競馬に慣れてきた大人の男性のなかには、自分なりにデータ分析をして予想に役立てたいと思っている人もいるのではないでしょうか。データ分析の1種である複勝率は、いったいどういったものでしょう。複勝率の仕組みと、データ分析方法・データ入手法についてご紹介します。
成績データの項目の意味を知ろう
成績データには、いくつかの項目があります。主に1位・2位などの着順回数、出走回数のほか勝率・回収率などが項目として挙げられ、これらの項目はデータ分析によって算出可能です。
ここでは、成績データの主な項目である回収率・勝率・連対率と複勝率について解説します。
単勝回収率と複勝回収率の計算方法
回収率とは、購入金額に対しての払戻金の割合のことです。回収率には、単勝回収率と複勝回収率の2タイプがあります。
単勝回収率は単勝馬券における回収率、複勝回収率は、複勝馬券における回収率です。
計算方法は、どちらの場合も下記の計算式で算出できます。
- 払戻金÷購入金額×100=回収率(%)
勝率、連対率、複勝率とは
勝率とは着順が1着になった率、連対率とは2着以内に入着した率を表します。
また、複勝率は複勝馬券において払戻金が発生する順位に入った率です。たとえば、複勝馬券は8~18頭が出走するレースの場合には、3着までに入れば払戻金が発生しますが、4~7頭の場合には、2着までに入らないと払戻金が発生しません。
勝率・連対率・複勝率は、効率のよい馬券の買い方をするときに、重要となる率です。人気のある馬ほど、これらの3つの率が高く、また連対率と複勝率にあまり差が出ません。そのため、ワイドや複勝などの買い方をするよりも、馬連・馬単などの買い方をしたほうが効率がよいケースもあります。
複勝率を使った分析
複勝率については上記で説明しましたが、いまいちどのように活用すればよいのかわからない人も多いのではないでしょうか?
競馬では、どのレースにおいても3着(4~7頭のレースの場合は2着)までに入る馬は、全出走馬数の約20%程度です。そのため、複勝率が高い(30%以上)馬を選ぶことがポイントです。
ここでは、複勝率を使ったデータ分析方法をデータ分析初心者にもわかりやすく解説します。
好走確率の高い騎手、条件を見つけよう
馬券予想には、1つの要素だけでなく、複数の要素を合わせて予想することが大切です。たとえば、複勝率が高い馬だけを選ぶのではなく、好走確率の高い騎手など他の条件も見つけてみましょう。
好走確率の高い騎手とは、勝率・連対率・複勝率が高い騎手のことです。一概には言えませんが、全体的にはレース騎乗回数が多い騎手ほど、好走確率や回収率が高い傾向にあります。
人気別、年齢や条件別に複勝率から予想
また、人気別・年齢別などの条件ごとに複勝率を出して予想する方法もあります。複勝率が高い馬ほど人気も高い傾向にありますが、人気順位が上位でなくても、単勝・複勝回収率が100%以上で勝率・連対率・複勝率が高めの馬がいれば、要チェックです。
また、馬によってもコースの得意・不得意があります。コース別の複勝率を出してもよいでしょう。芝コースでの複勝率が高ければ、ダートコースでも複勝率が高いというわけではありませんので注意してください。
人気馬の複勝率が低いと荒れる傾向か
1~3位までの人気上位の馬の複勝率が50%以下などの場合には、4位以下の馬との差があまり無くなり、どの馬が勝つのか予測しにくく、レースが荒れる傾向が見られます。
こんなときは、どのように予想する?
『複勝率は高いけれど、回収率が低い』など、予想に困るケースも出てきます。ここでは、データ分析初心者が困るような2ケースにおける予想方法について紹介します。
複勝率の高い1番人気の回収率が低い場合
一般的に1番人気の馬に関しては、複勝率とともに回収率も比較的高めの馬が多いですが、必ずしも複勝率が高いからといって、回収率が高いとは限りません。1番人気の馬が、複勝率は高いのに回収率が低い場合には、下記のポイントをチェックしてみましょう。
2番人気や3番人気との差をチェック
2番人気や3番人気の単勝・複勝回収率や複勝率も確認してみましょう。もし、2番・3番人気の馬の単勝・複勝回収率が高くバランスが安定しているようであれば、そちらの馬を1着予想に選ぶことも1つの方法として挙げられます。
単純に1番人気を選ぶのではなく、他の人気上位の馬の複勝率以外の連対率や回収率もチェックするとよいでしょう。
前走で距離やコース替えがあった場合
馬は、前走で同じ距離・同じコースを走っている方が安定した走りを見せます。
もし、前走での距離やコースと変更する場合には、注意が必要です。概して、ダートコースから芝コースに変更する場合に勝率が下がり、一方で、芝コースからダートコースに変更する場合には勝率が上がる傾向があります。
複勝率の集計方法
複勝率の集計方法には、大きく分けると下記の2タイプがあります。
- 自分でお金をかけずにデータ収集・集計する方法
- ソフトを使用して手軽に集計する方法
ここでは、上記の2つの集計方法をそれぞれ紹介します。
ネットで情報収集し、自分で集計
インターネットで過去のレース成績データを収集して、自分で集計してみましょう。netkeiba.comでは、過去のレースデータを無料で入手できます。入手方法は、下記の手順のとおりです。
- netkeiba.comのホームページを開く
- メニューバーの『レース』を開く
- 重賞スケジュールを開く
- 入手したいレースの年・月を選択し、表示ボタンをクリック
- レース名を選ぶ
- 結果・払戻・映像よりデータを確認
データを入手したら、エクセルにデータを移して集計します。
他にもJRAの公式サイトのデータファイルの中のレース成績データでは、重賞レースのほかG1レースの成績データがPDFで入手可能です。
JRAのサービスを活用すると集計が簡単
自分でデータ集計をするのは面倒な人は、JRAの公式データ配信サービス『JRA-VAN』を利用してみましょう。なお、サービスを利用するには、月額324~2052円(税込み)の料金がかかります。
JRA-VANは、JRAの関連会社JRAシステムサービス株式会社が提供するデータ配信サービスです。過去30年間分のJRA公式データをもとに、レースデータや最新のリアルタイムオッズなどを入手できます。
なかでも、『JRA-VANデータラボ』では、200本以上の対応ソフトが使い放題です。
2つのおすすめソフト
豊富なソフトの中でも、1番人気の競馬ソフトTARGETと馬天楼の2つのソフトがおすすめです。TARGETは、過去20年分のデータからレース名・競馬場・条件別・コース別など自分の好みの条件でレースデータを抽出し、100以上の切り口で分析ができます。
馬天楼は、同一条件のレース結果をもとにデータ分析を行いたい人向けのソフトです。年齢別成績・人気別成績・前走コース別成績のほか、前走の着順別成績など様々な情報を取得できます。
人気を過信せず複勝率や回収率にも注目を
人気が高いからと言って、その馬がレースで勝つとは限りません。複勝率や単勝・複勝回収率に加えて、前走の距離やコースも合わせてチェックしておきましょう。
また、馬だけでなく騎手やコースなどの条件別での複勝率もデータ分析することが大切です。おすすめのソフトを活用してデータ分析してもよいでしょう。