クリスマスの定番スイーツ『シュトーレン』とは?レシピや有名店を紹介

2019.12.17

近年日本でも人気上昇中のシュトーレンはドイツに古くから伝わる伝統菓子ですが、クリスマスとはどんな関係があるのでしょうか。自宅で作れるレシピやおいしさを保つための保存方法、通販で購入できる人気のシュトーレンなどを紹介します。

シュトーレンの基本

近年、クリスマスシーズンになるとよく見かける『シュトーレン』ですが、もともとはどこの国の食べ物か知っていますか?

固いパンのような独特の形状と名前には意外な意味や由来があります。

シュトーレンはドイツの伝統菓子

『シュトーレン』はクリスマスシーズンに食べるドイツの伝統的な焼き菓子です。

本国ドイツでは『シュトレン』と発音するこのお菓子は、酵母入りの生地にナッツや洋酒漬けのドライフルーツを練り込み、表面に粉糖をたっぷりまぶすのが特徴です。

ドイツには、クリスマスの数週間前(アドベント)からシュトーレンを少しずつ切り分けて食べる習慣があります。シュトーレンはクリスマスを待ちわびる子ども達にとっての日めくりカレンダーのようなものでしょう。

ドライフルーツの風味が全体にしみ込み、日ごとに味が変化していくのも楽しみの一つです。

シュトーレンの発祥の地といわれる『ドレスデン』では、毎年第2アドベントの前の土曜日、巨大なシュトーレンが街を練り歩く『シュトレン祭』が開催されています。

シュトーレンのスペルと意味は?

シュトーレンは『Stollen』と書きます。そしてこの単語にはいくつかの意味があります。

『Stollen』はドイツ語で、『坑道(山のトンネル)』や『柱』を意味し、一説では、カットした断面やごつごつした形状が坑道に似ているためにこの名が付けられたいわれています。

また、ドイツのザクセン地方では、細長い菓子パンのことを方言で『Stolle』または『Stollen』と呼んでいました。

これは『ストール(むつき・赤ん坊を抱くときに羽織る防寒着)』と同義語で、その見た目が『おくるみに包まれたイエス・キリスト』に似ているといわれることに由来しているという話もあります。

上記のようにシュトーレンの由来は諸説ありますが、聖母マリアがキリストの生誕を祝福に来た人のために焼いたお菓子といわれることもあるのです。

シュトーレンは日本でもブーム中

日本におけるシュトーレンのはじまりは、福岡の老舗洋菓子店『千鳥饅頭総本舗』がドイツからレシピを持ち込んだ1969年に遡ります。

その後は、ドイツパン研究会などが地道に広報活動を続けてきましたが、ブームの発端は、2014年の『青山パン祭り』で開催された『シュトーレン食べ比べ』だといわれています。

近年はクリスマスシーズンになると、日本でも多くのシュトーレンが店頭に並ぶようになりました。有名ホテルや人気のベーカリーでは、予約と同時に即完売するほどの人気ぶりを見せています。

シュトーレン作りの準備物

シュトーレンは準備する材料が多く、下準備に時間がかかります。最初に必要な材料をリストアップしておきましょう。

小麦粉やスパイス類

シュトーレンはパン作りに近く、準強力粉・ドライイーストなどを混ぜた『粉類』がベースです。

粉類をこねて数時間発酵させ(中種を作る)、さらに他の材料と混ぜて『本ごね』をする二段階のプロセスで作ります。『中種』の材料は以下です。

  • 準強力粉:50g
  • ドライイースト:3g
  • 牛乳:40ml

『本ごね』には以下の材料を使用します。

  • 準強力粉:100g
  • 卵:1/2個
  • 無塩バター:50g
  • グラニュー糖:20g
  • アーモンドプードル:20g
  • 塩:2g

シュトーレンに加える『スパイス類』は、シナモン・カルダモン・クローブ・ナツメグなどが主流です。どれも香り高く、ドライフルーツやナッツ、洋酒との相性が抜群です。

粉末状のものをあらかじめブレンドしておくと良いでしょう。

ドライフルーツやナッツ類などの材料

『ドライフルーツ』は、たっぷりのラム酒に数週間漬け込んでおいたものを使います。

レーズン・アプリコット・オレンジピール・いちじく・プルーンなど好みのもので構いません。市販の『ドライフルーツミックス』を使ってもよいでしょう。

『ナッツ類』は、アーモンドやくるみが主流です。大きめのものを使えば食べ応えがありますし、適度な大きさに砕けば、子どもから年配者までがおいしく食べられるシュトーレンに仕上がります。

