ドラマの名言を回想しよう。仕事、恋愛、人生で役に立つドラマの名言

2018.11.30

良質なドラマにはたくさん学ぶべきことが詰まっています。価値観、人生観、様々な情報、そして迷ったときに指針となる「名言」などです。単に楽しむためだけでは物足りないという方のために、ドラマの学び方や名言についてまとめてみました。

人はドラマから何を学ぶのか

私たちは日ごろ鑑賞するドラマから学ぶことはあるのでしょうか?ただ面白ければいいという考え方もありますが、同じ観るなら学べるところは学びたいものです。ドラマから何が学べるのかを見ていきましょう。

人の心の動かし方

「陸王」は池井戸潤の小説のドラマ版で、老舗の足袋製造会社「こはぜ屋」社長・宮沢紘一(役所広司)が主人公です。下火になりゆく足袋製造業の現状を打開するべく、足袋のノウハウを用いたマラソンシューズの開発を決意します。

開発に携わるのが駅伝スターの座から怪我により転落した実業団ランナー、人間関係で不本意に職場を去ったカリスマシューフィッター、新商品開発に入れ込み過ぎて稼業を潰し、隠遁生活の元経営者です。

揃いも揃って人生の敗者たちが「こはぜ屋」に出会い、開発に取り組む中で荒んだ心を癒し、再び夢に向かって歩き出します。

このドラマは多くの人に感動を与えました。ただし単なる成功譚では終わっていません。「成功」以上に人間の『再生』の物語が深い感動を呼んだのでしょう。

想像力を鍛える

ドラマを観て得るものは何でしょう?もちろんエンタテインメントですから第一に娯楽です。しかしそれだけではなく、実はドラマを観ると想像力が鍛えられるという効用があるのです。

例えば主人公に感情移入すると、ストーリーの展開に応じて時には嬉しく、時には悲しく、時には苛立ったり腹が立ったりすることが誰でもあるでしょう。

あるいは他の登場人物が気になって、そんな発言したら相手が傷つくよとか、この人の思惑は何だろう?とか、ドラマであることを忘れて考えてしまうこともよくあるはずです。

文学作品を読むと様々な人生を追体験できて世界観が広がり、人生観が深まるので良いとされています。ドラマ鑑賞も読書に通じるイマジネーションの広がり、価値観の再構築という効用があるのです。

有名ドラマの仕事名言集

仕事のスキルが異常に高いエキスパートのドラマも、昨今では大変人気です。その中でどんな名言が生まれてきたのでしょうか?

「私、失敗しないので」

「ドクターX」は一話完結でスカッと、明日からまた自分も頑張ろうという気にさせてくれるドラマです。主人公のフリーランス医師大門未知子(米倉涼子)のキャラクターも奮っています。

仕事は完璧でクールですが、他のことはダメダメでお金に弱い、マージャンも弱い、そんなギャップが可愛いと思わせます。ある意味周りにもいそうな等身大キャラとも言えます。

一方、オペシーンの絶妙なリアルさは、最前線の取材を基に迫真のドラマを作ろうというスタッフとキャストが生んだ素敵な要素です。

寺の鐘は弱く突けば小さく、強く突けば大きく響きます。同様に背景の描かれ方が濃密なだけに、決め台詞『私失敗しないので』も大きく深く響きます。未知子の徹底したプロ意識が投影された言葉が、観る者を痺れさせるのです。

「0.1%に事実が隠されている」

「99.9 -刑事専門弁護士- 」は深山大翔(松本潤)が主人公の法律系ドラマです。深山の飄々としつつも型破りな弁護スタイルや、ヤメ検弁護士佐田(香川照之)との掛け合いの妙も相俟って人気シリーズとなりました。

普段は親父ギャグを真顔で吐くような深山はこと弁護、とりわけ冤罪かも知れない案件なると恐ろしい執念を見せます。それは彼の父親の冤罪という過去の苦い経験から来ているのです。

深山は常に『99.9%有罪であっても0.1%がどうか確定しない限り事実とは言えない』と、揺るぎない信念を貫きます。

そこには一件たりとも冤罪を許さないという、人生を懸けた父の仇討ちなのです。そして「仇討ち」というともすればネガティブな行為に裏打ちされた「完璧を目指す弁護」というポジティブな昇華にこのドラマの魅力があります。

