海が育むアイランズスコッチの雄『タリスカー』。その味と実力に迫る

2019.12.16

タリスカーは、スコットランドのスカイ島で造られるシングルモルト。「宝島」の作者スティーブンソンが「KING OF DRINKS」と評したスコッチの逸品です。今回は、ワイルドかつエレガントな味わいで世界を魅了するタリスカーの魅力と実力を探ります。

「霧の島」で生まれて190年。タリスカーの由来

スコットランド北西の近海にあるスカイ島は、「ミストアイランド(霧の島)」と呼ばれる程しばしば濃霧に覆われ、一日の中でも目まぐるしく天候が変わる厳しい自然環境下にあります。

そのスカイ島のロッホ ハーポートと呼ばれる入り江に、タリスカー蒸留所が設立されたのは1830年のこと。その頃島には免許を持つ7つの蒸留所と、数十もの無免許蒸留所が稼動していましたが、当時から残っているのはタリスカーだけとなっています。

ちなみにタリスカーという名は、創業者のマカスキル兄弟が蒸留所建設中に滞在した「タリスカー・ハウス」にちなんで付けられたと言われ、古代のバイキングの言葉で「傾いた大岩」という意味があるそうです。

潮の香りとスパイシーな味わいがタリスカーの持ち味

ラベルに書かれた「MADE BY THE SEA」のタグライン通り、海のすぐそばで造られているタリスカーは、海によって育まれた潮の香りと黒胡椒のようなスパイシーさが持ち味となっています。

その個性的な味わいは、昔ながらのこだわりの設備と製法によって造り出されます。

麦汁を作る発酵槽は伝統的なオレゴン松製のものを採用。一般的なステンレス製のものと違って自然の乳酸発酵が促進され、フルーティーな味わいをもたらします。

ポットスチルはU字型に折り曲げられており、その部分を通る蒸気は天然の冷気で冷やされ、スチル本体に還流することで複雑な味わいが生み出されます。

また冷却槽についても、昔ながらの冷水を入れた木桶を使用。時間をかけてアルコールの蒸気を液化させることにより、個性的な味わいを引き出しています。

タリスカーを知るためのおすすめ3

それではタリスカーの数多いラインナップの中から、代表的な3つの商品をご紹介しましょう。

タリスカー10

酒齢10年以上の原酒をバッティングしたタリスカーを代表する定番。

口に含むと力強いピートのスモーキーな香りが鼻腔をくすぐり、その後に豊かなドライフルーツの甘味が感じられ、やがてタリスカーの代名詞とも言われる「黒胡椒のようなスパイシーさ」が余韻として残ります。

タリスカーストーム

スカイ島のストーム(嵐)を体現していると感じた樽を、マスターブレンダーが熟成年数にこだわらずに選び抜いてバッティングした究極の超個性派。

タリスカーの特徴である潮の香りと黒胡椒の風味が一際強く感じられると同時に、エレガントな甘味とスモーキーさが絶妙なバランスで調和しています。

タリスカー18

アメリカンオークのリフィル樽で18年以上熟成させた原酒と、ヨーロピアンオークのリフィル樽(スペインでシェリーの熟成に使用された樽)で18年以上熟成させた原酒を、73の割合でバッティングした至高のアイランズモルトです。

2007年には世界的なウイスキーの品評会「World Whisky Awards」で第1位に輝きました。

10年と比べるとフルーツ感と柔らかな甘みが引き立っており、「タリスカーは18年から」と話すバーテンダーも多いようです。

黒胡椒をトッピング!タリスカースパイシーハイボール

ストレートやロックで楽しまれることの多かったタリスカーですが、近頃巷で話題なのが、黒胡椒を使った「タリスカースパイシーハイボール」です。

作り方は簡単。氷を入れたタンブラーに、タリスカー10orタリスカーストームとソーダを123の割合で注ぎ、お好みの量の粗挽き黒胡椒を氷に当てるように振りかければ完成です。

ソーダを注ぐ際は、タリスカーの風味を逃さないようかき混ぜないのがポイント。ぜひお試しください。

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