麻雀のプロ団体、所属しているプロはどのような人なのでしょうか。趣味としての麻雀ではなく、また強いだけではなれない『麻雀プロ』として活躍している人もいます。ここではなかなか知る機会のない仕事内容や年収を紹介します。
麻雀プロの定義とは
麻雀の人気は増していますが、一般的に将棋プロなどに比べると麻雀プロは知られていないのではないでしょうか。そもそも麻雀プロとはどういう人物なのか、チェックしてみましょう。
プロ団体に加入している人物のこと
麻雀プロになるには、競技麻雀の団体に所属する必要があります。加入基準は各団体ごとにそれぞれ少しずつ異なっており、競技麻雀のプロ団体は2018年時点で、11団体が存在しています。
プロ団体は以下です。
- 日本プロ麻雀協会
- 日本プロ麻雀連盟
- 最高位戦日本プロ麻雀協会
- 麻将連合-μ-
- 101競技連盟
- RMU
- 全日本麻雀協会
- 麻雀共同体WW
- 日本プロ麻雀棋士会
- 麻雀プロ活動団体アウトリーチ
- 麻雀プロ団体DOP
人々の見本となる魅力的な麻雀を行う人物
加入条件は異なりますが、すべての団体で共通しているのは、麻雀が強ければプロ団体に所属できるというわけではないということです。
麻雀が強いことはもちろんのこと、特別な共通試験があるわけではないので、さまざまな要素が求められます。
たとえばマナーや牌さばきの良さ、ギャンブルではない麻雀の魅力や楽しさを伝えること、見ている人を楽しませる麻雀をできること、などです。
強引な手を使うばかりであったり、他の人の気分を害するような発言や態度をとる人は、いくら強くてもプロとして相応しくないということです。
プロ団体に加入するための方法と選び方
プロになるためには、具体的にどのような方法があるのでしょうか。チェックしてみましょう。
筆記テスト、面接、実技等のプロ試験を受験
競技麻雀のプロ団体に所属するには、各団体が行う試験に合格する必要があります。団体によって開催時期や回数は異なりますが、およそ年に1〜2回開催されていることが多いようです。
気になる試験ですが、ほとんどの団体において、書類、筆記、実技、面接が行われます。筆記試験は麻雀に関連する内容だけでなく、一般教養を出題する団体もあります。
また団体によっては、一定期間を通じて応募者の雀力をチェックし、スキルがある基準ラインに達したと認められた段階で、ようやく試験を受けられる場合もあります。
プロ団体を選ぶ際のポイント
試験内容も団体によりさまざまですが、それによって何を重視しているかを理解することができます。
麻雀だけに精通しているのではなく、人物としての魅力を知りたい場合は一般教養の筆記試験や小論文、面接を通して質問されるでしょう。
また、すでに所属しているプロがどういう人かを確認すると、団体の文化を知ることもできます。最近では公式HPやSNS、YouTubeなどの動画サイトで積極的に配信している団体もあるので、自分に適した団体をしっかり見極めましょう。
麻雀プロの主な仕事内容と収入
晴れて麻雀プロとなった場合、どのような活動をするのでしょうか。気になる収入も紹介します。
麻雀プロリーグやMリーグなどへの出場
主な活動は、所属団体が主催するリーグ戦や、所属団体または他団体開催のオープン戦などの大会へ出場することです。
ちなみに『Mリーグ』とは2018年に誕生したプロのリーグ戦で、麻雀を団体競技とし、オリンピック種目化することを目的としています。
Mリーグが非常に注目されているのは、リーグ選手には最低年俸400万円が保証されているということが理由の1つです。
現在は21人(3人編成の7チーム)と狭き門ですが、麻雀に集中できるので、麻雀プロたちの新たな目標となるのではと期待されています。
書籍やコラムの執筆、イベントへの出演
人気のある著名プロになると、雑誌取材はもちろんのこと、書籍の執筆、テレビ、イベントへなどメディア出演も増えます。これらの仕事を安定的に獲得できるのは、ほんの一握りです。
女性プロの場合、女流雀士ということで注目されたり、タレント的な活動をしている人もいます。
雀荘への勤務もしくは会社員との両立
雀荘で兼業しているプロ雀士も多くいます。雀荘で一般の人と麻雀を打ち、『お客さんを楽しませる』ことを通じてファンを獲得することもできます。また多額の収入を得ることは難しいですが、安定的な収入につながります。
ある程度有名な麻雀プロになると、従業員として働くのではなく、自分で経営するという人もいます。
他にも、特に新人プロでまだ仕事が少ない人は他のアルバイトや仕事をして、生計を立てている人も多くいます。
麻雀プロの収入は人によって大きく異なる
人気プロの年収は1000万円以上といわれますが、それはほんの一握りのプロです。多くの麻雀プロは、生計を立てるために兼業しながら、その一方で麻雀のスキルアップの練習もするという状況です。
プロ団体に所属をしたからといって仕事をもらえるわけではなく、また毎年プロテスト合格者がいるのでライバルは増えていきます。華やかな一方で、とてもシビアな世界であることは覚えておきましょう。
