下野杜氏の技術の粋。『栃木県』が誇る日本酒の銘柄5選を紹介

2020.01.05

栃木県は、関東内陸にある大きな河川が流れる土地。日本酒にとって大事なきれいな水が豊富な土地柄です。明治時代から現代に至るまで、地元の酒造りを守り続ける蔵元、銘酒を紹介します。

栃木の新しい杜氏・下野杜氏とは?

 

日本酒の手作り技法で、日本酒を醸すリーダーを杜氏(とうじ)と呼びます。栃木県には、下野杜氏(しもつけとうじ)呼ばれる杜氏集団がいるのです。いったい、どんな集団なのでしょうか?

下野杜氏の誕生

明治時代より、栃木県では数々の蔵元が酒を作っていました。ところが戦後、蔵元の高齢化などにより生産の危機を迎え、これを打開しようと、栃木県酒造組合が、新潟県の「越後杜氏」や岩手県の「南部杜氏」にならって、「下野杜氏」をつくろうと認定制度を作ったのです。

一般人も参加できるイベント・公開きき酒会

下野杜氏のつくる酒は、全国きき酒イベント「日本酒フェア」にて試したりできるほか、毎年東京と大阪で新酒発表会を行なっています。

また、宇都宮にて「栃木地元の酒で乾杯フェスタ」も毎年行なっており、地元の県民だけでなく、全国にもそのファンを少しずつ増やしています。

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天皇・皇位継承にまつわる栃木のお酒

2019年、皇位継承にまつわる重要な祭祀・大嘗祭に使われる米に、栃木県のお米「とちぎの星」が選ばれました。そのため、このお米でつくるお酒にも人気が一気に集中します。

2015年生まれの「四季桜 とちぎの星」

「四季桜 とちぎの星」は、県内の蔵元・宇都宮酒造で作られています。じつは、このお酒、生まれはつい最近。栃木県産米「とちぎの星」を使った日本酒をつくっては?というアイデアをもとに、県産酵母をつかって“オール県産品”でつくられた新しい日本酒です。

「とちぎの星」は、あまり日本酒にむかないお米だったのを、米の旨味をしっかり味わえるよう製法を工夫し発売されました。今でも品切れの続く2019年を代表する日本酒とも言えるでしょう。

宇都宮酒造の「四季桜」

もともと、宇都宮酒造の「四季桜」は、米にこだわり、全国のいいお米を集めて日本酒を作っていました。そのため種類がいくつかあり、味も様々。

なかでも、年に1回発売される大吟醸「四季桜 万葉聖」は、JALファーストクラスの日本酒として扱われている人気のお酒。淡麗でやや辛口、キレもありどんな料理にもあいやすい日本酒です。

まだまだある!こだわり酒蔵の日本酒

栃木県には、ほかにも古くからある銘酒があります。いくつかご紹介しましょう。

定番ともいえる日本酒「惣誉(そうほまれ)」

江戸時代末期より作られる惣誉。昔ながらの蒸米と麹を丁寧にすりつぶして乳酸を発酵させる「生酛(きもと)づくり」とよばれる製法にこだわっています。

そんな手間暇かかるこだわりの製法にもかかわらずコスパもよく、毎晩飲めるお酒としても人気が高い日本酒です。

県民誰も知っている銘酒「仙禽(せんきん)」

1806年江戸時代文化3年に創業した老舗蔵元・せんきん。最近では、古代米「亀ノ尾」にこだわり、その生産から仕込みまで手がける蔵元です。

また、王道の純米大吟醸などがあるプレミアムシリーズから、モダンシリーズ、クラシックシリーズ、ナチュールシリーズなど様々なお酒をつくっています。

ほぼ地元で消費される「旭興(きょくこう)」

渡邊酒造の旭興は、大量生産をすることなく、ほとんど県内で消費されるという銘酒。全国の新酒鑑評会に出品され、金賞受賞するなど評価は高まっているのですが、その分人気でなかなか手に入りません。すっきり辛口が病みつきになると評判が高く、栃木県外で見かけることはあまりないレアな地酒といっていいでしょう。

少量出荷、稀少銘酒の「姿(すがた)」

飯沼銘醸が少量だけ出荷する「姿」。飯沼銘醸は「杉並木」という日本酒が有名なのですが、無濾過生原酒を基本とした「姿」は、じわじわ評判が高く、マニアにもうけるお酒。大谷川の清流を仕込み水とし、甘みがありながらも後味は爽やかで複雑な辛みもある、重厚な味わいです。

2012年発売の「望(ぼう)」

昭和12年創業の外池酒造が手がける新ブランド、望。創業当時の伝統技術と、過去のデータを駆使し「未来への日本酒」をコンセプトに発売された新しい銘柄です。ワイングラスで飲みたくなるようなすっきり淡麗な味わいながらも、柑橘系フルーツの香りが感じられる完成度の高い日本酒です。

隠れた銘酒の宝庫・栃木の日本酒

栃木県はあまり日本酒のイメージがない県かもしれませんが、じつは近年日本酒づくりへの取り組みを盛んに行っている、日本酒新興県ともいえる存在で、希少な地酒の宝庫。数が少なく出回ることのあまりない銘柄もありますが、じっくり探せば好みの銘柄が見つかるはずです。

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