20代の杜氏が醸す酒『AKABU・赤武』。魅力と主力商品を紹介

2019.11.11

22歳だった若き杜氏が2014年に立ち上げた「AKABU(赤武)」は、わずか2年で全国新酒鑑評会金賞、SAKE COMPETITIONでGOLDを獲得するなど、今最も勢いがある銘柄の一つです。赤い兜が目印のAKABUとはどんな酒なのか。その魅力に迫ってみました。

大震災での蔵流失から甦り、生まれたAKABU

AKABU(赤武)で脚光を浴びている岩手の赤武酒造は、1896年(明治29年)に創業、代表銘柄「浜娘」を軸に地元で長く愛されてきた老舗蔵です。

2011年3月、三陸海岸沿いにあった酒蔵は大震災による津波に飲まれて流失。5代目蔵元の古舘秀峰さんはゼロからの出発を余儀なくされ、2年後の2013年に盛岡市内へ移転して蔵を再建しました。

そうした中、翌2014年に蔵へ戻って新銘柄AKABUを立ち上げたのが、東京農大や酒類総合研究所などで醸造を学んだ長男の龍之介さんでした。

学生時代に利き酒の全国チャンピオンに輝いたこともある龍之介さんは、持ち前の鋭敏な味覚と嗅覚も武器にしながら、全国最年少杜氏として理想の酒造りに邁進。「22歳の若さで大丈夫か?」と不安視する一部の声を尻目に年を追うごとに酒質を高め、以後数々の鑑評会やコンクールで賞を獲得し続けています。

そんな若き6代目蔵元が目指すのは、「きれいでフレッシュ、かつしっかりとした味のある酒」。原料米に「結の香」「吟ぎんが」などの岩手県産米を使用し、県が開発した酵母も積極的に取り入れるなど、AKABUは岩手を代表する地酒としての地歩を着々と固めています。

数々の賞に輝くAKABUの主力銘柄

まずは様々なコンクールで複数回の栄冠に輝いている、AKABUの代表的な銘柄をいくつかご紹介しましょう。

AKABU純米大吟醸 結の香

インターナショナルワインチャレンジ(IWC)2018でGOLD、SAKE COMPETITIONでは2018、2019と2年連続SILVERを受賞。食と合わせやすい上品な香りと、40%精米した地元産の酒造好適米「結の香」が生み出すふくらみのある旨味が特徴です。

AKABU純米吟醸

IWC2019でGOLD、SAKE COMPETITIONでは3度SILVERに輝いている純米吟醸は、岩手県産の酒造好適米「吟ぎんが」を使用した芳醇旨口。ほのかな香りと味わいの絶妙なバランスが持ち味で、ぜひワイングラスで楽しんでほしい逸品です。

AKABU純米酒

IWC2019でGOLD、2017年の岩手県清酒鑑評会と第1回Kura Masterで金賞を受賞。2千円台半ばのお手頃価格でありながら、スッと鼻を抜けていく爽やかな果実感ある香りと、柔らかな米の旨みが感じられるコスパの高い純米酒です。

日本酒新世代・AKABU EARTHシリーズ

次にご紹介するのは、進化する酒造りをテーマに取り組んでいる、新感覚のAKABU EARTHシリーズ三部作です。

AKABU SEA(シー)

透き通る青い海をイメージしたアルコール度数13度の純米原酒。原酒ならではの濃密な味わいの後に、ほのかなガス感が爽やかな後味を演出します。

AKABU AIR(エアー)

大空をイメージした空気のような日本酒がテーマの、度数12度の純米原酒。軽やかな飲み心地と柔らかな口当たりが持ち味です。

AKABU MOUNTAIN(マウンテン)

「奥行き深く…深く…」をテーマに、緑深く神秘的で壮大な山を表現した、度数14度の無ろ過純米酒。柑橘系を思わせる爽やかで控えめな香りが特徴です。

赤い兜のAKABUは赤丸急上昇の注目株

AKABUと言えば赤い兜が目印ですが、人目を引くこの斬新な意匠は、酒造り未経験だった若手従業員がデザインしたとのこと。20代の若き6台目蔵元が自ら杜氏となり、新感覚の日本酒を世に送り続けているAKABUから、これからも目が離せません。

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