「表現の自由は、民主主義の根幹を成すものです」

リーガルハイはエキセントリックで自己中、でもなぜか魅力的な弁護士・古美門研介(堺雅人)が主人公の法廷ドラマです。

彼は声高に言います。今では一般人が批評家気取り、ネットの中なら何をしゃべってもいいと思っている!と。

一方別の件でこう言います。『表現の自由は民主主義の根幹をなすものです』。不満があるなら言論統制された独裁国家に行きなさい!と続けます。前者の真逆の発言です。

彼に特定の思想や価値観はなく、ある時は何でも表現することを否定し、ある時は表現の自由をしれーっと肯定し、玉虫色の弁舌で裁判を勝ち続けます。ディベートと同じで、当方の言い分が先方の言い分に勝つことが全てということです。

これはプロに徹した姿勢です。弁舌爽やかにまくしたてて、相手にぐうの音も出させない古美門弁護士の迫力はお見事です。

ドキドキする恋愛ドラマ名言集

恋愛ドラマの中での名言は感情移入して観ているとドキドキさせられるものです。そんなドキドキ名言を見ていきましょう。

「僕はプロの独身」

「逃げ恥ダンス」とともブームを呼んだドラマが「逃げるは恥だが役に立つ」です。津崎平匡(星野源)と契約結婚をする森山みくり(新垣結衣)という恋に不器用なふたりが展開する新タイプのラブストーリーは、多くの人の共感を得ました。

『僕はプロの独身』と高らかに宣言する平匡は、恋愛経験がないコンプレックスで心の壁を築き、好意を伝えようとするみくりを受け付けません。

これはみくりに好意を抱いている裏返しで、傷つくのが恐ろしいからです。みくりが考え出した戦略は、恋愛においての自信を持たせることでした。小さい成功体験を積み重ねるために形式の上での恋人関係というスタンスを発案します。

2人で決めたルールは『決められた日にハグをする』でした。平匡はこれで小さい成功を体験でき、結果的に自信がついていくことになるのです。

「告白は子供がすること、大人は誘惑する」

「カルテット」はまさに名言の宝庫と言えます。今の時代の生き方を巧みに表現した頷ける言葉が、たくさん散りばめられていました。

来生有朱(吉岡里帆)がさらりと披露する恋愛テクニックのひとつが『告白は子供がすることです。大人は誘惑してください。誘惑はまず人間を捨てることです』。怖いですね…しかも、この後に続く台詞がまた凄いのです。

「キスしたらダメですよ。いつキスしてもおかしくないその距離を作るのが女の仕事です。ペッドボトル一本分の距離を保ってください。女からキスしたら恋は生まれません」いやはやなんとも、切れ味鋭いアドバイスです。

「高嶺の花を羨むよりも足元の豆を拾え」

「高嶺の花」は華道の世界を舞台にしたドラマです。

月島もも(石原さとみ)の親友千秋(香里奈)はもものために、訳あって風間直人(峯田和伸)にハニートラップを仕掛けるも、逆に直人の優しさに触れて、だんだん好きになっていきます。

ある日二人でランチを食べている時に、直人の知り合いの原田が『高嶺の花を羨むよりも足元の豆を拾え』のことわざを通して、現実的な恋愛をせよと直人に諭しました。

千秋にすれば、ももが高嶺の花で自分が足元の豆に例えられ、大変心外に感じる場面がありました。このドラマは家元制度や三角関係などの要素が絡み合って進行します。

ただの恋愛ドラマではなく、それぞれにとっての「高嶺の花」とは何か?「足元の豆」の意味は何か?それを描いている人間ドラマとして観るのもまた味わい深い鑑賞の仕方でしょう。

人生の感動ドラマ名言集

感動的なドラマの中ではどのような名言が聞かれたでしょうか?素敵な名言を紹介します。

「普通の結婚は二人三脚。私たちの結婚はリレー」

「義母と娘のブルース」は、病で余命いくばくもない宮本良一(竹野内豊)が娘の行く末を案じ、信頼できる岩木亜希子(綾瀬はるか)に託すべく契約結婚であるプロポーズを申し出ます。

亜希子は仕事は鬼のようにできるがそれ以外は全く疎いので、たわいもない話ができる知人が皆無なのを寂しいと思っていました。だからプロポーズを受けて夫婦になり、良一の娘の義母になります。

良一の死後、亜希子は世間とズレながらも懸命に娘を育てます。そんなある日結婚の本当の理由を打ち明ける時が来ました。が、過去の想い出を振り返りながら語ると普通の恋人たちの結婚に思えてきます。

