3点もの国宝指定作品をのこした『俵屋宗達』の代表作とは?

2019.11.25

尾形光琳と並び称される江戸時代初期の画家といえば、俵屋宗達です。生没年月日など、その生涯には不明な点も多いものの、現在3作品が国宝に指定されている他、俵屋宗達作品には重要文化財に指定されているものが数多く残っています。この記事では、そんな俵屋宗達の代表作についてご紹介します。

俵屋宗達とは

俵屋 宗達(たわらや そうたつ:生没年不詳)は、江戸時代初期に活躍した画家で、通称を野々村宗達といいます。

その活動に関する記録が少なく、詳細は分からないものの、京都で「俵屋」という絵画工房を営んでいたというのが定説です。そこでは、屏風絵や料紙の下絵など、紙製品全般の装飾を行っていたと推測されます。

また、当時の一流文化人とたくさんの交流を持っていたことが分かっており、俵屋宗達自身も一流の文化人として認められていたことが伺えます。

ただし、江戸時代後期から明治時代にかけては、同世代の尾形光琳の方が高く評価されており、そのことから多くの尾形光琳作品が海外に流出してしまいました。

没後に評価が高まった俵屋宗達

生前は尾形光琳の陰に隠れていた俵屋宗達ですが、1913年に開催された「俵屋宗達記念会」によって、評価が大きく変わります。

この時、俵屋宗達の絵が当時の若い画家達から絶賛されたことで、俵屋宗達に関する書籍が数多く出版され、世間でその評価が一気に高まります。こうした評価の高まりも受けて、風神雷神図などの代表作3件が国宝に指定されることになったのです。

国宝に指定された俵屋宗達の代表作

以下では、国宝に指定された俵屋宗達の代表作3つをご紹介します。

風神雷神図

17世紀前半に制作されたとする屏風図。風神と雷神をモチーフにした絵は現代に至るまで多くの画家によって描かれていますが、それらの中で最も有名なのが、俵屋宗達の作品です。

金箔、銀泥、墨などを用いて描かれたこの屏風図は色彩豊かに仕上がっており、その大画面の迫力もあって、観る者にインパクトを与えます。

また、生乾きの水墨の上から濃淡の異なる墨を含ませてにじみを作り出す「たらし込み」という技法が用いられているのも特徴です。

  • 京都国立博物館公式サイトで風神雷神図をチェック:こちら

蓮池水禽図

蓮池水禽図は1615年頃に制作されたと考えられています。白蓮の咲く池面と二羽の鳥がたらし込みの技術によって、質感豊かに表現されています。

  • 京都国立博物館公式サイトで蓮池水禽図をチェック:こちら

源氏物語関屋及び澪標図

17世紀初頭から前半に制作されたと考えられる屏風図です。タイトル通り、石山寺に赴く光源氏の一行が、上京途中の空蝉の一団と逢坂の関で偶然出会う場面を描いたものです。

京都市伏見区醍醐にある寺院、三宝院の依頼で描いたもので、現在は静嘉堂文庫に収蔵されています。

  • 静嘉堂文庫美術館公式サイトで源氏物語関屋及び澪標図をチェック:こちら

重要文化財に指定された俵屋宗達の作品

俵屋宗達の作品の中には、先ほどご紹介した国宝に指定された3作品の他にも、重要文化財に指定された作品が10件あります。

それらのなかで、風神雷神図や蓮池水禽図と共に京都国立博物館に収蔵されているのが「鶴図下絵和歌巻」と「牛図」です。

鶴図下絵和歌巻は複数の鶴のみを描いた作品ですが、鶴を描くのに使用されている金や銀の泥が、装飾絵としての芸術性を高めています。

牛図は、つなぎを解かれた牛によって、生物の自由な生き方を表現した作品です。たらし込みによって描かれた牛が非常に筋肉質で、猛々しさが感じられる作品に仕上がっています。作品の上部にある、歌人でもあった公卿「烏丸光広」による賛も必見です。

  • 京都国立博物館公式サイトで鶴図下絵和歌巻をチェック:こちら
  • 京都国立博物館公式サイトで牛図をチェック:こちら

国宝や重要文化財など、傑作揃い

俵屋宗達作品は、国宝や重要文化財に指定されたものが多数あり、まさに傑作揃いです。ほとんどの作品においてたらし込みの技術が使われており、モチーフの質感が見事に表現されています。

京都国立博物館には国宝と重要文化財の両方が収蔵されていますから、足を運び、間近でじっくりと鑑賞してみてはいかがでしょうか。

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