を物語っていると言えるでしょう。

換金に関する過去の政府答弁より

2016年には緒方林太郎議員(当時民進党)が「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する質問主意書」という文書を内閣に提出した際に、内閣の回答は次のようなものでした。

「パチンコ屋については客の射幸心を煽る恐れもあって、法に基づく必要な規制が行われているところであり、当該規制の範囲内で行われる営業においては刑法第百八十五条に規定する罪に該当しないと考える」

と発言しており、すぐさま違法性を指摘するようなことはないでしょう。しかし、先述した菅官房長官の談話からも分かるように、いずれ何らかの処置が執られる可能性は十分に考えられます。

パチンコ税導入への議連と警察の立場の違い

2014年2月に自民党から『時代に適した風営法を求める議員連盟』が発足しました。パチンコは年間20兆円を超える大きな産業で、税金を導入したいという目的で動いています。

しかし、警察としては「民営賭博の容認につながる」として、あまり積極的ではないようです。警察庁は「パチンコで換金が行われている事自体を知らない」というスタンスのため、議連の主張とは相容れない経緯があります。

パチンコと換金に関する裁判例

パチンコと換金に関する問題は、過去にいくつか裁判になっていきますので、その判例を見ていきましょう。

組合の成立を認めなかった裁判

パチンコ店が共同出資し、特殊景品の買い取りサービスを行う事業を運営したという事例があるようです。これはパチンコ店の客から特殊景品を買い取り、それを商品問屋に販売する事業を行おうというものでした。

裁判所は、条例で禁止されたパチンコ店が商品を買い取る(第三者に買い取らせる)行為にあたるものとして、この事業・組合の成立を認めませんでした。

パチンコ店が営業停止処分の取消を求める

北海道函館市のホール企業が2012年に、パチンコ店の客から景品を買い取ったとして40日間の営業停止処分を受けていたものの「手続きに不備があるなど処分は違法」として、営業停止の取り消しを求める裁判がありました。

1審・2審ともに、「営業停止処分は取り消せない」という立場のもと却下されていましたが、最高裁は「将来の不利益が決められている処分の場合、当事者が裁判で取り消しを求める資格は否定できない」として、取り消し請求の却下は不当とする判決を下したものです。

行政処分後の取り消しはパチンコ業界では前例がなく、注目された裁判だったと言えるでしょう。

パチンコ換金は現行ルールに従えば可能

パチンコの換金は、三店方式という現行ルールに基づくのであれば違法性はないとして、現在も行うことができます。

ただし、換金はあくまでグレーゾーンであり、行政などのコメントを見る限り、将来的には完全に合法化されるかもしれませんし、あるいは逆に完全禁止になる可能性もあります。

パチンコファンの方は、今後もパチンコ換金に関する動きに注目です。

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