有名なプロ団体の特徴と試験の流れその1
実際に有名プロ団体の特徴などについてチェックしていきます。
有名プロが多数所属。日本プロ麻雀連盟
日本プロ麻雀連盟は1981年に設立され、最大規模のプロ団体です。
麻雀界のスターである小島武夫さんや二階堂姉妹をはじめ、著名なプロ雀士もたくさん所属しています。また女流雀士が多いことでも有名です。
情報配信に力を入れており、YouTubeやニコニコ動画のチャンネルが開設されているので、連盟に関心がある人はぜひチェックしてみてください。
日本プロ麻雀連盟のプロテストは、3次選考まで行われます。1次選考は提出する履歴書と試験申込書で書類審査です。
2次選考は2日間にわたって実施され、1日目は筆記試験と面接。これに合格した人のみが2日目の実践対局に進むことができます。
2次選考に合格すれば、いよいよ3次選考です。計5回の試験(内容は非公開)によってプロとしての適正を見極めるとされています。2次選考の筆記試験の過去問題は公式HPで公開されています。
業界ナンバー2。日本プロ麻雀協会
日本プロ麻雀連盟に続く大手団体が、日本プロ麻雀協会です。2001年に創設された比較的新しい団体で、大手ながらも麻雀界では珍しいとされるルールが採用されていることでも知られるプロ団体です。
日本プロ麻雀協会のプロテストは、履歴書を送付後に筆記試験(論述、麻雀問題、一般教養)、面接、実技を全て1日で行われます。一般教養や論述など出題の幅が広いことが特徴です。
筆記試験の過去問はこちらも公表されているので、チェックしてみてください。
プロ団体の始祖。最高位戦日本プロ麻雀協会
最高位戦の名で知られ、日本で最も古い麻雀プロ団体です。最大規模の日本プロ麻雀連盟、それに続く日本プロ麻雀連盟も、もとは最高位戦から独立・分裂した人が発足しています。
プロテストは書類選考後、筆記、面接、実技による選考が1日で行われます。内容は点数計算や状況判断など一般的な麻雀問題です。筆記試験の問題は以下で確認できます。
有名なプロ団体の特徴と試験の流れその2
大手、老舗団体を紹介しました。さらに3団体、紹介していきます。自分に合う団体を見つけていきましょう。
試験の難易度高め。麻将連合ミュー
ミューは、他団体とは大きく異なる独自の方法でプロ認定を行います。
プロを目指す場合、まず選手育成会に入会し、約半年間をかけて麻雀について学部必要があります。なお入会は選考はなく、定員12名(先着順)です。
その後、春と秋の年2回行われるツアーライセンス取得審査を受けます。受験にあたってミュー会員である必要があるので、別途年会費を払って入会しなくてはなりません。
試験は筆記(麻雀問題、一般教養、小論文)、面接、実技が行われます。過去問題は1年分のみ公開されています。
独自のルールを採用。101競技連盟
「マージャンを打たない人からも、競技としてのマージャンが認められるようにしたい」という思いのもと、独自のルールを採用するプロ団体です。
101競技とは、101ルールで行った対局を101評価法で評価し、その成績を競う競技と定義されています。具体的には1位に1勝を与え、4位者に1敗を与えることが原則です。
名前の由来は、この考え方からきており、1勝は+1、1敗はー1、引き分けは0というところからきています。
プロテストの情報はホームページに掲載されていません。募集時はホームページやSNSにアップされると思われますが、気になる人は問い合わせて見てください。
プロ育成型のシステムを運営。RMU
『Real Mahjang Unit』の略でRMUと名付けられており、『真の麻雀プロを作る』という理念のもと設立されたプロ団体です。
プロになるには、アスリートコースに入会する必要があります。これは面接と簡単な審査(非公開)で合否が出るようですが、詳細は公表されていません。
アスリートコースで『ファクトリー』という所属プロが開催する講座を何度か受けながら、アスリートコース所属の選手が参加する公式リーグに出場します。
その結果に応じてポイントが加算されていき、ポイント数が一定に達し、またプロに相応しいと認められてはじめてプロに認定されます。
名前の通り、プロ認定も徹底してこだわっている団体です。システムの詳細は以下ホームページをご確認ください。
美人、かわいいと話題の女性麻雀プロ3選
美しい女流雀士は注目の的です。中でも特に人気の高いプロを紹介します。
ミスパーフェクト。東城りお
女性プロ雀士の中でも、美人として有名な東城りおさんです。もともとタレントを目指して上京したものの、芸能事務所が潰れてしまったという過去があります。
父親が麻雀好きで、その影響で高校生時代から深夜は麻雀三昧という生活を送っていたそうです。上京してからは渋谷の『ROSSO』という雀荘でウエイトレスとして勤務しながら、対局を見ていたそうです。
<プロフィール>
- 名前:東城りお
- 生年月日:1990年9月18日
- 血液型:O型