マジパンや仕上げ用

『マジパン(ローマジパン)』とは、アーモンドプードルと粉糖を混ぜて作った半固形状の菓子です。

シュトーレンにマジパンを入れると、マジパンの水分が生地にしっとりとなじんでパサパサ感が抑えられる上、アーモンドの風味や甘みが広がります。

作り方は、アーモンドプードルと粉糖(2:1の割合)、少量の水をキッチン用ポリ袋に入れて揉み込み、棒状に伸ばして冷蔵庫で寝かせれば完成です。

シュトーレンは仕上げにバターを塗り、粉砂糖をたっぷりとふりかけます。『仕上げ用』として以下を準備しておきましょう。

  • グラニュー糖:50g
  • 粉糖:50g
  • 溶かしバター(無塩):60g

シュトーレンの作り方

ドイツでは、一口にシュトーレンといっても、各家庭やお店ごとにレシピが異なります。ここでは日本の家庭でも比較的簡単に作れる基本の作り方を紹介します。

慣れてきたらさまざまな材料を用いて自分好みにアレンジを加えるとよいでしょう。

作る前の下準備

シュトーレンを作る前に以下の下準備を済ませておきます。

  • ドライフルーツの洋酒漬けの仕込み(1週間前~)
  • マジパン作り(当日)
  • ナッツ類のロースト(当日)
  • 中種作り(当日)

『中種』は材料を入れて粉っぽさがなくなるまでこねた後、ラップをして28~30℃の温かい場所で約30分発酵させておきましょう。これらの下準備を済ませておくだけで、シュトーレン作りはぐっとスムーズになります。

基本の作り方

以下は、『中種』ができているのを前提にした『本ごね』の手順です。

  1. ボールにバター・グラニュー糖・塩を加え白っぽくなるまでかき混ぜた後、卵とアーモンドプードルを少しずつ加えます。粉気がなくなったら、発酵させておいた『中種』をちぎって加え、均一になるまでこねましょう。
  2. 生地をひとまとめにし、28℃前後の温かい場所で30分ほど発酵させます。
  3. 発酵後は、タネを何度も折りたたむようにして成型していきます。ドライフルーツ・ナッツを加え、最後にマジパン(棒状)を入れて形を整えます。
  4. 成型後はオーブンシートの天板の上でさらに30分発酵させ、180℃のオーブンで30~40分焼きます。
  5. 焼き上がり後は表面に溶かしバターを塗り、グラニュー糖をまぶします。完全に冷めた後は、粉糖をたっぷりとふりかけましょう。

作り方のポイント

スパイス類は、最初に数種類をブレンドし『本ごね用の粉』に混ぜておきます。生地に使用する粉量に対して約3%を目安にしましょう。

生地を発酵させる際は、温度調節ができる『発酵器』や『オーブンの発酵機能』を使用します。

ない場合は、40℃のお湯を入れたボールの中に、生地の入ったボールを入れて発酵させる方法でもOKです。中にお湯が入らないように気をつけましょう。

シュトーレンのアレンジレシピ

オーソドックスなシュトーレンもおいしいですが、たまにはアレンジをきかせた変わり種で家族や友人を喜ばせましょう。ちょっとしたひと手間で大変身するシュトーレンのアレンジレシピを紹介します。

抹茶を使った和風シュトーレン

粉末の『宇治抹茶』を加えると、生地全体が鮮やかな緑色になり、見た目も美しい『和風シュトーレン』に仕上がります。

抹茶は粉類に混ぜて最初にふるっておきましょう。香りの強いドライフルーツの洋酒漬けを使用せず、黒豆や栗の甘露煮、大納言小豆など『和の素材』を練り込むのがポイントです。

軽い口当たりにしたい場合は、仕上げ用のバターをマーガリンに変えても良いでしょう。

ココアパウダーを使った甘いシュトーレン

ココアパウダーとチョコチップをふんだんに使った『ショコラシュトーレン』はコーヒーにぴったりの逸品です。カカオ含有率の高いダークチョコレートを使えば、濃厚な大人の味が楽しめるでしょう。

通常のココアパウダーは焼き上がりが茶色になりますが、『ブラックココアパウダー』を少し加えておくと、全体が深みのある色に仕上がるのでおすすめです。

ムラにならないように、粉類と合わせてふるっておきましょう。

アーモンドやレーズンなど定番の素材のほかに、チョコレートと好相性の『オレンジピール』や『ピスタチオ』を加えてみてはいかがでしょうか。

マロンを使ったシュトーレン

素朴で優しい栗の味わいを楽しみたい人は、『マロンペースト』を巻き込んだ『マロンシュトーレン』に挑戦してみましょう。

マロンペーストは、缶詰で市販されているものを使います。『サバトン マロンペースト』はバニラや砂糖があらかじめ添加されているため、すぐに使えて便利です。

生地を成型する際に、マロンペーストを手前の端において巻き込み、最後に端と端をくっつけて形を整えましょう。

マロンペーストではなく、栗の甘露煮や渋皮煮を巻き込めば、ほっくりとした食感のマロンシュトーレンに仕上がります。

シュトーレンはどれぐらい日持ちするか

シュトーレンは通常の焼き菓子よりも日持ちする工夫がされていますが、賞味期限はどのくらいを目安にすればいいのでしょうか?シュトーレンの『食べごろ』と『賞味期限』について解説します。