でも決定的に違うのが『普通の結婚は二人三脚。私たちの結婚はリレー』です。娘という大切なバトンを受け継ぎ、走り続けてきた亜希子の言葉に観る者は心を揺さぶられました。

「人生で本当に知りたいことはネットなんかに出てない」

「過保護のカホコ」はカホコ(高畑充希)と麦野君(竹内涼真)のアンバランスとギャップが面白く、また感動する場面も多々あった人気ドラマです。多くの名言を出したドラマでもあります。

カホコは超がつく箱入り娘で、世間知らずも甚だしい女子です。一方麦野君は複雑な家庭に育ち、それでも真っ直ぐに夢を持って大学に通う苦学生。付き合い始めはまぁ噛み合いません。

カホコは親が何でもしてくれるので、ひとりで何もすることができません。そして分からないことがあれば、何でもかんでもネットで検索して答えを求めようとする傾向にありました。

そんなあまちゃんであるカホコに業を煮やした麦野君は言います。『人生で本当に知りたいことはネットなんかに出てない』と。これにはカホコならずとも、多くの人が我が身を振り返りドキッとしたようです。

「別れが人を強くするということ」

「コードブルー」はシーズン3を数えた非常に完成度の高い医療系ドラマです。主人公の藍沢耕作(山下智久)を中心に、ドクターヘリで救急救命に携わるフライトドクターたちを描きます。

毎回のリアルで緻密なストーリーと、長いスパンではドクターたちの成長していく姿が見られます。

藍沢は幼少期に母親は自殺、父親は去り祖母に育てられました。祖母も高齢になり、介護施設への入所を決心しますが、何も恩返しできていなかった藍沢は一緒に暮らさないかと持ちかけます。

しかし気丈な祖母は自分が負担になると考え、頑として拒否します。藍沢は両親との別離を皮切りに、様々な別れを経験しました。

それを振り返り達観した藍沢の言葉が『ただ一つ確かなのは別れが人を強くするということだ』。悲哀を越えて未来を見つめる良い言葉です。

ランキング上位のあのドラマの名言

ドラマランキングの上位にくいこむ作品ではどんな名言が生まれているでしょう?そんな名言をいくつか見ていきましょう。

「俺があんたのバリアフリーになるよ」

ヒューマンドラマ「Beautiful Life ~ふたりでいた日々~」では沖島柊二(木村拓哉)が、難病に犯された車椅子の図書館司書町田杏子(常盤貴子)に告白した言葉に多くの人が涙しました。

かれこれ10年以上も車椅子生活を送ってきた杏子へ沖島は言います。『俺があんたのバリアフリーになるよ』と。放映された2000年当時、『バリアフリー』という単語の理解はさほど進んでいませんでした。

いまでは当たり前となっている公共施設のユニバーサルデザインも決して徹底されていなかった頃です。

そんな時代背景の中での高らかなる宣言は、深い愛と覚悟が伝わる言葉として人々の記憶に留められることでしょう。

「私は結構です。私は家族ではありませんので」

「家政婦のミタ」は謎めいた家政婦・三田灯(松嶋菜々子)の不思議なヒューマンドラマとして人気を博しました。

不幸な過去を持つ灯は、笑顔を捨てて生きていました。笑顔を人に向ける必要はなく、黙々とロボットのように仕事をすればいいと家政婦になったのです。赴任した家族は問題を抱え、心がバラバラでした。

最高のスキルで家事をこなす灯は、意に反して子供や父親の生き方にどんどん関わってしまいます。家族たちはこのミステリアスな家政婦に不思議な魅力と安心感を覚え、食事を一緒にしようと言います。

その時に灯が言い切った言葉が『私は結構です。私は家族ではありませんので』。

プロ意識というよりその家族を愛し始めているのに、関わることを許さないトラウマによって苦しむ灯の、万感を込めた不愛想な言葉として観る者の胸に響きました。

振り返れば胸が熱くなるドラマの名言

ドラマから学べる『人の心の動かし方』や『想像力を鍛える』ことを確認し、そのうえで実際の過去のドラマで生まれた数々の「名言」を、その背景とともに味わってきました。

時間がたつと、細かい設定やストーリーのディテールは忘れてしまいがちです。しかし心に刻まれた名言は、思い返せばその時の熱い感動とともに蘇ります。これからもそんな風に、ドラマを楽しみつつ人生を学んでいきましょう。

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