バディ・リッチの伝説。超絶技巧で名を馳せたジャズドラマーの魅力を紹介

2019.12.16

20世紀のジャズ界において圧倒的な活躍を見せ、ジャンルを超えて多くのミュージシャンに影響を与える存在となったジャズドラマー、バディ・リッチ。その逸話や、凄まじいプレイングによるミュージシャンとしての魅力をご紹介していきます。

バディ・リッチの経歴と功績

20世紀のジャズシーンにおいて長く活躍したバディ・リッチは、死後も現在に至るまで大きな注目と支持を集めています。その経歴と功績を見ていきましょう。

ジャズの発展を支えた伝説的ドラマー

1917年にニューヨーク州ブルックリンに生まれたバディ・リッチは、まだ赤ん坊の頃にスプーンで正確なリズムを刻んでいることに父親が気づいたことをきっかけに、1歳でドラムスティックを手にしたと言われています。

その後は幼いうちから才能を発揮し、11歳で自身のバンドを率いるように。若い頃からスウィング・ジャズの世界で活躍して人気を集めていきました。

1947年にはモダン・ジャズのはじまりになったと言われるチャーリー・パーカー、ディジー・ガレスピーのアルバム「バード・アンド・ディズ」に参加。その後もさまざまなスタイルのジャズプレイで幅広く活躍し、1970年代にはファンク色の強いプレイングも見せるなど、ジャズドラマーとして第一線で挑戦的な活躍を続けました。

1987年に死去した後も、多くのドラマーから目標として支持を集めています。

トリビュートに見るバディ・リッチの影響力

後世のミュージシャンへのバディ・リッチの影響力は圧倒的で、彼のトリビュートアルバムにはその様がよく表れています。

1990年代に発表された2部作のアルバムでは、マックス・ローチ、ビリー・コブハム、オマー・ハキムといったジャズ・フュージョン系の世界的ドラマーはもちろん、プログレロックバンド「ラッシュ」のニール・パート、「ガンズ・アンド・ローゼズ」のマット・ソーラム、「ザ・フー」などで活躍してきたサイモン・フィリップスなど他ジャンルのドラマーも集いました。

バディ・リッチのテクニックや表現力は、ジャンルを超えた魅力を持つ普遍的なものとして知られていると言えるでしょう。

バディ・リッチの魅力

今もなお支持を集めるバディ・リッチの魅力は、どのような点にあるのでしょうか。その演奏のポイントをご紹介します。

正確かつパワフルなプレイング

バディ・リッチのジャズドラマーとしての魅力は、なんといっても「細かいフレーズを高速で正確に叩きながら、パワフルなサウンドを長時間保ち続ける」という圧倒的なテクニックにあります。

鬼気迫るプレイングは聴き手に大きなインパクトを与え、音源作品はもちろん、ライブ映像も注目されてきました。

多くのジャズミュージシャンが晩年には老齢による衰えを見せる中、バディ・リッチは70歳を超えてもこの正確かつパワフルな演奏力をキープし続け、聴衆を驚かせ続けたことで知られています。

圧倒的なプロ意識と熱量

ジャズドラマーとして、常に厳しいプロ意識を持ち続けたその人柄や生涯も、ミュージシャンから支持を集めるポイントです。

幼い頃からドラムの腕を磨き続けたバディ・リッチですが、病気でドクターストップがかかっても練習を続け、ときには病院のベッドの上でもリハビリに励み、半ば無理にステージに立って演奏をやり遂げたあとに楽屋で失神したこともあるなど、異様ともいえるドラムへの情熱を見せたエピソードが知られています。

また、自分だけでなくバンドメンバーにも厳しかったことで有名で、実力不足のメンバーをクビにしたり、ミスをしたメンバーにドラムスティックを投げつけたりと、容赦のない姿勢で接したと言われています。

バディ・リッチのライブ映像では緊張感に満ちたバンドメンバーの表情も見ることができ、そのスパルタぶりがうかがえます。

バディ・リッチのおすすめの名曲

バディ・リッチの壮絶なドラムプレイを知るには、ドラムがメインの彼の代表曲を聴くのがおすすめです。定番曲として知られるジャズドラムの名曲をご紹介します。

バードランド

バディ・リッチの代表曲のひとつとして名高い「バードランド」は、ジャズ・オーケストラのスタイルで壮大かつ明るい世界観を見せるナンバーです。

華やかなアンサンブルが魅力のこの曲ですが、バディ・リッチによる演奏では、やはりドラムの演奏が全体の軸となって印象的に響きます。

細かいフレーズを叩き続け、決してパワーも落ちずリズムも崩さないプレイングからは、ドラマーとしての圧倒的な技巧が感じられます。

キャラバン

ジャズドラムが印象的な名曲として知られる「キャラバン」も、バディ・リッチの代表曲です。

こちらもジャズ・オーケストラによる壮大なナンバーとして有名で、特にライブでは、バディ・リッチの長時間にわたる圧倒的なドラムソロを聴くことができます。

ジャズドラムがテーマの映画としてアカデミー賞でも注目を集めた「セッション」でテーマソングのひとつになった曲でもあり、劇中ではバディ・リッチを尊敬する主人公による、本人を彷彿とさせる演奏シーンも見ることができます。

バディ・リッチの演奏を体感しよう

バディ・リッチの演奏を聴けば、ジャズドラムの圧倒的な迫力を体感することができます。

凄まじいプレイングからは、ジャズドラムの魅力はもちろん、バディ・リッチのストイックな人柄やドラムへの情熱も伝わってきます。

その名演を聴いて、ジャズドラムの真髄に触れてみましょう。

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