作ってから数日後に食べるのが基本

日本でいうクリスマスケーキのように、シュトーレンは本来、作った当日に食べるものではありません。

作ってから少なくとも数日~1週間はそのままにしておき、味がしみ込んで食べごろになるのを待ちます。熟成期間を経ることで、ドライフルーツやアルコールの旨みがじわじわと全体に広がり、より濃厚さが増すでしょう。

市販されているシュトーレンは実は作りたてではなく、すでに数日間寝かせていることがほとんどです。その場合は購入してすぐに食べられます。

手作りの場合は2週間ほどが目安

市販のシュトーレンは4週間ほど日持ちするように作られています。しかし、自分で手作りをした場合は、2週間ほどで食べきるのがベターです。

シュトーレンは、焼き終えた後に表面にたっぷりのバターと粉砂糖でコーティングします。

バターの油膜と砂糖の防腐効果で日持ちするようにできていますが、手作りの場合はどうしてもバターや砂糖の量が少なくなりがちです。市販のシュトーレンよりも『賞味期限は短い』と考えましょう。

また、包丁でこまめに切り分けて食べるため、微量な雑菌が発生する可能性も考慮しなければなりません。

シュトーレンの保存方法

シュトーレンを保存するときはサランラップで全体を包み、さらに気密性の高いジッパーなどに入れて冷暗所に保管します。冷蔵庫に入れる必要はありませんが、湿度が低く、気温が高くならない場所を選びましょう。

包丁で切り分ける際は、まず半分にカットし、中心から端に向かって薄くスライスしていきます。

もし、2週間以内に食べる予定がない場合は『冷凍保存』をしておくと良いでしょう。

シュトーレンは通販でも購入可能

日本ではシュトーレンを手作りする家庭は少ないですが、クリスマス定番のお菓子として、店舗や通販で販売するお店は増えています。クリスマスは人気のシュトーレンをお取り寄せして、家族や友人とテーブルを囲んでみませんか?

天然酵母パン グリム シュトーレン

『天然酵母パン グリム』は京都府亀岡市に1986年にオープンしたベーカリーショップで、無添加・天然酵母・国産素材にこだわった焼き菓子やパンを販売しています。

独自の天然酵母製法で作り上げたシュトーレンは第1回シュトーレンコンテストに入賞するほどの実力で、バターとバニラシュガーをたっぷりまとったリッチさが特徴です。

レーズン・くるみ・いちじく・アーモンド・ローマッセなどのドライフルーツがふんだんに使われているため、しっかりと噛みしめるようにしていただきましょう。

賞味期限は3カ月で、熟成させるとより芳醇さが増していくそうです。

  • 商品名:天然酵母パン グリム シュトーレン(L)
  • 価格:3110円(税込)
  • Amazon:商品ページ

南ヶ丘牧場 シュトーレン

「南ヶ丘牧場」は栃木県那須郡那須町にある酪農を中心とした観光牧場で、自家製の乳製品やスイーツなどを販売しています。

日本で200頭ほどしかいない『ガーンジィ牛』の飼育を手掛けていることでも有名で、シュトーレンをはじめとする菓子類にもガーンジィゴールデンミルクやバターが贅沢に使用されています。

シュトーレンは、500gで1500円前後というリーズナブルさです。クリスマス以外の期間でも取り寄せが可能で、シックなパッケージはちょっとしたギフトにも喜ばれます。

  • 商品名:南ヶ丘牧場 シュトーレン
  • 価格:1530円(税込)
  • Amazon:商品ページ

全粒粉パン工房ポッポのパン 全粒粉100%シュトレン

『ポッポのパン』は新潟市と佐渡市に店舗を構えるパン工房で、国産小麦と天然酵母を使った体に優しいパンやお菓子を扱っています。

『全粒粉100%シュトーレン』は、食物繊維含量が高く、甘さやカロリーが控えめなのが特徴です。

くるみ・オーガニックレーズン・ぶどう・ひまわりの種・オレンジピールなど、栄養価の高い食材がぎっしり詰まっているので、子どものおやつにも最適でしょう。

ブルターニュ地方でとれる良質な『ゲランドの塩』を使用するなど、素材の一つひとつにこだわりが感じられます。滋味に富んだ素朴な味わいをじっくりと堪能しましょう。

  • 商品名:全粒粉パン工房ポッポのパン 全粒粉100%シュトレン
  • 価格:929円(税込)
  • Amazon:商品ページ

東京都内のシュトーレンが買えるお店

シュトーレンの実物を見て購入したいという人は、都内にあるお店に足を運んでみましょう。クリスマスに向けた伝統菓子でもあるため、実店舗の場合、ほとんどが期間限定販売です。

