クセになったら止められない。「アイラモルトの王」ラフロイグの魅惑

2019.12.14

スモーキーさと磯の香りを特徴とするアイラモルトの中でも、ひときわ強烈な個性を放つのが「アイラモルトの王」ラフロイグ。その主張の強さは「好きになるか、嫌いになるかのどちらか」と評される程であり、一度ハマると抜けられない魔力を秘めています。

チャールズ皇太子に愛されたラフロイグ

ゲール語で「広い入り江の美しい窪地」という意味を持つラフロイグ蒸留所は、その名の通り、島の南部にある風光明媚な美しい入り江に面して建っています。

創業者のジョンストン兄弟は1810年にアイラ島のラフロイグに移住し、牧畜と並行してウイスキー造りを行っていましたが、ウイスキーが島内で評判となったことから、1815年にラフロイグ蒸留所を設立。ウイスキー造り一本に絞って事業を発展させました。

その後紆余曲折を経て、1954年にスコッチウイスキー史上初の女性の蒸留所所長としてベッシー・ウイリアムスが就任。在任16年の間に製造プロセスとレシピを確立し、品質と生産性の向上を実現させました。現在のラフロイグの名声は、彼女の功績が多大であるとされています。

そして1994年、ラフロイグはスコットランドで初めて、英国王室御用達のシングルモルトウイスキーに認定されました。その際「あなたの造るウイスキーは世界で一番すばらしいものだと思います」との言葉が、チャールズ皇太子から当時の所長イアン・ヘンダーソン氏に贈られています。

ちなみに皇太子は買い付けのために度々蒸留所を訪れ、今でも新製品が出る毎に試飲を行っているそうです。

ラフロイグ独自のこだわりと製法

ラフロイグの個性的な味わいは、製造工程の隅々に至るこだわりから生まれます。

まず、製麦作業は昔ながらのフロアモルティングを採用。これは大麦にピート成分が溶け込んだ水をたっぷり含ませて床に広げ、職人が8時間毎にすき返して発芽を促す手間のかかる手法です。

程良く発芽した原料は、海藻や水分を多く含んだ専用ピートで約30時間焚きしめられ、潮風を取り込みつつ乾燥させてピート香をなじませます。

続く蒸留工程では、アイラ島の蒸溜所の中で最も小さいポットスチルを使用。ストレート型の初留器と、胴のくびれたランタン型の再留器で2度蒸留を行い、スモーキーで香味豊かなエキスを抽出します。

そして蒸留された原酒はオーク材のバーボン樽でじっくり熟成され、10年以上の歳月を経てラフロイグ独自のバニラのような甘さ、クリームのような滑らかさ、力強いフレーバーが生まれるのです。

ラフロイグの主な商品ラインナップ

それでは、ラフロイグのラインナップの中から代表的な商品を3つ選んでご紹介します。

ラフロイグ10

世界中に多くのファンを持つラフロイグの定番ボトル。

正露丸を連想させる磯っぽいヨード香と爽快なピート香、力強いスモーキーフレーバー、滑らかでややオイリーなコクのある味わいが特徴です。

ラフロイグ セレクト

シェリーの最高峰ペドロ・ヒメネスを詰めたシェリー樽と、ヨーロピアンオークのシェリー樽、バーボン樽で熟成した原酒をバッティングし、さらにアメリカンオークの新樽で後熟。

マイルドなスモーキーさと、ココナッツやバナナを思わせる香り、シェリー由来の柔らかな甘みと爽やかな酸味が特徴です。

ラフロイグ クォーターカスク

従来のバーボン樽(約200L)で熟成した原酒を、ファーストフィルバーボン樽を解体して作られたクオーターカスク(約125L)に入れ替えてさらに熟成しました。

爽快なスモーキーさとほのかな甘い余韻に加え、原酒が樽と接する割合の大きいクオーターカスク熟成ならではの力強い味わいが特長です。

超個性派シングルモルト、ラフロイグをどう楽しむ?

ラフロイグの持ち味であるスモーキーさ、潮臭さを存分に堪能するにはストレートがイチ押しですが、初心者の方はソーダ割りから始めて、ゆるゆると味になじんでいただくのが良いでしょう。

レシピは、氷を入れたタンブラーにラフロイグ1:ソーダ3 or 4の割合がおすすめ。できるだけステアせず、スモーキー&クールな感覚を満喫してください。

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