- 身長:168cm
- 所属団体:日本プロ麻雀連盟第29期
美人女性麻雀プロのパイオニア。二階堂亜樹
麻雀をしている人なら『二階堂姉妹』を知らない人はいないでしょう。その二階堂姉妹の妹の亜樹さんは『卓上の舞姫』の愛称で親しまれています。実家が雀荘ということもあり、麻雀には幼い頃から親しんでいたそうです。
打ち筋はドラを非常に大切にすることで知られ、『ドラは恋人!』という名言を残しています。
<プロフィール>
- 名前:二階堂亜樹
- 生年月日:1981年11月15日
- 血液型:O型
- 所属団体:日本プロ麻雀連盟第15期
スタイル抜群で美人すぎると話題。高宮まり
グラビアアイドルとしても活動している高宮まりさんは、麻雀誌『近代麻雀』でも何度も表紙を飾っている美貌の持ち主です。『美しすぎるGカッププロ雀士』などという名前で紹介されることも多いですね。
美人で、スタイル抜群で、麻雀の腕もあるというだけあって、人気プロの1人であることは間違いありません。
ちなみに2018年に『給与明細』というテレビ番組に出演し、ご本人自らが年収は1000万円程度と発言していました。
<プロフィール>
- 名前:高宮まり
- 生年月日:1988年11月8日
- 血液型:O型
- 身長:152cm
- 所属団体:日本プロ麻雀連盟第27期
実力と人気を兼ね備えた男性麻雀プロ3選
続いて、人気の男性麻雀プロもチェックしてみましょう。
麻雀最強戦2017優勝。金太賢
プロ、アマ参加による国内最大級の大会である麻雀最強戦の2017年度の優勝者である金太賢プロ。
プロといっても団体数も増え、プロの数も増えています。そんな中、タイトルを取ってこそ認められるプロ麻雀の世界でプロ入りから12年でようやく手にしました。
また過去3回の決定戦では2位、3位、4位が1回ずつと決して悪くない成績を継続的に残しています。今後も注目の麻雀プロです。
<プロフィール>
- 名前:金太賢
- 生年月日:1983年1月27日
- 血液型:A型
- 所属団体:日本プロ麻雀協会第4期
RMUの代表。多井隆晴
プロ団体のRMUの代表として知られる多井隆晴プロ。幼少期から麻雀に親しみ、5歳の頃に麻雀を覚え、10歳の頃にはほぼ、牌効率をマスターしていたと公言しています。
日本プロ麻雀連盟に所属し、麻雀プロとしての活動を始め、あらゆるタイトル戦で準優勝に止まり、『シルバーコレクター』というあだ名がついたこともありましたが、その後は優勝の座を何度も獲得しています。
2006年に日本プロ麻雀連盟を退会し、RMUを創設し、代表に就任しました。
<プロフィール>
- 名前:多井隆晴
- 生年月日:1972年3月17日
- 血液型:B型
- 所属団体:RMU代表
麻雀界のタッキー。滝沢和典
確かな実力を備えながらも整った顔立ちから『麻雀界のタッキー』として親しまれる滝沢和典プロは、年齢は若いもののプロとしてのキャリアは長く、人気アニメ『咲-saki-』の牌譜監修も担当しました。
中学生の頃に麻雀と出会いましたが、当時は野球や音楽に勤しむ生活を送っていたそうです。
高校卒業後に音楽の専門学校に入学するために上京し、その頃から本格的に麻をするようになりました。高田馬場の雀荘に通い、数多くの麻雀関係者に出会う中で麻雀プロを目指すことを決意したそうです。
デビュー後は日本プロ麻雀連盟のメジャータイトルを獲得し、テレビ対局でも結果を残し続けています。
<プロフィール>
- 名前:滝沢和典
- 生年月日:1979年12月6日
- 血液型:B型
- 所属団体:日本プロ麻雀連盟第16期
麻雀プロになった芸能人2選
芸能界にも麻雀プロがいることをご存知でしょうか。
20年以上麻雀メディアへ出演。俳優萩原聖人
俳優の萩原聖人さんが、2018年7月に日本プロ麻雀連盟に入会したことを発表しています。これまでもテレビ対局に出演したりと、人気プロと同じような活動もされていました。
このタイミングでプロ入りしたのは、先ほど紹介したリーグ戦『Mリーグ』に参戦するためだそうです。実際にドラフト会議において、電通『TEAM RAIDEN』に1位指名され、今後Mリーグでの活躍が期待されます。
麻雀サイトを開設。アンジャッシュ児嶋一哉
あまり知られていないようですが、芸人の児嶋一哉さんは。高校時代に麻雀に興味を持ち、2003年に日本プロ麻雀協会のプロテストに合格しています。麻雀関連の情報サイト『こじまーじゃん』も開設しているほどです。
これまで複数の優勝経験もあり、論理的思考にもとづく実力は認めれているます。インタビュー記事などもアップされているので、ぜひホームページもチェックしてみてください。
麻雀プロ芸人!アンジャッシュ児嶋の負けない麻雀サイト“こじまーじゃん”
プロの世界を知れば麻雀がもっと好きになる
あまり明かされることのない麻雀プロの世界を紹介しました。賭博としてではなく、純粋に麻雀そのものを楽しむには、はじめから完璧を目指す必要はありません。
まずは好きな麻雀プロを見つけて、その対局を見ることも、麻雀を楽しむ方法です。