その歴史は鎌倉時代から?酒どころ『福井県』のおすすめ日本酒銘柄6選

2020.01.02

鎌倉時代、曹洞宗の宋祖・道元が永平寺を開いたことで知られる福井県。日本三大霊山のひとつ、白山があることでも知られ、古くから由緒ある土地であり、それにともなって酒造りも進められました。福井県だからこそできる日本酒の特長を紹介していきましょう。

福井県ならではの日本酒誕生秘話

道元が永平寺を開山した福井県は、平安時代より白山信仰にまつわる数々の寺院がありました。また、鎌倉時代には敦賀や小浜などを中心に海上交通の中継点として栄えていたのです。この由緒ある土地と日本酒の関係を見ていきましょう。

日本酒と神社仏閣の関係

日本酒は、もともと神に供えるものとして、古来より造られてきました。そして、神に供えるものの残りを、有力貴族などが嗜むようになり、徐々に上流階級に広まっていったのです。

鎌倉時代には、日本酒は、米や貨幣と同等の貴重な価値を持つものとして生産され、各地へ流通するようになります。

福井県は、まさに酒を造る・運ぶを一気にできる場所であり、一大産業として酒造りが盛んになったのです。

銘酒が生まれる土地柄

福井県は、白山を水源とする清らかな水が豊富で、冬は雪が多くて寒く、夏は暑いところ。こうした自然が、米作りにも酒造りにも適した土地でした。そのため、福井県各地域で、有名な老舗酒蔵が誕生したのです。

現在、オタマジャクシのような形をしている福井県は、頭の部分の嶺北地区と、しっぽにあたるリアス式海岸で有名な嶺南部分に分かれており、日本酒造りは、以前の越前藩と呼ばれた、主に嶺北部分で盛んにおこなわれています。

福井県嶺北地域・福井地区丹南地区の酒

福井市や鯖江市などは、福井地域や丹南地域と呼ばれ、古くから酒が造られています。白山山系から流れ出る九頭竜川などの伏流水を使った銘酒は、ここでしか味わえない贅沢な味。いくつかオススメを紹介します。

全国でも誉れ高い「黒龍」(こくりゅう)

黒龍酒造は、市場流通が難しかった大吟醸を、ワインの造法を応用して1970年代から全国流通させた老舗酒造です。そのため「黒龍」ブランドは全国的に人気で、丁寧に昔ながらの製造を保つ酒蔵は、海外のガイドブックに掲載されるほど。フルーティでまろやか、やわらかい口あたりの銘酒です。

フレンチの名シェフが注目「紗利」(さり)

小規模ながら代表銘柄「越の桂月」を持つ毛利酒造が新しく生み出した銘柄が「紗利」。手作業による「小仕込み」にこだわり、さわやかな酸味が福井県名産の魚介にもぴったりです。鮨やさっぱりした和食にも合うと評判を呼んでいます。フレンチの名シェフ、アラン・デュカスが注目したことで一気に注目され、品切れが続いたこともありました。

氷温熟成させた「梵」(ぼん)

鯖江市で造られている「梵」(ぼん)は、江戸末期にできた加藤吉平商店によって生み出されました。酒造最適米の最高峰といわれる「山田錦」と「五百万石」を使い、長期氷温熟成された純米酒は、しっかり辛口。米の甘みを凝縮させつつ、華やかな吟醸香も持ち味です。

北陸の小京都・奥越地区の酒

福井県の奥深く、現在の大野市、勝山市あたりは、桃山時代の城下町などの姿が残り「北陸の小京都」と呼ばれている地域。この場所でも古くから酒は大切に造られていました。

甘味と辛口のバランスが絶妙「一本義」(いっぽんぎ)

奥越前と呼ばれる奥越地区勝山市にある一本義久保本店。積雪量が1メートルを超える豪雪地帯で、酒造好適米「五百万石」の生産地としても有名です。

この酒蔵の代表銘柄が「一本義」。昔より食事に合う、後口のよいキレのある酒として人気があります。米の甘さの後に、辛さが主張してくる飲み心地です。

テーマに合わせた限定流通酒「伝心」

一本義と同じ酒蔵がつくる「伝心」は、限定流通酒。「五百万石」以外に「山田錦」「越の雫」の3種の酒米を使ったシリーズです。雪、凛など風流なサブネームを持った通年流通のものと、季節に合わせた限定酒があります。いくつかそろえて飲み比べをしても楽しいですね。

昔ながらの槽搾り(ふなしぼり)「花垣」

花垣をつくる南部酒造場は、大吟醸の原材料米に「山田錦」を使い、昔ながらの圧搾方法である槽搾り(ふなしぼり)を行っています。最近では機械で圧をかけたり、遠心分離させたりする方法もあるのですが、じっくり時間をかけて絞り出す酒は、非常にまろやかな味に。なめらかで飲みやすいすっきりとした日本酒です。

土地の恵みを生かした銘酒を堪能しよう

福井県の日本酒は、古来より有名だったものの、昭和に入り一時期衰退のきざしがありました。ところが今では、ほとんどの蔵元が専属杜氏をおいて、こだわりの手法で酒造りを造り、他県の日本酒と一味違った日本酒を作っています。流通量が少ないものもありますが、こだわりの銘酒を探してみてください。

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