あらかじめ公式HPなどで予約・販売時期を確認しておくと良いでしょう。

八王子 CICOUTE BAKERY

八王子市の南大沢駅からほど近い場所にある人気のベーカリーで、自家製酵母を使用した丁寧な手作業が高く評価されています。

シュトーレンは、毎年発売と同時に売り切れてしまうほどの人気ぶりなので、公式HPなどで発売日をチェックしましょう。

アプリコットやオレンジピールなど、さまざまなドライフルーツが練り込まれており、ずっしりとした重量感があります。コクのあるきび砂糖でコーティングされているのも美味しさの秘密でしょう。

  • 店舗名:CICOUTE BAKERY(チクテベーカリー)
  • 住所:東京都八王子市南大沢3-9-5-101
  • 電話:042-675-3585
  • 営業時間:11:30~18:30
  • 定休日:月曜・火曜
  • 公式HP

大手町 パレスホテル

地下鉄・大手町駅直結のパレスホテル地下1階には、ペストリーショップ『スイーツ&デリ』が店を構えます。

ベーカリー、スイーツ、デリ、コンフィチュールなど多彩なラインナップで、ホテルメイドの高いクオリティが楽しめるのが魅力です。

シュトーレンはドライフルーツを練り込んだ定番のほかに、渋皮栗・柚子風味のマジパン・黒豆・金時豆などを使った和テイストの『ボーネン シュトーレン』や若草色のうぐいすきな粉をまぶした鮮やかな『加賀ほうじ茶のシュトーレン』などがあります。

  • 店舗名:パレスホテル(スイーツ&デリ)
  • 住所:東京都千代田区丸の内1-1-1 B1F
  • 電話:03-3211-5315
  • 営業時間:10:00~20:00
  • 公式HP

広尾 東京フロインドリーブ

渋谷区広尾にあるベーカリーショップで、ハード系ブレッドやライ麦入りのドイツパン、各種焼き菓子など素朴であたたかみのある商品が並びます。

オーナーはドイツパンの草分けである神戸の『フロインドリーブ』で修業を積み、1970年に広尾店をオープンさせました。

シュトーレンはバニラシュガーに濃厚なバター、たっぷりのドライフルーツが入ったオーソドックスな逸品で、食べごろまで寝かせておくと芳醇な香りと味わいが広がります。

  • 店舗名:東京フロインドリーブ
  • 住所:東京都渋谷区広尾5-1-23
  • 電話:03-3473-2563
  • 営業時間:9:00~19:00(日曜・祝日は18:00)
  • 定休日:水曜日・第4木曜日・年始・ゴールデンウィーク
  • 公式HP

各有名ホテルも要チェック

クリスマスシーズンは、都内の有名ホテルのベーカリーショップをチェックしてみましょう。

少々値は張りますが、ホテルならではのクオリティの高さやパッケージングの美しさが自慢で、毎年の発売開始を心待ちにするリピーターも少なくありません。

クリスマス限定のシュトーレンでは、クリスマスまでのカウントダウンの間に食感や味が変化していく『マンダリンオリエンタルホテル東京』や大粒のドライフルーツがふんだんに入っている『ハイアットリージェンシー東京』などが有名です。

そのほかにも、『帝国ホテル』『ザ・リッツカールトン東京』『ホテルオークラ東京』などが独自のシュトーレンを生み出しています。

ホテルごとにこだわりがあり、同じ食べ物とは思えないほど個性が際立ちます。食べ比べをして、自分好みの一品を見つけたいものです。

ドイツ伝統菓子を味わう

クリスマスのスイーツというと、日本では豪華なクリスマスケーキが定番ですが、ドイツでは素朴なシュトーレンが一般的です。

クリスマスの数週間前から少しずつ切り分けて食べるという習慣からは、クリスマスを心から待ち望む人々の気持ちが感じられるでしょう。

近年は、日本のベーカリーショップや有名ホテルなどでも本格的なシュトーレンを取り扱っています。通年販売を行うところもあるので、日々のおやつにドイツの伝統菓子を取り入れてみてはいかがでしょうか。

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