世界一売れているシングルモルト『グレンフィディック』の歴史に迫る。

2019.12.10

三角のボトルが特徴的なグレンフィディックは、各種品評会で世界最多の受賞歴を誇り、毎年120万ケース超を販売する売上世界一のシングルモルト。5代にわたる家族経営の下、「鹿の谷で最高の一杯」を目指して挑み続けた創業者の夢を今も受け継いでいます。

シングルモルト時代の先鞭を切ったグレンフィディック

グレンフィディック蒸溜所は、ウィリアム・グラントによって1886年に設立されました。

20年近くモートラック蒸留所で働いていたウィリアムは、ウイスキー造りの夢を叶えるため47歳で一念発起してモートラックを退社。妻と7人の息子、2人の娘の力を借りて、家族総出で石を手積みすることで蒸留所を建設。ゲール語で「鹿の谷」を意味するグレンフィディックと名付けました。

そして1年にわたる準備を経て、1887年のクリスマスに初めてのウイスキーを蒸留。記念すべき第一歩を踏み出したのです。

その後長きにわたって全てのモルトウイスキーをブレンデッド用に出荷していましたが、1964年に創業者の曽孫(4代目)が世に先駆けてシングルモルトの発売を開始。ハリウッド関係者と交友を深めながら映画での露出を増やすと共に、大胆な広告戦略を展開。その後の世界的なシングルモルト普及のきっかけを作りました。

現在スコットランドの蒸留所は、年間100万人以上が訪れる貴重な観光資源となっていますが、グレンフィディックはシングルモルトという新ジャンルを生み出して国家に繁栄をもたらした功績により、1974年にはウイスキー業界初のQueens Awardを英国政府より授与されています。

初代からのこだわりが生むグレンフィディックの味わい

グレンフィディックでは、今も創業当時と同じ形・サイズの銅製ポットスチルを使い続けており、蒸留所には職人が常駐してポットスチル全28基の手入れに当たっています。

熟成にはアメリカンオークのバーボン樽と、ヨーロピアンオークのオロロソ・シェリー樽を使用。熟成後の原酒はさらに大きなオーク材の後熟樽で半年以上なじませるなど、設備面で独自の工夫を凝らしています。

そして製造工程毎に樽職人や銅器職人などのスペシャリストを配置し、安定した品質管理を機械に頼ることなく行っています。

創業時から5代にわたってこうしたこだわりを貫き続けることにより、洋梨などに例えられるグレンフィディック特有のライトで飲みやすく、フルーティーな風味が守られているのです。

グレンフィディックの主な商品ラインナップ

それではウイスキーの聖地スペイサイドで、130年以上にわたり伝統を守り続けるグレンフィディックのラインナップの中から、代表的な商品を3つ選んでご紹介します。

グレンフィディック12年スペシャルリザーブ

世界一売れているグレンフィディックのレギュラーボトル。個性が強いとされるシングルモルトの中ではかなり飲みやすいタイプです。

洋梨のような香りとフルーティーでクリーミーな味わい、繊細で軽やかな余韻はこれまでInternational Spirits ChallengeISC)やInternational Wine & Spiritsでの金賞をはじめ、数々の賞に輝いています。

グレンフィディック15年ソレラリザーブ

バーボン樽、ホワイトオーク新樽、シェリー樽の3種の樽で熟成したモルトウイスキーを、ソレラバット(大桶)で約6ヶ月間後熟させる「ソレラシステム」で造られたボトル。

蜂蜜のような甘くフルーティーな香り、絹のような滑らかさ、ほんのりスパイシーで円熟した味わいはまさにソレラバットの賜物です。

グレンフィディック21

21年以上熟成されたヨーロピアンシェリー樽原酒と、アメリカンオーク樽原酒をバッティングし、その後4ヶ月間カリビアンラム樽にて後熟仕上げしたプレミアムボトル。

ジンジャー、イチジク、ライムなど、熟成感のあるスムースでまろやかな味わいに複雑さが加わっています。

クセのないグレンフィディックは初心者にもおすすめ

口当たり滑らかで飲みやすいグレンフィディックは、クセがないので初心者の方にもおすすめできるシングルモルトです。

特に洋梨や青リンゴを思わせるフルーティーな香りは、ソーダで割ると爽やかさが一層引き立ちます。お好みで、レモンやライムを数滴絞ってお召し上がりください。

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